最終更新日:2026-04-21
【監修】日本財務戦略センター(JFSC)シニア・コンサルタント
> M&A仲介業界への不信感が高まる背景には、①経験の浅い担当者の増加、②手数料を優先する利益相反の構造、③成約後のサポート不足という3つの根深い問題があります。本記事では、これらの問題を深掘りし、経営者が人生を賭けた決断で後悔しないために、本当に信頼できる専門家を見抜く具体的な方法を、実務の視点から徹底的に解説します。
▼ 結論(先に要点)
大手M&A仲介の担当者が「信頼できない」と言われる理由は4つに集約されます:①急成長による経験不足(上場大手3社のコンサルタント平均勤続年数 2.5〜3.5年)、②両手手数料による構造的利益相反(中小M&Aガイドライン第3版で禁止事項明記)、③高い離職率による責任の不在(業界平均20-30%)、④PMI軽視による成約後トラブル。中小企業庁は2025年1月に初の登録取消処分を実施し、特定事業者リストは125社登録(2025年4月時点)まで拡大しました。
はじめに:毎朝届くDMと、経営者の「不信感」
今朝も、あなたの会社のポストに見覚えのないM&A仲介会社からのダイレクトメール(DM)が届いていなかったでしょうか。かつては事業拡大の選択肢として期待を込めて開封されていたその封筒は、今や多くの経営者にとって「疲弊」や「不信感」の象徴に変わりつつあります。
後継者不足が深刻化する日本では、事業承継の有力な解決策としてM&Aの重要性が増しています。中小企業庁の調査によれば、2025年までに平均引退年齢である70歳を超える中小企業・小規模事業者の経営者は約245万人にのぼり、そのうち約半数の127万人が後継者未定とされています。[出典: 中小企業庁「中小企業・小規模事業者におけるM&Aの現状と課題」]
【2026年8月追記】その後の実測では、帝国データバンク「全国『後継者不在率』動向調査(2025年)」で後継者不在率は50.1%(前年比2.0ポイント低下・7年連続の改善)となり、官民の事業承継支援の広がりで改善傾向にあります。それでも中小企業に限れば51.2%と半数超が後継者不在のままで、事業承継ニーズの大きさそのものは変わっていません。
この社会的な需要を受け、M&A支援機関の数は急増しました。しかし、その一方で、SNSでは「危機感を煽るマーケティングに品がない」「手数料の話ばかりで、こちらの想いを聞いてくれない」といった悲痛な声が後を絶ちません。
なぜ、上場企業という立派な看板を掲げたM&A仲介会社でさえ、これほどまでに「信頼できない」と言われてしまうのでしょうか。その根源には、業界の急拡大が生んだ構造的な歪みが存在します。本稿ではその「闇」に光を当て、経営者の皆様が大切な会社を託す相手を正しく見極めるための羅針盤となることを目指します。
問題点1:経験不足の「急造コンサルタント」が抱える知識の欠如
「大手には、百戦錬磨のプロフェッショナルが集まっているはずだ」――そのイメージは、もはや過去のものかもしれません。
多くの大手M&A仲介会社は、事業の急拡大に対応するため、M&A実務未経験者を大量に採用し、数ヶ月の研修を経て現場に投入する採用モデルを確立しています。採用者の前職は、証券、銀行、不動産、メーカーといった異業種のトップセールスマンが中心です。彼らは営業力には長けているものの、M&Aという極めて専門的で複雑なプロセスを遂行するための知識や経験が決定的に不足しているケースが散見されます。
> M&Aとは? > M&Aは「Mergers(合併)and Acquisitions(買収)」の略称です。企業の合併や買収の総称で、会社の経営権を他社に譲渡したり、他社から譲り受けたりする経営手法を指します。
ある金属加工会社の社長が、面談に来た若手担当者にこう言って、わずか20分で席を立ったという話は象徴的です。
「兄ちゃんからは、インクと紙の匂いしかしない。俺たちが毎日嗅いでいる、現場の油の匂いがしねえんだよ」
財務諸表を読み解き、専門用語を並べることはできても、30年間守り抜いてきた事業の魂、つまり決算書には表れない無形の価値を理解できなければ、経営者の真のパートナーにはなれません。
