2026.08.25 企業価値・価格 独自調査

ヴァイオリンの値段はどう決まるのか──落札記録56,865件、作家509人・製作地127都市の価格帯を実測|クレモナの再興に学ぶM&A

クレモナの再興と非公開市場の値づけ

これは楽器の話ではありません。似た取引の値段が公開されない市場で、ブランドの価値・属人性・流動性をどう推定するかという話です。題材にイタリアのクレモナを選んだのは、この街が一度、市場ごと消滅し、制度によってつくり直された、観測しやすい実験場だからです。

中小企業のM&Aでも、弦楽器の売買でも、同じ困りごとが起きます。比較できる取引事例が表に出てこないのです。近い会社がいくらで売れたのかは公表されず、売り手の希望額と買い手の提示額のあいだには、しばしば説明のつかない開きがあります。この開きを「売り手が欲張り」「買い手がケチ」で片づけてしまうと、そこから先の議論が進みません。

弦楽器の市場には、この問題を考えるうえで都合のよい性質があります。オークションの落札価格が、長期にわたって記録されているのです。一方で、楽器店の店頭価格も観測できます。つまり「言い値」と「成約値」を、同じ市場について突き合わせられます。

弊社は今回、二次流通の落札記録56,865件(作家5,003人分、生没年つき)と、国内主要7店の在庫22,191件を自ら取得し、あわせて同じ棚を4か月半後にもう一度取得しました。加えて、この産業を実地調査した学術書を一冊、通読しています。以下は、その突き合わせから見えたことです。

本稿では、次の三点を順に見ます。①一度消滅したブランドが、どのような装置で再構築されたか。②その価値が、作り手のあいだでどう分散しているか。③一次市場の値札と、二次市場の成約価格が、なぜ、どれだけ乖離するか。いずれも、比較事例の見えない市場で値段を推定するという同じ問題の、別の側面です。

クレモナの作家の世代別に見た落札価格の中央値。現代は、物故作家だけなら1万4千ドル台、存命作家を含めると5千ドル台
図1 クレモナ:作家の世代別に見た落札価格の中央値(2010年以降の落札に限定)。現代は「物故作家のみ」と「存命作家を含む」で3.5倍違う。

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<a href="https://jfsc.jp/cremona-brand-revival-ma-valuation/">ヴァイオリンの値段はどう決まるのか──落札記録56,865件、作家509人・製作地127都市の価格帯を実測|株式会社日本財務戦略センター</a>文章での出典表記:株式会社日本財務戦略センター「ヴァイオリンの値段はどう決まるのか──落札記録56,865件、作家509人・製作地127都市の価格帯を実測」(2026年8月25日) https://jfsc.jp/cremona-brand-revival-ma-valuation/

※ 他機関(官公庁・調査会社など)の公表数値を含む箇所は、それぞれの元資料の利用条件に従ってください。

Table of Contents

1.市場は一度、完全に壊れた──「のれん」だけが残った状態から

クレモナといえば、17世紀から18世紀にかけての名器を生んだ街として知られています。そこから現在まで、技術が連綿と受け継がれてきた——という物語は、たいへん語りやすいものです。ただ、実際には違います。

1820年代までに、クレモナの弦楽器製作は産地としての実体を失います。製作者が絶えたわけではありません。本稿が保有する落札記録でも、チェルーティ家は19世紀を通じて作り続けており(エンリコ・チェルーティ 1806–1883)、グルッリ、ベルトラミ、カヴァッリ、アントニアッツィ兄弟と、系譜そのものは19世紀末まで途切れていません。途切れたのは水準の方です。クレモナ名義の落札を製作者の生年で切ると、黄金期(1600〜1700年生)の中央値が約6万8千ドル・最高で約1,580万ドルであるのに対し、19世紀の世代(1780〜1880年生)は中央値で約9,700ドル、最高でも約11万5千ドルにとどまります。中央値で約7分の1、最高値では2桁違う。そして最後にクレモナで生まれた製作者ロメオ・アントニアッツィ(1862–1925)は、ミラノへ移りました(落札記録でも、クレモナ名義31件に対しミラノ名義27件と、移った跡がそのまま残っています)。街から製作者が死に絶えたのではなく、格が落ち、残った者は出て行った——それが1820年代以降のクレモナです。

1938年、名工の没後200年を記念して市が製作学校を設立したときの状況を、大木裕子氏は次のように書いています。「既にクレモナの伝統的製法は途絶え、クレモナには何も残っていなかった」(大木裕子『クレモナのヴァイオリン工房』文眞堂、2008年)。

そして1960年代、この街に残っていた弦楽器製作者は、一人だけでした。

現在クレモナで用いられている製作技法は、17世紀の直系ではありません。同書が現地で聞き取った製作者の言葉によれば、それは「一度途絶えて、1970年頃に再び作り始めた新しい伝統」です。しかもその技法を街に持ち帰ったのは、ニューヨークで往年の名器の修理を何百台と手がけていた人物でした。伝統は、外から逆輸入されたのです。

この断絶は、価格にもはっきり表れます。作家の生年で世代を切り、落札価格の中央値を追うと、次のようになります。

※ ここで一つ、測り方の断りを入れます。落札価格は落札された年によって水準が違います。世代ごとに落札された年が偏っていると、比べているのが「作られた時代の差」なのか「売られた年の差」なのか分からなくなります。実際、本稿のデータでは黄金期の落札は1980年代、現代の落札は2000年代に偏っていました。そこで以下はすべて、2010年以降に落札されたものだけで揃えています。

最後の二行が、この記事でいちばん注意を要するところです。本稿が用いた落札記録では、存命の作家には生年が登録されていません。クレモナの落札1,214件のうち405件、作家にして76名がこれにあたります。世代で切ると、この405件がまるごと集計から外れます。外れたまま数えると現代は2万9千ドルになり、暗黒期の1万800ドルから2.7倍に回復したように見えます。しかし存命の作家を含めて数え直すと8千400ドルで、暗黒期の水準を下回ります。

したがって、「クレモナは落ちて、また戻った」という話は、そのままでは成り立ちません。落札市場で戻っているのは、20世紀前半までに亡くなった作家の作品です。いま活動している作家の作品は、落札市場ではフランスの量産地ミルクール(中央値4千200ドル)の2倍の水準にとどまっています。

ただし、これを「現代のクレモナには価値がない」と読むのは誤りです。存命の作家の作品は新作であり、新品が中古市場で安いのは、どの商品でも起こることです。また落札価格は業者が仕入れる値段であって、店頭に並ぶ値段ではありません。この分野では落札価格のおよそ1.3〜1.6倍が小売の相場とされます(神田侑晃『改訂 ヴァイオリンの見方・選び方【応用編】』p.73)。8千400ドル(約124万円)にこれを当てると約160万〜190万円となり、本稿の付録Eで実測した店頭価格(クレモナの個人銘で120万〜250万円)とほぼ一致します。この一次市場と二次市場の乖離そのものが、第4節で扱う主題です。ここでは、世代別の数字を見るときに「誰が数えられていないか」を確かめないと、ありもしない回復が見えてしまうということだけ、先に記しておきます。

ただし、落ちること自体は、この時代のどの産地にも起きています。オールドからモダンへ移れば全体の格が下がるのは当たり前で、クレモナが落ちたかどうかを見ても意味がありません。問われるのは同じ時代の他産地に対して、クレモナが位置を保てたかです。そこで、各世代の落札価格の中央値をその世代全体の中央値で割り、同時代の中での位置として比べました。

産地黄金期
1600-1700年生
19世紀
1780-1880年生
位置の変化
クレモナ3.73(68件)1.62(36件)首位からイタリア勢の最下位へ
ナポリ2.84(9件)3.74(101件)上昇
ヴェネツィア2.03(44件)3.51(48件)上昇
ミラノ1.47(47件)4.61(106件)首位へ
トリノ—(8件未満)4.60(141件)19世紀に登場
パリ0.12(24件)1.49(620件)上昇
ロンドン0.16(10件)1.20(126件)上昇
ミルクール(仏の量産地)0.51(323件)

数値は、同じ世代のヴァイオリン全体の落札中央値を1.00としたときの倍率です。図1と同じく、2010年以降に落札されたものだけを用いています。

クレモナだけが下がっています。黄金期のクレモナは同時代の3.73倍で、比べたなかで首位でした。それが19世紀には1.62倍まで落ち、ミラノ4.61・トリノ4.60・ナポリ3.74・ヴェネツィア3.51に抜かれて、イタリアの主要産地では最下位になります。このときのクレモナは、フランスのパリ(1.49)とほぼ同じ水準です。全体が沈んだのではなく、沈んだクレモナの上を、他産地が越えていった——イタリアの中の序列が、この時期に入れ替わっています。

そして入れ替わった先の筆頭がトリノです。黄金期には落札が8件に満たないのに19世紀には141件と、19世紀に新しく立ち上がった産地であることが数の側からも見えます。クレモナで起きたのは衰退ですが、市場全体で起きたのは移動でした。

※ この比較には次の限界があります。第一に、産地の中身が一家に偏ることがあります。たとえば黄金期のナポリはガリアーノ family、ミッテンヴァルトは87%がクロッツ family で、産地というより一家の記録です。ミッテンヴァルトとブレシアは件数も足りないため上表から除きました。件数の少ない欄(黄金期のナポリ9件、ロンドン10件)は、数件で倍率が動きます。第二に、金額は名目で、落札された年が産地ごとに違います。とくに黄金期のクレモナは落札年の中央が1984年と最も古く、この表はクレモナの黄金期を、むしろ低めに見積もっています。実際の落差は表より大きい可能性があります。第三に、中央値は出品の構成に左右されます。読み取れるのは各産地の位置の変化であって、産地どうしの優劣ではありません。

M&Aへの示唆:歴史的なブランドと、現在の事業価値は別物です。「昔は良かった会社だから」は、買う理由になりません。見るべきは、その価値をいまの経営主体が再構成できるかです。

2.ブランド再興は五つの装置で行われた──商流の設計としての事業再生

では、どうやって戻したのか。同書の記述を追うと、五つの装置がこの順番で効いています。順番には意味があります。

第一に、供給能力——学校をつくる

1938年、市が製作学校を設立します。ただし、これが機能し始めるまでには30年以上かかりました。制度をつくった瞬間に人材が湧くわけではない、ということです。

第二に、人材——外に開く

授業料を無料にし、外国人にも門戸を開きました。結果として、卒業生の6割超が外国人になります。ここで注目すべきは、市がこれを問題視しなかったことです。同書によれば、市は「外国人が多いことは、ここで作る意味がある証拠だ」と受け止めていました。地元の担い手が育たないことを嘆くのではなく、外から人が来ること自体をブランドの証拠に読み替えたわけです。

第三に、信頼——認証をつくる

1996年、製作者の協会が設立され、「手作り証明書」の発行が始まります。きっかけは、輸入された木材キットをクレモナで仕上げ、クレモナ製として売る実態がひろがったことでした。証明書には発行上限(フルタイムの製作者で年15本まで)が設けられ、抜き打ちの査察も行われます。

ただし、ここは冷静に読む必要があります。同書ははっきり書いています。「証明書は品質を証明するものではなく、飽くまでも『手作り』の証明書である」。認証が保証しているのは、品質ではなく製法と出自です。

第四に、流通——販路をひらく

そして販路を開いたのは、地元の人ではありませんでした。同書の観察によれば、「保守的な地元製作者より、外から来た者のほうが率先して販売に励んだ」。技術を持っている人と、売る人は、必ずしも同じではありません。

第五に、顧客——狙う層を決める

最後が顧客層の設定です。同書は、クレモナが「一流のプロでもなく、初心者でもない、その中間層を対象とした独自のブランディングで成功してきた」と総括しています。トップ奏者を取りにいったのではなく、中間層を取りにいったのです。

M&Aへの示唆:ブランドは広告でつくるものではなく、商流全体の設計結果です。事業再生で技術だけを戻しても、認証・販路・顧客が戻らなければ、値はつきません。逆に言えば、再建の順番を間違えると、良いものを作れるのに売れない状態が続きます。

3.属人性には二つの形がある──デューデリジェンスで見るべきは「分散」

ここからが、今回の調査でもっとも意外だった部分です。

産地ごとの価格を比べるとき、しばしば「最高値」が引き合いに出されます。しかし最高値は、たった一件の取引で決まってしまう数字です。そこで弊社は、次のような測り方をしました。

その産地の楽器を、値段の順に100本並べます。ちょうど真ん中にくる1本の値段と、上から10本まででいちばん安いものの値段を比べ、「上の層は真ん中の何倍か」を出します。上位10本をひとまとまりで見るので、記録的な落札が一件あっても数字は動きません。

たとえば17世紀のクレモナでは、真ん中の1本が500万〜1000万円なのに対し、上から10本はいちばん安いものでも3000万円を超えます。約10倍の開きです。同じ時代のドイツのミッテンヴァルトで同じことをすると、真ん中が50万〜100万円、上から10本のいちばん安いもので100万〜200万円——開きは2倍しかありません。

この開きが小さい産地では、産地の名前を聞けば値段がだいたい分かります。開きが大きい産地では分かりません。同じ看板の下に、何倍もの差が同居しているからです。値段を決めているのが産地なのか、それとも作った個人なのかは、この開きに表れます。あわせて、その都市で最大の一族が落札金額に占める割合も算出しています。

なお、都市によっては落札の6割近くを弓が占めます。弓と弦楽器では市場が異なるため、以下の都市間比較はすべて弦楽器のみ(弓を除く)で行っています。

都市別の価格分散と一族集中度の散布図。クレモナは突出型、ナポリは底上げ型
図5 横軸は最大一族が落札金額に占める割合、縦軸は価格の散らばり。右上と右下に、性格の異なる二つの街がある。
都市落札件数中央値上の層は真ん中の何倍か最大一族の金額シェア作家数
クレモナ1,467$1万〜2.5万22.5倍53.3%155
マントヴァ581$1万〜2.5万9.1倍27.6%37
トリノ716$2.5万〜5万6.1倍31.8%44
パリ3,511$5,000〜1万6.0倍48.0%245
ナポリ1,005$2.5万〜5万4.3倍73.1%50
ミルクール2,342$2,500〜5,0003.5倍18.2%205
マルクノイキルヒェン891$1,000〜2,5003.0倍37.9%120

クレモナの22.5倍は、二位のマントヴァの2.5倍近くあり、明らかに外れています。しかもこれは、最高値ではなく上から10本をひとまとまりで見た数字です。名器一本の記録的な落札が押し上げているわけではありません。

ここで対照的なのがナポリです。ナポリは、最大一族が落札金額の73.1%を占めており、一族への集中度ではクレモナを上回ります。にもかかわらず、価格の散らばりは4.3倍と小さく、街全体の中央値はクレモナより高い水準にあります。

つまり、両者はどちらも極端な一族依存でありながら、分布の形が正反対です。

ここは慎重に扱う必要があります。データから直接観測できるのは、一族シェア・中央値・散らばりという分布の形だけであって、「一族が街を押し上げた」というのは解釈にあたります。したがって本稿では作用を主張せず、この二つの形に名前をつけるにとどめます。

底上げ型(本稿での呼称)……価値の集中が、市場全体の価格水準にも及んでいる分布。ナポリがこれにあたる。

突出型(本稿での呼称)……価値の集中が市場全体に波及せず、上位層に閉じている分布。クレモナがこれにあたる。

クレモナが突出型であることは、上位一族を外してみると、より鮮明になります。

落札件数中央値上から10本の下限
クレモナ全体1,467$1万〜2.5万$10万〜25万
上位3一族を除外997$5,000〜1万$5万〜10万

クレモナは155人の作家を擁しながら、落札金額の82.7%を上位3一族が占めています。そして街全体の中央値は、ナポリ・トリノ・ヴェネツィア・ミラノ・ブレシアのいずれよりも低い水準です。地名としての「クレモナ」と、そこに付随する作家個人のブランド価値は、同じものではありません。

なお、産地ブランドか作家ブランドかは二者択一ではありません。産地という共通の看板の上に、作家ごとの価格差が乗る二層構造であり、クレモナはその上層の散らばりが極端に大きい市場である——という理解が、データに最も忠実です。

M&Aへの示唆(本稿の中心):同じ「属人的な会社」でも、二つの型があります。
底上げ型は、その人がいることで組織全体の単価が上がっている状態です。抜ければ全体が沈むため、承継の設計は組織全体に及びます。
突出型は、その人だけが突き抜けており、他は平場という状態です。抜けても平場は残りますが、値札の根拠が消えます。
デューデリジェンスで見るべきは「キーパーソンが価値を作っているか」ではなく、「キーパーソンが会社のどの部分の価値を作っているか」です。そしてそれは、平均値ではなく分散を見なければ判別できません。

4.一次市場の評価と、二次市場の換金性は別物である

価格帯ごとに、どの産地・どの時代の作家が並んでいるかを見ると、上に行くほど選択肢が絞られていきます。

価格帯ごとの作家世代の構成比。高額帯ほど古い世代に収束する
図2 価格帯ごとに見た作家世代の構成。上の帯に行くほど、古い世代に収束していく。

では、近年の作家はどうでしょうか。ここでは二つのことが、同時に言えます。

その一:高額帯には、はっきりと薄い層がある

生年が判明していて1900年以降に生まれた作家の落札は2,284件あり、そのうち5万ドルを超えたのは24件、10万ドルを超えたのは1件でした。18世紀の名器が数百万ドルで取引されるのに比べると、桁が二つ違います。

ただし、この数字はそのまま読めません。弊社のデータでは、弦楽器の落札31,790件のうち23.5%にあたる7,469件で作家の生年が記録されておらず、世代別の集計から丸ごと外れます。そして生年が記録されていない製作者のなかには、近年の落札で中央値が10万ドルを超え、最高値が18万ドルに達している人がいます。

したがって「近年の作家の落札は5万ドルが上限」とは言えません。言えるのは、生年が確認できる範囲では高額帯が薄く、その薄さは集計から漏れている作家を含めても大きくは変わらないと考えられる、というところまでです。ここは、データの欠損を承知したうえで読む必要があります。

その二:それでも、上がってきている

そして、より重要なのはこちらです。近年の作家の落札価格は、止まっているのではなく、上昇の途中にあります

クレモナの現代を代表する二つの製作者一族について、落札価格の中央値を10年ごとに追うと、次のようになります。

年代一族A一族B
落札件数中央値落札件数中央値
1980年代8$2,500〜5,000
1990年代15$5,000〜1万
2000年代10$1万〜2.5万11$1万〜2.5万
2010年代21$2.5万〜5万4$1万〜2.5万
2020年代17$2.5万〜5万16$2.5万〜5万
最初の年代からの倍率:一族Aは約10倍(1980年代→2020年代)、一族Bは約2.2倍(2000年代→2020年代)

一族Aは、40年をかけて中央値がほぼ一貫して切り上がっています。一族Bも、2020年代に入って一段上がりました。両者とも、最高値では5万〜10万ドルの帯に届いています。

つまり、近年の作家に見える「天井」は、固定された壁ではなく、いま押し上げられている最中の線だということです。製作者の名前が二次市場で値になるまでには、数十年という時間がかかる——そう読むほうが、データに合っています。

その二の補足:1998年の時点で、欧米の落札と日本の店頭はどれだけ開いていたか

この上昇がいつ始まったかを確かめると、よく語られる説明とは順番が違うことが分かります。現代のクレモナの作家(存命の作家を含む)の落札価格の中央値を、落札された年で区切ります。比較のため、同じ区切りで他の産地と市場全体も並べました。各列は、1983〜89年の水準を1.0とした倍率です。

落札された年クレモナ
(現代)
ミラノ
(現代)
ミルクール
(現代)
市場全体
1983-89年1.01.01.01.0
1990-95年2.11.92.12.0
1996-99年1.82.52.2
2000年代4.13.93.03.0
2010年代5.83.72.34.9
2020年代7.22.84.75.9

1990年代までのクレモナは、市場全体と同じようにしか動いていません。クレモナが市場全体を明確に上回るのは2000年代以降です。「かつての好況期に特定の国の買い手が集中して相場が跳ねた」という説明を耳にすることがありますが、少なくとも欧米の落札記録では、1980年代にクレモナだけが跳ねた形跡は見当たりません。

むしろ、この表で目を引くのは1996〜99年の水準の低さです。この時期の現代クレモナ作の落札の中央値は約2,500ドルでした。この分野では落札価格のおよそ1.3〜1.6倍が小売の相場とされますから、そのまま小売に直すと3,200〜3,900ドルになります。

ところが同じ1998年、日本国内で新作の目安として示されていた金額は「マスター・メードは150万円以下で買うこと」でした(本稿が付録Cで引用した価格表。神田侑晃『改訂 ヴァイオリンの見方・選び方【応用編】』p.197)。当時の為替をどこに置いても、150万円は1万ドルを超えます欧米の落札から素直に計算した小売の3倍前後で、日本では上限が語られていたことになります。

付け加えると、1998年は円安の年でした。この年の為替は1ドル113円から147円の間で動き、8月には147円台をつけています。円建ての金額をドルに直すと、最も小さく見える時期にあたります。それでもなお3倍前後の開きが出ているため、ここで示した開きは、控えめな方の見積もりです。円高の年で測れば、開きはさらに大きく出ます。

同書自身が、その状況をこう書いています。「本来の実力に見合わない、本人が真面目に作った真正マスター・メードでもない、イタリアの新作が、ディーラーの手によって勝手に銘器とされ、馬鹿馬鹿しいほど高い値段で売れてしまう」。本稿が測ったのは、この記述の開きの大きさにあたる部分です。そして世界の落札水準がその後に追いついてくる——2000年代に4.1倍、2020年代に7.2倍——というのが、同じデータから続けて読めることです。

※ この節の換算について。本稿が保有する為替データは2003年以降のため、1998年の円換算は概算です。ただし当時の為替がどの水準であっても150万円は1万ドルを上回るため、上の「3倍前後」という開きの向きは変わりません。また、1980年代の落札が安いことには、当時まだ若く無名だった作家が多く含まれるという効果も混ざっています。時代による相場の変化と、作家個人が評価を得ていく過程とを、この集計は分離できていません。さらに、落札記録は欧米の市場のものです。同じ時期に日本国内でいくらで売られていたかは、この記録には映りません。上で日本側の水準として用いたのは、当時の文献に記された目安であって、実測ではありません。

その三:日本の正規代理店を21年間、定点観測する

ここで、供給側ではなく販売側を見ます。クレモナの製作者協会は、日本において地域ごとに正規代理店を指定しています。その一店について、公開されている在庫リストを2004年から2026年まで、164時点にわたって復元しました(合計16,717行)。国内で確認できたかぎり、最も長い定点観測です。

まず全体の傾向です。価格が表示されている作家のうち、複数の期間にわたって観測できた者を抜き出し、5年ごとの中央値を追いました。その結果、21年間を通じた価格変化の中央値は、ほぼ1.0倍でした。上昇した作家も下落した作家もいますが、全体としては動いていません。

次に、同じ作家について世界の落札価格と並べます。両方で十分な観測数が取れたのは5名にとどまりますが、方向ははっきりしています。

日本の代理店の店頭価格世界の落札価格
2004-08年頃2019-26年頃2004-08年頃2019-26年頃
作家A5,000万円超2,000〜4,000万円台$10万〜25万$10万〜25万
作家B300〜400万円台200万円台$1万〜2.5万$2.5万〜5万
作家C200万円台300〜400万円台$5,000〜1万$1万〜2.5万
作家D200万円台200万円台$1万〜2.5万$2.5万〜5万
作家E100万円台後半100万円台後半$5,000〜1万$5,000〜1万
変化の中央値1.06倍1.38倍

5名のうち4名で、世界の落札価格の上昇が、日本の店頭価格の変化を上回っています。うち2名は、落札価格が2倍・2.8倍になった一方で、日本の店頭は下がるか横ばいでした。

その四:値札は円に固定されていた

なぜこうなるのか。この代理店のリストには、一部の商品に円建て価格と国際価格(ドル建て)が併記されていました。両者の比を取ると、その店が用いていた換算レートが復元できます。

期間併記から復元した換算レート
2014年105円/ドル
2015〜2023年100円/ドル(9年間、同一)
2024〜2025年140円/ドル

市場の実勢レートではなく、円価格を100で割った丸い数字が9年間使われ、その後まとめて4割引き上げられていました。つまりこの店の値札は、為替ではなく円に固定されていたことになります。

ここから、製作者の側に何が起きるかが見えます。円建ての卸値が据え置かれ、換算レートだけが100から140へ動いたとすれば、製作者が受け取る外貨建ての手取りは、作品の評価とは無関係に3割ほど目減りします。腕が落ちたわけでも、評価が下がったわけでもありません。取引通貨が動いただけです。

第2節で見た「販路をひらいたのは外から来た者だった」「製作者の約8割がディーラーに卸し、平均5社と取引している」という記述は、単に商売熱心だったという話ではないのかもしれません。ひとつの通貨圏に依存すれば、手取りが一方的に削られる——販路の分散は、売上を増やすためであると同時に、その防衛でもあったと読めます。

※ この定点観測は一店舗のものです。同じ作家が複数の国内店に在庫としてある場合、店をまたいだ価格差は概ね1.0〜1.2倍の範囲に収まっており、店ごとの値付けの差は小さいことも確認しています。ただし本節の21年推移をもって国内市場全体の傾向とすることはできません。

追記——これは日本の店に固有の性質ではありませんでした

ここまでは一店舗の換算レートの話でした。その後、日本・アメリカ・ドイツの三か国について、同一の個体が円安の前後で値札を変えたかどうかを追跡しました。同じ楽器が2021年以前と2023年以降の両方で値札つきで確認できたものだけを対象にしています。集計値の推移ではなく、一挺ずつの追跡です。

店の所在追跡できた個体自国通貨での変化ドル建てでの変化同期間の対ドル為替一円も動かさなかった割合
日本18本1.00倍0.71倍1.41倍83%
アメリカ92本1.00倍1.00倍1.30倍86%
ドイツ15本1.00倍0.92倍1.34倍20%

三か国とも、自国通貨での値札は動いていません。ドル建てで見たときの結果は、その国の通貨がどれだけ動いたかだけで決まっています。日本の0.71倍は、為替の1.41倍のちょうど逆数です。

