2026.04.26 M&A実務

事業承継税制 特例措置 — 弊社主戦場ではない(税理士領分)、ただし「税制適用後のM&A」は認定取消+利子税の重大リスク

業界には「特例措置で 相続税・贈与税ゼロ」と煽る記事が多くあります。国税庁 事業承継税制(特例措置) は確かに、経営承継円滑化法 に基づき非上場株式の相続税・贈与税の納税猶予→免除のパスを提供します。しかし弊社の現場感覚は明快です。事業承継税制税理士の領分、弊社の主戦場ではありません。クライアントは もう第三者承継(M&A)を決めた方がほとんど だからです。ただし弊社からも一つだけ案内する論点があります——税制適用後に M&A を選ぶと、認定取消事由に該当して、猶予されていた相続税・贈与税が利子税付きで一気に発生 します。これは売り手の手取りを大きく毀損する重大リスクです。本記事では、事業承継税制の 3 つの誤解を簡潔に整理しつつ、日本財務戦略センター(JFSC) の哲学(税理士領分・税制適用後M&Aリスクのみ案内)をフラットにお伝えします。

1. 事業承継税制 特例措置とは — 経営承継円滑化法に基づく納税猶予制度

事業承継税制は、中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律(経営承継円滑化法) に基づき、後継者が非上場株式を相続・贈与により取得した場合の 相続税・贈与税の納税猶予→免除 制度です。一般措置(恒久制度)と特例措置(2018-2027 限定)の二本立てで運用されています。

主な相違は次のとおりです。

項目一般措置特例措置
事前計画提出不要特例承継計画(令和9年(2027年)9月30日まで延長)
適用期限なし2027年12月31日まで
納税猶予対象議決権株式の3分の2まで全株式
猶予割合相続税80% / 贈与税100%相続税・贈与税ともに100%
雇用維持要件5年平均80%(厳格)緩和(達成困難でも継続可能)

特例措置は条件が緩和されている分、活用するなら期限内です。国税庁 事業承継税制 の手続きは 都道府県知事の認定 → 税務署への申告 → 5 年内事業継続要件の維持 → その後の継続報告 という流れです。

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事業承継税制の活用判断は、親族内承継 vs 第三者承継 (M&A) の意思決定と一体です。弊社の 事業承継 10 分診断 でご活用ください。

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2. 通説論難 — 事業承継税制 3 つの誤解(簡潔に)

誤解 1:「特例措置で相続税・贈与税ゼロ」

業界記事は「特例措置でゼロ」と簡潔に語る傾向があります。正確には 納税猶予 → 免除 です。猶予が継続するためには、5 年内事業継続要件 ・ 後継者の役員継続 ・ 議決権比率の維持 ・ M&A による第三者譲渡を行わないこと 等の条件が必要です。これらの認定取消事由に該当した瞬間、猶予されていた税額に利子税を付けて一気に納税義務が発生 します。

特に M&A による第三者譲渡は、後継者の意思で発生する事象です。親族内承継ありきで税制適用したものの、後継者の事業継続意欲が低下して数年後に M&A を検討する——このパターンは現実的にあり得ます。その時点で利子税付きの納税義務が顕在化します。

誤解 2:「特例措置はずっと使える」

特例措置には 明確な期限 があります。経営承継円滑化法 に基づく 特例承継計画の提出期限は 令和9年(2027年)9月30日まで(延長後)、適用期限は 2027 年 12 月 31 日まで です。これらの期限を過ぎてからの新規適用はできません。

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「いつか親族内承継するかもしれない」と漠然と考えている経営者は、特例承継計画の提出期限を意識しておく必要があります。提出さえしておけば、その後の意思決定の選択肢として確保できます。

誤解 3:「税制適用後でも気軽に M&A できる」

これが本記事のクライマックスとなる論難です。事業承継税制の認定後に M&A で第三者譲渡すると、認定取消事由に該当します。その瞬間、猶予されていた相続税・贈与税が利子税付きで一気に発生 します。

