3行まとめ
- 2024〜2025年にかけて、M&A仲介業界の営業スタイルが構造的に転換しています。日本郵便の2024年10月料金改定(定形郵便物 84円→110円、約31%値上げ)、中小M&Aガイドライン第3版(2024年8月30日改訂)における迷惑勧誘禁止の明文化、そしてSNS上のレピュテーション拡散——この三重圧力が、長らく業界の主軸であった大量ダイレクトメール(DM)・テレアポ型の「プッシュ型」営業を縮退させ始めました。
- 上場大手仲介4社(日本M&Aセンターホールディングス・株式会社M&A総合研究所・株式会社ストライク・名南M&A)の2024〜2025年IRは、勝ち組と苦戦組の分岐が「金融機関等を起点とした紹介ネットワーク依存度」と「デジタル基盤・AIマッチング活用度」にあることを示しています。日本M&Aセンターホールディングスは金融機関経由紹介が全案件の約63%を占め、2026年3月期第1四半期は純利益が前年同期比74%増となりました(IR資料によれば)。一方、株式会社M&A総合研究所は2025年9月期に創業来初の仲介事業減収減益を記録し、名南M&Aは赤字転落しています。
- 金融庁は2024年8月30日付で監督指針を改正し、地域金融機関のM&A・統合プロセス(PMI)支援を着眼点に明記。2025年12月には地域金融力強化プランを公表しました。本記事は、特定企業の批判ではなく業界全体の構造変化として現状を整理し、売り手オーナーが「プッシュされてきた先」ではなく「自ら選んだ専門家ルート」で相談先を見極めるための判断軸を提示します。
はじめに——「DMの大幅削減」報道を構造論として読み直す
2023年11月、ある経済誌(東洋経済オンライン)の報道で、大手M&A仲介会社の一社がダイレクトメール営業を大幅に削減した、という趣旨の記事が話題を集めました。報道によれば、大量に発送していた営業DMの枚数を絞り込み、別の営業手法へ重心を移しているとされています。なお、削減比率や削減枚数の具体的な数値は当該社のIR公開情報からは確認できておらず、本記事では「報道によれば」という限定表現にとどめます。
本記事の主眼は、特定企業の評価ではありません。むしろ、この報道を一つの象徴として、業界全体に同時並行で進む営業スタイルの構造転換を、コスト・規制・レピュテーション・各社IRという4つの軸から整理し、売り手オーナーが「相談先をどう選ぶか」の判断軸を提示することにあります。
株式会社 日本財務戦略センター(中小企業庁 M&A 支援機関 登録、一般社団法人 M&A 支援機関協会 正会員、以下「JFSC」)は、長年にわたり中小企業オーナーの事業承継・M&Aを支援してまいりました。本稿の内容は、公表されている一次ソース(経済産業省・中小企業庁・金融庁・日本郵便・各社IR・主要経済紙報道等)に基づく公開情報の整理です。
1. 営業スタイル転換を生んだ「三重圧力」の構造
1-1. コスト圧力——郵便料金 約31%値上げが直接打撃
日本郵便は2024年10月1日、郵便料金を改定しました。中心となる定形郵便物(25g以下)は84円から110円へ、約31%の引き上げです。法人による大量DM施策にとって、この変動は単純なコスト増を意味します。
仮に月10万通のDMを発送している場合、改定前は8,400,000円だった郵送料が、改定後は11,000,000円となります。これに加え、印刷費、データ取得・名寄せ費用、封入封緘・宛名出力委託費、リスト購入費などが上乗せされ、トータルの営業コストはさらに膨らみます。
大量DMを基本戦略としてきた仲介各社にとって、施策の費用対効果を再点検せざるを得ない構造変化が起きたことは、業界共通の認識といえます。
1-2. 規制圧力——中小M&Aガイドライン第3版が「迷惑勧誘」を明示禁止
経済産業省・中小企業庁は2024年8月30日、「中小M&Aガイドライン」を第3版に改訂しました。同改訂では、不適切な営業行為として、以下の類型が明示的に禁止項目として整理されています。
- 停止意思を表示した事業者に対する継続的な勧誘
- 仲介者の名称や勧誘目的を告げない営業
- 即時の判断を迫る営業
- 虚偽または事実誤認を招く広告・宣伝
これらは従来から事業者として慎むべき行為とされていましたが、ガイドラインで類型として明文化されたことの意味は大きく、遵守状況がM&A支援機関登録制度の継続要件・自主規制の判断軸として機能する段階に入ったといえます。