つまり「円に固定されていた」のは、この店の値付け方針というよりも、どの国の店も自国通貨の値札を動かさないという性質に、円の下落がぶつかった結果と読むほうが正確です。値下げをしたのではありません。何もしなかった結果として、外貨建ての価格が3割下がったのです。

ひとつだけ、ドイツの店が違う挙動を見せます。中央値は同じ1.00倍でも、一円も動かさなかった個体は20%しかありません。上げた個体と下げた個体が拮抗して、結果として横ばいになっています。日本とアメリカが「触らない」のに対し、この店は「触った上で均衡している」。同じ横ばいでも、中身が違います。

※ 追跡できた本数が少ないのは、両時点に値札つきで残る個体が限られるためです。日本側は267本のうち18本(7%)しか追えていません。売却が7本、値札が非公開に変わったものが9本、在庫から消えたものが233本です。3年以上売れ残った個体だけが残るため、据え置き率は実態より高く出ている可能性があります。アメリカ側は235本のうち92本(39%)で、標本としてはこちらのほうが確かです。

M&Aへの示唆:外貨建ての取引がある会社を見るとき、「値上げをしていない」ことと「手取りが減っていない」ことは別です。名目価格を据え置くのは、どの国の会社もやります。据え置きが問題になるのは、通貨が動いたときだけです。デューデリジェンスでは価格改定の履歴ではなく、通貨が動いたときに改定したかどうかを見てください。

M&Aへの示唆:販売先が一社・一通貨に集中している会社は、実力と関係なく手取りが動きます。デューデリジェンスで見るべきは取引先の数そのものではなく、価格の決定権がどちら側にあるかです。長期にわたって同じ建値を受け入れている取引は、安定した関係の証拠であると同時に、価格決定権を相手に預けている証拠でもあります。

※ 個別の製作者名は伏せています。存命の可能性がある作家について価格を明示すると、ご本人の取引条件に影響しうるためです。両者ともクレモナで工房を構え、多くの弟子を育てた製作者です。

M&Aへの示唆:一次市場のブランド力と、二次市場の換金性は別物です。「いまこの会社が評価されている」ことと、「経営者が代わった後も市場がその評価を維持する」ことは違います。人気がある/高く売れている/高く換金できる——この三つは、それぞれ別の話です。
そして、二次市場での評価は時間をかけて形成されます。上の二つの一族は、数十年かけて評価を積み上げました。裏を返せば、評価が固まるまでの期間は、実力があっても換金性が低いということです。承継の場面で「良い会社なのに値がつかない」という状況は、実力の問題ではなく、市場がその評価を確定させるまでの時間の問題であることがあります。

その五:同じ作家であれば、国が変わっても値段は変わらない

ここまでは一つの市場の中の話でした。国をまたぐとどうなるか。日本・アメリカ・ドイツの在庫から、クレモナで現在活動している製作者の作品を抜き出し、同じ製作者の作品が二か国以上の棚にあるものだけを取り出して比べます。

該当したのは7人でした。日本とアメリカの両方にある5人は、日本の価格をアメリカで割ると中央値0.93倍(個別には0.57〜1.12倍)。日本とドイツの両方にある2人は1.10倍。同じ製作者であれば、国が変わっても価格はおおむね揃っています。

ところが、国ごとに「クレモナの製作者の作品」としてまとめた中央価格を出すと、こうなります。

店の所在該当した製作者製作者ごとの中央価格うち5万ドルを超える製作者
日本(8店)87人1.2万〜2万ドル14人(16%)
アメリカ(1店)36人1.2万〜2万ドル0人
ドイツ(1店)33人5千〜8千ドル0人

同じ製作者では価格が揃うのに、まとめると開く。この差は価格の差ではなく、どの製作者を置いているかの差です。ドイツの店は該当する製作者の半数が8千ドル未満の層に集中し、工房名義と明記された在庫が35%を占めます(日本2%、アメリカ0%)。

そこで、工房名義のものと個人名義のものを分けて集計し直しました。分けると、ドイツの店の在庫は工房名義21本と個人名義34本に割れます。個人名義どうしで比べれば、日本とアメリカの比は1.08倍です。

※ 比較の土台が非対称です。日本は8店、アメリカとドイツは各1店です。ドイツの店が低価格帯を専門にしているだけの可能性を排除できていません。また日本側に高額帯の製作者が多いのは、8店の中に高額品を扱う専門店が含まれているためでもあります。店の性格による差と、国による差を分離できていません。「ドイツでは高額なクレモナ作品が売られていない」とは読めず、「観測した1店は低価格帯を扱っていた」までです。

追記(2026年9月9日)——四か国目を足しました。英国の1店(会員制のショールームで、現代の個人製作者を主力に置く店)の在庫238点を新たに取得し、上と同じ方法で突き合わせました。クレモナで活動する製作者のうち、英国と他の国の両方の棚にあったのは2人だけです。1人は日本・ドイツの両方にもあり、日本の価格を英国で割ると0.54倍、ドイツを英国で割っても0.54倍。もう1人はアメリカにもあり、0.51倍でした。日本・アメリカ・ドイツの三か国では揃っていた値が、英国の店では約2倍で出ています。ただし英国は1店・2人の観測です。この店が高価格帯を専門にしているだけの可能性を排除できず、「英国では高い」とは読めません。読めるのは「同じ製作者でも、店によっては2倍で値付けされた」までで、その五の結論(同じ製作者なら国が変わっても価格は揃う)は、三か国の範囲では変わっていません。逆に、日本の店で同じ製作者が他国より高く出た例も1人あります。国際コンクールの出品歴が価格に上乗せされている可能性があり、これも店の値付けの側の話です。国をまたぐ価格差は「原則は揃う、例外は店ごとに出る」と整理し、例外の側は引き続き事例を集めます。

M&Aへの示唆:同業種の取引事例を並べて「この業界の相場はこのくらい」と括るとき、括った中の顔ぶれが揃っているかを先に確認してください。個社ごとに見れば妥当な値がついていても、母集団に入っている会社の顔ぶれが違えば、集計値はいくらでも動きます。倍率の差を見たときに最初に疑うべきは価格ではなく、母集団の構成です。

その六:どの産地が高く評価されるかは、市場によって違う

もう一段、単位を上げます。ここまでは「同じ製作者」で比べましたが、今度は製作者を産地でまとめて、その序列が市場ごとに違うかを見ます。工房名義・量産名義・無名のものは外し、個人の製作者名が読めるものだけを使いました。

比較の物差しとして、世界のオークション落札(2010年以降)も同じ産地で集計しています。こちらは特定の店の仕入れの好みが入りません。

産地日本の棚アメリカの棚ドイツの棚世界の落札
ナポリ9位1位1位1位
ヴェネツィア/ブレシア2位
ミラノ2位2位3位
トリノ1位6位4位
フィレンツェ3位2位5位
リヨン3位6位
クレモナ4位5位5位7位
パリ7位4位3位8位
イギリス8位4位9位
ミッテンヴァルト8位8位10位
ミルクール5位6位7位12位
マルクノイキルヒェン/ザクセン6位9位13位

三つのことが読めます。

第一に、クレモナはイタリアの中で最上位ではありません。世界の落札では7位で、ナポリ・ヴェネツィア・ミラノ・トリノ・フィレンツェが上にあります。三つの市場の棚でも4位から5位です。第3節で見た「クレモナの中央値は他都市より低い」という所見が、産地の序列という別の角度からも確認できました。クレモナの価値は、平均的な水準の高さではなく、上位のごく一部の厚みにあります。

第二に、ナポリの扱いが日本だけ違います。世界の落札でもアメリカの棚でもドイツの棚でも1位である産地が、日本の棚では9位です。逆にトリノは日本で1位、世界の落札では4位でした。どの産地を高く評価するかは、市場ごとに揃っていません。

第三に、フランスの量産地であるミルクールは、三つの棚すべてで世界の落札より高い順位に置かれています(世界12位に対し日本5位・アメリカ6位・ドイツ7位)。これは第5節で触れる、安価な帯ほど店頭価格が落札価格から離れるという現象と整合します。

※ この集計には、大きな前提がひとつあります。日本の店は、イタリアの楽器に都市名を書きません。イタリア製と判別できる個人名義の在庫170本のうち、都市名まで記載されていたのは32本(19%)でした。アメリカは84%、ドイツは60%です。そのため日本については、製作者名から産地を補完しています(100本)。補完できるのは公開されている製作者名簿に記載のある製作者に限られ、名簿にない製作者は産地不明のまま残ります。また日本のナポリ6本・トリノ5本・フィレンツェ5本は本数が少なく、数本の入れ替わりで順位が動きます。

なお、この「都市名を書かない」という事実そのものが、ひとつの所見です。同じ楽器を、ある市場は「トリノの製作者の作品」として売り、別の市場は「イタリア製」として売っている。第2節で見た「中間層の顧客の多くは、自分で音を判断することが難しいため、ディーラーが勧める楽器を購入している」という記述を踏まえれば、買い手が読み分けられない粒度の情報は、そもそも表示されないと考えるほうが自然です。

M&Aへの示唆:買い手が業界をどの粒度で見ているかは、売り手が思っているより粗いことがあります。売り手が「うちは同業他社とここが違う」と考えている軸が、買い手の評価軸に存在しないことがある。企業概要書を作るときは、自社が誇る差別化要素が、買い手の側で価格の差になっている軸かどうかを先に確かめてください。

順位に本数を重ねると、クレモナの位置がはっきりします

ここまでは価格の順位だけを見てきました。同じ表に在庫に占める本数を重ねると、産地ごとの性格が分かれます。

産地価格の順位
(日/米/独/世界の落札)
順位のブレ棚に占める割合
(日本/アメリカ/ドイツ)
クレモナ4/5/5/7位3位52.0%/41.2%/26.2%
ミルクール5/6/7/12位7位8.8%/17.6%/20.8%
マルクノイキルヒェン/ザクセン6/—/9/13位7位6.4%/—/16.2%
パリ7/4/3/8位5位5.6%/10.3%/3.8%
ナポリ9/1/1/1位8位4.8%/4.4%/2.3%

三つの型に分かれます。

ナポリは、価格の順位が最上位でありながら、棚に占める割合は数パーセントです。高い値がつくが、めったに出てこない。ミルクールとマルクノイキルヒェンは逆で、数はあるが価格の順位は下位です。そしてクレモナは、価格は中位のまま、三か国すべてで棚の最大勢力を占めています。本数の合計は127本で、二番手の2.5倍です。

第4節で見たとおり、クレモナの現代作品は同じ製作者であれば国が変わっても価格が揃います(日本とアメリカで1.08倍)。ここに本数と順位を重ねると、こうなります。

価格は中位。数は最大。国が変わっても値段が変わらない。

これは、第2節で見た「一流のプロでもなく初心者でもない中間層を対象としたブランディング」が、そのまま市場の構造として現れたものと読めます。上には希少で高価な産地があり、下には安価な量産地がある。その中間に、最も数が出て、どこで買っても同じ値段の選択肢が置かれている。音を自分で判断できない買い手にとって、この三つが揃っている商品は、少なくとも「値段で損をしない」ことだけは確かめられます。

なお、棚に占める割合は日本が52.0%と最も高く、産地が判別できる個人名義の在庫の半分以上がクレモナでした。アメリカ41.2%、ドイツ26.2%。第2節の記述と合わせれば、クレモナの再興が狙いを定めた層に、日本の市場が最もよく対応したことになります。

M&Aへの示唆:数量シェアと価格順位は、別々に見ると誤読します。「単価が業界中位」であることは弱みに見えますが、そこに数量シェアの首位が重なると、それは意図した位置取りです。デューデリジェンスで単価の低さを指摘する前に、その価格帯を選んだ結果として何を取れているのかを確認してください。

その七:国による差は、為替の換算方法を変えると符号が変わる

ここまでの国際比較には、ひとつ落とし穴があります。どの日の為替で換算したかです。

店は、自国の通貨で値札を付けます。そして一度付けた値札を、そう頻繁には書き換えません。本稿の第4節で見たとおり、日本の専門店は追跡できた個体の83%で価格を据え置いていました。アメリカの店も86%です。つまり値札は、それが付いた日の為替のまま止まっています。

そこで、同じ在庫を二通りに換算し直しました。ひとつは今日の為替で。もうひとつはその値札が最初に観測された日の為替で。使ったのは日本・アメリカ・ドイツの定点観測(それぞれ161本・293本・418本、値札が付いた日は2011年〜2026年に分布)と、2003年以降の日次為替です。

店の所在今日の為替で換算値札が付いた日の為替で換算
日本5千〜8千ドル1.2万〜2万ドル+56%
アメリカ3千〜5千ドル3千〜5千ドル±0%
ドイツ3千〜5千ドル2千〜3千ドル−11%

日本だけが大きく動きます。これは日本の店が値下げをしたということではありません。円建ての値札に手を触れないまま、円安が進んだ。その値札を今日の為替でドルに直せば、当然安く出ます。何もしなかった結果が、外から見ると値下げのように見えているということです。

この換算の違いは、国際比較の結論そのものを反転させます。同じ製作者が二か国以上の棚にあるものを取り出し、日本を100とする指数にして並べました。

換算に使った為替アメリカの指数(日本=100)24件のうち「日本の方が高い」もの四分位の幅
今日の為替1379件198
値札が付いた日の為替8716件132

今日の為替で見れば「日本の方が安い」。値札が付いた時点で見れば「日本の方がやや高い」。同じ在庫から、逆の結論が出ます。

そして、四分位の幅は198から132へ縮みます。為替の影響を取り除くだけで、国どうしのばらつきは三分の二になります。残った差のかなりの部分は、為替をいつの時点で当てたかという、商品とは関係のない要因でできていたことになります。

本稿は、ここから「どちらの国が高い」とは言いません。言えるのは、国による差は、換算方法を変えると符号が変わる程度の大きさしかないということです。差が実体を持つには、小さすぎます。

※ この換算にも限界があります。為替の影響は取り除けますが、年代のずれは取り除けません。日本の値札は2011年〜2022年、アメリカは2020年〜2025年、ドイツは2019年〜2026年に集中しています。相場そのものが動いていれば、その分は残ります。また日本側は一店舗161本で、店の性格による差を分離できていません。

M&Aへの示唆:海外の取引事例を自国通貨に直して並べるとき、その価格がいつ決まったものかを先に確認してください。名目の価格は動きません。動くのは為替の方です。決算期の違う会社を同じ表に並べるのと同じ問題が、通貨をまたぐ比較には常に付いています。倍率の差を見つけたら、それが事業の差なのか、換算した日の差なのかを分けてください。

その八:産地でまとめ直すと、その五の前提が崩れて見える理由

その五では、比較の単位を最初から「同じ製作者」に置いていました。国をまたいで値段が揃うかどうかを見るのに、製作者名で同一個体らしきものを突き合わせる以外の方法がなかったからです。その時点で、単位は名前だと決めていたことになります。

今回あらためて確かめたのは、その前提を外して産地という粗い単位でまとめ直すと何が起きるかです。まず、個人の製作者名で流通しているもの(A群)は、その五の方法のとおり1.02〜1.24倍に収まりました。

次に、工房・工場の名義で流通しているもの(B群)を同じ方法で突き合わせようとしました。ここで、比較の前に潰しておくべき取り違えが見つかりました。ブランド名や地名を手がかりに商品名を突き合わせる方法は、個人の製作者名を突き合わせるより誤りやすいということです。実際に点検した7つの表記のうち、6つで次のいずれかが起きていました。

これらを一つずつ手当てして——同一人物に限定し、地名ではなく実在の屋号だけに絞り、世代とグレードを揃えて——比較をやり直すと、点検した7つの表記のうち6つで、正しく対応する組み合わせが片方の国に1〜2件しか残りませんでした。開きを計算するに足る標本が、そもそも確保できなかったということです。

唯一、条件が揃ったのがある19〜20世紀初頭の工房(フランス・ミルクール)でした。同一人物、かつ製造年が1919〜1935年に収まる個体が、ドイツに3件、アメリカに2件残りました。この組み合わせに限って開きを計算すると、2.61倍です。個人の製作者名(1.02〜1.24倍)よりは開いていますが、他の6表記で見られたような数倍〜10倍近い開きではありません。ただしn=2〜3であり、参考値の域を出ません。

本稿はここから、量産・工房ブランドの国際的な開きを、一般化できる倍率としては示しません。示せるのは、個人の製作者名に比べて、量産・工房ブランドは「同じもの」を国境をまたいで特定すること自体が難しいという事実です。名前が個人を指すか、屋号を指すか、地名を指すかが曖昧なぶん、比較の土台を作る段階でつまずきます。これは倍率の大小以前の問題であり、属人性の高いものほど比較しやすく、量産に寄るほど比較そのものが難しくなるという、本稿の他の箇所とも整合する結果です。

ただし、地名や屋号の一致だけで揃えた場合に実際にどれだけの開きが生じるかは、それ自体が実務上のシグナルになります。等級を確認する前の、素の数字を並べます。

手がかり何が混ざっていたか国どうしの開き
ある地名(フランス)1850年代の無銘品から、2020年代の現代工房限定品まで2.56倍
ある地名(ドイツ)無銘の量産品と、名の通った現行ブランドの品4.62倍
ある工房の屋号創業者本人の作と、息子・弟子筋の工房作5.55倍
ある工房の屋号(グレードを問わず)自社の最も廉価な等級と、上位モデル・傘下の別系列5.88倍

これは国際価格差ではありません。同じ地名・同じ屋号という一点だけで揃えると、その内側に混在する等級・世代・年代の差が、そのまま「国どうしの開き」として現れます。地名や屋号が一致することは、比較対象が同格であることを何も保証しません。これも実務への示唆として持ち帰れる形です――類似取引を集めるとき、業種や地域、あるいは取扱商品のカテゴリー名が一致しているというだけで「比較可能」と判断すると、内側に混在する格差の分だけ、見かけの倍率が膨らみます。

具体例を挙げます。国内のある大手専門店では、J.T.L.社が自社の上位ラインに用いた商標を冠した、無銘のミルクール製ヴァイオリン(1920年代製)が99万〜154万円で売られています。同じ店には、特定の製作者の作とは主張しない、様式を示す装飾的な銘(「ストラディヴァリウス・ラベル」等)を付けた同時代の無銘量産品が77万〜88万円で並びます。一方、同じ国内在庫には、現役のクレモナの製作者による新作ヴァイオリンが99万円から複数並んでいます。無銘の量産品に77万〜99万円を払うのと、ほぼ同じ金額で、国際的に価格がほぼ揃うことを本稿の前段で確認した新作クレモナ・ヴァイオリンが買えます。同種の無銘品が海外ではこれより安く売られていることを踏まえると(本稿の別項で見たとおりです)、古い量産品の枯れた鳴りを好みとして求める場合を別にすれば、経済合理性の観点からはイレギュラーな購買に見える可能性があります。

ところが、同じ発想を産地の単位でまとめ直すと、別の形で崩れます。

産地国どうしの開き本数(日/米/独)
マルクノイキルヒェン(ドイツ)1.72倍1/7/10
クレモナ(イタリア)1.77倍26/23/15
ミルクール(フランス)1.85倍1/9/21
パリ(フランス)2.86倍0/6/12

産地でまとめると、クレモナも量産地と同じ1.7〜1.9倍に並びます。産地という括りの中に、名の通った製作者から工房製までが混ざるからです。ただし、この1.7〜1.9倍という数字自体も、等級を揃えずに産地だけで括った結果です。本稿の付録Eで等級ごとに割り直すと、クレモナはブランド銘/個人銘/名工銘で中央値がおよそ63万円・120万円・180万円と三段に分かれます。一方でミルクールはブランド銘と個人銘がどちらも43万円で、ほとんど差がつきません。個人名が価格を押し上げるかどうかは産地によって違い、産地単位の倍率はその違いを潰してしまいます。

つまり、その五で「同じ製作者」を単位に置いたのは、都合の良い選び方ではありませんでした。単位を都市に緩めた瞬間に収束は崩れます。「クレモナ製だから世界中で同じ値段」なのではなく、「その製作者の作品だから世界中で同じ値段」であって、クレモナはその製作者を数多く抱えている産地である、という順序です。今回あらためて分かったのは、産地という単位が崩れる理由です。同じ産地ラベルの中に、製作者単位の商品と量産品が混在しています。先ほどの表で見た2.56〜5.88倍という開きは、量産・工房ブランドの国どうしの実勢差ではなく、等級を確認せずに地名・屋号だけで揃えたときに生じる、見かけの開きの大きさでした。産地という単位が脆いのも、根は同じです。「同じもの」を特定する手がかりが、名前より曖昧だからです。

※ 産地の判定は、製作者名を落札記録の製作地と突き合わせて行いました。この方法には注意点があります。有名な産地の姓は、後世の模倣品にも使われます。そのままでは模倣品を本人の作として数えてしまうため、製作者の没年より後に作られたことになっている個体は除外しています。この処理を入れる前と後で、ある国の中央値は6倍動きました。

M&Aへの示唆:類似会社比較を行うとき、どの単位で「同業」と括ったかで、ばらつきは何倍にも変わります。業種コードで括った集団のばらつきが大きいことは、その業界の値付けが不安定であることを意味しません。括りが粗いだけかもしれません。ばらつきが大きいと感じたら、まず一段細かい単位で括り直してから、それでも残るばらつきを議論してください。

5.希望価格と成約価格の差は何でできているか──情報の非対称性を分離する

ここからは、オークションの成約価格と、国内の店頭価格を突き合わせます。

観察——両者の倍率は、価格帯と逆相関します。

この観察を裸で出すと、安い帯ほど不当に高く売られている、という読み方をされかねません。ですが、差のあいだには積み上がる項目があります。

説明候補——差の中身として、少なくとも次の七つが挙げられます。

  1. 購入者手数料(オークションの表示価格には既に含まれる場合が多い)
  2. 関税・消費税・国際輸送・保険
  3. 整備。中古の弦楽器は、ネックの角度調整、指板、駒、魂柱、糸巻き、剥がれの膠付け、ニス補修と、実質的に「再製作」に近い工程を要することがあります。そして、この部品代と工賃は、個体の価格が高かろうと安かろうと、ほぼ同額でかかります
  4. 鑑定と証明書の取得
  5. 在庫金利と回転
  6. 保証・調整・下取りの引き受け
  7. 外れを掴んだ分の埋め合わせ(割れ、申告されていない修理歴、ラベルと実物の相違)

個体価格に対して相対的に固定的なこれらのコストが、逆相関に影響している可能性があります。安い個体ほど、同額の工程費が倍率として大きく効くからです。なお「高額帯は落札の時点ですでに整備・鑑定が済んでいるため、乗せる工程が少ない」という見方もありますが、これは全ての高額個体を確認したものではないため、観測された事実ではなく、市場構造上の仮説として扱います。

差の中身をもう一段、切り分ける

上に挙げた七つの説明候補のうち、いくつかは個体価格に対して固定的なコストです。もしそれが倍率の逆相関を作っているのなら、上乗せの実額は価格帯によらず一定に近いはずです。実際に計算すると、そうはなりませんでした。

落札価格の帯件数店頭価格の倍率上乗せの実額(中央値)
5千ドル未満56件2.29倍5千ドル前後
5千〜2万ドル78件2.20倍1万ドル弱
2万〜10万ドル37件1.74倍2万〜3万ドル
10万ドル超9件1.94倍15万ドル前後

倍率は下がるのに、実額は30倍に膨らみます。定額の工程費を薄めているだけでは、この形は説明できません。上乗せは価格に比例して取られており、倍率が高額帯で縮むのは別の理由によることになります。

もっとも素直な説明は、高額帯では買い手が競売に直接参加するという選択肢を現実に持つ、というものです。3千ドルの楽器に7千ドル乗っていても、言語や商習慣の壁を越えてまで自分で入札する人はいません。10万ドルの楽器で5万ドルの差があれば、越える動機が生まれます。安い帯ほど倍率が大きいのは、そこでは買い手に代替手段がないということでもあります。

もうひとつ、残差の中身に直接触れる観察があります。同じ価格帯の中で、その製作者の落札記録がどれだけ公開されているかで分けると、こうなります。

落札価格の帯落札記録4〜9件の製作者落札記録20件以上の製作者
5千ドル未満2.26倍(12件)2.27倍(34件)
5千〜2万ドル2.38倍(38件)1.95倍(36件)
2万〜10万ドル2.03倍(8件)1.62倍(18件)

5千ドルを超える帯では、取引記録が公然と積み上がっている製作者ほど、上乗せが12〜20%小さくなっています。同じ価格帯の中での比較なので、加工や保証のコスト構造の違いでは説明できません。買い手が参照できる価格が存在するかどうかが、そのまま上乗せの幅に効いている——残差の一部が情報の非対称性であることの、直接的な傍証です。

5千ドル未満の帯で差が出ないのは、この帯では買い手が落札記録を参照しないからだと考えられます。参照可能性は、参照する動機がなければ価格に効きません。

M&Aへの示唆:情報の非対称性は「隠している側が得をする」という話に見えがちですが、実態はもう少し機械的です。比較対象が公開されている案件ほど、価格の幅は狭くなります。売り手として交渉力を上げたいなら、自社の数字を隠すより、比較可能な指標を自分から整えて提示するほうが効く場面があります。

残差——ここが重要です。弊社は各コストを実測していません。したがって「差の大半は加工と保証の対価である」とは書けません。書けるのは、ここまでです。

差のかなりの部分は、加工・保証・在庫・流通のコスト構造によって説明を試みることができる。そして説明しきれない残差が、情報の非対称性による価格形成を示唆する。

すべてを説明したと主張するより、説明できる部分とできない部分を分離するほうが、分析としては強くなります。

そして、その残差がもっとも効くのは、おそらく中間層の帯です。同書は、この層についてこう書いています。「中間層の顧客の多くは、自分で音を判断することが難しいため、ディーラーが勧める楽器を購入している」。第2節で見たとおり、クレモナが再興にあたって狙いを定めたのも、まさにこの層でした。

M&Aへの示唆:売り手の希望価格と買い手の提示価格の差を、「買い手がケチ」「売り手が欲張り」で説明しないことです。何によってその差が生じているのかを分解し、分解して残った分を情報の非対称性として扱う。この順番を守るだけで、交渉の質が変わります。

6.値札はなぜ下がらないのか──非公開市場では時間が調整弁になる

弊社は2026年4月10日に取得した国内の在庫を、同じURLで8月25日にもう一度取得しました。

観察——両時点で在庫が継続していた432本のうち、値下げされていたのは1本だけでした。8〜9割が据え置きで、残りは値上げです。売れ残っても値札は下げられず、棚から消えるまで置かれています。