【Experience:実務の視点から】 実務の現場では、財務諸表上の数字は理解していても、特定の業種に必須の許認可の重要性や、製造業における設備の特殊性、長年かけて築き上げた取引先との関係性といった「事業の勘所」を理解していない担当者に遭遇することがあります。結果として、企業価値評価(バリュエーション)が実態と乖離したり、買い手候補との交渉で守るべき一線を誤ったりするリスクが生じます。
中小企業庁登録 M&A 支援機関 3,394 社の公開手数料を機械整理。あなたの譲渡価格でレーマン方式手数料を試算し、客観データで比較できます。
問題点2:手数料優先が招く深刻な「利益相反」
M&A仲介業界が抱える最も根深い問題、それが「利益相反」の構造です。
> 利益相反とは? > 仲介者が自身の利益(手数料収入)を最大化しようとするあまり、依頼主である経営者(売り手様・買い手)の利益を損なう行動をとってしまう状況を指します。本来、依頼主の利益を最優先すべき立場にある専門家が、自己の利益を優先してしまう問題です。
多くの仲介会社は、M&Aが成約した際にのみ報酬が発生する「成功報酬型」の手数料体系(レーマン方式)を採用しています。この仕組み自体は合理的ですが、担当者に課せられた高いノルマと組み合わさることで、深刻な歪みを生み出します。
現在、国内のM&A成約件数は年間約4,000〜5,000件程度で推移しています。[出典: 株式会社レコフデータ] 一方で、M&Aアドバイザーの数は急増しており、一人の担当者が年間で成約できる案件は平均して1件程度という厳しい現実があります。この環境下で高いノルマを達成するためには、何としても目の前の案件を成約させなければなりません。
その結果、以下のような顧客不在の行動が引き起こされるのです。
- デメリットの隠蔽:買い手候補の財務状況に懸念があったり、事業との相性(シナジー)に疑問があったりしても、そのリスクを売り手様に十分に説明せず、成約を急がせる。
- 不当な条件での交渉強行:自社の決算期や担当者の成績確定時期に合わせるため、売り手様にとって不利な条件での契約締結を強引に推し進める。
近年、社会問題化した「吸血型M&A」の事例では、仲介担当者が買い手の悪評を知りながら「私を信じてください」と売り手様を説得し、結果的に売り手様法人の資産が不当に流出、元経営者には多額の個人保証債務だけが残るという悲劇が起きました。これは、手数料という目先の利益のために、専門家として果たすべき最低限の義務を放棄した典型例です。
【Expertise:専門家の解説】 中小企業庁が策定した「中小M&Aガイドライン」では、M&A専門業者に対して、依頼者の利益を最優先に行動する「フィデューシャリー・デューティー(受託者責任)」を遵守するよう求めています。これには、知り得たリスク情報を誠実に開示する義務も含まれます。手数料欲しさにこの大原則を破る行為は、プロフェッショナルとして決して許されるものではありません。
問題点3:高い離職率が引き起こす「責任の不在」
「年間成約1件」という厳しい競争環境は、業界の高い離職率にも繋がっています。一部の大手仲介会社では、年間で2割から3割もの営業担当者が入れ替わるとも言われています。この激しい人の出入りが、M&Aプロセスの随所で致命的な欠陥を生み出します。
- 重要情報の伝達ミス:担当者が途中で退職し、後任への引き継ぎが不十分だったために、交渉で合意したはずの重要な条件(例:従業員の雇用維持、役員退職金の額など)が最終契約書に反映されず、土壇場で大トラブルに発展する。
- 無責任な分業体制:アポイント獲得は経験の浅い若手やアルバイト、初回面談は別の担当者、実務はさらに別のチーム、というようにプロセスが細切れにされ、誰が最終的な責任者なのかが曖昧になる。
【Experience:案件事例として】 ある案件事例では、売り手様経営者が最も重要視していた「個人所有の事業用不動産を会社と一緒に売却し、個人の連帯保証を解除すること」が、担当者の退職による引き継ぎミスで買い手側に正確に伝わっていませんでした。最終契約の直前になって問題が発覚し、交渉は白紙に。経営者は多大な時間と精神的苦痛を被りました。
M&Aの仲介業務は、法律上「準委任契約」にあたり、専門家として「善良な管理者の注意義務(善管注意義務)」を負います。担当者が頻繁に入れ替わる組織体制では、この義務を全うすることが構造的に困難になると言わざるを得ません。