さらに2025年8月、中小企業庁は「中小M&A市場改革プラン(中間とりまとめ)」を公表しました。背景には、市場拡大に伴う支援の質の低下、不適切な譲り受け側による経営者保証未解除事案などへの問題意識があります。一般社団法人 M&A 支援機関協会は、過剰な営業の禁止やコンプライアンス遵守体制の構築を含む自主規制を整備しました。
1-3. 個人情報保護法上の論点——停止意思後のDM継続リスク
個人情報保護法の枠組みでは、DM停止の意思表示をした顧客の個人データは、利用停止・消去義務の対象となり得ると整理されています(個人情報保護委員会のQ&Aによる)。停止意思表示後の継続送付は、個人情報保護法上の違反リスクに加え、上記ガイドライン第3版にも抵触する可能性があるため、適法性・適正性双方の観点から控えるべき行為と理解されています。
具体的な法令適用の判断は事案ごとに異なるため、個別の対応については弁護士・司法書士・税理士等の専門家にご相談ください。
1-4. レピュテーション圧力——SNS時代の「即時拡散」
X(旧Twitter)やInstagramといったSNSの普及により、不適切な営業手法に対する経営者の不満は、即時に可視化される時代となりました。「同じような封筒が毎週届く」「断っても担当を変えてかけ直してくる」といった声がSNS上に蓄積されると、特定の個社ブランドだけでなく業界全体への不信感を醸成しかねません。
レピュテーションリスクは定量化が難しい一方、信用ビジネスである仲介業にとって看過できない経営課題です。コスト・規制と並ぶ第3の圧力として、戦略転換の不可避性を一段と高めています。
中小企業庁登録 M&A 支援機関 3,394 社の公開手数料を機械整理。あなたの譲渡価格でレーマン方式手数料を試算し、客観データで比較できます。
2. 上場大手4社のIRが示す業績格差と営業構造の変化
ホールディングス
総合研究所
2-1. 日本M&Aセンターホールディングス——金融機関ネットワーク優位
日本M&Aセンターホールディングスの統合報告書2025およびIR資料によれば、同社は地方銀行・信用金庫等の金融機関ネットワークをほぼ全国で構築しており、提携会計事務所等は1,072事務所に及びます。2026年3月期第1四半期(2025年4〜6月)は成約件数11%増の212件、純利益が前年同期比74%増と好調でした(日本経済新聞 2025年8月報道による)。
注目すべきは、同社の成約案件のうち、金融機関経由の紹介が全体の約63%を占めるとされている点です。これは、案件発掘の主要チャネルが金融機関ネットワーク——すなわち外部のプロフェッショナルからの紹介——に置かれていることを意味します。プッシュ型のDM・テレアポではなく、専門家経由の「プル型」接点が収益基盤の中核として機能している構造です。
2-2. 株式会社ストライク——2期ぶり最高益見通しの背景
株式会社ストライクのIR資料によれば、2026年9月期は前期比32.5%増の営業利益84億円を見込み、2期ぶりに過去最高益を更新する予想を発表しています。直近四半期では成約件数の増加傾向が報告されており、業績は回復・拡大局面にあります。
同社の営業戦略の詳細な比率(DM・テレアポ・紹介・Web等)はIR資料には個別開示されていませんが、報道によれば営業手法の多様化を進めているとされています。本記事冒頭で触れた「DM大幅削減」報道は、こうした多様化の一断面として位置付けることができます。
2-3. 株式会社M&A総合研究所——AIマッチング戦略と成約率の課題
株式会社M&A総合研究所のIR資料および関連報道によれば、同社は2025年9月期に創業来初の仲介事業減収減益を記録しました。要因として「成約率の回復が遅れたこと」を挙げています。
同社はAIマッチング・Salesforce導入による業務効率化に積極投資しており、デジタル基盤を競争優位の中核に据える戦略を採っています。ただし、AIマッチングが成約率にどの程度の定量的貢献を果たしているかについては、IR公開情報からは確認できておらず、本稿では「活用している」程度の表現にとどめます。
2-4. 名南M&A——赤字転落と業績格差の拡大
名南M&Aは2025年9月期に連結最終損益が約2,400万円の赤字となり、当初の黒字予想から一転しました(日本経済新聞 2025年9月報道による)。仲介案件の不調が主因とされています。