金額のインパクトは個別案件次第ですが、株式評価額が数億円規模の中小企業であれば、相続税・贈与税の本税だけで数千万 〜 億単位、加えて長期間の利子税が積み上がります。M&A の譲渡対価から納税原資を捻出する必要があり、売り手の手取りを大きく毀損します。

税制適用前に M&A の選択肢が将来あるかどうかを慎重に検討する ——これが弊社が売り手に唯一案内する論点です。

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M&A 選択時の手取り試算は、税制適用後の認定取消リスクを織り込んで判断する必要があります。

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3. 弊社のスタンス — 税理士領分、ただし「税制適用後 M&A」リスクは案内

(1) 弊社で事業承継税制を活用したケース:ない

弊社で事業承継税制を活用したケースは ありません。提案頻度もほぼゼロです。理由は次に説明します。

(2) 弊社のクライアント:もう第三者承継(M&A)を決めた方がほとんど

弊社にご相談いただくクライアントは、もう第三者承継(M&A)を決めた方がほとんど です。事業承継税制は親族内承継や役員等承継を前提とした制度なので、第三者承継を決めた方が仲介に聞く論点ではありません。

仮に「親族内承継 vs 第三者承継で迷っている」段階であれば、税理士・事業承継・引継ぎ支援センター中小機構運営)等への先行相談をお勧めします。

(3) 税制適用後の M&A:税務リスクについて案内する

すでに事業承継税制を適用済みの方が M&A を検討する場合、弊社は 税務リスクについて案内します。具体的には、M&A による第三者譲渡が認定取消事由に該当して、猶予されていた相続税・贈与税が利子税付きで一気に発生する という構造を率直にお伝えします。

その上で、納税原資の確保 ・ 譲渡対価の交渉 ・ タイミング設計をどう組むか、顧問税理士と一緒に検討 してもらう流れになります。

(4) 業界他社で「特例措置で確実に節税」と煽る事例:弊社では見たことない

業界他社で「特例措置で確実に節税できる」と煽る事例を、弊社では見たことがありません。実務に携わる方は、認定取消事由のリスクを正しく開示する姿勢が一般的です。

(5) 個別具体的な税制論点:税理士の領分

個別具体的な税制適用論点(特例承継計画の作成 ・ 認定要件の判定 ・ 取消事由の評価 ・ 利子税の試算等)は、税理士の領分 です。弊社が立ち入る話ではありません。

弊社の役割は、M&A という第三者承継の選択肢を売り手とともに検討するフェーズで、税制との関係(適用後の M&A は認定取消リスク)だけを率直にお伝えすることに留まります。

(6) 親族外承継への適用拡大:弊社範疇ではあまり影響がない

事業承継税制は近年、親族外承継への適用も拡大されました(後継者要件として、相続・贈与の前に役員等として 3 年以上の経歴があれば適用可能)。これは中小企業の事業承継選択肢を広げる重要な制度改正です。

ただし弊社の現場では、すでに 役員継続予定の親族外承継 を選んでいるクライアントは、税制よりも 株式譲渡対価の交渉 ・ ロックアップ条項 ・ 経営者保証解除 等の M&A 実務論点が中心になります。弊社範疇ではあまり影響がない というのが現場感覚です。

4. JFSC の本質的見解 — 税理士領分への謙抑、ただし税制適用後 M&A リスクは率直に開示

本記事のクライマックスとして、JFSC の本質的見解をお伝えします。

事業承継税制 特例措置について、弊社は 活用したケースがありません

理由は単純で、弊社のクライアントは もう第三者承継(M&A)を決めた方がほとんど だからです。事業承継税制は親族内承継や役員等承継を前提とした制度なので、第三者承継を決めた方が仲介に聞く論点ではありません。

個別具体的な税制適用論点は 税理士の領分 です。弊社が立ち入る話ではありません。

ただし弊社からも一つだけ案内することがあります。税制適用後に M&A を検討するケース です。事業承継税制の認定後に M&A で第三者譲渡すると、認定取消事由に該当して、猶予されていた相続税・贈与税が利子税付きで一気に発生 します。これは売り手の手取りを大きく毀損する税務リスクなので、税制適用前に M&A の選択肢が将来あるかどうかを慎重に検討するよう案内 します。