> 善管注意義務(ぜんかんちゅういぎむ)とは? > 「善良な管理者の注意義務」の略称。その職業や社会的地位にある者として、一般的に要求される水準の注意を払って業務を遂行する義務のことです。M&A仲介者には、専門家として高いレベルの注意義務が課せられます。
問題点4:成約後の地獄 ー 軽視される「PMI」の重要性
M&Aは、最終契約書に印鑑を押して終わりではありません。むしろ、そこからが本当の始まりです。しかし、成功報酬を得た仲介担当者の関心は、すでに次の新規案件に移っています。
多くの経営者がM&A後に直面する最大の試練が「PMI(Post Merger Integration)」の失敗です。
> PMI(ポスト・マージャー・インテグレーション)とは? > M&A成立後の「統合プロセス」を指します。経営方針、業務プロセス、人事制度、情報システム、そして最も難しいとされる「企業文化」などをすり合わせ、M&Aで期待した効果(シナジー)を最大化するための極めて重要な活動です。
成約を急ぐあまり、PMIの障壁となりうるリスクが十分に検討されないままディールが進むと、以下のような問題が噴出します。
- キーパーソンの大量離職:譲渡後、新しい経営方針や企業文化に馴染めず、事業の要であった工場長やトップ営業マンが次々と辞めてしまい、事業価値が大きく毀損する。
- 隠れた債務の発覚:買収監査(デューデリジェンス(DD))が不十分で、帳簿に載らない偶発債務(例:未払残業代、訴訟リスクなど)が譲渡後に発覚し、買い手との間で深刻な紛争に発展する。
- 土壇場での理不尽な値引き要求:最終契約の直前に、買い手が些細なリスクを盾に「3,000万円値引きしてくれなければ契約しない」といった強硬な交渉を仕掛けてくる。仲介者が売り手様の側に立って毅然と交渉できないケースも少なくありません。
仲介会社の仕事は、あくまで成約(手数料発生)まで。その後の「結婚生活」であるPMIで経営者がどれほど苦しもうと、彼らは知らん顔で次のアポイント獲得の電話をかけ続けているのです。これこそが、多くの経営者が抱く不信感の正体と言えるでしょう。
後悔しないために:信頼できる専門家を見抜く「5つの質問」と「3つの視点」
では、どうすれば玉石混交のM&Aアドバイザーの中から、本当に信頼できるパートナーを見つけ出せるのでしょうか。次回の面談時、あるいは今すぐ、担当者に以下の質問を投げかけてみてください。その応答に、相手の本質が表れます。
【信頼度チェック:5つの魔法の質問】
1. 「過去に、お客様に『今は売却を中止すべきだ』と進言した事例はありますか?その理由も教えてください」
- 質問の意図:本当に顧客の利益を最優先に考えているかを確認します。成約だけが目的の担当者は「中止」という選択肢を提示できません。誠実なアドバイザーは、タイミングや条件が悪いと判断すれば、勇気をもって「待つべき」と助言できるはずです。
2. 「貴社が仲介した案件で、買い手企業の『買収後の状況(PMIの成功・失敗事例)』を具体的に把握していますか?」
- 質問の意図:成約後のPMIまで見据えた長期的な視点を持っているかを探ります。過去の成功事例だけでなく、失敗事例から何を学び、次の案件にどう活かしているかを具体的に語れる担当者は信頼に値します。
3. 「経営者の個人保証(連帯保証)を解除できなかった場合の、具体的なリカバリープランはありますか?」
- 質問の意図:経営者個人にとって最大のリスクである「個人保証の解除」に対する執着度と交渉力を測ります。金融機関との交渉ノウハウや、万が一解除できなかった場合の代替案(例:保証期間の設定、上限額の設定など)を具体的に提示できるかがポイントです。
4. 「DD(買収監査)の際、買い手から過度な資料要求や一方的な主張があった場合、私たちの側に立って交渉してくれますか?」
- 質問の意図:売り手様の代理人としての交渉力と当事者意識を確認します。DDは買い手が優位に立ちやすいプロセスですが、そこで売り手様を守る防波堤になれるかが、仲介者の価値を決めます。
> DD(デューデリジェンス)とは? > 「買収監査」とも呼ばれます。買い手候補が、売り手様企業の財務、税務、法務、事業内容などを弁護士や会計士等の専門家を交えて詳細に調査し、企業価値や潜在的なリスクを洗い出す極めて重要なプロセスです。