このように、上場大手の中でも業績格差が拡大している状況は、営業構造の変化に対する各社の対応速度・依存度の違いが業績の分岐点となっていることを示唆します。紹介ネットワーク・デジタル基盤・地域金融機関連携など、各社が選んだ重点軸の妥当性が、いま市場で問われている局面といえるでしょう。
3. 規制環境の整備加速——中小企業庁・金融庁の同時並行アプローチ
3-1. M&A支援機関登録制度——3,089件の登録と手数料体系公表義務化
中小企業庁が運用するM&A支援機関登録制度は、2025年11月20日時点で登録機関数が3,089件(法人2,375件・個人事業主714件)に達しています。2024年8月以降、手数料体系の公表が登録要件として義務化され、2,618件が公表を開始しました。
この制度は、売り手オーナーが相談先を選定する際の客観的な指標として機能します。登録の有無、手数料体系の透明性、過去の注意発出歴などを中小企業庁の公表ページから直接確認することができ、これだけでも一定のリスクスクリーニングが可能です。
3-2. 不適切業者への注意発出と登録取消事例
中小M&A市場改革プラン(中間とりまとめ)によれば、中小企業庁は2024年10月に15社、2025年1月に6社の登録M&A支援機関に注意を発出しました。さらに同時期、1社(M&ADX社)について登録の取消し・氏名公表がなされています。
背景には、不適切な譲り受け側が売り手から資金を吸い上げ、経営者保証を解除しないまま負債を残して連絡を絶つ、といった問題事案が確認されたことがあります。市場の急速な拡大が支援の質を希薄化させた——という中小企業庁の問題意識は、検討会資料の中で明確に語られています。
3-3. 金融庁監督指針改正——地域金融機関のM&A支援を着眼点化
金融庁は2024年8月30日付で「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」を改正し、同年10月1日から適用を開始しました。改正の核心は、地域金融機関がM&A後の事業統合作業(PMI)を含めたM&A支援に積極的に取り組むことへの期待を、監督上の着眼点として明確化した点にあります。
これにより、地域金融機関は「貸出だけでなく、取引先の事業承継・M&Aを伴走する役割」を、監督指針上の責務として位置付けられることになりました。地域銀行・信用金庫がM&A支援機能を整備する経営判断は、この監督指針改正以降、加速していると見られています。
3-4. 地域金融力強化プラン(2025年12月)——次の制度改正へ
金融庁は2025年12月19日、「地域金融力強化プラン」を公表しました。同プランは、金融機関によるM&A・事業承継支援、経営者保証に依存しない融資慣行、デジタル化支援、人材紹介業務の促進などを柱に据え、監督指針のさらなる改正を予定しています。
同プラン公表に先立つ2025年12月18日には、「地域金融力の強化に関するワーキンググループ」報告書が公表されました。地域銀行のM&A支援機能整備の現状と今後の方向性が整理されており、地域金融機関を起点としたM&A支援の流れが、政策的にも制度的にも本格化していくことが見て取れます。
4. 「紹介・デジタル・地域金融機関」への移行——業界が向かう三方向
4-1. 第一の方向:金融機関ネットワークによるプル型紹介
業界最大手の日本M&Aセンターホールディングスが、金融機関経由紹介比率約63%という構造を競争優位として確立していることは、すでに見たとおりです。地方銀行・信用金庫等は、長年にわたり地域企業の財務状況・経営実態を把握しており、事業承継・M&Aの初期相談を受けるのに最も適したポジションにあります。
金融庁監督指針の改正により、地域金融機関がM&A支援機能を強化していく方向性が政策的に後押しされる中、売り手オーナーにとってメインバンク・取引銀行は、相談を切り出す最初の窓口として有力な選択肢となっています。
4-2. 第二の方向:AIマッチング・SaaSによるデジタル化
株式会社M&A総合研究所がAIマッチングおよびSalesforce基盤の導入で業務効率化を進めているように、デジタル基盤の構築は業界共通のテーマです。中堅・新興のM&A仲介・プラットフォーム事業者も、AIマッチング・データベース連携・案件レコメンド等の機能を提供しています。
ただし、AIマッチングが成約率にどの程度の定量的貢献を果たしているかは、各社IRからは確認できていません。デジタル化は「効率化」のレバーとしては機能するものの、「営業の質」「顧客との関係構築」を完全に置き換えるものではないという点は、留意が必要です。