ただし、これは2時点・差分1回の観測です。「弦楽器の店頭価格は下方硬直的である」と市場の性質として断定するには、観測点が足りません。本稿では「今回の差分では、値下げはほとんど観測されなかった」という事実の記録にとどめ、継続観察の対象とします。次の観測点で、傾向として語れるかどうかを判定します。

追記——観測点を増やしました

この点については、その後に観測を増やすことができました。過去のウェブ保存記録を使い、日本・アメリカ・ドイツの三か国について、年をまたいで同じ個体を追跡しています。2時点の差分ではなく、日本は22年、アメリカは5年、ドイツは7年の記録です。

店の所在年をまたいで追えた個体据え置き値上げ値下げ
日本175本58%26%15%
アメリカ263本89%10%1%
ドイツ58本55%17%28%

値下げがほとんど起きないのは、アメリカの店でより顕著でした(263本中3本)。一方ドイツの店では28%が値下げされています。値札の下方硬直は、日本市場に固有の性質ではありません。そして少なくとも今回の範囲では、市場によってかなり違います。第6節の冒頭で「観測点が足りない」として保留した論点は、「下方硬直は市場ごとに異なる」という形で部分的に解けました。

もうひとつ分かったことがあります。個体の値札が動かないことと、店全体の価格水準が動かないことは別です。アメリカの店は個体の値札を89%据え置いたまま、在庫全体の中央価格が5年で2.5倍になっています。上がったのは既存の値札ではなく、新しく仕入れた在庫のほうです。

価格転嫁は、値札の改定ではなく品揃えの入れ替えによって起きていました。

M&Aへの示唆:既存契約の単価が据え置かれている会社を見て、値上げができていない会社だと決めつけないでください。新規案件の単価を別に見る必要があります。価格転嫁は、往々にして既存の取引ではなく新しい取引に現れます。逆に、既存単価だけが上がっていて新規が伸びていない場合は、既存顧客に依存した値上げであり、持続性を疑う根拠になります。

さらに、この観測方法にはもうひとつの限界があります。期間限定の特価は、2時点の観測では原理的に捕捉できません。二つの観測日のあいだに値引きが行われ、売れずに元の価格へ戻された場合、記録の上では「価格据置」として残ります。したがって「値下げが観測されなかった」ことは、「値引きが行われていない」ことを意味しません。定価が動かないことと、店頭で値引きが起きないことは、別の話です。

そのうえで、なぜ定価が下がらないのかを考えると、「強気だから下げない」とは別の説明が立ちます。この市場では、値下げがそもそも機能しにくい可能性があります。

弦楽器の買い手は、多くの場合、先に予算の帯を決め、その帯の中で数本を比較します。全価格帯を横断して比べる買い方はしません。すると値下げは、「同じものが安くなった」とは読まれず、「ひとつ下の帯のものになった」と読まれます。つまり値下げは新しい需要を掘り起こさず、品質のシグナルだけを損なう。下げても売れないから下げないのであって、強気だから下げないのとは違う、という説明です。

この読み方は、もうひとつの観察とも整合します。

国内店頭価格の分布。特定の価格帯の手前で本数が落ちる段がある
図3 国内店頭価格の分布。特定の金額帯の手前で本数が落ち、その上でまた戻る「段」がある。
世界の落札価格の分布。段がなくなめらかに減衰する
図4 世界の落札価格の分布。こちらには段がなく、なめらかに減衰する。

国内の店頭価格には、特定の金額帯の手前で本数が落ち、その上でまた戻る箇所があります。世界の落札価格の分布には、これがありません。なめらかに減衰していくだけです。

ここも断定は避けます。書けるのはここまでです。国内小売価格には、世界の成約価格には見られない価格帯ごとの段が存在する。これは、小売価格が取得原価に一定率を乗せる形では形成されていないことを示唆する。

では、その段は何なのか。候補としては、顧客の予算上限、商流上の価格帯の区切り、店舗の在庫政策、心理的な価格設定、楽器の用途(学習用・受験用・演奏用)などが考えられます。いずれも、今回のデータだけでは特定できません。

M&Aへの示唆:ここは、そのまま持ち帰れます。希望価格を下げると、買い手には「何か出たのか」と読まれます。買い手もまた、先にレンジを決めて案件を並べています。したがってレンジをまたぐ値下げは、案件の格を一段落とすことになりかねません。結果として売り手は、値札を下げずに時間で待つことになります。値札の硬直は、売り手の強気ではなく、値下げが逆シグナルになる市場の構造から来ている——そう読むほうが実態に近いはずです。
そして非公開市場では、「いくらで出ているか」より「どれくらいの期間で動くか」のほうが、価値の情報になります。

7.弦楽器市場のデータから得られる、M&A・企業価値評価への6つの示唆

  1. のれんだけが残った事業は、再建できます。ただし戻るのは元の技術ではなく、外から持ち帰った技術による「新しい伝統」です。クレモナは、そのことを認めたうえでブランドを立て直しました。再生できるかどうか、その能力自体が企業価値になります。
  2. 属人性は「ある/ない」ではなく「形」で見ます。底上げ型と突出型では、承継後に起きることが違います。そして両者は、平均ではなく分散を見なければ区別できません。
  3. 一次市場の評価と、二次市場の換金性は別です。いま高く売れていることは、経営者が代わった後も高く売れることを意味しません。
  4. 価格差は、まず工程で説明を試みます。そして説明しきれなかった残差を、情報の非対称性として扱います。
  5. 値札が下がらない市場では、価格ではなく時間が調整弁になります。
  6. 比較事例が出てこない市場では、同じ棚を二度見た者だけが時間軸を持ちます。定点観測それ自体が、情報になります。

本稿の立場について

弊社はM&Aの仲介および助言を業としており、本稿の問題意識は、その実務のなかから生じています。似た会社がいくらで売れたのかが分からないまま、企業価値の話をしなければならない——この困りごとを、比較できる成約記録が長期にわたって残っている別の市場で考えてみた、というのが本稿です。

弊社は弦楽器の売買を業としていません。本稿に登場する店舗名・製作者名を伏せているのは、そのためでもあります。特定の楽器や店を推奨する意図はなく、また本稿の集計を投資判断や売買の根拠として用いることを想定していません。

調査に用いたデータの取得方法と、その限界については、次節にまとめました。本稿で確からしいと言えることと、まだ言えないことを、できるかぎり分けて書いたつもりです。

調査の方法と、その限界

文献の扱いについて

本稿は、弦楽器について書かれた専門書を複数引用しています。ただしこの分野の文献は、多くが売買や鑑定の当事者によって書かれています。どの産地を評価し、どの等級に価値を置くかという判断には、書き手の立場と、書かれた時点の相場が入ります。本稿が確認できた範囲でも、ある文献が「値下がりして限りなくゼロに近づく」と述べた区分が、実際の落札記録では市場平均を上回る速度で上昇していました。文献に書かれた価格の目安が、20年以上前の水準のまま参照され続けている例もあります。

そのため本稿では、文献からは区分の定義と歴史的な経緯を借り、価格に関する記述はできる限り自前の落札記録・在庫記録で検算したうえで用いる方針をとりました。検算した結果が文献と食い違った場合は、食い違ったこと自体を本文に記しています。これは文献の価値を否定するものではありません。一次データで裏を取れる部分は取る、というだけのことです。読者が本稿以外の文献に当たられる際も、価格に関する記述についてはいつの時点の、どの立場からの数字かをあわせて確認されることをお勧めします。

本稿の数値は、すべて弊社が自ら取得したデータに基づいています。同時に、このデータから何が言えて、何が言えないかを明示しておきます。

データ

集計単位の定義

限界

掲載にあたって

金額はすべて帯で表記しています。生の数字は個別の在庫や落札ロットと一対一で照合できてしまうためです。個別の店舗名は記載していません。また、存命の可能性がある作家の個別価格は掲載していません。価格の公開は、その製作者ご本人の交渉条件に実際の影響を与えうるためです。付録に掲載したのは、没年が確認できる作家に限られます。

コラム 作り手は、自分で名前を売れているのか

現代の弦楽器製作者が、自分で名前を売る手段を持つようになりました。動画を出し、工房のサイトを構え、直接売る。それが実際にどこまで行われていて、値段に結びついているのかを、名簿から数えました。結論を先に置くと、ほとんどの作り手は始めて、そしてやめています。そして続けても、値段には表れていません。

調べたもの

クレモナの製作者組合の会員名簿(53名)と、欧米の鑑定・流通団体の名簿(138名)、ロンドンの専門店が扱う製作者(60名)を対象に、三つを数えました。①自分名義の動画チャンネルがあるか、②それが続いているか、③自分のサイトに値段を出しているか。チャンネルは同姓同名の別人が混ざるため、動画の題名を実際に読んで、弦楽器製作の内容であることを確認したものだけを数えています。

始める人は、クレモナに多い

名簿人数自分のチャンネルあり
クレモナの製作者組合5213名(25%)
ロンドンの専門店の取扱作家6010名(17%)
欧米の鑑定・流通団体13810名(7%)

クレモナと欧米の団体の差は、偶然では説明しにくい水準でした(フィッシャーの正確確率検定・両側 p=0.002)。ただしロンドンの取扱作家との差は出ていません(p=0.35)。これは国民性や文化の差というより、名簿の性格の差だと考えるほうが自然です。クレモナの組合は新作を自分で売る現役の製作者の集まりで、欧米の団体は古い楽器を扱う鑑定・修復・販売の専門家を多く含みます。売っているものが違います。

続く人は、ほとんどいない

本人のものと確認できた25チャンネルについて、開設日と最終投稿を調べました。

件数
1年以内に投稿がある5件(20%)
2年以上投稿が止まっている15件(60%)
最終投稿からの経過(中央値)3年
動画本数(中央値)14本

興味深いのは、始めた年も、やめた年も、特定の時期に固まっていないことです。開設は2008年から2025年まで平らに散っており、最終投稿も2013年から現在まで散っています。「ある年に流行して、ある年に終わった」という波は見当たりません。一人ずつ始めて、一人ずつやめています。

続けても、値段には表れない

三つの名簿で価格が観測できた80名を、「1年以内に投稿がある」「投稿が止まっている」「チャンネルを持たない」の三群に分けました。区分は集計を始める前に決めています。

区分人数価格の中央値
投稿が続いている5300万円台後半
投稿が止まっている13300万円台前半
チャンネルを持たない62300万円台前半

並び順は「続けている人ほど高い」という向きですが、差は検出できませんでした(マン・ホイットニー検定・両側 p=0.33〜0.97)。動画の本数や最終投稿の新しさと価格の順位相関も、ほぼゼロでした(ρ=+0.08、+0.05)。動画の本数で二分すると符号が逆に出るため、基準の選び方で向きが変わってしまいます。

販路の広がりも同様でした。何か国の店に置かれているか(ρ=−0.04)、何軒の店に置かれているか(ρ=−0.00)は、価格と関係していません。やや正の向きが見えたのは「一軒の店が何本積んでいるか」(ρ=+0.17)でしたが、これも有意ではなく、閾値を動かすと結果が安定しません。

ただし「効果がない」と示したわけではありません。観測が80名では、小さな差は検出できません。言えるのは「この規模では出せなかった」までです。

値段は、そもそも出されていない

クレモナの組合53名と、欧米の団体で工房サイトが判明した38件、合わせて91の工房について、サイトに楽器の値段が出ているかを調べました。表示されない仕組みの店があるため、商品情報を配信する仕組み(JSON-LD、各種通販システムの公開API、サイトマップ経由の商品ページ)まで当たっています。

楽器の値段を出していたのは、91のうち1工房でした。

そして、もう一つ分かったことがあります。9つの工房が、通販の仕組みを入れて、商品も登録したうえで、値段だけを空にしていました。買い物かごも決済も動く状態で、楽器は一点ずつ登録されていて、価格の欄が0のまま、購入もできない設定になっています。「価格はお問い合わせください」とすら書かれていません。カタログとして使われています。

これは作りかけでも、放置でもありません。仕組みを入れたうえで、値段だけを抜いた形です。取扱店との関係に配慮しているのか、値段を出して比べられることを避けたいのか、この調査からは区別できません。ただ、出さないという選択が意識的に行われていることは、構造から読み取れます。

例外の一人

その1工房は、他のどの指標でも先頭にいました。

その値付けが、また特徴的です。同じ種類の楽器は、製作年が違っても同じ値段が付いています。1990年代に作ったものも、昨年作ったものも同額です。相場に合わせて一本ずつ値を付けるのではなく、定価表として提示されています。

販路の使い方も分かれています。新作は自分の工房だけで売り、取扱店に回っているのは十数年前に作られた個体と、下の等級の製品です。指名で来る客がいれば、新作を店に預ける必要はありません。

この工房は、宝飾を施した特別な一挺で欧米の専門誌に取り上げられ、工房の匂いをもとにした香水まで手がけています。専門誌には調整方法の解説動画も提供しています。同じ組合の他の会員にも専門誌での言及はありますが、共同の企画や名簿への掲載が中心で、単独で取り上げられる回数が明確に違います。

ここから言えること

興味深いのは、先頭との差が、指標によってまったく違うことです。価格では2位との差が1.5倍ほどしかありません。一方、動画の登録者数では2位の34倍です。抜けているのは値段ではなく、見られ方のほうです。

そして今回の集計では、その見られ方は価格に結びついていませんでした。自分で名前を売る手段を持つことと、その楽器がいくらで取引されるかは、少なくともこの規模の観測では別の話でした。

もう一つ、この調査では答えが出ないことがあります。先に名前があったのか、発信が名前を作ったのか、順序は判別できません。この工房は1980年代から製作を続けており、チャンネル開設はその20年以上あとです。順番としては名前が先ですが、それは観測であって、因果の証明ではありません。

また、ここで測ったのは値段と露出であって、腕ではありません。発信も直販も行わず、作った端から演奏家に渡っていく製作者は、店頭にも競売にも現れないため、この集計にはそもそも入ってきません。数えられるものだけを数えた結果である点は、そのまま受け取っていただければと思います。

付録

以下は、本稿の分析に用いた落札データのうち、公開可能な範囲を一覧にしたものです。すべて帯で表記しています。

金額は帯で表記しています。個別の在庫や落札ロットと一対一で照合されることを避けるためです。掲載は没年が確認できる作家、および屋号・一族名義に限定しました。存命の可能性がある製作者は、価格の公開がご本人の交渉条件に影響しうるため掲載していません。

付録A 物故が確認できる作家の落札価格帯

弦楽器(弓を除く)の落札が10件以上ある509名。中央値の高い順。

Violin auction prices — 509 deceased makers. Median and highest hammer prices for each maker, with birth–death years and the city and country where the instruments were made. Compiled from 56,865 auction records covering 5,003 makers in Tarisio’s Cozio Archive. Stringed instruments only (bows excluded); each maker listed here has at least 10 recorded sales. Living makers are not included. Prices are shown as ranges in US dollars.

作家名から探す(509名・A–Z/クリックで表の該当行へ)

姓, 名の順。カッコ内は製作地です。ラテン文字・カタカナのどちらでもページ内検索(Ctrl+F)で引けます。

AAcoulon, Alexandre Alfred(Paris)、Acton, William John(London)、Agostinelli, Luigi(Milan)、Aireton, Edmund I(London)、Albani, Matthias II(Bolzano)、Alberti, Ferdinando(Milan)、Aldric, Jean-François(Paris)、Altavilla, Armando(Naples)、Amati, Antonio & Girolamo(Cremona)、Amati, Girolamo II(Cremona)、Amati, Nicolò(Cremona)、Antoniazzi, Gaetano(Milan)、Antoniazzi, Riccardo(Milan)、Antoniazzi, Romeo(Cremona)、Apparut, Georges(Mirecourt)、Ardern, Job(Wilmslow)、Atkinson, William(Tottenham)、Aubry, Joseph(Le Havre)、Auciello, Luigi(Milan)、Audinot, Nestor Dominique(Paris)、Audinot, Victor(Paris)、Azzola, Luigi(Turin)

BBaader & Co., J. A.(Mittenwald)、Bailly, Charles(Mirecourt)、Bailly, Jenny(Paris)、Bailly, Paul(Paris)、Balestrieri, Tommaso(Mantua)、Banks, Benjamin I(Salisbury)、Banks, James & Henry(Salisbury)、Barbieri, Bruno(Mantua)、Barbé, François(Mirecourt)、Bargelli, Giuseppe (di Saladino)(Florence)、Barrett, John(London)、Barzoni, François(London)、Bassot, Joseph(Paris)、Bazin, Gustave(Mirecourt)、Becker, Carl Sr.(Chicago, IL)、Bedocchi, Mario(Reggio Emilia)、Bellafontana, Lorenzo(Genoa)、Bellarosa, Vittorio(Naples)、Bernardel, Auguste Sébastien Philippe père(Paris)、Bernardel, Gustave Adolphe(Paris)、Bernardel, Léon(Paris)、Betts, John I(London)、Bignami, Otello(Bologna)、Billottet, Louis Fernand(Paris)、Bisiach, Carlo(Florence)、Bisiach, Giacomo & Leandro(Milan)、Bisiach, Leandro I(Milan)、Blanchard, Paul Francois(Lyon)、Blanchi, Alberto Luigi(Nice)、Blondelet, Hugues Emile(Paris)、Blyth, Williamson(Edinburgh)、Boquay, Jacques(Paris)、Boulangeot, Emile(Lyon)、Boullangier, Charles(London)、Bozzi, Raffaello(Milan)、Braund, Frederick T.(Colchester)、Breton, François(Mirecourt)、Briggs, James William(Glasgow)、Brown, James I(Huddersfield)、Brugère, Charles Georges(Paris)、Bruno, Carlo Colombo(Turin)、Bryant, Ole H.(Boston, MA)、Buchstetter, Gabriel David(Regensburg)、Buthod, Charles(Paris)

CCahusac, Thomas(London)、Calace, Raffaele I(Naples)、Calcagno, Bernardo(Genoa)、Calvarola, Bartolomeo(Bergamo)、Camilli, Camillo(Mantua)、Candi, Cesare(Genoa)、Candi, Oreste(Genoa)、Capicchioni, Marino(Rimini)、Cappa, Gioffredo(Saluzzo)、Carcassi, Lorenzo(Florence)、Carcassi, Lorenzo & Tomaso(Florence)、Carcassi, Tomaso(Florence)、Caressa & Français Firm(Paris)、Caressa, Albert(Paris)、Carletti, Carlo(Pieve di Cento)、Carletti, Genuzio(Pieve di Cento)、Carletti, Natale(Pieve di Cento)、Carlisle, James Reynold(Cincinnati, OH)、Castagneri, Andrea(Paris)、Castagnino, Giuseppe(Chiavari)、Castello, Paolo(Genoa)、Caussin, François(Neufchateau)、Caussin, François Hippolyte(Neufchateau)、Caussin, Nicolas(Neufchateau)、Cavalazzi, Antonino(Ravenna)、Cavalli, Aristide(Cremona)、Cavani, Giovanni(Spilamberto)、Cavani, Vincenzo(Spilamberto)、Celani, Constantino(Ascoli Piceno)、Celoniato, Giovanni Francesco(Turin)、Ceruti, Enrico(Cremona)、Ceruti, Giovanni Battista(Cremona)、Channon, Frederick William(Plymouth)、Chanot, François(Paris)、Chanot, Frederick William(London)、Chanot, Georges Adolphe(Manchester)、Chanot, Georges I(Paris)、Chanot, Joseph Anthony(London)、Chappuy, Nicolas Augustin(Paris)、Chardon, Joseph Marie(Paris)、Charotte-Millot, Joseph(Mirecourt)、Chevrier, Claude(Mirecourt)、Chipot, Paul Jean Baptiste(Vendome)、Chipot-Vuillaume, Jean-Baptiste(Paris)、Claudot, Albert(Dijon)、Claudot, Augustin(Mirecourt)、Claudot, Charles I(Mirecourt)、Cocker, Lawrence(Derby)、Cole, James(Manchester)、Collenot, Louis(Reims)、Collin-Mézin, Charles Jean-Baptiste père(Paris)、Collin-Mézin, Charles fils(Paris)、Contavalli, Primo(Imola)、Contino, Alfredo(Naples)、Cortese, Andrea(Genoa)、Couturieux, Michel(Paris)、Cramond, Charles(Aberdeen)、Craske, George(Stockport)、Cross, Nathaniel(London)、Cunault, Georges(Paris)、Curletto, Anselmo(Turin)、Cuypers, Johannes Bernardus(The Hague)、Cuypers, Johannes Francis(Amsterdam)、Cuypers, Johannes Theodorus(The Hague)

DD’Espine, Alessandro(Turin)、Dall’Aglio, Giuseppe(Mantua)、Dalla Costa, Pietro Antonio(Treviso)、Dallinger, Sebastian(Vienna)、Darche, Hilaire(Brussels)、Darte, Jean-Auguste(Mirecourt)、Day, John(London)、De Barbieri, Paolo(Genoa)、De Comble, Ambroise(Tournay)、De Luccia, Gennaro(Mercato Cilento)、De Zorzi, Valentino(Florence)、Dearlove, Mark(Leeds)、Deblaye, Albert(Mirecourt)、Deconet, Michele(Venice)、Degani, Eugenio(Venice)、Degani, Giulio Ettore(Venice)、Delivet, Auguste(Paris)、Della Corte, Alfonso(Naples)、Derazey, Honoré (Jean-Joseph)(Mirecourt)、Derazey, Justin Amedée(Mirecourt)、Deroux, Sébastien Auguste(Paris)、Dieudonné, Amédée(Mirecourt)、Dobretsovich, Marco(Cairo)、Dodd, Thomas I(London)、Dollenz, Giovanni(Trieste)、Dolling, Hermann Moritz I(Markneukirchen)、Drouin, Charles(Mirecourt)、Drozen, Frantisek Xavier(Turnov)、Duerer, Wilhelm(Eisleben)、Duke, Richard(London)、Durrschmidt, Wilhelm August(Markneukirchen)、Dvorak, Jan Baptista(Prague)、Dvorák, Carolus Boromäus(Prague)

EEberle, Johann Ulrich(Prague)、Einsele, George Nicolas(Chicago, IL)、Enel, Charles(Paris)

FFabris, Luigi(Venice)、Fagnola, Annibale(Turin)、Falisse, Auguste(Brussels)、Farley, Charles Emery(New Boston, NH)、Farotti, Celeste(Milan)、Farotto, Celestino(Milan)、Fendt, Bernard Simon I(London)、Fendt, Bernard Simon II(London)、Fendt, Jacob(London)、Fent, François(Paris)、Ferroni, Fernandino(Florence)、Ficker, Johann Christian II(Markneukirchen)、Ficker, Johann Gottlob(Markneukirchen)、Fiorini, Giuseppe(Munich)、Fleury, Benoit(Paris)、Forster, Simon Andrew(London)、Forster, William II or Sr(London)、Forster, William III(London)、Foster, Georg(London)、Fracassi, Arturo(Cesena)、Français, Emile Marcel(Paris)、Frebrunet, Jean-Baptiste(Mirecourt)、Fredi, Rodolfo(Rome)、Friedrich, John(New York, NY)、Frirsz, Maximillian (Miksa) II(New York, NY)、Furber, John(London)

GGabrielli, Giovanni Battista(Florence)、Gadda, Gaetano(Mantua)、Gaffino, Joseph(Paris)、Gagliano, Alessandro(Naples)、Gagliano, Antonio I(Naples)、Gagliano, Ferdinando(Naples)、Gagliano, Gennaro(Naples)、Gagliano, Giovanni I(Naples)、Gagliano, Giuseppe(Naples)、Gagliano, Giuseppe & Antonio(Naples)、Gagliano, Nicolò(Naples)、Gagliano, Raffaele & Antonio(Naples)、Gaibisso, Giovanni Battista(Alassio)、Gaida, Giovanni(Ivrea)、Gaillard, Charles(Paris)、Gaillard-Lajoue, Jules(Mirecourt)、Galimberti, Luigi(Milan)、Galla, Anton(Brno)、Gallinotti, Pietro(Solero)、Gand & Bernardel Firm(Paris)、Gand Frères Firm(Paris)、Gand, Charles Adolphe(Paris)、Gand, Charles François père(Paris)、Garimberti, Ferdinando(Milan)、Gartner, Eugen(Stuttgart)、Gatti, Giorgio(Turin)、Gavinies, François(Paris)、Geissenhof, Franz(Vienna)、Gemunder, August Martin Ludwig(New York, NY)、Gemünder, August Martin(New York, NY)、Gemünder, George I(New York, NY)、Genovese, Riccardo(Montiglio)、Germain, Émile(Paris)、Giacchetti, Giuseppe(Rome)、Gianotti, Alfredo(Milan)、Gigli, Giulio Cesare(Rome)、Gilbert, Jeffrey James(Surrey)、Gilkes, Samuel(London)、Glaesel, Ernst(Markneukirchen)、Glaesel, Ludwig I(Markneukirchen)、Glier, Robert C. I(Cincinnati, OH)、Gobetti, Francesco(Venice)、Goffriller, Francesco(Udine)、Goffriller, Matteo(Venice)、Goss, Walter Solon(—)、Gosselin, Jean(Paris)、Gotti, Anselmo(Ferrara)、Gotz, C. A.(Markneukirchen)、Goulding & Co.(London)、Gragnani, Antonio(Livorno)、Grancino, Giovanni Battista I(Milan)、Grand-Gérard, Jean-Baptiste(Mirecourt)、Grulli, Pietro(Cremona)、Guadagnini, Francesco(Turin)、Guadagnini, Giovanni Battista(Turin)、Guadagnini, Giuseppe I(Pavia)、Guarneri, Andrea(Cremona)、Guarneri, Bartolomeo Giuseppe ‘del Gesù’(Cremona)、Guarneri, Giuseppe ‘filius Andreae’(Cremona)、Guarneri, Pietro of Mantua(Mantua)、Guarneri, Pietro of Venice(Venice)、Guerra, Evasio Emilio(Turin)、Guersan, Louis(Paris)、Guidanti, Giovanni(Bologna)、Guillami, Juan I(Barcelona)