5. 「万が一、あなたが担当の途中で退職された場合、誰が、どのように最後まで責任を持ってくれるのですか?」
- 質問の意図:担当者個人の能力だけでなく、組織としての責任体制を確認します。明確な後任担当者の選定プロセスや、情報共有の仕組み、会社としてのバックアップ体制について淀みなく答えられない場合は要注意です。
【専門家選び:3つの重要視点】
質問と合わせて、以下の3つの視点からも相手を評価しましょう。
1. 料金体系の透明性 成功報酬の料率(レーマン方式のテーブル)だけでなく、着手金や中間報酬の有無、最低報酬額、そして「いつ」「何を基準に」報酬が発生するのかを契約前に書面で明確に説明してくれるかを確認しましょう。
2. 専門分野と外部ネットワーク 自社の業種や事業規模に対する深い知見があるかは極めて重要です。また、M&Aは法務・税務・労務など多岐にわたる専門知識を要するため、必要に応じて信頼できる弁護士や税理士、司法書士と連携できるネットワークを持っているかも確認すべきです。
3. 人間としての相性 最終的には、一人の人間として信頼できるか、という点が最も重要です。あなたの会社の歴史や従業員への想いに真摯に耳を傾け、リスペクトを示してくれるか。人生の大きな決断を、この人に任せたいと心から思えるか。その直感を大切にしてください。
結論:看板の大きさではなく、一人の専門家としての「誠実さ」で選ぶ
「業界No.1」「最短3ヶ月でのスピード成約」――。これらのキャッチーな言葉は、仲介会社が効率よく手数料を稼ぐためのマーケティング戦略に過ぎません。
本来、M&Aは極めて「面倒くさい」ものです。緻密な資料作成、泥臭い条件交渉、そして経営者同士の感情の機微を読み解く繊細さ。それを「シンプル、迅速」と謳うこと自体が、重要なプロセスを軽視していることの裏返しとも言えます。
M&Aの成否を分けるのは、会社の看板の大きさや知名度ではありません。
- 専門用語を振りかざすのではなく、あなたの会社の現場の苦労に寄り添えるか。
- 成約間近で不安に震えるあなたの手を見て、「社長、今はやめましょう」と、自らの利益を捨ててでも言える勇気があるか。
- 会社を譲渡した後の、あなたの「静かすぎる朝」に、共に寄り添ってくれる人間か。
後悔しない選択のために、どうか看板を剥がした「一人の専門家としてのレベル」を厳しく見極めてください。
もしあなたが今、依頼している仲介担当者の対応に少しでも「違和感」を覚えているなら、その直感を決して無視せず、下記のような公的な窓口に相談することも有効な手段です。
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公的な相談窓口と業界団体
■ 不適切な行為を国に報告・相談したい場合
- M&A支援機関登録制度 事務局(中小企業庁)
- 特徴:国が定めた「中小M&Aガイドライン」に違反するような不適切な仲介行為に関する情報提供窓口です。「手数料が不透明」「リスクを隠された」といった具体的なトラブルに直面した場合に活用できます。
■ まずは中立な立場で相談したい場合
- 事業承継・引継ぎ支援センター(中小企業庁管轄)
- 特徴:全国47都道府県に設置された公的相談窓口。M&A仲介会社に相談する前に、まずは中立・公正な立場で専門家のアドバイスを受けたい場合に最適です。
■ 業界の自主ルールを確認したい場合
- 一般社団法人 M&A仲介協会(M&A 支援機関協会)
- 特徴:業界の健全な発展を目指す主要団体の一つ。倫理規程や自主規制ルールを定めており、担当者の行動が業界標準に照らして適切かを確認する際の参考になります。
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私たち、日本財務戦略センター(JFSC)のスタンス
最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。私たちがここまで業界の課題を率直にお伝えしたのは、「件数」や「効率」のみを追求するビジネスモデルとは明確に一線を画すという決意の表れです。
私たちが実務において絶対的な信条として遵守しているのは、以下の3点です。