4-3. 第三の方向:顧問税理士・会計士・公的窓口経由
顧問税理士・公認会計士は、長年にわたりオーナーの財務状況・家族関係・事業の強み弱みを把握している、最も近い専門家です。中立的な立場から複数の支援機関を比較検討するうえで、顧問専門家の助言を得られることのメリットは極めて大きいといえます。
また、各都道府県には事業承継・引継ぎ支援センターが設置されています。中小企業庁の委託事業として運営されており、無料・守秘義務付きで相談に応じる公的窓口です。第三者へのM&A、親族内承継、従業員承継のいずれにも対応しており、「まずは公的窓口で全体像を整理する」という入り口の選択肢として広く活用されています。
個別の財務・税務・法務判断については、必ず弁護士・税理士・公認会計士・司法書士等の専門家にご相談ください。
5. 売り手オーナーへの実務的示唆——「来た先」ではなく「選んだ先」で進める
5-1. 「来た先から選ぶ」ことの構造的リスク
大量DMやテレアポを通じてアプローチしてくる業者は、その時点で大量営業を主軸とする業者である可能性が相対的に高いといえます。もちろん、誠実に運営している業者も多く含まれますが、相手のビジネスモデル・営業手法・コンプライアンス姿勢を、こちら側が能動的に確認しないまま「来たから選ぶ」というのは、相談先選定の手順としては最善とはいえません。
事業承継は、長年築いてきた事業を次世代に託す、人生の大きな決断です。判断軸を「来てくれた相手の都合」ではなく「自社の事業承継戦略」に置くことが、まずは出発点となります。
5-2. 中小M&Aガイドライン第3版が示す「不適切な営業」の判定軸
営業を受ける側として、相手の営業姿勢が中小M&Aガイドライン第3版の禁止項目に該当しないかを点検することは、リスクスクリーニングとして有効です。具体的な判定軸は次のとおりです。
- 停止意思を表示しても継続的に勧誘してくるか——これは明示禁止項目に該当する可能性があります
- 仲介者名・勧誘目的を明確に告げないか——同様に禁止項目に該当します
- 即時の判断を迫る営業話法か——禁止項目に該当します
- 誇大広告・誤認を招く表現が含まれないか——禁止項目に該当します
これらに該当する営業を行う業者は、ガイドライン遵守体制に課題がある可能性があり、支援機関としての信頼性に疑問符が付くと整理することができます。
5-3. M&A支援機関登録制度データベースの活用
中小企業庁の登録M&A支援機関データベースは、誰でも閲覧することができます。登録の有無・手数料体系・過去の注意発出歴・登録取消事例などを確認することで、相談先を客観的なフィルターで絞り込むことが可能です。
2024年8月以降、手数料体系の公表が義務化されたことで、レーマン方式の料率テーブル、最低報酬の有無、月額顧問料の取り扱いなどを比較検討する材料が増えました。手数料の妥当性を自分なりに検算するうえで、M&A手数料・手残り比較のようなセルフ試算ツールを活用することも、判断の補助となります。
5-4. 推奨される接点形成のルート
売り手オーナーが信頼性の高い支援機関とつながるためのルートとしては、次のような選択肢があります。
- 顧問税理士・会計士からの紹介——財務状況を理解した中立的な専門家経由
- メインバンク・地域金融機関からの紹介——金融庁監督指針上の支援機能を活用
- 事業承継・引継ぎ支援センター——全都道府県設置の公的相談窓口(無料・守秘義務)
- 登録M&A支援機関データベースからの能動的な選定——複数候補を並べて比較
- 商工会議所・商工会・業界団体経由——地域・業種特性を理解した経路
これらのルートに共通するのは、「売り手側が能動的に選んだ経路」「中立的な第三者がフィルターとして機能する経路」であるという点です。プッシュ型営業に対する受動的な選択とは、構造的に異なる安心感があります。
5-5. 比較検討時に確認すべき7つのチェック項目
複数の支援機関を比較する際に、最低限確認しておきたい項目を整理します。
- 中小企業庁M&A支援機関登録の有無
- 一般社団法人 M&A 支援機関協会への加入状況
- 手数料体系の透明性(最低報酬・成功報酬料率・着手金の有無等)
- 担当者の経験年数・担当案件分野
- 専任契約の期間・解除条件
- 守秘義務の取扱い(再委託の可否含む)
- 過去の同業界・同規模案件の実績傾向