HHall, Roscoe G.(Portland, OR)、Hamm, Johann Gottfried(Markneukirchen)、Hammig, Wilhelm Hermann(Leipzig)、Hardie, James II(Edinburgh)、Hardie, Matthew(Edinburgh)、Harris, Charles II(Adderbury)、Hart & Son(London)、Heaton, William(Gomersal)、Heberlein, Heinrich Theodore Jr.(Markneukirchen)、Hel, Pierre Jean Henri(Lille)、Hel, Pierre Joseph(Lille)、Hertel, Erwin(New York, NY)、Hesketh, Thomas Earle(Manchester)、Hill & Sons, W. E. Firm(London)、Hill, Henry Lockey(London)、Hill, Joseph I(London)、Hill, Lockey(London)、Hill, William Ebsworth(London)、Hofmans, Matthias III(Antwerp)、Hofner, Karl(Schönbach)、Hoing, Clifford A.(High Wycombe)、Homolka, Ferdinand August Vincenz(Prague)、Hornsteiner, Mathias II(Mittenwald)、Hudson, George(London)、Hume, Andrew (Alexander)(London)、Hyde, Andrew(Northampton, MA)

JJacobs, Hendrik(Amsterdam)、Jacquot, Charles(Paris)、Jais, Anton(Mittenwald)、Johnson, John(London)、Jombar, Paul(Paris)

KKennedy, Thomas(London)、Klotz, Aegidius Sebastian(Mittenwald)、Klotz, Georg Karl II(Mittenwald)、Klotz, Johann Carl(Mittenwald)、Klotz, Matthias I(Mittenwald)、Klotz, Sebastian I(Mittenwald)、Kloz, Georg I(Mittenwald)、Knopf, Heinrich (Henry) Richard(New York, NY)、Knorr, Paul(Markneukirchen)、Konya, Istvan(Tata)、Kulik, Johann(Prague)

LL’Humbert, Emile(Paris)、Laberte, Marc André Joseph(Mirecourt)、Laberte-Humbert Frères Firm(Mirecourt)、Lambert, Jean Nicolas(Paris)、Landolfi, Carlo Ferdinando(Milan)、Landolfi, Pietro Antonio(Milan)、Lanini, Alfred Eugene(San Jose, CA)、Laurent, Émile père(Brussels)、LeClerc, Joseph Nicolas(Paris)、Lecchi, Giuseppe Bernardo(Genoa)、Lee, Percy(London)、Leeb, Andreas Carl(Vienna)、Leidolff, Johann Christoph(Vienna)、Lemböck, Gabriel (Gábor)(Vienna)、Lippold, Carl Friedrich(Markneukirchen)、Longman & Broderip Firm(London)、Longman & Co. Firm(London)、Lott, John Frederick II(London)、Lotte, Georges(Paris)、Lowendall, Louis(Dresden)、Lucci, Giuseppe(Rome)、Luff, William H.(London)、Lupot, François I(Orleans)、Lupot, Nicolas(Paris)

MMaggini, Giovanni Paolo(Brescia)、Mandelli, Camillo ‘da Calco’(Milan)、Mangenot, Paul Alexandre(Mirecourt)、Mantegazza, Pietro Giovanni(Milan)、Marchetti, Enrico(Turin)、Marchi, Giovanni Antonio(Bologna)、Marchioni, Don Nicola ‘Don Nicolo Amati’(Bologna)、Marengo Rinaldi, Romano(Turin)、Mariani, Antonio(Pesaro)、Marshall, John(Aberdeen)、Martini, Oreste(Mantua)、Maucotel, Charles(Paris)、Maurizi, Francesco(Appignano)、Mayson, Walter H.(Manchester)、Melegari, Enrico Clodoveo(Turin)、Mennesson, Emile(Reims)、Merighi, Luigi(Modena)、Merling, Pauli(Copenhagen)、Mermillot, Maurice(Paris)、Messori, Pietro(Modena)、Mezzadri, Alessandro(Ferrara)、Michetti, Plinio(Turin)、Militello, Mariano(Rosario)、Milton, Louis Frank(Bedford)、Mingazzi, Luigi(Ravenna)、Miremont, Claude Augustin(Paris)、Moitessier, Louis(Mirecourt)、Montagnana, Domenico(Venice)、Morlot, Nicolas(Mirecourt)、Mougenot, Georges(Brussels)、Mougenot, Léon Victor(Mirecourt)、Mozzani, Luigi(Cento)、Muncher, Romedio(Cremona)、Möckel, Otto(Berlin)、Möller, Max Sr.(Amsterdam)

NNemessányi, Samuel (Samu)(Budapest)、Neuner, Ludwig(Berlin)、Neuner, Mathias II(Mittenwald)、Nicolas, Didier l’aîné(Mirecourt)、Norman, Barak(London)、Novelli, Natale(Milan)

OOddone, Carlo Giuseppe(Turin)、Odoardi, Giuseppe(Ascoli Piceno)、Ornati, Giuseppe(Milan)、Owen, John William(Leeds)

PPacherele, Pierre(Nice)、Pallaver, Giovanni Battista(Verona)、Pallotta, Pietro(Perugia)、Panormo, George(London)、Panormo, Joseph(London)、Panormo, Vincenzo Trusiano(London)、Pareschi, Gaetano(Ferrara)、Parker, Daniel(London)、Parravicini, Piero(Milan)、Paulus, Albin Ludwig(Markneukirchen)、Pedrazzini, Giuseppe(Milan)、Pellacani, Giuseppe(Modena)、Peresson, Sergio(Haddonfield, NJ)、Perry, Thomas II(Dublin)、Peternella, Jago(Venice)、Pevere, Ernesto(Ferrara)、Piccagliani, Armando(Modena)、Pierray, Claude(Paris)、Pilát, Paul (Pál) I(Budapest)、Pique, François-Louis(Paris)、Pirot, Claude(Paris)、Pistucci, Giovanni(Naples)、Platner, Michele(Rome)、Plumerel, Charles(Angers)、Poggi, Ansaldo(Bologna)、Politi, Enrico(Rome)、Pollastri, Gaetano(Bologna)、Postacchini, Andrea(Fermo)、Postiglione, Vincenzo II(Naples)、Praga, Eugenio(Genoa)、Prescott, Abraham(Deerfield, NH)、Pressenda, Giovanni Francesco(Turin)、Preston, James(London)、Puglisi, Michelangelo(Catania)、Pyne, George(London)

RRegazzoni, Dante Paolo(Cortenova Valsassina)、Reindahl, Knute(Madison, WI)、Reiter, Johann(Mittenwald)、Remy, Jean Mathurin(Paris)、Renaudin, Leopold(Paris)、Richardson, Arthur(Crediton)、Robinson, William(London)、Rocca, Enrico(Genoa)、Rocca, Giuseppe Antonio(Turin)、Rocchi, Sesto(San Polo d’Enza)、Rogeri, Giovanni Battista(Brescia)、Rosenthal, Samuel ‘Luthier’(New York, NY)、Rossi, Giuseppe(Rome)、Rost, Franz Georg(London)、Roth, Ernst Heinrich(Markneukirchen)、Rovatti, Luigi(Buenos Aires)、Rovescalli, Azzo(Lodi)、Rugeri, Francesco(Cremona)、Rugeri, Vincenzo(Cremona)

SSaccani, Benigno(Milan)、Sacconi, Simone Fernando(Rome)、Salomon, Jean Baptiste Deshayes(Paris)、Salzard, François(Mirecourt)、Sannino, Vincenzo(Naples)、Scarampella, Giuseppe(Florence)、Scarampella, Stefano(Mantua)、Schmidt, Ernst Reinhold(Markneukirchen)、Schmitt, Lucien(Grenoble)、Schwarz, Giovanni(Venice)、Schweitzer, Johann Baptist(Budapest)、Sderci, Igino(Florence)、Seifert, Otto(Berlin)、Serdet, Paul(Paris)、Sgarabotto, Gaetano(Parma)、Sgarabotto, Pietro(Parma)、Sgarbi, Antonio(Rome)、Sgarbi, Giuseppe(Rome)、Siega, Iginio(Venice)、Silvestre, Hippolyte(Lyon)、Silvestre, Hippolyte Chrétien(Paris)、Silvestre, Pierre(Lyon)、Silvestre, Pierre & Hippolyte(Lyon)、Simonazzi, Amedeo(Reggio Emilia)、Simonin, Charles II(Mirecourt)、Simoutre, Nicolas(Paris)、Smith, Thomas(London)、Soffritti, Ettore(Ferrara)、Sorsana, Spirito(Cuneo)、Spiegel, János(Budapest)、Squier, Jerome Bonaparte(Boston, MA)、Stadlmann, Johann Josef(Vienna)、Stainer, Jacob(Absam)、Stefanini, Giuseppe(Brescia)、Storioni, Lorenzo(Cremona)、Stoss, Martin (Johann Martin)(Vienna)、Stradivari, Antonio(Cremona)、Strobl, Michael(Berlin)、Szepessy, Béla(London)

TTarasconi, Giuseppe(Milan)、Tecchler, David(Rome)、Testore, Carlo Antonio(Milan)、Testore, Carlo Giuseppe(Milan)、Testore, Paolo Antonio(Milan)、Thibout, Jacques-Pierre(Paris)、Thibouville-Lamy, Jérôme Firm(Mirecourt)、Thir, Johann Georg(Vienna)、Thompson, Charles & Samuel(London)、Thouvenel, Nicolas Henry dit Paganini(Mirecourt)、Tobin, Richard(London)、Todt, Heinrich Hermann(Markneukirchen)、Tononi, Carlo Annibale(Venice)、Tononi, Giovanni(Bologna)、Tóth, Johannes (János)(Budapest)

UUllmann, Georg(Milan)、Utili, Nicola(Castelbolognese)

VVaccari, Raffaele(Lentigione)、Valenzano, Joannes Maria(Rome)、Varagnolo, Ferruccio(Milan)、Ventapane, Lorenzo(Naples)、Vidoudez, Alfred(Geneva)、Viertel, Holm(Aachen)、Vinaccia, Gennaro(Naples)、Voigt, Arnold(Markneukirchen)、Voller, William, Charles & Alfred(London)、Vuillaume (St. Cecile mark), Jean-Baptiste & Nicolas(Mirecourt)、Vuillaume, Claude-François IV(Mirecourt)、Vuillaume, Jean-Baptiste(Paris)、Vuillaume, Nicolas François(Brussels)、Vuillaume, Nicolas III(Mirecourt)、Vuillaume, Sebastien(Paris)、Vávra, Karel(Prague)、van Hoof, Alphonse(Antwerp)、van der Meer, Karel(Amsterdam)

WWahl, Eugen(Karlsruhe)、Wamsley, Peter(London)、Weller, Frederick(Surrey)、White, Asa Warren(Boston, MA)、Widhalm, Leopold I(Nürnberg)、Widhalm, Martin Leopold (Leopold II)(Nürnberg)、Wilkanowski, William(Brooklyn, NY)、Wilkinson, Charles John(London)、Withers, Edward I(London)、Withers, George Thomas Henry(London)、Wolff, Brothers(Kreuznach)、Wulme-Hudson, George(London)

ZZani, Aldo(Cesena)