1. 現場への深い理解と尊重 私たちは、決算書上の数字(償却前利益(EBITDA)等)だけで会社の価値を判断しません。その会社が長年かけて築き上げてきた企業文化、技術力、そして現場で働く従業員の皆様の想いを深く理解した上で、最良のパートナー候補を検討します。
2. リスクを直視したDDとPMIへのコミットメント 成約を急ぐあまり、リスクに蓋をすることは決してありません。買収監査(DD)で発見された課題は、売り手様・買い手双方に誠実に共有し、成約後の統合プロセス(PMI)を見据えた現実的な解決策を共に模索します。
3. 一貫した担当者による最後まで責任を持つ姿勢 私たちの会社では、案件の途中で担当者が入れ替わるような無責任な体制はとりません。最初のご相談から最終契約、そして成約後のフォローアップに至るまで、一人のコンサルタントが責任を持って真摯に寄り添うことをお約束します。
もし、現在のM&Aの進め方に少しでも疑問や不安を感じていたり、客観的なセカンドオピニオンが必要だと感じられたりした際には、いつでも私たちにお声がけください。私たちは看板の大きさではなく、一人の実務家として、誠実に事実と向き合います。
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【免責事項】 本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別案件の法務・税務等に関する最終的な判断は、弁護士・税理士・公認会計士等の各分野の専門家にご相談の上、ご自身の責任において行ってください。
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免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の案件における法務・税務・会計判断を提供するものではありません。個別案件のご相談は、弁護士・税理士・公認会計士等の専門家にご確認ください。記載内容は公開時点の情報に基づきます。
最終更新日: 2026-04-21
📊 関連検証記事:大手担当者の高インセンティブ構造を有報・IRから検証(「信頼できない」と感じる理由の数字的裏付け)
よくあるご質問(M&A仲介の闇 7論点)
Q1. 大手M&A仲介と中小仲介、担当者品質はどう違いますか?
上場大手3社のコンサルタント平均勤続年数は2.5〜3.5年(日本M&Aセンター3.5年・M&Aキャピタルパートナーズ2.9年・ストライク2.5年)です。日本M&Aセンターは2025年3月期で120名の新規採用計画を公表しており、業界成長による人材争奪と急速な体制拡大の影響で、新入社員比率が高く実務経験を積む前に独立案件を担当するケースが少なくありません。一方、中小M&A仲介は1案件あたりの担当年数が長く、業種特化・地域特化の専門性で対応する傾向があります。出典:日本M&Aセンター採用サイト
Q2. 大手M&A仲介の利益相反リスクは具体的に何ですか?
「両手手数料」(売り手・買い手双方から報酬を受け取る仲介方式)が構造的利益相反の典型です。中小M&Aガイドライン第3版(2024年8月)では、買い手からの追加手数料受領や買い手便宜供与、不当に低額な譲渡価額への誘導、リピーター依頼者の優遇を禁止事項として明記しています。仲介契約締結前に「相手方の手数料算定基準」の開示が義務化されました。FA(Financial Advisor)契約は売り手または買い手の一方のみに委任するため、構造的利益相反リスクを排除できます。出典:中小M&Aガイドライン第3版
Q3. 担当者の信頼性を見極めるチェックポイントは何ですか?
中小M&Aガイドライン第3版の支援機関選定基準として、①手数料詳細・提供業務、②担当者の資格・経験年数・成約実績、③公認会計士・税理士・弁護士の関与有無、④利益相反開示の透明性、の4点を契約前に書面で確認すべきです。中小企業庁M&A支援機関登録制度のデータベースでは、機関種別(専門業者/金融機関等)・開始時期・専従者数・手数料算定基準を検索可能です。M&Aエキスパート資格(基本:金融業務2級、上級:3日養成講座+認定試験)の保有状況も判断材料になります。
Q4. DD(デューデリジェンス)減額されないために、売り手が事前に準備すべき書類は?