これらの項目は、初回面談の段階で書面にして提示を受けることをお勧めします。提示を渋る、即決を迫る、といった対応が見られる場合は、その時点で他社との比較を継続する判断が、自衛策として機能します。具体的な契約条件の判断については、必ず弁護士・税理士等の専門家にご相談ください。
6. まとめ——構造変化が経営者に意味すること
6-1. 構造変化は業界全体の必然
本記事冒頭で触れた「特定大手のDM大幅削減」報道は、業界全体に同時並行で進む構造転換の一つの象徴に過ぎません。郵便料金値上げ、中小M&Aガイドライン第3版改訂、SNS時代のレピュテーションリスクという三重圧力は、いずれの仲介事業者にも等しく降りかかる経営環境変化です。
同時に、金融庁監督指針改正・地域金融力強化プランによる地域金融機関のM&A支援機能整備は、業界の接点構造そのものを「プッシュ型」から「プル型」へ移行させる政策的後押しとなっています。
6-2. 売り手オーナーにとっては前向きな潮流
業界の構造変化は、売り手オーナーにとってはむしろ前向きな意味を持ちます。プッシュ型営業に振り回されることが減り、顧問専門家・地域金融機関・公的窓口といった中立的・専門的な経路での相談が広がっていくことで、結果として質の高い支援にアクセスしやすくなる方向に進んでいるからです。
登録制度の透明化、手数料体系の公表義務化、ガイドライン第3版による禁止項目の明文化——これらはいずれも、売り手側の判断材料を増やし、業者選定の主導権を売り手側に取り戻す制度改革といえます。
6-3. 取るべき行動——3つの実務的アクション
本記事の最後に、売り手オーナーが今すぐ取れる3つの実務的アクションを整理します。
- 顧問税理士・地域金融機関・事業承継・引継ぎ支援センターの3経路の中から、まず1経路で初期相談を始める
- 中小企業庁M&A支援機関登録制度のデータベースで、候補となる支援機関の登録状況・手数料体系を確認する
- 初回面談の段階で、契約条件・手数料・守秘義務・解除条件を書面で提示してもらう
これらは、業者選定の主導権を「来た先」から「選んだ先」へと取り戻すための、最初の一歩です。事業承継という人生の決断に向き合うのは、相手ではなく、ご自身です。判断軸を自分の側に置く——この一点さえ守ることができれば、業界の構造変化は、あなたにとっての追い風となります。
結び——「選んだ先」と向き合う事業承継のために
業界の営業スタイル転換は、まだ途上にあります。コスト・規制・レピュテーションの三重圧力は今後も継続し、紹介・デジタル・地域金融機関連携といった新しい接点が、徐々に主流の位置を占めていくことが予想されます。
株式会社 日本財務戦略センター(JFSC)は、中小企業のオーナー経営者の皆様の事業承継・M&A・事業譲渡について、売り手の利益最大化とリスク回避を最優先するセカンドオピニオン的な立場でご相談を承っています。複数の支援機関を比較検討したい段階のご相談、顧問税理士・地域金融機関と連携した案件、事業承継・引継ぎ支援センター経由のご紹介案件など、いずれもお気軽にお声掛けください。
初回相談は無料、秘密厳守です。判断の撤回はいつでも自由です。「選んだ先」と向き合う事業承継のお手伝いができれば幸いです。
よくあるご質問(FAQ)
関連ツールと参考資料
関連 JFSC ツール
- M&A・事業承継 10分セルフ診断 — 4択×15問・約10分で「自社の現在地」を整理
- 企業価値セルフ試算シミュレーター — 類似会社比較法・純資産法・割引キャッシュフロー(DCF)の3手法で簡易試算
- M&A 手数料・手残り比較シミュレーター — レーマン方式と業界平均の比較
- M&Aの流れ — 売り手が支援機関を選ぶプロセスを段階別に整理
- 業種別M&A相談ページ一覧 — 業種特性を踏まえた論点整理
主な一次ソース・参考資料
- 中小M&Aガイドライン(第3版)改訂プレスリリース 経済産業省 2024年8月30日
- 中小M&Aガイドライン(第3版)本文 中小企業庁
- 中小M&A市場改革プラン プレスリリース 経済産業省 2025年8月5日
- 中小M&A市場改革プラン(中間とりまとめ)中小企業庁 2025年8月
- M&A支援機関登録制度 手数料体系公表開始 中小企業庁 2024年8月30日
- 金融機関におけるM&A支援の促進等について 金融庁 2024年8月30日
- 地域金融力強化プラン 金融庁 2025年12月19日