作家Makerカタカナ生没年Years製作地CityCountry落札件数Sales中央値Median最高値Top
Rugeri, Vincenzoルジェーリ1663–1719Cremonaイタリア16$10万〜25万$50万〜100万
Guadagnini, Giovanni Battistaグァダニーニ1711–1786Turinイタリア114$10万〜25万$100万超
Pressenda, Giovanni Francescoプレッセンダ1777–1854Turinイタリア97$10万〜25万$50万〜100万
Goffriller, Francescoゴフリラー1691–1742Udineイタリア12$10万〜25万$25万〜50万
Guarneri, Pietro of Veniceグァルネリ1695–1762Veniceイタリア15$10万〜25万$50万〜100万
Guarneri, Giuseppe ‘filius Andreae’グァルネリ1666–1740Cremonaイタリア45$5万〜10万$100万超
Storioni, Lorenzoストリオーニ1744–1816Cremonaイタリア57$5万〜10万$50万〜100万
Balestrieri, Tommasoバレストリエリ1713–1796Mantuaイタリア46$5万〜10万$50万〜100万
Goffriller, Matteoゴフリラー1659–1750Veniceイタリア41$5万〜10万$50万〜100万
Montagnana, Domenicoモンタニャーナ1686–1750Veniceイタリア26$5万〜10万$50万〜100万
Camilli, Camilloカミッリ1703–1754Mantuaイタリア40$5万〜10万$25万〜50万
Rocca, Enricoロッカ1847–1915Genoaイタリア35$5万〜10万$10万〜25万
Gagliano, Gennaroガリアーノ1705–1790Naplesイタリア66$5万〜10万$100万超
Gobetti, Francescoゴベッティ1675–1723Veniceイタリア13$5万〜10万$10万〜25万
Lupot, Nicolasリュポー1758–1824Parisフランス59$5万〜10万$25万〜50万
Rugeri, Francescoルジェーリ1628–1698Cremonaイタリア63$5万〜10万$50万〜100万
Grancino, Giovanni Battista Iグランチーノ1637–1709Milanイタリア85$5万〜10万$50万〜100万
Gagliano, Alessandroガリアーノ1665–1732Naplesイタリア39$5万〜10万$25万〜50万
Guarneri, Andreaグァルネリ1623–1698Cremonaイタリア68$5万〜10万$100万超
Poggi, Ansaldoポッジ1893–1984Bolognaイタリア30$5万〜10万$25万〜50万
Rocca, Giuseppe Antonioロッカ1807–1865Turinイタリア64$5万〜10万$25万〜50万
Gagliano, Nicolòガリアーノ1710–1785Naplesイタリア143$5万〜10万$50万〜100万
Ceruti, Giovanni Battistaチェルーティ1756–1817Cremonaイタリア34$5万〜10万$25万〜50万
Fagnola, Annibaleファニョーラ1865–1939Turinイタリア107$5万〜10万$25万〜50万
Tononi, Carlo Annibaleトノーニ1675–1730Veniceイタリア25$5万〜10万$25万〜50万
Mantegazza, Pietro Giovanniマンテガッツァ1730–1803Milanイタリア15$5万〜10万$50万〜100万
Rogeri, Giovanni Battistaロジェーリ1642–1710Bresciaイタリア38$5万〜10万$50万〜100万
Landolfi, Carlo Ferdinandoランドルフィ1710–1784Milanイタリア70$5万〜10万$25万〜50万
Gagliano, Raffaele & Antonioガリアーノ1770–1857Naplesイタリア32$5万〜10万$10万〜25万
Dalla Costa, Pietro Antonioコスタ1697–1770Trevisoイタリア13$5万〜10万$10万〜25万
Platner, Micheleプラトナー1684–1752Romeイタリア15$5万〜10万$10万〜25万
Amati, Antonio & Girolamoアマティ1577–1620Cremonaイタリア50$5万〜10万$50万〜100万
Amati, Nicolòアマティ1596–1684Cremonaイタリア75$5万〜10万$50万〜100万
Stradivari, Antonioストラディヴァリ1644–1737Cremonaイタリア189$5万〜10万$100万超
Sacconi, Simone Fernandoサッコーニ1895–1974Romeイタリア17$5万〜10万$10万〜25万
Guarneri, Pietro of Mantuaグァルネリ1655–1720Mantuaイタリア40$5万〜10万$50万〜100万
Vuillaume, Jean-Baptisteヴィヨーム1798–1875Parisフランス400$5万〜10万$50万〜100万
Gagliano, Ferdinandoガリアーノ1738–1804Naplesイタリア72$5万〜10万$25万〜50万
Ceruti, Enricoチェルーティ1806–1883Cremonaイタリア26$2.5万〜5万$10万〜25万
Pique, François-Louisピック1758–1822Parisフランス42$2.5万〜5万$5万〜10万
Guadagnini, Giuseppe Iグァダニーニ1753–1805Paviaイタリア17$2.5万〜5万$10万〜25万
Scarampella, Giuseppeスカランペラ1838–1902Florenceイタリア10$2.5万〜5万$10万〜25万
Testore, Carlo Antonioテストーレ1693–1765Milanイタリア99$2.5万〜5万$25万〜50万
Tononi, Giovanniトノーニ1640–1713Bolognaイタリア29$2.5万〜5万$25万〜50万
Deconet, Micheleデコネ1712–1799Veniceイタリア35$2.5万〜5万$10万〜25万
Cappa, Gioffredoカッパ1653–1717Saluzzoイタリア56$2.5万〜5万$10万〜25万
Maggini, Giovanni Paoloマッジーニ1580–1630Bresciaイタリア34$2.5万〜5万$10万〜25万
Panormo, Vincenzo Trusianoパノルモ1734–1813Londonイギリス/アイル62$2.5万〜5万$10万〜25万
Gagliano, Giuseppeガリアーノ1742–1820Naplesイタリア72$2.5万〜5万$10万〜25万
Alberti, Ferdinandoアルベルティ1730–1750Milanイタリア10$2.5万〜5万$10万〜25万
Sorsana, Spiritoソルサナ1720–1740Cuneoイタリア14$2.5万〜5万$10万〜25万
Calcagno, Bernardoカルカーニョ1680–1756Genoaイタリア32$2.5万〜5万$10万〜25万
Landolfi, Pietro Antonioランドルフィ1730–1795Milanイタリア17$2.5万〜5万$10万〜25万
Oddone, Carlo Giuseppeオッドーネ1866–1935Turinイタリア51$2.5万〜5万$10万〜25万
Gagliano, Giuseppe & Antonioガリアーノ1780–1800Naplesイタリア46$2.5万〜5万$10万〜25万
Dollenz, Giovanniドレンツ1802–1857Triesteイタリア14$2.5万〜5万$10万〜25万
Testore, Carlo Giuseppeテストーレ1660–1716Milanイタリア43$2.5万〜5万$25万〜50万
Postacchini, Andreaポスタッキーニ1786–1862Fermoイタリア16$2.5万〜5万$5万〜10万
Pallotta, Pietroパロッタ1755–1830Perugiaイタリア10$2.5万〜5万$5万〜10万
Genovese, Riccardoジェノヴェーゼ1883–1935Montiglio25$2.5万〜5万$5万〜10万
Capicchioni, Marinoカピッキオーニ1895–1977Riminiイタリア66$2.5万〜5万$10万〜25万
Tecchler, Davidテックラー1666–1747Romeイタリア46$2.5万〜5万$50万〜100万
Fendt, Bernard Simon Iフェント1769–1832Londonイギリス/アイル10$2.5万〜5万$5万〜10万
Ventapane, Lorenzoヴェンタパーネ1780–1843Naplesイタリア63$2.5万〜5万$10万〜25万
Fiorini, Giuseppeフィオリーニ1861–1934Munichドイツ35$2.5万〜5万$10万〜25万
Becker, Carl Sr.ベッカー1887–1975Chicago, ILアメリカ44$2.5万〜5万$10万〜25万
Lott, John Frederick IIロット1804–1870Londonイギリス/アイル17$2.5万〜5万$10万〜25万
Ornati, Giuseppeオルナティ1887–1965Milanイタリア32$2.5万〜5万$10万〜25万
Sannino, Vincenzoサンニーノ1879–1969Naplesイタリア72$2.5万〜5万$10万〜25万
Stainer, Jacobシュタイナー1617–1683Absamオーストリア47$2.5万〜5万$25万〜50万
Scarampella, Stefanoスカランペラ1843–1925Mantuaイタリア78$2.5万〜5万$10万〜25万
Amati, Girolamo IIアマティ1649–1740Cremonaイタリア13$2.5万〜5万$50万〜100万
Garimberti, Ferdinandoガリンベルティ1894–1982Milanイタリア33$2.5万〜5万$10万〜25万
Sgarabotto, Gaetanoズガラボット1878–1959Parmaイタリア70$2.5万〜5万$10万〜25万
Guarneri, Bartolomeo Giuseppe ‘del Gesù’グァルネリ1698–1744Cremonaイタリア33$2.5万〜5万$100万超
Bisiach, Leandro Iビジャッキ1864–1946Milanイタリア108$2.5万〜5万$10万〜25万
Celoniato, Giovanni Francescoチェロニアート1676–1751Turinイタリア12$2.5万〜5万$10万〜25万
Vinaccia, Gennaroヴィナッチャ1750–1780Naplesイタリア14$2.5万〜5万$10万〜25万
Gagliano, Antonio Iガリアーノ1764–1835Naplesイタリア10$2.5万〜5万$5万〜10万
Carcassi, Lorenzo & Tomasoカルカッシ1750–1790Florenceイタリア68$2.5万〜5万$25万〜50万
Guidanti, Giovanniグイダンティ1687–1760Bolognaイタリア32$2.5万〜5万$10万〜25万
Dall’Aglio, Giuseppeダッラーリオ1795–1840Mantuaイタリア25$2.5万〜5万$10万〜25万
Gragnani, Antonioグラニャーニ1740–1798Livornoイタリア73$2.5万〜5万$10万〜25万
Carcassi, Lorenzoカルカッシ1737–1775Florenceイタリア20$2.5万〜5万$5万〜10万
Soffritti, Ettoreソフリッティ1877–1928Ferraraイタリア32$2.5万〜5万$10万〜25万
Farotti, Celesteファロッティ1864–1928Milanイタリア25$2.5万〜5万$10万〜25万
D’Espine, Alessandroデスピーヌ1782–1855Turinイタリア17$2.5万〜5万$10万〜25万
Gabrielli, Giovanni Battistaガブリエリ1716–1771Florenceイタリア71$2.5万〜5万$25万〜50万
Bisiach, Carloビジャッキ1892–1968Florenceイタリア39$2.5万〜5万$5万〜10万
Gatti, Giorgioガッティ1868–1936Turinイタリア23$2.5万〜5万$5万〜10万
Pistucci, Giovanniピストゥッチ1864–1955Naplesイタリア46$2.5万〜5万$5万〜10万
Cuypers, Johannes Theodorusカイペルス1724–1808The Hagueオランダ87$2.5万〜5万$10万〜25万
Pedrazzini, Giuseppeペドラッツィーニ1879–1957Milanイタリア123$2.5万〜5万$5万〜10万
Testore, Paolo Antonioテストーレ1700–1767Milanイタリア33$2.5万〜5万$10万〜25万
Calvarola, Bartolomeoカルヴァローラ1753–1770Bergamoイタリア13$2.5万〜5万$5万〜10万
Bernardel, Auguste Sébastien Philippe pèreベルナルデル1798–1870Parisフランス111$2.5万〜5万$10万〜25万
Cuypers, Johannes Francisカイペルス1766–1828Amsterdamオランダ10$2.5万〜5万$2.5万〜5万
Gagliano, Giovanni Iガリアーノ1761–1825Naplesイタリア21$2.5万〜5万$10万〜25万
Postiglione, Vincenzo IIポスティリオーネ1835–1916Naplesイタリア68$2.5万〜5万$10万〜25万
Antoniazzi, Romeoアントニアッツィ1862–1925Cremonaイタリア83$2.5万〜5万$10万〜25万
Antoniazzi, Riccardoアントニアッツィ1853–1912Milanイタリア49$1万〜2.5万$5万〜10万
Mezzadri, Alessandroメッザドリ1690–1740Ferraraイタリア13$1万〜2.5万$10万〜25万
Candi, Cesareカンディ1869–1947Genoaイタリア32$1万〜2.5万$5万〜10万
Antoniazzi, Gaetanoアントニアッツィ1825–1897Milanイタリア10$1万〜2.5万$5万〜10万
Marchetti, Enricoマルケッティ1855–1930Turinイタリア87$1万〜2.5万$10万〜25万
Bisiach, Giacomo & Leandroビジャッキ1930–1973Milanイタリア42$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Castello, Paoloカステッロ1740–1817Genoaイタリア26$1万〜2.5万$5万〜10万
Cuypers, Johannes Bernardusカイペルス1781–1840The Hagueオランダ13$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Peresson, Sergioペレッソン1913–1991Haddonfield, NJアメリカ31$1万〜2.5万$5万〜10万
Guerra, Evasio Emilioグエラ1875–1956Turinイタリア32$1万〜2.5万$5万〜10万
De Barbieri, Paoloバルビエリ1889–1962Genoaイタリア37$1万〜2.5万$5万〜10万
Varagnolo, Ferruccioヴァラニョーロ1880–1916Milanイタリア12$1万〜2.5万$5万〜10万
Rocchi, Sestoロッキ1909–1991San Polo d’Enza(不明)39$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Sgarbi, Antonioズガルビ1866–1938Romeイタリア15$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Carcassi, Tomasoカルカッシ1745–1786Florenceイタリア15$1万〜2.5万$5万〜10万
Gand Frères Firmガン1855–1866Parisフランス30$1万〜2.5万$10万〜25万
Tarasconi, Giuseppeタラスコーニ1851–1920Milanイタリア24$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Aldric, Jean-Françoisアルドリック1765–1843Parisフランス31$1万〜2.5万$5万〜10万
Sgarabotto, Pietroズガラボット1903–1990Parmaイタリア23$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Maurizi, Francescoマウリツィ1816–1903Appignano(不明)17$1万〜2.5万$5万〜10万
Gand, Charles François pèreガン1787–1845Parisフランス28$1万〜2.5万$5万〜10万
Silvestre, Hippolyteシルヴェストル1808–1879Lyonフランス11$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Pacherele, Pierreパシュレル1803–1871Niceフランス15$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Candi, Oresteカンディ1865–1938Genoaイタリア22$1万〜2.5万$5万〜10万
Fracassi, Arturoフラカッシ1899–1973Cesenaイタリア14$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Bignami, Otelloビニャーミ1914–1989Bolognaイタリア21$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Degani, Giulio Ettoreデガーニ1875–1959Veniceイタリア121$1万〜2.5万$10万〜25万
Marchi, Giovanni Antonioマルキ1727–1807Bolognaイタリア10$1万〜2.5万$5万〜10万
De Zorzi, Valentinoゾルツィ1837–1916Florenceイタリア16$1万〜2.5万$5万〜10万
Silvestre, Pierreシルヴェストル1801–1859Lyonフランス55$1万〜2.5万$5万〜10万
Voller, William, Charles & Alfredフォラー1854–1935Londonイギリス/アイル20$1万〜2.5万$5万〜10万
Gand, Charles Adolpheガン1812–1866Parisフランス14$1万〜2.5万$5万〜10万
Contino, Alfredoコンティーノ1890–1963Naplesイタリア72$1万〜2.5万$5万〜10万
Odoardi, Giuseppeオドアルディ1746–1800Ascoli Picenoイタリア12$1万〜2.5万$5万〜10万
Chanot, Georges Iシャノ1801–1883Parisフランス87$1万〜2.5万$5万〜10万
Melegari, Enrico Clodoveoメレガリ1835–1895Turinイタリア28$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Guadagnini, Francescoグァダニーニ1863–1948Turinイタリア15$1万〜2.5万$10万〜25万
Dobretsovich, Marcoドブレツォヴィッチ1891–1960Cairoエジプト21$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Panormo, Georgeパノルモ1777–1845Londonイギリス/アイル10$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Vuillaume, Sebastienヴィヨーム1835–1875Parisフランス22$1万〜2.5万$5万〜10万
Degani, Eugenioデガーニ1842–1901Veniceイタリア122$1万〜2.5万$10万〜25万
Marchioni, Don Nicola ‘Don Nicolo Amati’マルキオーニ1662–1752Bolognaイタリア24$1万〜2.5万$5万〜10万
Hofmans, Matthias IIIホフマンス1594–1675Antwerpベルギー12$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Pevere, Ernestoペヴェレ1891–1963Ferraraイタリア19$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Ullmann, Georgウルマン1879–1946Milanイタリア15$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Gadda, Gaetanoガッダ1900–1956Mantuaイタリア85$1万〜2.5万$5万〜10万
Hel, Pierre Jean Henriエル1884–1937Lilleフランス36$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Praga, Eugenioプラガ1847–1901Genoaイタリア12$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Lecchi, Giuseppe Bernardoレッキ1895–1967Genoaイタリア31$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Politi, Enricoポリーティ1885–1979Romeイタリア15$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Gand & Bernardel Firmベルナルデル1866–1892Parisフランス116$1万〜2.5万$5万〜10万
Forster, Simon Andrewフォースター1801–1870Londonイギリス/アイル13$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Fabris, Luigiファブリス1809–1889Veniceイタリア11$1万〜2.5万$5万〜10万
Silvestre, Pierre & Hippolyteシルヴェストル1831–1859Lyonフランス38$1万〜2.5万$5万〜10万
Novelli, Nataleノヴェッリ1908–1981Milanイタリア18$1万〜2.5万$5万〜10万
Galimberti, Luigiガリンベルティ1888–1957Milanイタリア17$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Fredi, Rodolfoフレディ1861–1950Romeイタリア15$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Castagnino, Giuseppeカスタンニーノ1883–1966Chiavariイタリア22$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Lucci, Giuseppeルッチ1910–1991Romeイタリア84$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Dodd, Thomas Iドッド1764–1834Londonイギリス/アイル30$1万〜2.5万$5万〜10万
Fendt, Bernard Simon IIフェント1800–1852Londonイギリス/アイル38$1万〜2.5万$5万〜10万
Mandelli, Camillo ‘da Calco’マンデッリ1873–1956Milanイタリア17$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Schweitzer, Johann Baptistシュヴァイツァー1790–1865Budapestハンガリー10$1万〜2.5万$5万〜10万
Parravicini, Pieroパラヴィチーニ1889–1957Milanイタリア28$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Grulli, Pietroグルッリ1822–1898Cremonaイタリア12$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Hel, Pierre Josephエル1842–1902Lilleフランス156$1万〜2.5万$5万〜10万
Panormo, Josephパノルモ1768–1837Londonイギリス/アイル22$1万〜2.5万$5万〜10万
Silvestre, Hippolyte Chrétienシルヴェストル1845–1913Parisフランス79$1万〜2.5万$5万〜10万
Sgarbi, Giuseppeズガルビ1818–1905Romeイタリア17$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Thibout, Jacques-Pierreティブー1779–1856Parisフランス33$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Fendt, Jacobフェント1815–1849Londonイギリス/アイル12$1万〜2.5万$5万〜10万
Piccagliani, Armandoピッカリアーニ1879–1945Modenaイタリア23$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Geissenhof, Franzガイセンホフ1753–1821Viennaオーストリア51$1万〜2.5万$5万〜10万
Jacobs, Hendrikジェイコブズ1639–1704Amsterdamオランダ25$1万〜2.5万$5万〜10万
Rovescalli, Azzoロヴェスカッリ1880–1941Lodiイタリア13$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Guillami, Juan Iギヤミ1699–1767Barcelonaスペイン11$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Bellarosa, Vittorioベッラローザ1907–1979Naplesイタリア32$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Miremont, Claude Augustinミルモン1827–1887Parisフランス43$1万〜2.5万$5万〜10万
Cavani, Giovanniカヴァーニ1851–1936Spilambertoイタリア25$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Gaida, Giovanniガイダ1862–1939Ivreaイギリス/アイル30$1万〜2.5万$5万〜10万
Parker, Danielパーカー1700–1730Londonイギリス/アイル18$1万〜2.5万$10万〜25万
Sderci, Iginoズデルチ1884–1983Florenceイタリア100$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Stefanini, Giuseppeステファニーニ1908–1992Bresciaイタリア30$1万〜2.5万$2.5万〜5万
De Comble, Ambroiseコンブル1740–1785Tournay19$1万〜2.5万$5万〜10万
Pollastri, Gaetanoポッラストリ1886–1960Bolognaイタリア27$1万〜2.5万$10万〜25万
Nemessányi, Samuel (Samu)ネメシャーニ1837–1881Budapestハンガリー10$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Pirot, Claudeピロ1792–1835Parisフランス29$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Gotti, Anselmoゴッティ1902–1962Ferraraイタリア14$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Bernardel, Gustave Adolpheベルナルデル1832–1904Parisフランス73$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Valenzano, Joannes Mariaヴァレンツァーノ1750–1830Romeイタリア11$1万〜2.5万$5万〜10万
Stoss, Martin (Johann Martin)シュトース1778–1838Viennaオーストリア14$1万〜2.5万$5万〜10万
Michetti, Plinioミケッティ1891–1991Turinイタリア32$1万〜2.5万$5万〜10万
Vuillaume, Nicolas Françoisヴィヨーム1802–1876Brusselsベルギー42$1万〜2.5万$10万〜25万
Vuillaume (St. Cecile mark), Jean-Baptiste & Nicolasヴィヨーム1844–1856Mirecourtフランス12$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Carletti, Carloカルレッティ1873–1941Pieve di Centoイタリア41$1万〜2.5万$5万〜10万
Lupot, François Iリュポー1725–1804Orleansフランス23$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Albani, Matthias IIアルバーニ1634–1712Bolzanoイタリア34$1万〜2.5万$5万〜10万
Bellafontana, Lorenzoベッラフォンターナ1906–1979Genoaイタリア22$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Gigli, Giulio Cesareジッリ1724–1794Romeイタリア16$1万〜2.5万$5万〜10万
Altavilla, Armandoアルタヴィッラ1876–1968Naplesイタリア27$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Gaibisso, Giovanni Battistaガイビッソ1876–1962Alassio(不明)29$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Forster, William IIIフォースター1764–1824Londonイギリス/アイル50$1万〜2.5万$10万〜25万
Carletti, Nataleカルレッティ1904–1979Pieve di Centoイタリア40$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Della Corte, Alfonsoコルテ1834–1884Naplesイタリア10$1万〜2.5万$5万〜10万
Banks, James & Henryバンクス1758–1831Salisburyイギリス/アイル22$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Messori, Pietroメッソーリ1870–1952Modenaイタリア21$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Curletto, Anselmoクルレット1888–1973Turinイタリア18$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Gemünder, George Iゲミュンダー1816–1899New York, NYアメリカ49$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Marengo Rinaldi, Romanoリナルディ1866–1926Turinイタリア16$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Kennedy, Thomasケネディ1784–1870Londonイギリス/アイル115$1万〜2.5万$5万〜10万
Möller, Max Sr.メラー1875–1948Amsterdamオランダ24$1万〜2.5万$1万〜2.5万
Blanchi, Alberto Luigiブランキ1871–1948Niceフランス52$1万〜2.5万$5万〜10万
Siega, Iginioシエガ1903–1941Veniceイタリア10$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Azzola, Luigiアッツォラ1883–1973Turinイタリア15$1万〜2.5万$1万〜2.5万
Castagneri, Andreaカスタネッリ1696–1747Parisフランス47$1万〜2.5万$5万〜10万
Jacquot, Charlesジャコ1804–1880Parisフランス34$1万〜2.5万$5万〜10万
Farotto, Celestinoファロット1905–1988Milanイタリア57$1万〜2.5万$5万〜10万
Contavalli, Primoコンタヴァッリ1899–1989Imolaイタリア12$1万〜2.5万$1万〜2.5万
Gilkes, Samuelギルクス1787–1827Londonイギリス/アイル12$1万〜2.5万$5万〜10万
Darche, Hilaireダルシュ1862–1929Brusselsベルギー40$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Blanchard, Paul Francoisブランシャール1851–1912Lyonフランス102$1万〜2.5万$5万〜10万
Cross, Nathanielクロス1686–1751Londonイギリス/アイル13$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Renaudin, Leopoldルノーダン1756–1795Parisフランス13$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Gallinotti, Pietroガッリノッティ1885–1979Solero(不明)10$1万〜2.5万$1万〜2.5万
Hill, William Ebsworthヒル1817–1895Londonイギリス/アイル28$1万〜2.5万$1万〜2.5万
Cortese, Andreaコルテーゼ1889–1954Genoaイタリア13$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Vaccari, Raffaeleヴァッカーリ1908–1994Lentigione(不明)16$1万〜2.5万$1万〜2.5万
Bedocchi, Marioベドッキ1880–1955Reggio Emiliaイタリア21$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Audinot, Nestor Dominiqueオーディノ1842–1920Parisフランス65$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Vuillaume, Nicolas IIIヴィヨーム1800–1872Mirecourtフランス74$5,000〜1万$5万〜10万
Caressa & Français Firmフランセ1901–1920Parisフランス53$5,000〜1万$2.5万〜5万
Banks, Benjamin Iバンクス1727–1795Salisburyイギリス/アイル81$5,000〜1万$10万〜25万
Martini, Oresteマルティーニ1893–1957Mantuaイタリア15$5,000〜1万$1万〜2.5万
Mingazzi, Luigiミンガッツィ1859–1933Ravennaイタリア10$5,000〜1万$1万〜2.5万
Lemböck, Gabriel (Gábor)レンベック1814–1892Viennaオーストリア27$5,000〜1万$5万〜10万
Hill, Joseph Iヒル1715–1784Londonイギリス/アイル88$5,000〜1万$5万〜10万
Mariani, Antonioマリアーニ1640–1680Pesaroイタリア13$5,000〜1万$2.5万〜5万
Maucotel, Charlesモコテル1807–1860Parisフランス18$5,000〜1万$2.5万〜5万
Germain, Émileジェルマン1853–1933Parisフランス35$5,000〜1万$1万〜2.5万
Pierray, Claudeピエレ1700–1740Parisフランス40$5,000〜1万$5万〜10万
Bailly, Paulバイイ1844–1907Parisフランス196$5,000〜1万$2.5万〜5万
Cavani, Vincenzoカヴァーニ1889–1973Spilambertoイタリア43$5,000〜1万$1万〜2.5万
Hill, Lockeyヒル1756–1810Londonイギリス/アイル58$5,000〜1万$5万〜10万
Kloz, Georg Iクロッツ1687–1737Mittenwaldドイツ12$5,000〜1万$1万〜2.5万
Pareschi, Gaetanoパレスキ1900–1987Ferraraイタリア26$5,000〜1万$5万〜10万
Knorr, Paulクノル1882–1977Markneukirchenドイツ45$5,000〜1万$1万〜2.5万
Caressa, Albertカレッサ1866–1939Parisフランス12$5,000〜1万$1万〜2.5万
Cavalazzi, Antoninoカヴァラッツィ1905–1987Ravennaイタリア16$5,000〜1万$1万〜2.5万
Boullangier, Charlesブーランジェ1823–1888Londonイギリス/アイル59$5,000〜1万$2.5万〜5万
Deroux, Sébastien Augusteデルー1848–1919Parisフランス12$5,000〜1万$5万〜10万
Gavinies, Françoisガヴィニエス1683–1772Parisフランス10$5,000〜1万$1万〜2.5万
Rossi, Giuseppeロッシ1869–1954Romeイタリア14$5,000〜1万$2.5万〜5万
De Luccia, Gennaroルッチャ1901–1990Mercato Cilentoアメリカ18$5,000〜1万$1万〜2.5万
Forster, William II or Srフォースター1739–1808Londonイギリス/アイル91$5,000〜1万$10万〜25万
Fent, Françoisフェント1733–1796Parisフランス11$5,000〜1万$1万〜2.5万
Salomon, Jean Baptiste Deshayesサロモン1713–1767Parisフランス48$5,000〜1万$2.5万〜5万
Kulik, Johannクリーク1800–1872Pragueチェコ16$5,000〜1万$1万〜2.5万
Gosselin, Jeanゴスラン1814–1851Parisフランス15$5,000〜1万$1万〜2.5万
Hill & Sons, W. E. Firmヒル1880–1992Londonイギリス/アイル136$5,000〜1万$5万〜10万
Carletti, Genuzioカルレッティ1905–1996Pieve di Centoイタリア29$5,000〜1万$2.5万〜5万
LeClerc, Joseph Nicolasルクレール1760–1778Parisフランス13$5,000〜1万$1万〜2.5万
Serdet, Paulセルデ1858–1934Parisフランス15$5,000〜1万$1万〜2.5万
Schwarz, Giovanniシュヴァルツ1865–1953Veniceイタリア17$5,000〜1万$2.5万〜5万
Bozzi, Raffaelloボッツィ1905–1981Milanイタリア12$5,000〜1万$5,000〜1万
Luff, William H.ラフ1904–1993Londonイギリス/アイル57$5,000〜1万$1万〜2.5万
Vidoudez, Alfredヴィドゥデ1879–1943Geneva(不明)10$5,000〜1万$1万〜2.5万
Guersan, Louisゲルサン1700–1770Parisフランス63$5,000〜1万$5万〜10万
Möckel, Ottoメッケル1869–1937Berlinドイツ26$5,000〜1万$1万〜2.5万
Betts, John Iベッツ1752–1823Londonイギリス/アイル87$5,000〜1万$5万〜10万
L’Humbert, Emileリュンベール1872–1933Parisフランス12$5,000〜1万$1万〜2.5万
Simonazzi, Amedeoシモナツィ1891–1974Reggio Emiliaイタリア26$5,000〜1万$1万〜2.5万
Pilát, Paul (Pál) Iピラート1860–1931Budapestハンガリー25$5,000〜1万$1万〜2.5万
Pellacani, Giuseppeペッラカーニ1900–1995Modenaイタリア31$5,000〜1万$1万〜2.5万
Tobin, Richardトビン1766–1847Londonイギリス/アイル15$5,000〜1万$1万〜2.5万
Widhalm, Martin Leopold (Leopold II)ヴィトハルム1747–1806Nürnbergドイツ43$5,000〜1万$2.5万〜5万
Hill, Henry Lockeyヒル1774–1835Londonイギリス/アイル18$5,000〜1万$2.5万〜5万
Giacchetti, Giuseppeジャケッティ1890–1980Romeイタリア11$5,000〜1万$1万〜2.5万
Mermillot, Mauriceメルミヨ1835–1901Parisフランス40$5,000〜1万$1万〜2.5万
Français, Emile Marcelフランセ1894–1984Parisフランス11$5,000〜1万$5万〜10万
Wulme-Hudson, Georgeハドソン1862–1952Londonイギリス/アイル81$5,000〜1万$2.5万〜5万
Celani, Constantinoチェラーニ1869–1953Ascoli Picenoイタリア15$5,000〜1万$1万〜2.5万
Jombar, Paulジョンバール1868–1949Parisフランス25$5,000〜1万$5万〜10万
Chardon, Joseph Marieシャルドン1843–1930Parisフランス10$5,000〜1万$2.5万〜5万
Rovatti, Luigiロヴァッティ1863–1931Buenos Airesアルゼンチン16$5,000〜1万$2.5万〜5万
Peternella, Jagoペテルネッラ1886–1970Veniceイタリア26$5,000〜1万$1万〜2.5万
Boquay, Jacquesボケ1680–1730Parisフランス52$5,000〜1万$2.5万〜5万
Bassot, Josephバソ1738–1808Parisフランス15$5,000〜1万$2.5万〜5万
Collin-Mézin, Charles Jean-Baptiste pèreコラン・メザン1841–1923Parisフランス156$5,000〜1万$5万〜10万
Bruno, Carlo Colomboブルーノ1872–1964Turinイタリア12$5,000〜1万$1万〜2.5万
Frirsz, Maximillian (Miksa) IIフリルツ1915–1999New York, NY(不明)14$5,000〜1万$2.5万〜5万
Zani, Aldoザーニ1906–1995Cesenaイタリア20$5,000〜1万$1万〜2.5万
Dallinger, Sebastianダリンガー1735–1809Viennaオーストリア22$5,000〜1万$1万〜2.5万
Boulangeot, Emileブーランジョ1877–1944Lyonフランス35$5,000〜1万$1万〜2.5万
Widhalm, Leopold Iヴィトハルム1722–1776Nürnbergドイツ67$5,000〜1万$1万〜2.5万
Gianotti, Alfredoジャノッティ1915–1991Milanイタリア33$5,000〜1万$1万〜2.5万
Chanot, Joseph Anthonyシャノ1865–1936Londonイギリス/アイル26$5,000〜1万$2.5万〜5万
Enel, Charlesエネル1880–1954Parisフランス22$5,000〜1万$1万〜2.5万
Norman, Barakノーマン1651–1724Londonイギリス/アイル32$5,000〜1万$5万〜10万
Mozzani, Luigiモッツァーニ1869–1943Centoイタリア56$5,000〜1万$2.5万〜5万
Ferroni, Fernandinoフェッローニ1868–1949Florenceイタリア20$5,000〜1万$1万〜2.5万
Strobl, Michaelシュトローブル1867–1957Berlinドイツ20$5,000〜1万$1万〜2.5万
Frebrunet, Jean-Baptisteフレブリュネ1713–1780Mirecourtフランス12$5,000〜1万$1万〜2.5万
Gaffino, Josephガッフィーノ1715–1786Parisフランス11$5,000〜1万$1万〜2.5万
Szepessy, Bélaシェペシー1856–1925Londonイギリス/アイル63$5,000〜1万$2.5万〜5万
Hammig, Wilhelm Hermannハンミッヒ1838–1925Leipzigドイツ20$5,000〜1万$1万〜2.5万
Brugère, Charles Georgesブリュジェール1865–1930Parisフランス44$5,000〜1万$2.5万〜5万
Gaillard, Charlesガイヤール1851–1880Parisフランス24$5,000〜1万$2.5万〜5万
Lambert, Jean Nicolasランベール1708–1759Parisフランス12$5,000〜1万$2.5万〜5万
Smith, Thomasスミス1725–1789Londonイギリス/アイル45$5,000〜1万$2.5万〜5万
Caussin, François Hippolyteコーサン1830–1898Neufchateauフランス16$5,000〜1万$5,000〜1万
Caussin, Françoisコーサン1794–1866Neufchateauフランス68$5,000〜1万$1万〜2.5万
Gaillard-Lajoue, Julesガイヤール・ラジュー1840–1870Mirecourtフランス17$5,000〜1万$1万〜2.5万
Laurent, Émile pèreローラン1854–1914Brusselsベルギー31$5,000〜1万$1万〜2.5万
Utili, Nicolaウティーリ1888–1948Castelbolognese(不明)11$5,000〜1万$1万〜2.5万
Klotz, Sebastian Iクロッツ1696–1775Mittenwaldドイツ65$5,000〜1万$2.5万〜5万
Puglisi, Michelangeloプリージ1879–1951Cataniaイタリア13$5,000〜1万$5,000〜1万
Caussin, Nicolasコーサン1818–1889Neufchateauフランス14$5,000〜1万$2.5万〜5万
Pallaver, Giovanni Battistaパラヴェル1908–1986Veronaイタリア18$5,000〜1万$1万〜2.5万
Hardie, Matthewハーディ1755–1826Edinburghイギリス/アイル40$5,000〜1万$5万〜10万
Stadlmann, Johann Josefシュタットルマン1720–1781Viennaオーストリア14$5,000〜1万$2.5万〜5万
Gemunder, August Martin Ludwigゲミュンダー1814–1895New York, NYアメリカ15$5,000〜1万$1万〜2.5万
Militello, Marianoミリテッロ1881–1959Rosarioアルゼンチン13$5,000〜1万$5,000〜1万
Bargelli, Giuseppe (di Saladino)バルジェッリ1886–1963Florenceイタリア16$5,000〜1万$1万〜2.5万
Cunault, Georgesキュノー1856–1941Parisフランス22$5,000〜1万$1万〜2.5万
Klotz, Georg Karl IIクロッツ1723–1797Mittenwaldドイツ41$5,000〜1万$1万〜2.5万
Hesketh, Thomas Earleヘスケス1866–1945Manchesterイギリス/アイル71$5,000〜1万$1万〜2.5万
Spiegel, Jánosシュピーゲル1876–1956Budapestハンガリー21$5,000〜1万$1万〜2.5万
Merling, Pauliメルリング1894–1976Copenhagenデンマーク24$5,000〜1万$1万〜2.5万
Dvorák, Carolus Boromäusドヴォルザーク1856–1909Pragueチェコ12$5,000〜1万$1万〜2.5万
Saccani, Benignoサッカーニ1868–1936Milanイタリア15$5,000〜1万$5,000〜1万
Derazey, Honoré (Jean-Joseph)デラゼイ1794–1883Mirecourtフランス199$5,000〜1万$2.5万〜5万
Chanot, Georges Adolpheシャノ1855–1923Manchesterイギリス/アイル65$5,000〜1万$2.5万〜5万
Homolka, Ferdinand August Vincenzホモルカ1828–1890Pragueチェコ17$5,000〜1万$1万〜2.5万
Chanot, Frederick Williamシャノ1857–1911Londonイギリス/アイル30$5,000〜1万$1万〜2.5万
Auciello, Luigiアウチェッロ1881–1971Milanイタリア17$5,000〜1万$1万〜2.5万
Lee, Percyリー1871–1953Londonイギリス/アイル13$5,000〜1万$5,000〜1万
Darte, Jean-Augusteダルト1830–1892Mirecourtフランス14$5,000〜1万$5,000〜1万
Dvorak, Jan Baptistaドヴォルザーク1825–1890Pragueチェコ18$5,000〜1万$1万〜2.5万
Muncher, Romedioミュンヒャー1874–1940Cremonaイタリア24$5,000〜1万$1万〜2.5万
Barbieri, Brunoバルビエリ1922–1989Mantuaイタリア58$5,000〜1万$2.5万〜5万
Derazey, Justin Amedéeデラゼイ1839–1890Mirecourtフランス114$5,000〜1万$2.5万〜5万
Seifert, Ottoザイフェルト1866–1957Berlinドイツ13$2,500〜5,000$5,000〜1万
Bryant, Ole H.ブライアント1873–1943Boston, MA(不明)18$2,500〜5,000$5,000〜1万
Craske, Georgeクラスク1795–1888Stockportイギリス/アイル250$2,500〜5,000$2.5万〜5万
Klotz, Aegidius Sebastianクロッツ1733–1805Mittenwaldドイツ80$2,500〜5,000$2.5万〜5万
Eberle, Johann Ulrichエーベルレ1699–1768Pragueチェコ34$2,500〜5,000$2.5万〜5万
Day, Johnデイ1830–1905Londonイギリス/アイル11$2,500〜5,000$1万〜2.5万
Wilkinson, Charles Johnウィルキンソン1889–1961Londonイギリス/アイル19$2,500〜5,000$1万〜2.5万
Wamsley, Peterワムズリー1670–1744Londonイギリス/アイル45$2,500〜5,000$2.5万〜5万
Mougenot, Georgesムジュノ1843–1937Brusselsベルギー39$2,500〜5,000$2.5万〜5万
van Hoof, Alphonseホーフ1878–1936Antwerpベルギー11$2,500〜5,000$1万〜2.5万
Vávra, Karelヴァーヴラ1903–1973Pragueチェコ13$2,500〜5,000$5,000〜1万
Briggs, James Williamブリッグス1855–1935Glasgowイギリス/アイル47$2,500〜5,000$1万〜2.5万
Agostinelli, Luigiアゴスティネッリ1891–1976Milanイタリア10$2,500〜5,000$5,000〜1万
Regazzoni, Dante Paoloレガッツォーニ1916–1999Cortenova Valsassina(不明)12$2,500〜5,000$2.5万〜5万
Thir, Johann Georgティール1710–1781Viennaオーストリア43$2,500〜5,000$2.5万〜5万
Schmitt, Lucienシュミット1892–1984Grenobleフランス25$2,500〜5,000$1万〜2.5万
Collin-Mézin, Charles filsコラン・メザン1870–1934Parisフランス105$2,500〜5,000$2.5万〜5万
Calace, Raffaele Iカラーチェ1863–1934Naplesイタリア22$2,500〜5,000$1万〜2.5万
Billottet, Louis Fernandビヨテ1895–1947Parisフランス10$2,500〜5,000$5,000〜1万
Hornsteiner, Mathias IIホルンシュタイナー1760–1803Mittenwaldドイツ25$2,500〜5,000$2.5万〜5万
Simoutre, Nicolasシモウトル1788–1870Parisフランス12$2,500〜5,000$5,000〜1万
Falisse, Augusteファリス1883–1951Brusselsベルギー31$2,500〜5,000$5,000〜1万
Buchstetter, Gabriel Davidブーフシュテッター1730–1780Regensburgドイツ14$2,500〜5,000$1万〜2.5万
Knopf, Heinrich (Henry) Richardクノップ1860–1939New York, NY(不明)22$2,500〜5,000$5,000〜1万
Gartner, Eugenゲルトナー1864–1944Stuttgartドイツ24$2,500〜5,000$5,000〜1万
Richardson, Arthurリチャードソン1882–1965Creditonイギリス/アイル89$2,500〜5,000$1万〜2.5万
Lanini, Alfred Eugeneラニーニ1891–1956San Jose, CAアメリカ40$2,500〜5,000$2.5万〜5万
Rosenthal, Samuel ‘Luthier’ローゼンタール1891–1968New York, NYアメリカ10$2,500〜5,000$5,000〜1万
van der Meer, Karelメール1892–1920Amsterdamオランダ11$2,500〜5,000$5,000〜1万
Audinot, Victorオーディノ1870–1943Parisフランス24$2,500〜5,000$1万〜2.5万
Delivet, Augusteデリヴェ1861–1928Parisフランス24$2,500〜5,000$1万〜2.5万
Leeb, Andreas Carlレープ1784–1805Viennaオーストリア12$2,500〜5,000$5,000〜1万
Harris, Charles IIハリス1791–1851Adderbury(不明)30$2,500〜5,000$2.5万〜5万
Neuner, Ludwigノイナー1840–1897Berlinドイツ12$2,500〜5,000$1万〜2.5万
Dieudonné, Amédéeディユドネ1890–1960Mirecourtフランス254$2,500〜5,000$2.5万〜5万
Mennesson, Emileメヌソン1842–1920Reimsフランス73$2,500〜5,000$2.5万〜5万
Tóth, Johannes (János)トート1875–1944Budapestハンガリー12$2,500〜5,000$1万〜2.5万
Furber, Johnファーバー1780–1857Londonイギリス/アイル16$2,500〜5,000$1万〜2.5万
Claudot, Albertクロード1899–1980Dijonフランス10$2,500〜5,000$5,000〜1万
Aubry, Josephオーブリー1873–1937Le Havre(不明)27$2,500〜5,000$1万〜2.5万
Prescott, Abrahamプレスコット1789–1858Deerfield, NH(不明)11$2,500〜5,000$2.5万〜5万
Einsele, George Nicolasアインゼーレ1868–1940Chicago, ILアメリカ10$2,500〜5,000$5,000〜1万
Reindahl, Knuteレインダール1857–1936Madison, WIアメリカ21$2,500〜5,000$1万〜2.5万
Duke, Richardデューク1718–1783Londonイギリス/アイル129$2,500〜5,000$1万〜2.5万
Konya, Istvanコニヤ1919–1999Tataイタリア19$2,500〜5,000$5,000〜1万
Hertel, Erwinヘルテル1911–1985New York, NYアメリカ10$2,500〜5,000$1万〜2.5万
Apparut, Georgesアパリュ1877–1948Mirecourtフランス104$2,500〜5,000$1万〜2.5万
Squier, Jerome Bonaparteスクワイア1838–1912Boston, MA(不明)22$2,500〜5,000$1万〜2.5万
Hudson, Georgeハドソン1859–1916Londonイギリス/アイル26$2,500〜5,000$5,000〜1万
Carlisle, James Reynoldカーライル1886–1962Cincinnati, OHアメリカ31$2,500〜5,000$5,000〜1万
Withers, Edward Iウィザーズ1808–1875Londonイギリス/アイル22$2,500〜5,000$5万〜10万
Chipot, Paul Jean Baptisteシポ1887–1968Vendome(不明)12$2,500〜5,000$5,000〜1万
Cavalli, Aristideカヴァッリ1856–1931Cremonaイタリア46$2,500〜5,000$1万〜2.5万
Ficker, Johann Gottlobフィッカー1744–1832Markneukirchenドイツ21$2,500〜5,000$5,000〜1万
Galla, Antonガッラ1897–1972Brno(不明)11$2,500〜5,000$5,000〜1万
Klotz, Johann Carlクロッツ1709–1790Mittenwaldドイツ28$2,500〜5,000$1万〜2.5万
Bernardel, Léonベルナルデル1853–1931Parisフランス67$2,500〜5,000$1万〜2.5万
Klotz, Matthias Iクロッツ1653–1743Mittenwaldドイツ12$2,500〜5,000$1万〜2.5万
Pyne, Georgeパイン1852–1921Londonイギリス/アイル81$2,500〜5,000$5,000〜1万
Barrett, Johnバレット1680–1743Londonイギリス/アイル24$2,500〜5,000$1万〜2.5万
Fleury, Benoitフルーリー1719–1792Parisフランス16$2,500〜5,000$2.5万〜5万
Claudot, Augustinクロード1776–1843Mirecourtフランス21$2,500〜5,000$1万〜2.5万
Mougenot, Léon Victorムジュノ1874–1954Mirecourtフランス166$2,500〜5,000$1万〜2.5万
Merighi, Luigiメリーギ1928–1990Modenaイタリア10$2,500〜5,000$2,500〜5,000
Johnson, Johnジョンソン1719–1761Londonイギリス/アイル42$2,500〜5,000$1万〜2.5万
Aireton, Edmund Iエアトン1727–1807Londonイギリス/アイル11$2,500〜5,000$1万〜2.5万
Leidolff, Johann Christophライドルフ1690–1758Viennaオーストリア25$2,500〜5,000$2.5万〜5万
Chappuy, Nicolas Augustinシャピュイ1730–1784Parisフランス123$2,500〜5,000$5万〜10万
Roth, Ernst Heinrichロート1877–1948Markneukirchenドイツ340$2,500〜5,000$1万〜2.5万
Laberte, Marc André Josephラベルテ1880–1963Mirecourtフランス65$2,500〜5,000$1万〜2.5万
Drozen, Frantisek Xavierドロゼン1898–1972Turnov(不明)10$2,500〜5,000$5,000〜1万
Wahl, Eugenヴァール1877–1961Karlsruheドイツ11$2,500〜5,000$5,000〜1万
Heberlein, Heinrich Theodore Jr.ヘベルライン1843–1909Markneukirchenドイツ28$2,500〜5,000$5,000〜1万
White, Asa Warrenホワイト1826–1893Boston, MAアメリカ30$2,500〜5,000$5,000〜1万
Hart & Sonハート1885–1939Londonイギリス/アイル29$2,500〜5,000$5,000〜1万
Atkinson, Williamアトキンソン1851–1929Tottenhamイギリス/アイル52$2,500〜5,000$5,000〜1万
Hoing, Clifford A.ホーイング1903–1989High Wycombe(不明)24$2,500〜5,000$1万〜2.5万
Gemünder, August Martinゲミュンダー1862–1928New York, NY(不明)28$2,500〜5,000$1万〜2.5万
Hume, Andrew (Alexander)ヒューム1864–1941Londonイギリス/アイル15$1,000〜2,500$5,000〜1万
Cole, Jamesコール1845–1892Manchesterイギリス/アイル14$1,000〜2,500$2.5万〜5万
Jais, Antonヤイス1748–1836Mittenwaldドイツ11$1,000〜2,500$5,000〜1万
Acoulon, Alexandre Alfredアクロン1889–1914Parisフランス10$1,000〜2,500$5,000〜1万
Bailly, Charlesバイイ1879–1957Mirecourtフランス49$1,000〜2,500$5,000〜1万
Mangenot, Paul Alexandreマンジュノ1862–1942Mirecourtフランス45$1,000〜2,500$2.5万〜5万
Friedrich, Johnフリードリヒ1858–1943New York, NY(不明)31$1,000〜2,500$1万〜2.5万
Chanot, Françoisシャノ1788–1825Parisフランス11$1,000〜2,500$5,000〜1万
Laberte-Humbert Frères Firmラベルテ1876–1969Mirecourtフランス88$1,000〜2,500$1万〜2.5万
Withers, George Thomas Henryウィザーズ1847–1931Londonイギリス/アイル20$1,000〜2,500$1万〜2.5万
Charotte-Millot, Josephシャロット・ミヨ1798–1849Mirecourtフランス12$1,000〜2,500$5,000〜1万
Goss, Walter Solonゴス1853–1925(不明)11$1,000〜2,500$5,000〜1万
Thouvenel, Nicolas Henry dit Paganiniトゥヴネル1851–1929Mirecourt(不明)10$1,000〜2,500$1万〜2.5万
Owen, John Williamオーウェン1852–1933Leedsイギリス/アイル36$1,000〜2,500$1万〜2.5万
Ficker, Johann Christian IIフィッカー1720–1772Markneukirchenドイツ28$1,000〜2,500$5,000〜1万
Dearlove, Markディアラヴ1770–1820Leedsイギリス/アイル15$1,000〜2,500$5,000〜1万
Bailly, Jennyバイイ1874–1960Parisフランス32$1,000〜2,500$1万〜2.5万
Hamm, Johann Gottfriedハム1744–1817Markneukirchenドイツ29$1,000〜2,500$5,000〜1万
Deblaye, Albertデブレ1874–1929Mirecourtフランス81$1,000〜2,500$5,000〜1万
Lippold, Carl Friedrichリッポルト1772–1854Markneukirchenドイツ11$1,000〜2,500$2,500〜5,000
Rost, Franz Georgロスト1869–1960Londonイギリス/アイル10$1,000〜2,500$5,000〜1万
Todt, Heinrich Hermannトット1862–1929Markneukirchenドイツ16$1,000〜2,500$1万〜2.5万
Robinson, Williamロビンソン1880–1960Londonイギリス/アイル92$1,000〜2,500$5,000〜1万
Milton, Louis Frankミルトン1898–1947Bedford(不明)19$1,000〜2,500$2,500〜5,000
Durrschmidt, Wilhelm Augustデュルシュミット1863–1937Markneukirchenドイツ15$1,000〜2,500$5,000〜1万
Reiter, Johannライター1879–1959Mittenwaldドイツ13$1,000〜2,500$1万〜2.5万
Viertel, Holmフィアテル1865–1948Aachen(不明)12$1,000〜2,500$2,500〜5,000
Perry, Thomas IIペリー1744–1818Dublinイギリス/アイル53$1,000〜2,500$1万〜2.5万
Glier, Robert C. Iグリーア1855–1924Cincinnati, OHアメリカ13$1,000〜2,500$5,000〜1万
Blondelet, Hugues Emileブロンドレ1875–1928Parisフランス125$1,000〜2,500$1万〜2.5万
Collenot, Louisコルヌノ1863–1933Reimsフランス12$1,000〜2,500$2,500〜5,000
Gilbert, Jeffrey Jamesギルバート1850–1942Surrey(不明)77$1,000〜2,500$5,000〜1万
Glaesel, Ludwig Iグレーゼル1842–1931Markneukirchenドイツ15$1,000〜2,500$2,500〜5,000
Chipot-Vuillaume, Jean-Baptisteシポ・ヴィヨーム1847–1892Parisフランス102$1,000〜2,500$1万〜2.5万
Goulding & Co.ゴールディング1785–1850Londonイギリス/アイル42$1,000〜2,500$1万〜2.5万
Bazin, Gustaveバザン1871–1920Mirecourtフランス27$1,000〜2,500$5,000〜1万
Buthod, Charlesブトー1810–1889Parisフランス60$1,000〜2,500$1万〜2.5万
Hyde, Andrewハイド1842–1923Northampton, MAアメリカ10$1,000〜2,500$5,000〜1万
Drouin, Charlesドルーアン1872–1931Mirecourtフランス11$1,000〜2,500$2,500〜5,000
Plumerel, Charlesプリュムレル1822–1864Angersフランス10$1,000〜2,500$1万〜2.5万
Cocker, Lawrenceコッカー1908–1982Derby(不明)37$1,000〜2,500$5,000〜1万
Channon, Frederick Williamチャノン1862–1946Plymouth(不明)11$1,000〜2,500$5,000〜1万
Remy, Jean Mathurinレミ1770–1854Parisフランス13$1,000〜2,500$5,000〜1万
Breton, Françoisブルトン1778–1830Mirecourtフランス40$1,000〜2,500$5,000〜1万
Neuner, Mathias IIノイナー1762–1832Mittenwaldドイツ49$1,000〜2,500$5,000〜1万
Marshall, Johnマーシャル1730–1764Aberdeenイギリス/アイル13$1,000〜2,500$5,000〜1万
Thompson, Charles & Samuelトンプソン1763–1790Londonイギリス/アイル104$1,000〜2,500$2.5万〜5万
Barbé, Françoisバルベ1853–1902Mirecourtフランス21$1,000〜2,500$2.5万〜5万
Simonin, Charles IIシモナン1815–1880Mirecourtフランス10$1,000〜2,500$5,000〜1万
Mayson, Walter H.メイソン1835–1904Manchesterイギリス/アイル130$1,000〜2,500$1万〜2.5万
Vuillaume, Claude-François IVヴィヨーム1772–1834Mirecourtフランス10$1,000〜2,500$5,000〜1万
Ardern, Jobアーダーン1826–1912Wilmslow(不明)53$1,000〜2,500$2,500〜5,000
Braund, Frederick T.ブラウンド1890–1991Colchester(不明)12$1,000〜2,500$2,500〜5,000
Nicolas, Didier l’aînéニコラ1757–1833Mirecourtフランス249$1,000〜2,500$1万〜2.5万
Barzoni, Françoisバルゾーニ1880–1920London(不明)112$1,000〜2,500$2,500〜5,000
Preston, Jamesプレストン1724–1770Londonイギリス/アイル14$1,000〜2,500$5,000〜1万
Chevrier, Claudeシュヴリエ1798–1878Mirecourtフランス15$1,000〜2,500$2,500〜5,000
Claudot, Charles Iクロード1750–1828Mirecourtフランス25$1,000〜2,500$2,500〜5,000
Lotte, Georgesロッテ1856–1896Parisフランス15$1,000〜2,500$5,000〜1万
Cahusac, Thomasカユザック1755–1819Londonイギリス/アイル15$1,000〜2,500$5,000〜1万
Longman & Broderip Firmブロデリップ1776–1790Londonイギリス/アイル32$1,000〜2,500$1万〜2.5万
Hall, Roscoe G.ホール1915–1920Portland, OR(不明)12$1,000〜2,500$2,500〜5,000
Dolling, Hermann Moritz Iドリング1839–1904Markneukirchen(不明)16$1,000〜2,500$5,000〜1万
Moitessier, Louisモワテシエ1780–1824Mirecourtフランス21$1,000〜2,500$5,000〜1万
Cramond, Charlesクレイモンド1800–1845Aberdeenイギリス/アイル10$1,000〜2,500$1,000〜2,500
Hofner, Karlヘフナー1864–1955Schönbachチェコ19$1,000〜2,500$2,500〜5,000
Longman & Co. Firmロングマン1767–1769Londonイギリス/アイル17$1,000〜2,500$1万〜2.5万
Thibouville-Lamy, Jérôme Firmティブヴィル・ラミー1857–1968Mirecourtフランス402$500〜1,000$1万〜2.5万
Brown, James Iブラウン1759–1834Huddersfieldイギリス/アイル15$500〜1,000$2,500〜5,000
Wilkanowski, Williamヴィルカノフスキ1886–1954Brooklyn, NY(不明)57$500〜1,000$1,000〜2,500
Morlot, Nicolasモルロ1780–1856Mirecourtフランス15$500〜1,000$5,000〜1万
Glaesel, Ernstグレーゼル1849–1939Markneukirchenドイツ26$500〜1,000$2,500〜5,000
Couturieux, Michelクチュリュー1860–1895Parisフランス12$500〜1,000$1万〜2.5万
Heaton, Williamヒートン1872–1906Gomersalイギリス/アイル18$500〜1,000$2,500〜5,000
Voigt, Arnoldフォークト1864–1952Markneukirchen(不明)20$500〜1,000$2,500〜5,000
Baader & Co., J. A.バーダー1790–1934Mittenwaldドイツ20$500〜1,000$2,500〜5,000
Foster, Georgフォスター1820–1830London(不明)18$500〜1,000$1,000〜2,500
Weller, Frederickヴェラー1930–1952Surrey(不明)16$500〜1,000$1,000〜2,500
Salzard, Françoisサルザール1808–1874Mirecourtフランス11$500〜1,000$1,000〜2,500
Farley, Charles Emeryファーリー1846–1927New Boston, NH(不明)10$500〜1,000$1,000〜2,500
Gotz, C. A.ゲッツ1880–1906Markneukirchen(不明)12$500〜1,000$1,000〜2,500
Grand-Gérard, Jean-Baptisteグラン・ジェラール1775–1820Mirecourtフランス12$500〜1,000$5,000〜1万
Lowendall, Louisレーヴェンダール1840–1900Dresdenドイツ138$500〜1,000$2,500〜5,000
Hardie, James IIハーディ1836–1916Edinburghイギリス/アイル31$500〜1,000$2,500〜5,000
Paulus, Albin Ludwigパウルス1866–1946Markneukirchenドイツ20$500〜1,000$2,500〜5,000
Wolff, Brothersヴォルフ1879–1900Kreuznachドイツ140$500〜1,000$5,000〜1万
Schmidt, Ernst Reinholdシュミット1857–1928Markneukirchenドイツ75$500〜1,000$2,500〜5,000
Blyth, Williamsonブライス1821–1897Edinburghイギリス/アイル11$500〜1,000$1,000〜2,500
Acton, William Johnアクトン1848–1931London(不明)10~$500$5,000〜1万
Duerer, Wilhelmデューラー1900–1930Eisleben(不明)15~$500$2,500〜5,000