①基本資料:定款・株主名簿・商業登記簿・許認可、②財務:直近3〜5年決算書・税務申告書・修正申告履歴・銀行残高証明・売掛明細、③ビジネス:事業計画書・顧客契約一覧・営業議事録・仕入先リスト、④人事:過去5年分給与台帳・残業代履歴です。実例として、5億円売却予定の案件で労務DDにより未払い残業代2,500万円が発覚し価格引き下げ交渉となったケースがあります。事前のセルフDD費用(会計士・税理士で数十万〜100万円)は、本番DDでの数百万〜数千万円の減額防止に直結します。出典:中小M&Aガイドライン
Q5. 大手担当者の「契約まで進めましょう」攻勢にどう対応すべきですか?
Q6. 大手M&A仲介で起きた実際の不正・トラブル事例は?
2025年1月24日、M&A DX社が中小M&A支援機関登録制度開始以来初の登録取消処分を受けました(中小企業庁)。「不適切な買い手と認識しながら、複数の譲渡希望者に紹介してM&Aを成立させた」ことが理由です。ルシアンホールディングス事件(2024〜2025年)では2年間で37社を買収し、買収後の資金抜き取り・経営者保証未解除のまま資産流出・給与未払いで11社が営業停止、5社が倒産しました。中小企業庁の特定事業者リストは2025年4月15日時点で125社登録(最低10年継続)まで拡大し、不正競争防止法違反・対価不払い・経営者保証未解除等が登録事由として公開されています。出典:M&A支援機関協会 特定事業者リスト
Q7. 大手じゃなく中小M&A仲介を選ぶ判断軸は何ですか?
判断軸は4つ:①報酬制度(完全成功報酬制で着手金・中間金ゼロが理想、大手は最低手数料500〜2,500万円が標準)、②利益相反開示(「双方代理」の有無を重要事項説明書で確認、「片手制」明示の事業者を優先)、③専属担当の安定性(離職率の低い小規模事業者は1案件あたりの担当年数が長い)、④登録制度認定(2024年から手数料公表義務化、2025年から実績報告内容充実化)。ただし登録の有無だけで判断せず、複数社見積比較・書面交付による重要事項説明を必ず求めることが大切です。出典:中小企業庁 M&A支援機関登録制度
▶ 関連:M&A仲介コンサルタントの「年収2,000万超」と「高い手数料」——有報・IRデータで2つの疑惑を検証する
【付録】M&A 支援機関協会 正会員一覧と苦情・通報窓口(2026年5月13日現在|クリックで展開)
本付録は、M&A 業界の自主規制機関である M&A 支援機関協会(旧 M&A 仲介協会)の正会員 231 社、および苦情・通報窓口の一覧です。
出典:M&A 支援機関協会公式サイト(2026年5月13日現在)。
特定事業者リスト閲覧資格保有 118 社
業界の自浄作用に積極参加し、不適切な譲り受け側事業者情報を協会内で共有する「特定事業者リスト」の閲覧資格を持つ M&A 支援機関協会 会員 118 社です(弊社・株式会社日本財務戦略センターも本リストに含まれます)。
| ABNアドバイザーズ株式会社 | AIdeaM&AAdvisory株式会社 | Byside株式会社 | CTF株式会社 |
| DANコンサルティング株式会社 | Enimprovement栄合同会社 | LINK株式会社 | M&ALead株式会社 |
| M&Aキャピタルパートナーズ株式会社 | M&Aロイヤルアドバイザリー株式会社 | NBR合同会社 | NKGRコンサルティング株式会社 |
| NOBUNAGAサクセション株式会社 | S&G株式会社 | SBI辻・本郷M&A株式会社 | TSUNAGU株式会社 |
| あがたグローバルコンサルティング株式会社 | かえでファイナンシャルアドバイザリー株式会社 | かがやきM&A株式会社 | ひまわりパートナーズ株式会社 |
| みさわ財産コンサルティング株式会社 | みつきコンサルティング株式会社 | みらいアーク株式会社 | アイアールアイM&Aコンサルティング株式会社 |
| アカツキパートナーズ株式会社 | アクタスコンサルティング株式会社 | インクグロウ株式会社 | インテグループ株式会社 |
| エムレイス株式会社 | オリックス株式会社 | クレジオ・パートナーズ株式会社 | グローウィン・パートナーズ株式会社 |