- 地域金融力の強化に関するワーキンググループ報告書 金融庁 2025年12月18日
- 郵便料金の改定について 日本郵便株式会社 2024年6月13日
- DM停止意思表示後の個人データ利用 個人情報保護委員会 Q&A
- 株式会社ストライク IRライブラリ(決算短信・決算説明資料)
- 日本M&Aセンターホールディングス 統合報告書2025
守秘義務と免責事項
本記事は、公表されている一次ソース(経済産業省・中小企業庁・金融庁・日本郵便・個人情報保護委員会・各社IR資料・主要経済紙報道等)に基づき、株式会社 日本財務戦略センター(中小企業庁 M&A 支援機関 登録、一般社団法人 M&A 支援機関協会 正会員)が独自の視点で構成・整理した解説記事です。記載内容は記事公開時点(2026年4月)のものであり、その後の制度改正・各社IR更新等により内容が変動する可能性があります。
本記事における特定企業に関する記述は、当該企業のIR公開情報・主要経済紙報道に基づくものであり、JFSCによる評価・批判を意図したものではありません。各社の戦略・業績の解釈は当該IR資料の記載に依拠しています。「IR資料によれば」「報道によれば」という限定表現を付した箇所については、一次ソース原文をご確認ください。
個別の法務・税務・財務的判断、特に個人情報保護法対応・契約書面の精査・業者選定の妥当性判断・手数料体系の妥当性検証等の論点については、必ず弁護士・税理士・公認会計士・司法書士・行政書士等の各専門家にご相談ください。本稿はあくまで、業界構造・制度・公開情報に基づく一般的な解説を目的としており、個別の意思決定の助言を提供するものではありません。
▶ 関連:M&A仲介コンサルタントの「年収2,000万超」と「高い手数料」——有報・IRデータで2つの疑惑を検証する
📊 関連検証記事:営業転換の背景にある年収・手数料構造——有報で検証(DM/テレアポ消失の根本原因)
【付録】M&A 支援機関協会 正会員一覧と苦情・通報窓口(2026年5月13日現在|クリックで展開)
本付録は、M&A 業界の自主規制機関である M&A 支援機関協会(旧 M&A 仲介協会)の正会員 231 社、および苦情・通報窓口の一覧です。
出典:M&A 支援機関協会公式サイト(2026年5月13日現在)。
特定事業者リスト閲覧資格保有 118 社
業界の自浄作用に積極参加し、不適切な譲り受け側事業者情報を協会内で共有する「特定事業者リスト」の閲覧資格を持つ M&A 支援機関協会 会員 118 社です(弊社・株式会社日本財務戦略センターも本リストに含まれます)。
| ABNアドバイザーズ株式会社 | AIdeaM&AAdvisory株式会社 | Byside株式会社 | CTF株式会社 |
| DANコンサルティング株式会社 | Enimprovement栄合同会社 | LINK株式会社 | M&ALead株式会社 |
| M&Aキャピタルパートナーズ株式会社 | M&Aロイヤルアドバイザリー株式会社 | NBR合同会社 | NKGRコンサルティング株式会社 |
| NOBUNAGAサクセション株式会社 | S&G株式会社 | SBI辻・本郷M&A株式会社 | TSUNAGU株式会社 |
| あがたグローバルコンサルティング株式会社 | かえでファイナンシャルアドバイザリー株式会社 | かがやきM&A株式会社 | ひまわりパートナーズ株式会社 |
| みさわ財産コンサルティング株式会社 | みつきコンサルティング株式会社 | みらいアーク株式会社 | アイアールアイM&Aコンサルティング株式会社 |
| アカツキパートナーズ株式会社 | アクタスコンサルティング株式会社 | インクグロウ株式会社 | インテグループ株式会社 |
| エムレイス株式会社 | オリックス株式会社 | クレジオ・パートナーズ株式会社 | グローウィン・パートナーズ株式会社 |
| グローバリューパートナーズ株式会社 | ジャパンM&Aソリューション株式会社 | セレンディップ・フィナンシャルサービス株式会社 | ビジネスサクセション株式会社 |
| ビズキューブ・コンサルティング株式会社 | ファイブ・アンド・ミライアソシエイツ株式会社 | ブティックス株式会社 | ブルーバード合同会社 |
| 三菱地所リアルエステートサービス株式会社 | 中之島キャピタル株式会社 | 九州M&Aアドバイザーズ株式会社 | 合同会社アジュール総合研究所 |