付録B 工房・ブランド名義の落札価格帯

個人名ではなく屋号、一族名義、「〇〇兄弟」「〇〇父」などの形で市場に出ている46名義。落札4件以上、件数の多い順。弓を含みます。ロンドンの老舗商会、ミルクールの量産大手、ミッテンヴァルトの工房、パリの弓工房一族などが並びます。同じ「兄弟名義」でも、17世紀には最高級を、19世紀には量産を意味したことが読み取れます。

名義カタカナ拠点落札件数中央値最高値
Hill & Sons, W. E. FirmヒルLondonイギリス/アイル3036$1,000〜2,500$5万〜10万
Thibouville-Lamy, Jérôme Firmティブヴィル・ラミーMirecourtフランス619$1,000〜2,500$1万〜2.5万
Morizot, Louis Joseph pèreモリゾMirecourt(不明)550$2,500〜5,000$1万〜2.5万
Morizot, Louis frèresモリゾMirecourt(不明)409$2,500〜5,000$5,000〜1万
Lamy, Joseph Alfred pèreラミーParisフランス377$5,000〜1万$5万〜10万
Lamy, Alfred dit neveuラミーParisフランス324$2,500〜5,000$1万〜2.5万
Vigneron, Joseph Arthur pèreヴィニュロンParisフランス283$5,000〜1万$2.5万〜5万
Vigneron, André ‘Vigneron fils’ヴィニュロンParisフランス276$2,500〜5,000$1万〜2.5万
Neuner & HornsteinerホルンシュタイナーMittenwaldドイツ228$500〜1,000$1万〜2.5万
Gand & Bernardel FirmベルナルデルParisフランス195$1万〜2.5万$5万〜10万
Collin-Mézin, Charles Jean-Baptiste pèreコラン・メザンParisフランス168$5,000〜1万$5万〜10万
Wolff, BrothersヴォルフKreuznachドイツ140$500〜1,000$5,000〜1万
Bernardel, Auguste Sébastien Philippe pèreベルナルデルParisフランス111$2.5万〜5万$10万〜25万
Collin-Mézin, Charles filsコラン・メザンParisフランス105$2,500〜5,000$2.5万〜5万
Hart & SonハートLondonイギリス/アイル97$1,000〜2,500$5,000〜1万
Laberte-Humbert Frères FirmラベルテMirecourtフランス89$1,000〜2,500$1万〜2.5万
Hawkes, Hawkes & SonsホークスLondonイギリス/アイル88$1,000〜2,500$5,000〜1万
Caressa & Français FirmフランセParisフランス86$5,000〜1万$2.5万〜5万
Perry & Wilkinson FirmウィルキンソンDublinイギリス/アイル63$1,000〜2,500$1万〜2.5万
Lamy, Hippolyte Camille dit 1er filsラミーParis(不明)61$5,000〜1万$1万〜2.5万
Millant, Roger & Max FirmミヤンParisフランス61$5,000〜1万$2.5万〜5万
Goulding & Co.ゴールディングLondonイギリス/アイル42$1,000〜2,500$1万〜2.5万
Gand Frères FirmガンParisフランス39$1万〜2.5万$10万〜25万
Hjorth & Sons, EmilヒョルトCopenhagenデンマーク38$5,000〜1万$1万〜2.5万
Laurent, Émile pèreローランBrusselsベルギー33$5,000〜1万$1万〜2.5万
Longman & Broderip FirmブロデリップLondonイギリス/アイル32$1,000〜2,500$1万〜2.5万
Lamy, Georges-Léon dit 2d filsラミーParis(不明)30$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Gand, Charles François pèreガンParisフランス28$1万〜2.5万$5万〜10万
Moinel & Cherpitel FirmシェルピテルParisフランス21$1,000〜2,500$5,000〜1万
Baader & Co., J. A.バーダーMittenwaldドイツ20$500〜1,000$2,500〜5,000
Longman & Co. FirmロングマンLondonイギリス/アイル17$1,000〜2,500$1万〜2.5万
Maucotel & Deschamp FirmデシャンParis(不明)16$1,000〜2,500$2,500〜5,000
Chanot & Chardon FirmシャノParis(不明)15$2,500〜5,000$1万〜2.5万
Carrodus Firmカロダス(不明)13$500〜1,000$1,000〜2,500
Chardon & Fils. FirmシャルドンParisフランス12$5,000〜1万$1万〜2.5万
Thouvenel, Nicolas Henry dit PaganiniトゥヴネルMirecourt(不明)10$1,000〜2,500$1万〜2.5万
Melegari, Pietro & Enrico Clodoveo fratelliメレガリTurinイタリア8$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Tourte, Nicolas Pierre pèreトルテParis(不明)8$1万〜2.5万$2.5万〜5万
Lyon & Healy Firmヒーリー(不明)8$1,000〜2,500$1,000〜2,500
Martin, E. FirmマーティンMarkneukirchen(不明)8~$500$1,000〜2,500
Bottali-Roth-Pelitti FirmボッタリMilan(不明)5$2,500〜5,000$2,500〜5,000
Lewis, William Lewis & Sonルイス(不明)5$500〜1,000$1,000〜2,500
Chenantais & Le Lyonnais FirmリヨネNantesフランス5$1,000〜2,500$5,000〜1万
Nicolas, Joseph (fils)ニコラMirecourtフランス5$1,000〜2,500$2,500〜5,000
Audinot-Mourot Firmオーディノ・ムーロParisフランス4$2,500〜5,000$5,000〜1万
Voigt, E. R. & SonフォークトLondonイギリス/アイル4$1,000〜2,500$2,500〜5,000

付録C 産地・ブランド別の在庫価格帯(日本・アメリカ・ドイツ)

以下は、三か国の店頭在庫を産地・ブランド別にまとめたものです。現在活動している個人の製作者は対象外とし、産地名と、物故者・工房名義の量産ブランドに限っています。金額はすべて帯で表記しました。

等級の定義(付録C・付録Eで共通)

ヴァイオリンの等級には、日本の弦楽器業界で参照されている定義があります。神田侑晃『改訂 ヴァイオリンの見方・選び方【応用編】——間違った買い方をしないために』(せきれい社)は、製法によって次の五段階に分けています(同書 p.76-78)。本稿もこの区分を基準として引用します。

段階製法同書が挙げる例
①a) 工場製・プレス加工蒸気で木材を軟化させ、型に押し込んで成形する大量生産法。J.B.ヴィヨームの発案を、J.T.ラミーが1873年にミルクールで実践したのが始まりJTL、ベルトリーニ、メディオ・フィノ、ブルトン等のラベル。1900年前後にフランスで大量に作られたストラディヴァリ・モデル
①b) 工場製・半手工機械で荒削りし、人手で仕上げるドイツ・日本・韓国・中国・ハンガリー・チェコの、学習用新作の大半
②a) 工房製・寄せ木細工法工房で分業して組み上げるノイナー&ホルンシュタイナー、ホップフ、ミグマ社等
②b) 工房製・個人銘メード工房製だが、実在しない製作者名(創作名)を冠して売られるJ.B.コラン、クラウディオ・モンテヴェルデ等の創作名
③ マスターメード製作者個人による作

価値の順序は ③ ≧ ②b) > ②a) > ①b) > ①a) とされています。同書はあわせて、①a)プレス加工品は「出来たての時が一番価値があり、年月が経つにつれて値下がり、限りなくゼロに近づく」と述べています(p.78)。ただし例外も併記されており、音の良い古い分数ヴァイオリンには希少価値があり、1900年前後のミルクール製で形の崩れていないものは、物価の上昇に比例する程度には値上がりしているとされます。最下層でだけ、音が値段の理由になっています。上位の等級について同書は、「一旦名前が出てしまうと『名前』が独り歩きし、値段が後を追う。以後、音が悪かろうと駄作であろうと、相場はそのメーカーの格で決められる」(p.70)としています。

同書が示す価格の目安は次のとおりです。ただし基準年は1998年です。同書 p.71 の注は「2018年現在の縦軸の相場は①〜⑰は約2倍に、⑱は5〜10倍になっています」としており、下表を現在の水準として読むことはできません。読み替えるにはこの20年ぶんの倍率に加えて、2018年から現在までの変動をさらに乗せる必要があります。本稿の付録C・付録Eが測っているのは、その現在の水準にあたります。

区分新作モダン(1820年頃〜1945年)オールド(1820年頃以前)
プレス加工品10万円以下で買うこと30万円以下
半手工品30万円以下で買うこと
工房製80万円以下で買うこと150万円以下で買うこと
ファクトリー・メード100万円以下で買うこと
マスター・メード150万円以下で買うことイタリア600万円以上に「良い音」が多く、中には「申し分ない音」もある/フランス300万円/その他150万円イタリア3000万円以上に「申し分ない音」が多い/フランス600万円/その他300万円

出典:神田侑晃『改訂 ヴァイオリンの見方・選び方【応用編】』(せきれい社)p.197。1998年基準。原文は「新作」「モダン」「オールド」ごとの箇条書きで、本稿が対照のため表に組み直しました。該当のない組み合わせは「—」としています。

※ 上表が「モダン」と「オールド」を1820年頃で分けるのは、業界の慣用に沿ったものです。この年に何かが起きたわけではなく、19世紀の最初の四半世紀に重なった複数の変化を一本の線にまとめたものと考えられます。大木裕子『クレモナのヴァイオリン工房』は、オールド・イタリアンの範囲を「1550年頃から1820年頃、プレッセンダ(Giovanni Francesco Pressenda, 1777–1854)の出現まで」としています。プレッセンダはトリノで、失われたクレモナ様式を復元するかたちで製作した世代にあたります。本稿の落札記録でもプレッセンダは79件、その弟子筋にあたるG.A.ロッカ(1807–1865)は57件が確認でき、いずれもトリノです。第1節で見た「トリノだけが19世紀に伸びている」という所見と、同じ出来事の別の面です。