| グローバリューパートナーズ株式会社 | ジャパンM&Aソリューション株式会社 | セレンディップ・フィナンシャルサービス株式会社 | ビジネスサクセション株式会社 |
| ビズキューブ・コンサルティング株式会社 | ファイブ・アンド・ミライアソシエイツ株式会社 | ブティックス株式会社 | ブルーバード合同会社 |
| 三菱地所リアルエステートサービス株式会社 | 中之島キャピタル株式会社 | 九州M&Aアドバイザーズ株式会社 | 合同会社アジュール総合研究所 |
| 名南M&A株式会社 | 有限会社インレット | 有限会社長野県M&Aセンター | 株式会社ACN経営研究所 |
| 株式会社AGSコンサルティング | 株式会社CBヘルスケア | 株式会社CCイノベーション | 株式会社CINCCapital |
| 株式会社LifeHack | 株式会社M&AProperties | 株式会社M&Aエグゼクティブパートナーズ | 株式会社M&Aクラウド |
| 株式会社M&Aグローバルキャピタル | 株式会社M&Aコンサルティング | 株式会社M&Aフォース | 株式会社M&Aプライムグループ |
| 株式会社M&Aベストパートナーズ | 株式会社M&A会計ファイナンス | 株式会社M&A承継機構 | 株式会社M&A総合研究所 |
| 株式会社MJSM&Aパートナーズ | 株式会社NEWOLDCAPITAL | 株式会社OAGコンサルティング | 株式会社SECURITYBRIDGE |
| 株式会社Ssimaキャピタル | 株式会社TBC | 株式会社WealthLead | 株式会社fundbook |
| 株式会社さかい経営センター | 株式会社たすきコンサルティング | 株式会社みどり未来パートナーズ | 株式会社みらい共創アドバイザリー |
| 株式会社アシブネ | 株式会社ウィット | 株式会社ウィルゲート | 株式会社エグゼブリッジ |
| 株式会社オンデック | 株式会社サスガキャピタルパートナー | 株式会社シードアドバイザリー | 株式会社ストライク |
| 株式会社スリーエスコンサルティング | 株式会社ネクストM&Aパートナーズ | 株式会社ハレバレ | 株式会社バトンズ |
| 株式会社ヒルストン | 株式会社フォーバル | 株式会社プレックス | 株式会社マネジメント・スタッフ |
| 株式会社メディカル・アドバイザーズ | 株式会社ユニコン | 株式会社ユーザーサービス | 株式会社レコフ |
| 株式会社三井住友銀行 | 株式会社三菱UFJ銀行 | 株式会社事業承継パートナーズ | 株式会社事業承継通信社 |
| 株式会社佐賀銀行 | 株式会社倉富佐原M&A事務所 | 株式会社北海道総合経営研究所 | 株式会社大垣共立銀行 |
| 株式会社日光コンサルティング | 株式会社日本M&Aセンター | 株式会社日本提携支援 | 株式会社日本経営 |
| 株式会社日本財務戦略センター | 株式会社日税経営情報センター | 株式会社矢橋コンサルティング | 株式会社経営承継支援 |
| 株式会社船井総研あがたFAS | 株式会社諸井会計 | 株式会社青山財産ネットワークス | 株式会社HCフィナンシャル・アドバイザー |
| 瀬戸内FAS株式会社 | 総合メディカル株式会社 |
M&A 支援機関協会 正会員 113 社
正会員として M&A 支援機関協会に加盟する 113 社です。
| AggregatorJapan株式会社 | FrontierM&APartners株式会社 | Kingsmancapitalpartners株式会社 | RSM汐留パートナーズ株式会社 |
| あおもり創生パートナーズ株式会社 | いわぎんリサーチ&コンサルティング株式会社 | さくら経営支援株式会社 | しんせい事業承継株式会社 |
| まごころM&Aパートナーズ株式会社 | アアクスグループ株式会社 | アエリアコンサルティング株式会社 | アドバンスト・ビジネス・ダイレクションズ株式会社 |
| アナタの財務部長合同会社 | ウーファ合同会社 | エヌ・シー・アドバイザリー合同会社 | エベレディア株式会社 |
| クレアスト株式会社 | シンプルフォーム株式会社 | タツノコ資産形成株式会社 | ニューアイランド株式会社 |