| 名南M&A株式会社 | 有限会社インレット | 有限会社長野県M&Aセンター | 株式会社ACN経営研究所 |
| 株式会社AGSコンサルティング | 株式会社CBヘルスケア | 株式会社CCイノベーション | 株式会社CINCCapital |
| 株式会社LifeHack | 株式会社M&AProperties | 株式会社M&Aエグゼクティブパートナーズ | 株式会社M&Aクラウド |
| 株式会社M&Aグローバルキャピタル | 株式会社M&Aコンサルティング | 株式会社M&Aフォース | 株式会社M&Aプライムグループ |
| 株式会社M&Aベストパートナーズ | 株式会社M&A会計ファイナンス | 株式会社M&A承継機構 | 株式会社M&A総合研究所 |
| 株式会社MJSM&Aパートナーズ | 株式会社NEWOLDCAPITAL | 株式会社OAGコンサルティング | 株式会社SECURITYBRIDGE |
| 株式会社Ssimaキャピタル | 株式会社TBC | 株式会社WealthLead | 株式会社fundbook |
| 株式会社さかい経営センター | 株式会社たすきコンサルティング | 株式会社みどり未来パートナーズ | 株式会社みらい共創アドバイザリー |
| 株式会社アシブネ | 株式会社ウィット | 株式会社ウィルゲート | 株式会社エグゼブリッジ |
| 株式会社オンデック | 株式会社サスガキャピタルパートナー | 株式会社シードアドバイザリー | 株式会社ストライク |
| 株式会社スリーエスコンサルティング | 株式会社ネクストM&Aパートナーズ | 株式会社ハレバレ | 株式会社バトンズ |
| 株式会社ヒルストン | 株式会社フォーバル | 株式会社プレックス | 株式会社マネジメント・スタッフ |
| 株式会社メディカル・アドバイザーズ | 株式会社ユニコン | 株式会社ユーザーサービス | 株式会社レコフ |
| 株式会社三井住友銀行 | 株式会社三菱UFJ銀行 | 株式会社事業承継パートナーズ | 株式会社事業承継通信社 |
| 株式会社佐賀銀行 | 株式会社倉富佐原M&A事務所 | 株式会社北海道総合経営研究所 | 株式会社大垣共立銀行 |
| 株式会社日光コンサルティング | 株式会社日本M&Aセンター | 株式会社日本提携支援 | 株式会社日本経営 |
| 株式会社日本財務戦略センター | 株式会社日税経営情報センター | 株式会社矢橋コンサルティング | 株式会社経営承継支援 |
| 株式会社船井総研あがたFAS | 株式会社諸井会計 | 株式会社青山財産ネットワークス | 株式会社HCフィナンシャル・アドバイザー |
| 瀬戸内FAS株式会社 | 総合メディカル株式会社 |
M&A 支援機関協会 正会員 113 社
正会員として M&A 支援機関協会に加盟する 113 社です。
| AggregatorJapan株式会社 | FrontierM&APartners株式会社 | Kingsmancapitalpartners株式会社 | RSM汐留パートナーズ株式会社 |
| あおもり創生パートナーズ株式会社 | いわぎんリサーチ&コンサルティング株式会社 | さくら経営支援株式会社 | しんせい事業承継株式会社 |
| まごころM&Aパートナーズ株式会社 | アアクスグループ株式会社 | アエリアコンサルティング株式会社 | アドバンスト・ビジネス・ダイレクションズ株式会社 |
| アナタの財務部長合同会社 | ウーファ合同会社 | エヌ・シー・アドバイザリー合同会社 | エベレディア株式会社 |
| クレアスト株式会社 | シンプルフォーム株式会社 | タツノコ資産形成株式会社 | ニューアイランド株式会社 |
| バリューフォース合同会社 | ビズリンク・アドバイザリー株式会社 | フジマキ・マネジメントサポート株式会社 | 丈安株式会社 |
| 三井住友海上火災保険株式会社 | 不動産M&Aパートナーズ株式会社 | 合同会社ACE | 合同会社FPCAccounting |
| 合同会社SGコンサルティング | 合同会社はやせ | 合同会社アシストプラス | 大光キャピタル&コンサルティング株式会社 |
| 山田事業承継・M&A株式会社 | 有限会社マリーンビジネスサポート | 有限会社後藤会計事務所 | 東京海上日動火災保険株式会社 |