この表を、いま読み替えるとどうなるか

同書 p.70 の格付け表について、p.71 の注は、1998年から2018年にかけて①〜⑰の相場が約2倍、最上位の⑱(ストラディヴァリ/デル・ジェス)は5〜10倍になったとしています。この倍率を、本稿が保有する落札記録で検算しました。参考として置きます。ヴァイオリンの落札25,941件(1995〜2026年)を、1995〜2001年と2016〜2026年の二つの窓で比べたものです。

区分1995-20012016-2026倍率件数(前/後)
①a) 工場製・プレス加工(ミルクールの量産ブランド)約900ドル約3,400ドル3.7倍96/45
②a) 工房製(ドイツの工房ブランド)約800ドル約5,700ドル7.2倍59/9
⑧格に相当する19世紀の名工約5.1万ドル約20万ドル4.0倍39/65
⑱格(ストラディヴァリ/デル・ジェス)約78万ドル約348万ドル4.5倍15/9
ヴァイオリン市場全体約3,700ドル約1万ドル2.7倍3,925/4,540

市場全体では約2.7倍です。同書の注が下位について挙げる「約2倍」に近く、やや大きい。一方で最上位は約4.5倍にとどまり、同書の「5〜10倍」には届きません。ずれの向きが上下で逆になっています。

※ なお同書は、弦楽器の売買に携わる書き手が実務の立場から書いたものです。どの等級に価値を置くかという評価の部分には、書き手の立場が入ります。本稿が引用しているのは区分の定義と価格の目安であって、どの楽器を買うべきかという同書の推奨ではありません。

実用的な読み替えとしては、上表の1998年基準の金額は、おおむね2倍程度に置き換えて読むのが実測に最も近くなります。ただし一律ではなく、上の等級ほど倍率が大きいという傾向が実測には出ています。

※ この検算には次の限界があります。第一に、名目です。物価の上昇と為替の変動を調整していません。したがって「2倍」は購買力が2倍になったという意味ではなく、値札の数字が2倍という意味です。第二に、これは落札された品の価格水準であって、個々の楽器の値札の動きではありません。本稿が復元した日本の専門店の在庫では、同一の個体を平均6.6年追跡できた69挺について、値札の変化は中央値で1.00倍——つまり動いていません(値上げ29挺・据え置き32挺・値下げ8挺)。第6節で述べた「非公開市場では時間が調整弁になる」ことの、数字の側からの確認です。第三に、同じ在庫の中央値そのものは、2004〜2008年と2024〜2026年で下がっています。これは値下がりではなく、その店の品揃えが下の価格帯へ広がったことによるものです。棚の中央値は相場ではありません。第四に、上位等級は落札点数が少なく(⑱格で前15件・後9件)、数件の出来高で倍率が動きます。幅をもって読んでください。

なお同書は①a)プレス加工品について、「出来たての時が一番価値があり、年月が経つにつれて値下がり、限りなくゼロに近づきます」(p.78)としています。落札記録では、この区分の中央値は約900ドルから約3,400ドルへ、市場全体(2.7倍)を上回る速度で上がっており、この記述は確認できませんでした。同書自身も、1900年前後のミルクール製で形の崩れていないものは物価の上昇に比例する程度には値上がりしている、と例外を併記しており、実測はその例外の側に沿っています。

本稿の区分と、上の五段階との関係

本稿の付録C・付録Eは、店頭在庫の銘の書かれ方だけから機械的に分類しています。価格から等級を決めているのではありません——価格を説明するための軸に価格を使うと循環論法になるためです。ただし実物を見て製法を判定したわけでもないので、上の五段階とは一致しません。混同を避けるため、本稿では次の呼び名を使います。

本稿の呼び名判定の根拠(銘の書かれ方)上の五段階との対応
ブランド銘工房名や量産ブランド名が冠されている、通し番号が振られている、あるいは「〇〇モデル」「after 〇〇」など様式の表記だけで製作者個人を主張していない①a)〜②b)が混在する
個人銘製作者個人の名前で出ており、工房名も通し番号も無い主に③。②b)の一部を含む
名工銘「master violin」「Meistergeige」と明示されている、または第三者の著名鑑定家の鑑定書が付く③のうち評価の確立したもの

とくに②b)個人銘メードは、創作名を工房名と併記して売られることが多く、表記のうえでは本稿の「ブランド銘」に入ります。同書が創作名の例として挙げる銘がそのまま在庫に現れる場合、本稿の分類では実際の等級より一段下に置かれることになります。ここは銘だけで判定する方法の限界です。

同じ理由で、この判定は実物の出来栄えを評価したものではありません。証明書を付けずに売られている優れた個人作は「個人銘」に、工房名を冠していても実質は個人の手による作は「ブランド銘」に入ります。あくまで市場に出るときの位置づけの分類です。

※ 第4節などで用いる「個人名義/工房名義」は、製作者名が読めるかどうかによる二分です。ここで定義した三段の等級区分(ブランド銘/個人銘/名工銘)は、それをさらに細かく切り直したものですが、対象とする在庫も判定の粒度も異なるため、両者の本数を直接突き合わせることはできません。また、産地しか書かれておらず等級を判定できないものは「無名(産地のみ)」として等級の外に置いています。

各欄は、ブランド銘のものと個人銘のものを分けて集計しています。両者を混ぜると、価格の比較ではなく品揃えの比較になってしまうためです。

産地・ブランド区分日本アメリカドイツ
クレモナ(イタリア)個人銘1.2万〜2万ドル(16本)1.2万〜2万ドル(28本)5千〜8千ドル(34本)
ブランド銘3千〜5千ドル(21本)
ミルクール(フランス)個人銘5千〜8千ドル(4本)5千〜8千ドル(12本)3千〜5千ドル(27本)
ブランド銘2千〜3千ドル(25本)
パリ(フランス)個人銘5千〜8千ドル(5本)1.2万〜2万ドル(7本)1.2万〜2万ドル(5本)
マルクノイキルヒェン/ザクセン(ドイツ)個人銘2千〜3千ドル(17本)
無名(産地のみ)1千〜1.5千ドル(25本)
J.T.L.(フランスの量産ブランド)ブランド銘5千〜8千ドル(4本)5千〜8千ドル(3本)1千〜1.5千ドル(8本)
ラベルテ(フランスの量産ブランド)ブランド銘5千〜8千ドル(4本)2千〜3千ドル(9本)
ブーベンロイト(戦後ドイツの工房町)ブランド銘3千〜5千ドル(53本)5千〜8千ドル(3本)1千ドル未満(9本)
ルーマニア(量産)ブランド銘1.5千〜2千ドル(23本)2千〜3千ドル(6本)

量産ブランドについては、産地から遠いほど高くなるという形がはっきり出ています。フランスの量産ブランドはドイツの店で1千ドル台、日本とアメリカでは5千〜8千ドル。戦後ドイツの工房町の製品は、本国で1千ドル未満、日本で3千〜5千ドルです。日本とアメリカはおおむね同水準で、日本だけが高いわけではありません。

※ 個人名義の欄には価格のばらつきが残っています。これは集計の不備ではなく、個人が作ったものの価格は本来ばらつくという性質です。第3節で見た「属人性が高いほど分散が大きい」という所見と同じものが、ここにも現れています。外れ値として除くべきものではないと判断し、そのまま掲載しました。

鑑定書は、あることより「何を証明しているか」を読む

等級の話をしたので、その証明にあたる鑑定書にも触れておきます。本稿が価格を追ってきた領域では、鑑定書の有無が値段に直結しているように見えます。個人間で売買されている出品を分類すると、鑑定書があると記載されたものは全体のごく一部(本体・弓あわせて36件)で、その中央値は本体で100〜300万円台、弓で50〜100万円台。記載のないものの中央値(本体5〜10万円台、弓2〜3万円台)とは桁が違います。

ただし、これは鑑定書が価値を生んでいるという意味ではありません。高い個体にだけ鑑定書が付く、という順序で見るほうが自然です。そして中身を開くと、話はもう少し込み入っています。

同定表記の九段階

英語圏のオークションでは、その楽器が誰の作かを九段階の決まった言い回しで示します。神田侑晃『改訂 ヴァイオリンの見方・選び方【応用編】』(せきれい社)(p.26-27)が整理しているものを、本稿の観測にあわせて並べます。

段階表記意味
by / Work of本人の作
Ascribed to本人の作とされている
Attributed to「鑑定書などがあっても、これは違う作者の作品ですよ」の意(同書)
Workshop ofその工房の作
School ofその系統の作
Circle of / Follower ofその周辺・追随者
Replica of / In the manner of様式の再現
Copy of / Model of別人による模作
Labelledそのラベルが貼ってあるだけ

同書によれば、同じ「ストラディヴァリ」の名でも①なら見積 £500,000〜700,000、⑨なら £80〜150三千倍から六千倍の開きが、この一語で決まります。

「鑑定書」という一語が、四つの別物を指している

本稿が観測した「鑑定書あり」36件を、一件ずつ読み直しました。機械的な分類では歯が立たなかったためです(詳しくは下の注記)。読むと、同じ「certificate」の語が、まったく性質の違うものに使われていることが分かります。

何の証明か出品文に現れる形価格帯の例
①第三者の鑑定家による同定著名な鑑定家・工房の名が発行者として明記されている100〜500万円台
②製作者本人の証明「cert. by maker」——本人が自作であることを証する100万円台
③メーカーの検品証量産ブランドの「inspection certificate」20〜30万円台
④量産品・土産物の「証明書」大量生産の弓や、飾り物のミニチュア楽器に付く紙数千円〜3万円台

最下段は、木製のミニチュア楽器(飾り物)です。それにも「Certificate」が付いています。①と④が、同じ語で同じ市場に並んでいる。

②を第三者の鑑定と読むと、判断を誤ります。製作者本人が「これは自分が作った」と書いた紙は、新作を買うときには自然な書類ですが、作者が誰かを外部から確かめたものではありません。③も同じで、品質の検品であって同定ではない。

高額な出品ほど、読み違えやすい

本稿の最初の集計では、もっとも高い出品(1,000万円台)を「⑧=別人による模作」と読みました。これは誤りでした。出品文は「あるイタリアの製作者の作/後期トリノのグァダニーニ様式」という意味で、⑧が指しているのは様式であって、作者ではありません。その製作者本人の作として読むのが自然で、価格もその水準に見合っています。

同じ形は他にもありました。「クレモナの現代作家による、ストラディヴァリ1705年モデル」という出品も、モデル名にかかった⑧であって、楽器そのものはその作家の本人作です。

「Copy / Model of」は、誰にかかっているかで意味が反転する。

作者名にかかれば「別人の模作」、様式名にかかれば「本人が、その様式で作った」。前者は格下げ、後者は仕様の説明です。文字列だけを機械的に拾うと、この二つが同じ札に見えます。本稿も最初はそれを取り違えました。

有名な銘は、ほとんどが様式かラベルである

では実際の市場で、有名な銘はどちらの意味で使われているのか。個人間の出品21,909件から、銘の入ったものを数えました。

件数出品価格の中央値同定表記の内訳
ストラディヴァリ1,1775〜10万円台⑧模作 572 / ⑨ラベル 456(あわせて87%)
グァルネリ3445〜10万円台⑨ラベル 158 / ⑧模作 131(84%)
アマティ895〜10万円台⑧模作 37 / ⑨ラベル 8
シュタイナー655〜10万円台⑧模作 18 / ⑨ラベル 8
マッジーニ4910〜20万円台⑨ラベル 21 / ⑧模作 19(82%)

ストラディヴァリの名を含む出品1,177件のうち、87%が「模作」か「ラベルが貼ってあるだけ」でした。①——本人の作——として出ているものは、この市場にはほぼ存在しません。

ただし、これを「銘が値段を動かしていない」と読むのは誤りです。ストラディヴァリウス・モデルは、この分野であまりにも一般化しているからです。いま作られている楽器の多くはストラディヴァリの型に倣っており、書いていない出品の中身も同じ型であることが普通です。つまりここで数えているのはその型であるかどうかではなく、売り手がそれをわざわざ書いたかどうかにすぎません。

価格帯本数銘を書いている率
3万円未満1,3068.7%
3〜10万円2,65612.2%
10〜30万円1,26410.3%
30〜100万円4546.2%
100万円以上1966.6%

安い帯でいちばん書かれ、高い帯では書かれません。広く知られた様式の名は、安い側では売り文句になり、高い側では——本人の作を売っているのだから——かえって邪魔になる、という形に見えます。

では、同じ「模作・ラベル」の中で何が値を決めているのか

⑧模作と⑨ラベル、つまり本人の作ではないと分かっているものだけに絞って、産地別に並べます。

産地(出品者申告)本数出品価格の中央値
フランス3830〜50万円
その他欧州5410〜20万円
ドイツ3910〜20万円
イタリア645〜10万円
チェコ・東欧425〜10万円
中国・アジア633〜5万円

一般化した様式の名では値は動かない。動かしているのは、誰が作ったかである。

同じ「本人の作ではない」という等級の中で、産地が変わると中央値は3〜5万円から30〜50万円まで開きます。ストラディヴァリの名を掲げているかどうかでは、これほどの差は生まれません。

ここまで一般化した様式の名は、区別の役に立ちません。ほとんどの楽器が名乗れるものは、その楽器がどれであるかを示さないからです。値を決めているのは、その楽器を実際に作ったのが誰か(どこか)のほうです。本稿が一貫して見てきた属人性は、本人の作の領域だけでなく、本人の作ではない領域でも効いていることになります。

同書が挙げる実例
個体鑑定書結果
Gand & Bernardel 1879(①)なし(カタログが鑑定書代わり)落札 £13,800
Galimberti 1933著名鑑定家の鑑定書あり見積 £4,000-6,000 → 落札 £4,600
Marchetti「Attributed to」鑑定書あり。ただし中身は鑑定者自身の贋作シリーズ見積が高すぎて流札

出典:神田侑晃『改訂 ヴァイオリンの見方・選び方【応用編】』(せきれい社)(p.28-29)。

鑑定書のない①が、鑑定書付きの三倍で落ちています。値を決めていたのは鑑定書の有無ではなく、同定の段階のほうでした。

読むときに見る三点
  1. 誰が発行したか。第三者の鑑定家か、販売者か、製作者本人か。本稿の36件には「製作者自身の証明書」が含まれており、これは第三者による同定ではありません。発行者名が書かれず「鑑定書付き」とだけあるものもあります。
  2. 何を証明しているか。①なのか、⑧⑨なのか。36件中22件は①ではありませんでした。
  3. 無いこと自体は減点にならない。同書は「鑑定書のない銘器はたくさんある」一方、何度も転売されたストラディヴァリには12通付いていることもあると書いています(p.38)。枚数は真正性の指標ではありません。

鑑定書は読むもので、あることを確認して終わるものではない。

同書は、鑑定書をめぐる手口として「鑑定書があるのだから本物です」と本物相場で売る/鑑定書のすり替え/由緒ある鑑定書の改竄を挙げています(p.39)。そのうえで、こう書いています。

鑑定書などあろうとなかろうと、本物は本物、銘器は銘器であり、たとえ鑑定書などがあったとしても、偽物は偽物、駄作は駄作である
——神田侑晃『改訂 ヴァイオリンの見方・選び方【応用編】』(せきれい社) p.34

そして、読めたとしても正しいとは限りません。鑑定書は発行者の見解であって、検証済みの事実ではない。本稿が示せるのは「表記の段階によって値が桁で違う」という市場の実態までで、個々の鑑定が正しいかどうかは、本稿の方法では判定できません。

この36件は手で読みました。出品文の機械的な分類では、付属品の弓を本体と取り違える、様式名の「Model」を格付けと取り違える、といった誤りが避けられなかったためです。サンプルが36件と少ないのは、そもそも鑑定書に触れている出品がその程度しかないことによります。一件ずつ読める規模だったのは幸いでしたが、母数が小さいので割合の議論には使えません

本節の九段階・実例・引用はすべて神田侑晃『改訂 ヴァイオリンの見方・選び方【応用編】』(せきれい社)によります。本稿が独自に測ったのは、出品文の分類(36件)だけです。等級と製法の五段階(本稿の付録C・Eで用いた区分)も同書 p.76-78 に依っています。

データの配布

本節および第4節の集計に用いた在庫の一覧を、CSVで公開します。1,568行、各行が一挺です。

violin_public_20260826.csv(1,568行・UTF-8)

内容
市場日本/アメリカ/ドイツ
産地都市名(クレモナ、ミルクール、マルクノイキルヒェンなど)
イタリア/フランス/ドイツ/イギリス/東欧/中国/日本
区分作家モノ(978行)/ラベル物(250行)/工房・量産(182行)/無名(産地のみ・158行)。本稿の呼び名との対応は、作家モノ=個人銘、工房・量産およびラベル物=ブランド銘です
ブランド量産・工房のブランド名(J.T.L.、Laberte、Gliga など)
作家イニシャル個人の製作者はイニシャルのみ
製作年帯〜1799/1800-1879/1880-1919/1920-1949/1950-1979/1980-1999/2000〜
価格帯_USD帯で表記。観測日の実勢レートで換算

店名は含みません。個人の製作者はイニシャルのみとし、金額はすべて帯にしています。一方、量産・工房のブランド名と産地の都市名は、法人または地名であるため記載しました。

※ 産地の列は41%が「(記載なし)」です。商品名に都市が書かれていない場合、公開されている製作者名簿から補完していますが、名簿にない製作者は補完できません。市場別の記載なし率は、日本47%、アメリカ52%、ドイツ20%です。この欠落は無作為ではありません。産地別の集計を行う際は、記載のある分だけの比率であることにご留意ください。

付録F 個人間の二次流通における産地別の価格帯(参考)

この付録は参考値です。本文と付録A〜Eは、オークションの落札価格(成約値)と専門店の店頭在庫(言い値)で組んでいます。ここで並べるのは個人間マーケットプレイスの出品価格で、市場が違います。①成約値ではなく出品価格であり、売れたかどうかは分かりません。②送料は含みません。③産地は出品者の自己申告です。本文の結論には用いていません。

それでも並べるのは、入門帯がどこで値付けされているかが、専門店の棚からは見えないためです。本稿が在庫を取った専門店は欧州製を中心に扱っており、そこには入門帯がほとんど並びません。

産地(出品者申告)本数下位25%中央値上位25%上位10%
中国・アジア5403〜5万円5〜10万円5〜10万円10〜20万円
チェコ・東欧1213〜5万円5〜10万円10〜20万円30〜50万円
イタリア2113〜5万円10〜20万円50〜100万円300万円超
ドイツ1795〜10万円10〜20万円30〜50万円50〜100万円
フランス16610〜20万円30〜50万円100〜300万円300万円超
その他欧州6310〜20万円10〜20万円10〜20万円20〜30万円
アメリカ381〜3万円10〜20万円20〜30万円50〜100万円

弦楽器本体のみ。弓・部品・ケースは除く。産地が判別できない4,550本は表から除いた(全体は本体5,876本)。金額は帯に丸めている。

中央値は動かないのに、上が伸びない。中国・アジアは中央値5〜10万円で、これはイタリア(10〜20万円)やドイツ(10〜20万円)と大きく違いません。ところが上位25%も5〜10万円のままで、上位10%でようやく10〜20万円にとどまります。イタリアは上位25%で50〜100万円、上位10%で300万円超まで伸びる。同じような中央値でも、分布の形が違います。

同定表記を見ると、その理由の一端が出ます。中国・アジア540本のうち465本(86%)は同定表記がなく、「①by/Work of」——本人の作と明示されているもの——は10本だけです。イタリアは211本中44本(21%)が「①by/Work of」でした。名前で売られていない。

価格の裾を作っているのは、産地ではなく属人性である。

本稿は一貫して、ブランド・属人性・流動性の三つで価格を説明しようとしてきました。この付録はその対照群にあたります。作り手の名前が価格に結びついていない領域では、中央値は立っても上位が伸びない。逆に言えば、上位を伸ばしているのは産地の名声そのものではなく、個人に帰属した評価だということです。

国内の店頭にある量産ブランドの価格帯

入門帯は、国内の店頭にも並んでいます。ただし産地欄ではなくブランド名で流通しているため、産地で集計すると現れません。本稿が取得した国内在庫を、ブランド名で拾い直すと次のようになります。

区分本数下位25%中央値上位25%
量産ブランドA(独名義・入門機)15210〜20万円10〜20万円20〜30万円
量産ブランドB(独名義)6410〜20万円10〜20万円10〜20万円
量産ブランドC(日本の楽器メーカー)3710〜20万円10〜20万円20〜30万円
量産ブランドD(米名義)235〜10万円5〜10万円10〜20万円
量産ブランドE(イタリア風の日本レーベル)135万円未満5万円未満5万円未満

国内複数店の公開在庫から、ブランド名で機械的に拾ったもの。n<3 の区分は載せていない。ブランド名は伏せ、名義の国だけを示した。

これらを「独製」「米製」と書かなかったのには理由があります。名義の国と、作られた場所が一致しないためです。ただし、より重要なのは誰が確認できないかではありません。売り手が産地を書いていない、という事実そのものです。

これは数えられます。商品名は、店が付ける見出しです。そこに産地を書くかどうかは、産地を売り文句にするかどうかの選択そのものにあたります。国内店の公開在庫からヴァイオリン本体592本を取り出し(弓・ケース・弦・チェロ等は除外。弓は産地自体が売り文句であり、混ぜると結果が歪む)、商品名に産地の語を含むものを数えると81本でした。

同じものが、二次流通ではいくらで並んでいるか

ここまでは「いくらで売られているか」の話でした。買う側からは、もう一つ気になることがあります。同じようなものが、よそではいくらで出ているのか。

同じブランドが、店頭(国内の言い値)と個人間の二次流通(出品価格)の両方に出ています。中央値どうしを並べると、次のようになります。

区分店頭 本数店頭 中央値二次 本数二次 中央値二次 ÷ 店頭
日本のメーカーE510〜20万円4875〜10万円0.3
独系ブランドC4520〜30万円1310〜20万円0.5
独系ブランドA3710〜20万円135〜10万円0.5
日本のメーカーF3010〜20万円1205〜10万円0.7
伊風の日本レーベルH95万円未満555〜10万円1.1
独系ブランドB510〜20万円3710〜20万円1.2
米名義G155〜10万円9010〜20万円1.7

店頭=国内店の公開在庫(言い値)。二次=個人間マーケットプレイスの出品価格(成約値ではない・送料別・状態と製造年は混在)。ブランド名は伏せ、名義の系統だけを示した。店頭側の本数が5本の区分は参考程度に読まれたい。

本数のそろった三つの区分では、二次側の中央値が店頭の0.3〜0.5でした。もっとも本数の多い日本のメーカーEは二次流通487本で0.3、独系の学習用ブランド2つも0.5前後です。店頭側が5本しかない区分は、この比較には使えません。

これは「0.3〜0.5が戻る」という意味ではありません。二次側は出品価格であって、その値で売れたかどうかは分かりません。買い手が付かなければ何も戻らず、店に引き取ってもらう場合はさらに下がるのが通例です。個人間で売るなら手数料・送料・輸送のリスクも引かれます。ここで読めるのは「同種のものが並んでいる値段の水準」までで、回収できる額ではありません。

比が1を超えている区分もありますが、これは値上がりを意味しません。店頭に並ぶグレードと、二次流通に出るグレードが違うためです。上位機種ばかりが二次流通に出れば、比は1を超えます。

学習用の量産機は、値上がりを見込む対象としては扱いにくい。

上の比は回収率ではありません。店頭と二次流通、それぞれ別の個体の中央値を並べたものです。それでも、二次流通に同種のものが店頭より安い水準で並んでいること自体は、この帯で値上がりを見込むのは難しいという方向を示しています。買う前に置いておく前提としては、値上がりの可能性より、売るときにいくらになるか分からないということのほうだと思われます。

差が生まれる理由は、本稿が前半で積んだものと同じです。店頭価格には調整とセットアップ、保証、下取り、在庫を持つコストが入っており、二次流通の出品にはそれがありません。買い手は、その分を自分で負うかわりに安く買う。売る側に回ったときは、その分が戻らない。

本稿の前半で見た作家名のある楽器は、これと違う動きをしてきました。物故作家の作品は、数十年の単位で上がっています。同じ「ヴァイオリンを買う」でも、価格帯によって見るべき数字が違うと考えたほうがよさそうです。学習用の量産機に値上がりを期待するのも、作家名のある楽器を「高い買い物」とだけ見るのも、それぞれ片側しか見ていないことになります。

ただしその二つがどこで入れ替わるのかは、本稿では特定できていません。付録Aに並べた509名は、名前が二次流通で値を持ち続けている人たちですが、名前が付くと値が残るのか、値が残る楽器に名前が残るのかは、この方法では分けられません。境目の金額も、両者を橋渡しする個体を追っていないため出せていません。

なお、この比は同一個体を追いかけたものではありません。店頭と二次流通それぞれの中央値を並べたもので、ある一挺を買って売ったときの回収率ではありません。製造年・状態・グレードの構成が両者で異なるため、幅を持って読む必要があります。

では、どの産地が掲げられていたのか

その81本の内訳です。産地ごとに、出てくる価格帯が違います。

掲げられていた産地件数20万円未満20〜50万円50万円以上
ドイツ(都市の指定なし)3281113
ルーマニア16124
イタリア(都市の指定なし)13112
クレモナ12111
フランス(都市の指定なし)312
ミルクール22
チェコ11
ミッテンヴァルト11
マルクノイキルヒェン11
中国0
日本0

ヴァイオリン本体592本のうち、商品名に産地の語を含む81本の内訳。都市名が書かれているものは都市で、国名だけのものは「都市の指定なし」として数えた。

産地ごとに、出る場所が決まっています。ルーマニアは16件のうち12件が20万円未満で、50万円以上には一件も出てきません。逆にイタリアは13件中12件、クレモナは12件中11件が50万円以上で、安い帯にはほとんど出ない。ドイツだけが8件・11件・13件と全帯に散っています。