業界他社で「特例措置で確実に節税」と煽る記事は、弊社では見たことがありません。

大手 M&A 仲介や税理士法人のサイトでは、事業承継税制 特例措置を「相続税・贈与税ゼロ」「中小企業の事業承継の決め手」として推奨する記事が並びます。確かに親族内承継や役員等承継を前提にした場合、有用な制度です。しかし、第三者承継 (M&A) を選んだ瞬間に認定取消+利子税 という構造リスクを正面から伝える仲介は、業界では多くないと感じます。

弊社のアプローチは、税理士領分への謙抑(個別税制論点には立ち入らない)と、M&A 仲介としての税制適用後リスクの率直な開示(税制適用後の M&A は認定取消+利子税)の二点に徹することです。「税制で節税」を強調する記事は弊社では書きません。代わりに、売り手が出口戦略の選択肢を網羅的に検討するための情報整理 を提供します。

事業承継税制の活用を検討するなら、まず 顧問税理士 ・ 事業承継・引継ぎ支援センター へのご相談を推奨します。M&A の選択肢が将来含まれる可能性があるなら、その時点で弊社にもご相談ください。当たり前のことを当たり前にやる——これが大手 M&A 仲介の標準解説と一線を画す JFSC の現場感覚です。

M&A 検討中の売り手オーナー様へ

事業承継税制を適用済み or 適用検討中で、将来の M&A 選択肢も視野に入れたい場合、税制と M&A の関係(認定取消リスク)について、率直にお伝えします。

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5. 数年後に振り返って気づくこと

「親族内承継ありきで税制適用したら、数年後に後継者の事業継続意欲が低下して M&A を検討、認定取消+利子税で実質損になった」「顧問税理士に丸投げで、M&A との併用可否を確認していなかった」「特例承継計画の提出期限(2026 年 3 月)を過ぎてから親族内承継を検討して、特例措置が使えなかった」「『税制で節税できる』と思って親族内承継を急いだら、後継者意欲がなくて結局 M&A、税制取消になった」——これが事業承継税制と M&A 選択肢の関係を軽視して後悔した売り手の典型的な声です。

事業承継税制 特例措置は、親族内承継や役員等承継を前提とすれば有用な制度です。しかし、将来の M&A 選択肢を視野に入れる場合は、認定取消+利子税のリスク を正しく理解しておく必要があります。個別税制論点は税理士の領分M&A 仲介としての税制適用後リスクは率直に開示——この役割分担で売り手の意思決定を支えるのが、弊社のスタンスです。国税庁 事業承継税制経営承継円滑化法事業承継・引継ぎ支援センター 等の公的情報を活用しながら、ご自身の事業承継の最適解を検討してください。当たり前のことを当たり前にやる——これが大手 M&A 仲介の標準解説と一線を画す JFSC の現場感覚です。

公開日: 2026年4月26日 / 最終更新日: 2026年5月22日
五十嵐 悠一

執筆者

五十嵐 悠一(いがらし ゆういち)

株式会社日本財務戦略センター 代表取締役

京都大学経済学部経営学科卒業。株式会社損害保険ジャパン本店営業部、東証上場M&A仲介会社を経て、2020年5月に日本財務戦略センターを設立。中小企業のM&A仲介・事業承継支援を専門とし、医療・介護・食品製造・流通卸・機械製造分野の成約実績を持つ。

資格:プロフェッショナルCFO(日本CFO協会)/M&Aエキスパート(金融業務2級 事業承継・M&Aコース)

公的登録:中小企業庁 M&A支援機関 登録事業者/一般社団法人 M&A支援機関協会 正会員

メディア登壇:株式会社サイゾー Business Journal ウェブセミナー講師「【売り手向け】M&Aを成功させるための具体的な行動・プロセス・知識」(2022年6月)[公式告知]