| バリューフォース合同会社 | ビズリンク・アドバイザリー株式会社 | フジマキ・マネジメントサポート株式会社 | 丈安株式会社 |
| 三井住友海上火災保険株式会社 | 不動産M&Aパートナーズ株式会社 | 合同会社ACE | 合同会社FPCAccounting |
| 合同会社SGコンサルティング | 合同会社はやせ | 合同会社アシストプラス | 大光キャピタル&コンサルティング株式会社 |
| 山田事業承継・M&A株式会社 | 有限会社マリーンビジネスサポート | 有限会社後藤会計事務所 | 東京海上日動火災保険株式会社 |
| 東急リバブル株式会社 | 株式会社BOOTHSwin | 株式会社DEPS | 株式会社EMA |
| 株式会社ESPERANZA | 株式会社GAINC | 株式会社GH | 株式会社INTRANCE |
| 株式会社ISTコンサルティング | 株式会社LeapalTechnologies | 株式会社M&ACrosstie | 株式会社M&Aクオリティ |
| 株式会社M&Aディレクションズ | 株式会社M&Aパートナーズ | 株式会社MAS | 株式会社NSSマネジメントサービス |
| 株式会社PMGMAPartners | 株式会社TKC | 株式会社TSKプランニング | 株式会社VentureForward |
| 株式会社YMFGグロースパートナーズ | 株式会社おかやま創研コンサルティング | 株式会社おきぎんサクセスパートナーズ | 株式会社おきなわアセットブリッジ |
| 株式会社さくら優和コンサルタント | 株式会社さくら総合M&Aセンター | 株式会社せいのFP事務所 | 株式会社みどり財産コンサルタンツ |
| 株式会社ウナ | 株式会社エムステージマネジメントソリューションズ | 株式会社エンマンサポート | 株式会社ジーケーパートナーズ |
| 株式会社ステラ | 株式会社タス | 株式会社タスクフォース | 株式会社トマック |
| 株式会社トレスボ | 株式会社ノジマ | 株式会社ビズハブ | 株式会社フォーナレッジ |
| 株式会社プレアス | 株式会社マイナビM&A | 株式会社ミッドランド経営 | 株式会社ライトライト |
| 株式会社リガーレ | 株式会社レコフデータ | 株式会社三十三銀行 | 株式会社三友システムアプレイザル |
| 株式会社三菱UFJ銀行 | 株式会社企業経営支援機構 | 株式会社企業評価総合研究所 | 株式会社北日本銀行 |
| 株式会社南日本銀行 | 株式会社大澤都市開発 | 株式会社山田エスクロー信託 | 株式会社岡山M&Aセンター |
| 株式会社常陽銀行 | 株式会社新潟事業承継パートナー | 株式会社日本PMIコンサルティング | 株式会社日本投資ファンド |
| 株式会社日本資産総研 | 株式会社朝日信託 | 株式会社未来を創る | 株式会社東京アライアンスアドバイザリー |
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※本リストは 2026年5月13日現在の情報です。最新は M&A 支援機関協会 会員一覧 および 特定事業者リスト をご参照ください。
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本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の案件における法務・税務・会計判断を提供するものではありません。法務・税務・会計の個別判断は、弁護士・税理士・公認会計士等の専門家にご相談ください。M&Aのスキーム設計・タイミング・買い手探し等のアドバイザリーは、株式会社日本財務戦略センターにご相談ください。記載内容は公開時点の情報に基づき、法令改正や市場変動により最新の状況と異なる場合があります。
よくあるご質問(FAQ)
📅 本記事の情報基準日
本記事は 2026年1月14日 公開時点の情報に基づきます。税制・法令等は改正される場合があるため、最新の制度・税制は公的機関の公式情報をご確認ください。
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