| 東急リバブル株式会社 | 株式会社BOOTHSwin | 株式会社DEPS | 株式会社EMA |
| 株式会社ESPERANZA | 株式会社GAINC | 株式会社GH | 株式会社INTRANCE |
| 株式会社ISTコンサルティング | 株式会社LeapalTechnologies | 株式会社M&ACrosstie | 株式会社M&Aクオリティ |
| 株式会社M&Aディレクションズ | 株式会社M&Aパートナーズ | 株式会社MAS | 株式会社NSSマネジメントサービス |
| 株式会社PMGMAPartners | 株式会社TKC | 株式会社TSKプランニング | 株式会社VentureForward |
| 株式会社YMFGグロースパートナーズ | 株式会社おかやま創研コンサルティング | 株式会社おきぎんサクセスパートナーズ | 株式会社おきなわアセットブリッジ |
| 株式会社さくら優和コンサルタント | 株式会社さくら総合M&Aセンター | 株式会社せいのFP事務所 | 株式会社みどり財産コンサルタンツ |
| 株式会社ウナ | 株式会社エムステージマネジメントソリューションズ | 株式会社エンマンサポート | 株式会社ジーケーパートナーズ |
| 株式会社ステラ | 株式会社タス | 株式会社タスクフォース | 株式会社トマック |
| 株式会社トレスボ | 株式会社ノジマ | 株式会社ビズハブ | 株式会社フォーナレッジ |
| 株式会社プレアス | 株式会社マイナビM&A | 株式会社ミッドランド経営 | 株式会社ライトライト |
| 株式会社リガーレ | 株式会社レコフデータ | 株式会社三十三銀行 | 株式会社三友システムアプレイザル |
| 株式会社三菱UFJ銀行 | 株式会社企業経営支援機構 | 株式会社企業評価総合研究所 | 株式会社北日本銀行 |
| 株式会社南日本銀行 | 株式会社大澤都市開発 | 株式会社山田エスクロー信託 | 株式会社岡山M&Aセンター |
| 株式会社常陽銀行 | 株式会社新潟事業承継パートナー | 株式会社日本PMIコンサルティング | 株式会社日本投資ファンド |
| 株式会社日本資産総研 | 株式会社朝日信託 | 株式会社未来を創る | 株式会社東京アライアンスアドバイザリー |
| 株式会社沖縄銀行 | 株式会社社長の専門学校 | 株式会社総研コンサル | 株式会社肥後銀行 |
| 株式会社青山財産ネットワークス金沢 | 株式会社鹿児島銀行 | 株式会社Amvision | 株式会社SECURITYBRIDGE |
| 横浜経営企画サービス株式会社 | 見える化株式会社 | 阿波銀コンサルティング株式会社 | DatasiteJapan合同会社 |
| NKGRコンサルティング株式会社 |
営業電話・契約等で困った場合の相談窓口
- M&A 支援機関協会 苦情受付窓口
→ https://www.maa-a.or.jp/inquiry/ - M&A 支援機関協会 不適切な譲受け事業者 情報受付窓口
→ https://www.maa-a.or.jp/inappropriate/ - 中小企業庁 事業環境部 財務課
電話:03-3501-1511(内線 5281〜4) - M&A 支援機関登録制度 情報提供受付窓口
→ https://ma-shienkikan.go.jp/inappropriate-cases
※本リストは 2026年5月13日現在の情報です。最新は M&A 支援機関協会 会員一覧 および 特定事業者リスト をご参照ください。
免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の案件における法務・税務・会計判断を提供するものではありません。法務・税務・会計の個別判断は、弁護士・税理士・公認会計士等の専門家にご相談ください。M&Aのスキーム設計・タイミング・買い手探し等のアドバイザリーは、株式会社日本財務戦略センターにご相談ください。記載内容は公開時点の情報に基づき、法令改正や市場変動により最新の状況と異なる場合があります。
📅 本記事の情報基準日
本記事は 2025年11月21日 公開時点の情報に基づきます。税制・法令等は改正される場合があるため、最新の制度・税制は公的機関の公式情報をご確認ください。
関連の最新情報:中小企業庁 / 国税庁 / 金融庁 / e-Gov 法令検索