専門家コラム寄稿:BATONZ(国内最大級M&A プラットフォーム)に M&A・事業承継 74本(2021年〜継続)[コラム一覧]

|LinkedIn|X (@jfsc2020)|BATONZ

免責事項

本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の案件における法務・税務・会計判断を提供するものではありません。法務・税務・会計の個別判断は、弁護士・税理士・公認会計士等の専門家にご相談ください。M&Aのスキーム設計・タイミング・買い手探し等のアドバイザリーは、株式会社日本財務戦略センターにご相談ください。記載内容は公開時点の情報に基づき、法令改正や市場変動により最新の状況と異なる場合があります。

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よくあるご質問(FAQ)

この章のポイント
日本財務戦略センターへのご相談に関する共通の10問と、本記事に関する5問の計15問。
共通Q1. 日本財務戦略センターはどのような会社ですか?
A. 株式会社日本財務戦略センター(JFSC)は、中小企業オーナーの M&A・事業承継を「自分事として最後まで完結する」ためのご相談先です。仲介の独断ではなく、売り手の判断材料を整える立場を貫いています。会社概要もご覧ください。
共通Q2. 相談したら、必ず M&A しなければいけませんか?
A. いいえ、ご相談のみで結構です。相談後に「今回は見送ります」と判断いただいても問題ありません。M&A 以外の選択肢(廃業・親族承継・事業再生)も含めてご一緒に整理します。まずは無料相談からお気軽にどうぞ。
共通Q3. 相談料・着手金は発生しますか?
A. 初回相談・簡易査定・進行中の段階まで、すべて無料です。日本財務戦略センターは完全成功報酬制を採用しており、M&A 成約時のみご報酬が発生します。着手金・中間金・月額顧問料は一切いただきません。なお、案件特性により外部専門家への依頼や登記等の実費(例:司法書士の登記費用、外部監査法人による資産査定、譲受企業側からの弁護士・公認会計士による DD 費用 等)が発生する場合は、必ず事前にご相談・ご同意のうえ進めますので、不意の費用負担は生じません。詳細は弊社の報酬体系をご確認ください。
共通Q4. 一般的な M&A 仲介会社と、どこが違いますか?利益相反はどう開示されますか?
A. M&A 仲介は売主・買主の双方から報酬を得る「両手仲介」が業界慣行で、構造的な利益相反のリスクがあります。そのうえで、業界には「誘い込む仲介」と「公開する仲介」の二類型があると当社は考えています。日本財務戦略センターは後者の立場で、契約締結時に重要事項説明書を交付し、両手仲介の構造を含めて文書でご説明したうえで、売り手の判断材料となる情報を整え、買い手の都合で交渉を急がせない姿勢を貫きます。これは経済産業省・中小企業庁中小 M&A ガイドライン第 3 版・2024 年 8 月改訂、手数料算定基準の開示・買い手信用調査等を留意事項として明示)に則った対応です。二類型化の根拠は弊社独自の業界 20 社研究レポート、構造論の詳細は仲介契約 vs FA 契約の構造分析もご参照ください。
共通Q5. どれくらいの規模から相談できますか?
A. 年商数千万円規模の小規模事業から、数億円規模まで対応します。業界の多くの仲介会社では最低手数料を 2,000 万円以上に設定している傾向で、各社の最低手数料は中小企業庁M&A 支援機関登録制度・登録情報で確認いただけます。日本財務戦略センターの最低手数料は 700 万円で、小規模案件もお引き受けしています。具体的な報酬構造は弊社の報酬体系をご確認ください。
共通Q6. 税金・法律のことを詳しく教えてもらえますか?
A. 税務・法務は税理士法・弁護士法により、具体的な提案は弁護士・税理士等の専門家のみが行えます。当社は業界慣行の一般論をご説明した上で、顧問の先生方にご確認いただく形でご案内します。必要に応じて専門家ネットワークのご紹介も無料で行っています。
共通Q7. 家族や従業員に知られたくないのですが、可能ですか?
A. ご相談段階から NDA(秘密保持契約)を締結し、徹底管理します。社名を公開せずに買い手候補へ打診する「ノンネーム打診」の進め方も可能です。守秘義務体制については情報管理ポリシーでご確認いただけます。
共通Q8. 成約までどれくらいの期間がかかりますか?
A. 標準的には 3〜6 ヶ月程度を目安としてお考えください。買い手候補と事前に綿密な調整を行い、売主オーナー様のペースで進行します。スピード優先で売主の利益を損なう進め方は致しませんが、売主オーナー様のご事情・ご要望に応じて、最短 60 日での成約実績もございます。
共通Q9. デューデリジェンス(DD)では、どのような立場をとりますか?
A. 日本財務戦略センターは、売主オーナー様の利益を最優先に検討する立場を貫きます。仲介業の構造的な利益相反論点については仲介契約 vs FA 契約の構造分析で詳述しており、DD 費用負担の判例実務は東京地裁 DD 費用判決の射程でご確認いただけます。必要に応じて第三者の公認会計士・弁護士・税理士等の専門家をご紹介し、買い手寄りに偏らない査定体制を整えます。中小企業庁中小 M&A ガイドラインの遵守事項に則り、適切な情報開示を行います。
共通Q10. 対応エリアは限られますか?
A. 全国対応可能です。首都圏はもちろん、各地方都市でもご相談実績があります。オンライン面談と現地訪問を組み合わせ、所在地を問わず売主様のペースで進行します。まずは所在地を問わない無料相談をご利用ください。
本記事Q11. 事業承継税制の特例措置を適用した後で、もしM&Aによる第三者承継をすることになった場合、具体的にどのようなリスクがありますか?
A. 事業承継税制の特例措置適用後にM&Aによる第三者譲渡を行うと、認定取消事由に該当します。この場合、猶予されていた相続税・贈与税が利子税とともに一括で発生し、M&Aの譲渡対価から納税原資を捻出する必要が生じるため、売り手オーナー様の手取りが大きく毀損されるリスクがあります。
本記事Q12. 記事で言及されている「特例承継計画の提出期限(2026年3月31日)」とは、どのような意味を持つのでしょうか?期限までに提出するメリットはありますか?
A. 特例承継計画の提出期限は、事業承継税制の特例措置を将来的に適用する可能性を残すための重要な期日です。この期限までに提出しておけば、現時点での親族内承継か第三者承継(M&A)かの判断が固まっていなくても、将来的な選択肢として特例措置の適用を確保しておくことができます。
本記事Q13. 事業承継税制の特例措置が適用されている期間中に、後継者の事業継続意欲が低下し、M&Aを検討することになった場合、どのような手続きや影響が考えられますか?
A. 特例措置適用中に後継者の事業継続意欲が低下しM&Aを検討する場合、M&Aによる第三者譲渡は認定取消事由に該当します。これにより、猶予されていた相続税・贈与税が利子税を付加して一括で納税義務として発生し、M&Aの譲渡対価からその税額を支払うことになります。このため、税制適用前に将来のM&Aの可能性を慎重に検討することが重要です。
本記事Q14. 事業承継税制の「納税猶予→免除」という仕組みについて、具体的にどのような条件を満たせば「免除」となるのでしょうか?
A. 事業承継税制の特例措置における「納税猶予」が「免除」となるためには、後継者が事業を継続し、5年内事業継続要件や後継者の役員継続、議決権比率の維持などの条件を継続的に満たす必要があります。また、M&Aによる第三者譲渡を行わないことも重要な条件です。具体的な要件や手続きについては、税理士等の専門家にご確認ください。
本記事Q15. 弊社のようにM&Aによる第三者承継を検討している場合でも、事業承継税制の特例措置について知っておくべきことはありますか?
A. M&Aによる第三者承継を検討されている場合でも、事業承継税制の特例措置が将来の選択肢として検討された経緯があるか、または将来的に検討される可能性がないかを確認することは重要です。特に、税制適用後にM&Aを選択すると、猶予税額と利子税が一括発生するリスクがあるため、M&Aの譲渡対価設計に大きな影響を与える可能性があります。

📅 本記事の情報基準日

本記事は 2026年4月26日 公開時点の情報に基づきます。税制・法令等は改正される場合があるため、最新の制度・税制は公的機関の公式情報をご確認ください。

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