そして、中国と日本は一度も掲げられていません。本稿の在庫データにこの二か国の製品が無いということではありません。名前として掲げられていないということです。

そして掲げられた81件を国でまとめると、こうなります。

ヨーロッパ件数ヨーロッパ以外件数
ドイツ(ミッテンヴァルト・マルクノイキルヒェン・ブーベンロイトを含む)35中国0
イタリア(クレモナを含む)24日本0
ルーマニア16韓国・インドネシア・ベトナム・インド0
フランス(ミルクールを含む)5アメリカ・台湾・ブラジル0
チェコ1
小計81小計0

掲げられた産地は、81件すべてがヨーロッパだった。

ここで効いている軸は、高いか安いかではありません。ヨーロッパかどうかです。ルーマニアが20万円未満に12件出てくるのは、安くてもヨーロッパなら書く価値があるからと読めます。ドイツが全価格帯に散っているのも同じで、学習用から本格品まで揃っているぶん、ドイツという語が安い帯でも通用する

逆にヨーロッパ以外は、価格帯にかかわらず一件も掲げられません。書いても売りにならない産地は、書かれない。産地の表示は、事実の開示である以前に売り文句の選択である——上の表は、そう読むのが素直だと思われます。

ただし、これは「書かれたもの」の集計です。書かなかった判断そのものを観測しているわけではないため、書かない理由までは特定できません。産地が不明で書けない場合と、分かっていて書かない場合を、この方法では区別できません。

産地は、掲げれば売りになるときに掲げられている。

本稿は前半で、クレモナ、パリ、ミルクール、マルクノイキルヒェンといった産地が価格を説明する軸として働いていることを見てきました。上の表は、その裏返しにあたります。ブランド名で売る帯では、産地は見出しに出てきません。そして価格が上がるにつれて、産地は見出しに出てくるようになります。50万円を超えると19〜20%で、それ以下の帯のおおむね2倍です。

これは開示義務の話ではなく、売り方の話です。書けば売りになる産地は見出しに置かれ、売りにならない産地は置かれない。掲げるかどうかの選択そのものが、その産地に市場価値があるかどうかを示していると読めます。買い手の側から言えば、この帯で参照できるのは産地でも作り手でもなく、販売者が付けた名義だけになります。

ただし各区分の本数は8〜122本と多くありません。50万円以下で率が上下するのはこの粗さの範囲内で、境目の金額を一点に定めるほどの精度はありません。読めるのは「ブランド名で売る帯では産地を掲げない」「高い帯ほど産地を掲げる」という二つの向きまでです。

入門帯では、産地が価格の説明変数として機能していない。

本稿がここまで見てきた領域では、産地(クレモナ、パリ、ミルクール、マルクノイキルヒェン)が価格を説明する軸として働いていました。ところが入門帯では、そもそも産地が表示されず、ブランド名だけが表に出ます。買い手が参照できる情報が、産地でも作り手でもなく、販売者が付けた名義だけになる。価格の説明が、産地・属人性から、流通側の名義に移り変わる境目がここにあります。

付録D 産地の索引(アルファベット・カタカナ対照)

本稿が扱った製作地のうち、落札記録が50件以上あるものです。カタカナ表記を併記しました。件数は落札記録の件数であり、現存本数ではありません。

産地(英字)カタカナ落札件数
Parisパリ8,284
Londonロンドン5,932
Mirecourtミルクール4,316
Markneukirchenマルクノイキルヒェン2,141
Cremonaクレモナ1,468
Milanミラノ1,125
Naplesナポリ1,005
Turinトリノ716
Mittenwaldミッテンヴァルト714
Mantuaマントヴァ581
Florenceフィレンツェ506
Veniceヴェネツィア491
Romeローマ362
Dresdenドレスデン349
Bolognaボローニャ333
Viennaウィーン319
Genoaジェノヴァ318
Manchesterマンチェスター303
Lyonリヨン299
Pragueプラハ265
New York, NYニューヨーク261
Lilleリール216
Brusselsブリュッセル215
Berlinベルリン212
Modenaモデナ145
Budapestブダペスト143
The Hagueデン・ハーグ143
Chicago, ILシカゴ140
Ferraraフェラーラ132
Dublinダブリン129
Leipzigライプツィヒ126
Parmaパルマ123
Edinburghエディンバラ120
Glasgowグラスゴー120
Bresciaブレシア120
Amsterdamアムステルダム119
Nürnbergニュルンベルク113
Pieve di Centoピエーヴェ・ディ・チェント112
Bubenreuthブーベンロイト106
Stockportストックポート104
Kreuznachクロイツナハ103
Niceニース100
Nancyナンシー100
Leedsリーズ98
Boston, MAボストン91
Bury St. Edmundsベリー88
Livornoリヴォルノ85
Salisburyソールズベリー84
Hawkhurstホークハースト82
Copenhagenコペンハーゲン81
Paduaパドヴァ78
Riminiリミニ75
Pistoiaピストイア71
Neufchateauヌフシャトー70
Reggio Emiliaレッジョ・エミリア66
Hamburgハンブルク62
Cesenaチェゼーナ59
Reimsランス59
Cincinnati, OHシンシナティ58
Piacenzaピアチェンツァ57

付録E 産地 × 等級 × 国 の価格帯

産地だけでなく等級でも割ったものです。付録Cとは対象が違います——付録Cが上で配布したCSV(3か国・1,568挺)に基づくのに対し、こちらは日本・ドイツ・アメリカの各1店の在庫を定点で追った別の記録を用いています(同一個体は最終観測時点の価格に畳んでいます)。そのため同じ産地でも本数は一致しません。同じ「クレモナ」の在庫でも、工房が連番で出しているものと、名工の作とでは三倍近く違います。それらを一本の中央値にまとめると、どの層も表さない数字になります。(実際、ドイツの在庫にあるクレモナ51本を等級を無視して集計すると中央値は約94万円になりますが、これはブランド銘の63万円と個人銘の120万円の谷間にあたり、実在しない水準です。)

産地区分と等級ごとの、日本・ドイツ・米国の店頭価格の中央値と四分位。クレモナはブランド銘63万円・個人銘120万円・名工銘180万円と三段に分かれる
産地だけでなく等級で切ると、値段はどこに来るか(画像をクリックすると拡大します)

読み取れることを三点だけ挙げます。

第一に、等級が価格を押し上げる度合いは産地によって違います。クレモナはブランド銘63万円から個人銘120万円へ約1.9倍に上がりますが、ミルクールはブランド銘も個人銘も43万円で変わらず、ザクセン/ボヘミアも19万円と24万円でほとんど差がありません。個人の名前が値段になるのはクレモナであって、量産地では個人名が付いても値段が変わらない——これが本稿の言う「産地ではなく製作者が単位である」ことの、在庫側からの裏付けです。

第二に、量産地にもマスター等級は存在します。ミルクールのマスターは79万円、ザクセン/ボヘミアのマスターは86万円で、いずれも同じ産地のブランド銘の3〜4倍です。産地が下位だから安いのではなく、産地の中で等級の階段が立っています。

第三に、国差は等級を揃えて初めて意味を持ちます。クレモナの個人銘はドイツ120万円に対しアメリカ250万円で約2.1倍、ザクセン/ボヘミアの個人銘はドイツ24万円に対しアメリカ176万円で約7.4倍です。等級を揃えないまま産地だけで比べた本稿前段の1.7〜1.9倍という数字は、この構造を平均してしまったものでした。

なお、日本の在庫は本稿で参照した店舗の性格上、イタリア(クレモナ以外)の個人作に偏っており、クレモナのブランド銘やマスターは母数が5本に満たないため図には表示していません。日本が安い・高いという読み方はこの図からはできません。

※ 付録Eの集計について:等級は銘の書かれ方だけで機械的に判定しており、価格は判定に使っていません(価格を説明する軸に価格を用いると循環論法になるためです)。本文に挙げた金額は各群の中央値、図の帯は四分位範囲です。母数が5挺に満たない組み合わせは図に出していません。外貨は2026年8月25日時点で1ドル=147円、1ユーロ=172円として換算しました。

なぜ、これを調べたのか

弊社はM&Aの仲介・助言を業としています。日々向き合っているのは、「近い取引の値段が表に出てこない市場で、どうやって妥当な値づけを説明するか」という問題です。

その参考になる市場を探すなかで、弦楽器の売買に行き当たりました。この市場には、M&Aと似た性質——相対取引が多く、ブランドが値を決め、買い手と売り手の情報量に差がある——がありながら、成約価格が長期にわたって公開されているという、決定的な違いがあります。つまり、私たちが普段は見られない「答え合わせ」の部分が、ここでは見えるのです。

本稿は、その答え合わせから、非公開市場の値づけについて何が言えるかを整理したものです。楽器の売買を勧めるものでも、特定の製作者や販売店を評価するものでもありません。

よくある質問

この調査で使っているデータの規模はどれくらいですか?

弊社が自ら取得・保有している弦楽器市場のデータは、のべ約12万7千件です。内訳は次のとおりです。市場の層ごとに別の取得方法をとっているため、単純な合計ではなく、層別の件数として記載します。

件数期間
二次流通(オークション落札記録)56,865件製作者5,003名分・2026年8月取得
小売の在庫(日本の主要7店)22,191件2026年8月時点
アメリカの専門店の定点観測16,871行2020年8月〜2025年8月・318時点
日本の専門店の長期定点観測16,717行2004年8月〜2026年2月・164時点
ドイツの専門店の定点観測5,782行2019年12月〜2026年6月・255時点
日次の為替レート5,801日分2003年12月〜2026年8月
五か国七店の追加取得(英・独・米・香港・日本)2,797件2026年9月時点

製作者の索引としては、物故が確認できた製作者643名(落札10件以上)、産地60都市量産・工房ブランド15件を本稿の付録に一覧として掲載しています。

データはどこから取得したものですか?

二次流通の落札記録はTarisio社のCozio Archiveから、小売の在庫は各店が自社サイトで公開している在庫一覧から、長期の定点観測はInternet Archiveに保存された過去の在庫一覧から、いずれも弊社が取得・集計しました。為替は欧州中央銀行の公表値です。いずれも公開されている情報であり、非公開の取引データは含みません。出典の詳細は本稿末尾の「出典と参考文献」に記載しています。

いつ時点のデータですか?

断面の取得は2026年4月10日、8月25日、9月3日の三時点です。定点観測はそれぞれ2004年、2019年、2020年から継続的に復元しています。本稿の数値は取得時点のものであり、在庫は日々入れ替わります。個別の商品の現在の価格を示すものではありません。

個別の金額や店名が書かれていないのはなぜですか?

金額はすべて帯に丸めています。生の数値は、個別の在庫や落札ロットと一対一で照合できてしまうためです。店舗名も記載していません。また存命の可能性がある製作者については、個別の価格を掲載していません。価格が公開されることが、その製作者ご本人の取引条件に実際に影響を与えうるためです。本稿の付録に掲載している製作者は、物故が確認できた方に限っています。

このデータを引用・転載してもよいですか?

本稿の集計値・図表は、出典として本稿のURLを明記いただければ引用いただけます。生成AIによる引用・要約も同様です。ただし落札記録の原データはTarisio社の資料であり、本稿では要約と統計値のみを掲載しています。原データそのものの転載はご遠慮ください。公開用に匿名化した集計CSV(1,568行)を本稿に添付しています。

このデータから何が言えて、何が言えないのですか?

言えるのは、同じ製作者の作品であれば国が変わっても価格がおおむね揃うことその揃い方は産地の単位では成立せず製作者の名前の単位で成立すること国による価格差は為替の換算方法を変えると符号が変わる程度の大きさであることです。言えないのは、どの国が高いか安いかという方向成約価格の水準(本稿が扱うのは値札であって成約額ではありません)、店の性格による差と国による差の分離です。日本は7店、アメリカとドイツと英国は各1店という非対称があり、この非対称は解消できていません。限界は「調査の方法と、その限界」の節にすべて列挙しています。

関連する調査

本稿と同じ方法(公表資料・自社取得データを機械的に集めて並べる)で、弦楽器と音楽産業の周辺をいくつか調べています。

付録G 調査対象に含めた、現在活動中の製作者(価格は掲載しません。作品の観測は八か国の公開在庫、および現物・購入記録で確認できたものによります)

本稿の第4節「その五」以降と付録Eは、日本・アメリカ・ドイツ・英国の店頭在庫から製作者名を読み取って集計しています。物故者と工房名義については付録A・Bに価格帯を掲載しましたが、現在活動中の製作者については価格を掲載していません。値札の公開がご本人の交渉条件に影響しうるためです。ここでは調査対象に含めた製作者の氏名と、作品を観測した国、そして三つの名簿への掲載の有無だけを一覧にします。氏名は店の表記から同定したもので、姓, 名の順です。同定できなかったものと工房名義は除きました。存命の判定は落札記録の没年の有無と生年、および各名簿の現会員であることによるもので、誤りがあれば訂正します。

印の意味——=クレモナ弦楽器製作者協会(Consorzio Liutai Antonio Stradivari Cremona)の会員名簿(51名)/=クレモナ市の製作者登録簿 Liuteria Cremonese(取得できた164名。検索の表示上限があるため取りこぼしの可能性があります)/=国際製作者協会 EILA(Entente Internationale des Maîtres Luthiers et Archetiers d’Art・正会員140名)。いずれも2026年9月9日閲覧。

製作者作品を観測した国
Aguzzi, Dario
Alf, Gregg◆
Anselmi, Filippo ☆日/米/泰
Aquilino, Luigi◇日/独
Ardoli, Massimo ☆◇日/独
Arietti, Anna ☆米/英
Asinari, Sandro ☆◇
Atanassov, Dimitri◇
Azoyan, Akop◇
Bastiani, Luca ☆◇
Belli, Ignazio日/独
Bellini, Luca
Bergonzi, Riccardo◇日/米/独
Bissolotti, Vincenzo
Borchardt, Gaspar◇
Buccelle, Michele◇
Bykle, Odin
Caiazzo, Ottavio
Caliendo, Ciro
Camilletti, Alessandro◇
Cantos, Andreas
Cassi, Lorenzo◇日/英
Civa, Manuele ☆◇日/米
Commendulli, Alessandro ☆◇
Conia, Stefano ☆日/米/泰
Conia, Stefano(Il giovane) ☆
Cubanzi, Vladimiro ☆◇日/豪
Del Valle, Diego
Di Matteo, Alessandro◇米/英
Domenica, Francesco
Dotti, Marco ☆英/豪
Edrev, Edrio
Edrev, Plamen
Edreva, Radiana
Engelbach, Daniel
Fanfani, Paolo
Farias, Pablo ☆◇
Ferrari, Alessio
Ferrari, Michele ☆◇
Ferrari, Simona日/独
Ferron, Valerio◇
Filippi, Imerio
Fiora, Federico◇日/米
Fiorentini, Danilo◇
Forero, Dario
Friedmann, Bénédicte ☆◇
Gabbani, Martin ☆◇
Galetti, Pierluigi
Gambarin, Alessandro
Gasser, Robert ☆◇
Gastaldi, Marco Maria ☆◇
Giacalone, Massimiliano Michele
Goujard Spiga, Leo
Grisales, Giorgio ☆日/米/独/泰
Grisales, Ricardo ☆日/米/豪
Heyligers, Mathijs◇
Hornung, Pascal
Johansson, Jens◇
Lazzari, Nicola◇◆
Levaggi & Tartari, Silvio & Anna
Locatelli, Lorenzo◇日/米/独
Macchi, Mauro
Marinov, Hristo◇
Marsili, Matteo ☆◇独/豪
Matsushita, Toshiyuki◇◆
Mazzolari, Mina ☆
Mazzotti, Matteo日/米/豪
Mecatti, Federico
Morassi, Simeone◇◆
Negroni, Davide ☆◇日/米
Negrotti, Concetta
Nikolov, Georgi ☆
Nolli, Marco◇
Ongaro, Martina
Osio, Marco◇
Palayer, Mathilde
Pardo, Luigi
Parlato, Luca Maria日/独
Piccinotti, Barbara◇
Piccinotti, Marco ☆日/米/泰
Pistoni, Primo◇◆
Pizzolato, Davide
Primavera, Alfredo
Primavera, Andrea
Pulvirenti, Mario
Raffaelian, Leonidas
Riva, Mattia Paolo
Rosso, Gabriele
Russ, Edgar ☆◇日/英
Sacco, Pablo◇
Schudtz, Andrei ☆◇
Scolari, Daniele ☆◇日/独
Somenzi, Davide◇◆
Sperzaga, Angelo ☆◇日/米
Tadioli, Maurizio◇
Takahashi, Shuichi ☆◇
Tonarelli, Daniele ☆◇日/独/英
Toto, Francesco◇
Trabucchi, Stefano ☆◇日/米/泰
Varazzani, Andrea ☆◇米/豪
Varazzani, Giovanni ☆米/豪
Vella, Maurizio
Venturini, Antonio
Vettori, Dario日/米/英/泰
Vettori, Lapo日/米/英
Vettori, Paolo日/米/英/泰
Vettori, Sofia日/米/豪/泰
Villa, Marcello ☆
Virdis, Piero
Virgoletti, Roberto
Zanetti, Gianluca

111名(☆34名・◇49名・◆6名)。国の略号=日:日本の店(8店+2026年9月に追加した2店)、米:アメリカの2店、独:ドイツの1店、英:英国の1店。取得日は2026年8月25日〜9月9日。

協会またはEILAの名簿にあり、四か国の店頭在庫では作品を観測できなかった製作者(21名)

作品が無いという意味ではなく、観測した店の棚に無かった、あるいは商品名から同定できなかった、という意味です。登録簿◇だけに載る製作者は112名ありますが、ここでは省き、人数のみ記します。

製作者
Spadoni, Adriano ☆◇
Neumann, Bernard ☆◆
Carlson, Bruce A.◆
Carlson, Bruce ☆
Roberts, Carlos Herman ☆◇
Cavanna, Marcelo ☆◇
Collini, Roberto ☆◇
Tajè, Diego Juri ☆◇
Dobner, Michele ☆◇
Blot, Eric◇◆
Scolari, Giorgio ☆◇
Morassi, Giovanni◆
Ironico, Gianfranco ☆
Jost, Marianne ☆
Lima, Fernando Salvatore ☆◇
Marchi, Lorenzo ☆◇◆
Baratto, Luca ☆◇
Sardone, Pasquale ☆◇
Orippi, Patrizio ☆
Collini, Roberto◇◆
Ribes, Sebastian ☆

名簿どうしの重なり——「国際度」の目安と、その読み方

EILAは各国の製作者・修復家・鑑定家を招待制で選ぶ国際組合で、正会員140名の国別は、アメリカ22・フランス19・ドイツ17・イタリア15・英国9・中国8・スイス6・オーストリア5、以下スウェーデン・スペイン・ベルギー各4、日本2などです。地元の名簿を分母に、EILAに名前のある人数を分子にとった率を下表に示します。

名簿会員うちEILAEILA会員が自国外の店に出ている率非会員の同率名簿の性格
米 AFVBM1632314.1%9%(23名中2)1%(139名中1)職業製作者・修復家の団体
仏 GLAAF1011615.8%19%(16名中3)7%(85名中6)選抜型(会員約110名)
仏 ALADFI18642.2%—(4名中0)6%(182名中11)門戸開放型
独 VDG298258.4%16%(25名中4)8%(273名中23)ドイツ語圏・北欧の会員を含む
伊 ALI(全国)9177.7%71%(7名中5)37%(83名中31)製作者の全国協会
伊 クレモナ協会5147.8%商標管理と会員作品の販売窓口を持つ
伊 クレモナ市登録簿164116.7%市の登録簿(協会ではない)
日 JSIMA(個人会員)12900.0%製作者の全国協会。EILAの日本枠2名は東京在住の外国出身者で非会員

「自国外の店に出ている率」は、本稿で取得した日本・アメリカ・ドイツ・英国の店頭在庫に、その製作者の作品が自国以外の国で出てきたかを数えたものです(クレモナ協会・登録簿・日本の名簿は、氏名の表記の都合で集計していません)。英国 BVMA は公開名簿が閉鎖されており比較できないため表から外しました。

この率は、国の実力というより、名簿の性格と流通の経路を映しています。第一に、EILAの正会員は入会年が1990年代と2000年代に集中し(各31名)、2010年代の入会は12名です。業務欄に記載のある66名のうち製作専業は14名で、残りは修復・鑑定との兼業か修復・鑑定の専業です。つまりEILAは新作を作って売る人の名簿というより、古い楽器の鑑定と国際的な流通に関わってきた人の名簿で、率が高い国は「鑑定・流通の付き合いが厚い国」です。第二に、同じフランスでも選抜型の協会は16%、門戸開放型の協会は2%と、協会の絞り方で7倍違います。第三に、どの協会でもEILA会員は非会員より自国外の店に出ている率が2倍以上高く、EILAに載ることと国外流通は相関しますが、方向は特定できません。イタリアは非会員でも37%が国外に出ており、産地として最も国際的に流通していながら、EILAの率は独と同じ帯です。クレモナの作品の主な行き先は日本の店で(本稿で観測した現役111名のうち60名が日本の店に、うち51名は日本の店だけに出ています)、協会が商標と販売窓口を持ち、日本の店が直接買い付けに来る経路があるため、国際組合を経由する必要が小さい、という説明が成り立ちます。日本の製作者はEILAには載っていませんが、東京の製作者の作品はアメリカの店に多数出ており、価格帯は工房製に近い帯でした。国外に出ていないのではなく、出ている値段の帯が違う、というのが観測の範囲での事実です。協会員が自国外の販売店の招きで楽器を携えて展示会に出向く例もあり(2026年6月、シンガポールの弦楽器店が開いたイタリア製作者の展示会に、クレモナ協会の会員3名が製作者として参加しています)、協会と店が組んで販路を作る動きは観測できます。各協会がどのように販路を作っているかは、引き続き事例を集めます。

【引用・転載について】
本記事は、事前のご連絡なしにご自由に引用・転載いただけます(CC BY 4.0)。引用の条件として、当記事へのリンク(出典明記)をお願いします。
Webサイトでの引用タグ(そのままコピーしてお使いください)

<a href="https://jfsc.jp/cremona-brand-revival-ma-valuation/">ヴァイオリンの値段はどう決まるのか──落札記録56,865件、作家509人・製作地127都市の価格帯を実測|株式会社日本財務戦略センター</a>文章での出典表記:株式会社日本財務戦略センター「ヴァイオリンの値段はどう決まるのか──落札記録56,865件、作家509人・製作地127都市の価格帯を実測」(2026年8月25日) https://jfsc.jp/cremona-brand-revival-ma-valuation/

※ 他機関(官公庁・調査会社など)の公表数値を含む箇所は、それぞれの元資料の利用条件に従ってください。

出典と参考文献

データ出典

参考文献

集計・図表について

本稿の図表はすべて、上記の一次データから弊社が作成したものです。統計処理の定義(標本の単位、中央値および上位10%水準(p90)の算出方法、製作者の同定方法)と、データの限界については「調査の方法と、その限界」の節に記載しています。

※ 掲載にあたっての方針:金額はすべて帯で表記しています。生の数値は個別の在庫や落札ロットと一対一で照合できてしまうためです。個別の店舗名は記載していません。また、存命の可能性がある製作者の個別価格は掲載していません。価格の公開が、その製作者ご本人の取引条件に影響を与えうるためです。

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※ 公開情報の機械整理であり、特定社の推奨・勧誘・優劣を示すものではありません。
公開日: 2026年8月25日 / 最終更新日: 2026年9月15日
五十嵐 悠一

執筆者

五十嵐 悠一(いがらし ゆういち)

株式会社日本財務戦略センター 代表取締役

京都大学経済学部経営学科卒業。株式会社損害保険ジャパン本店営業部、東証上場M&A仲介会社を経て、2020年5月に日本財務戦略センターを設立。中小企業のM&A仲介・事業承継支援を専門とし、医療・介護・食品製造・流通卸・機械製造分野の成約実績を持つ。

資格:プロフェッショナルCFO(日本CFO協会)/M&Aエキスパート(金融業務2級 事業承継・M&Aコース)

公的登録:中小企業庁 M&A支援機関 登録事業者/一般社団法人 M&A支援機関協会 正会員

メディア登壇:株式会社サイゾー Business Journal ウェブセミナー講師「【売り手向け】M&Aを成功させるための具体的な行動・プロセス・知識」(2022年6月)[公式告知]

専門家コラム寄稿:BATONZ(国内最大級M&A プラットフォーム)に M&A・事業承継 74本(2021年〜継続)[コラム一覧]

|LinkedIn|X (@jfsc2020)|BATONZ

免責事項

本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の案件における法務・税務・会計判断を提供するものではありません。法務・税務・会計の個別判断は、弁護士・税理士・公認会計士等の専門家にご相談ください。M&Aのスキーム設計・タイミング・買い手探し等のアドバイザリーは、株式会社日本財務戦略センターにご相談ください。記載内容は公開時点の情報に基づき、法令改正や市場変動により最新の状況と異なる場合があります。

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よくあるご質問(FAQ)

この章のポイント
日本財務戦略センターへのご相談に関する共通の10問と、本記事に関する0問の計10問。
共通Q1. 日本財務戦略センターはどのような会社ですか?
A. 株式会社日本財務戦略センター(JFSC)は、中小企業オーナーの M&A・事業承継を「自分事として最後まで完結する」ためのご相談先です。仲介の独断ではなく、売り手の判断材料を整える立場を貫いています。会社概要もご覧ください。
共通Q2. 相談したら、必ず M&A しなければいけませんか?
A. いいえ、ご相談のみで結構です。相談後に「今回は見送ります」と判断いただいても問題ありません。M&A 以外の選択肢(廃業・親族承継・事業再生)も含めてご一緒に整理します。まずは無料相談からお気軽にどうぞ。
共通Q3. 相談料・着手金は発生しますか?
A. 初回相談・簡易査定・進行中の段階まで、すべて無料です。日本財務戦略センターは完全成功報酬制を採用しており、M&A 成約時のみご報酬が発生します。着手金・中間金・月額顧問料は一切いただきません。なお、案件特性により外部専門家への依頼や登記等の実費(例:司法書士の登記費用、外部監査法人による資産査定、譲受企業側からの弁護士・公認会計士による DD 費用 等)が発生する場合は、必ず事前にご相談・ご同意のうえ進めますので、不意の費用負担は生じません。詳細は弊社の報酬体系をご確認ください。
共通Q4. 一般的な M&A 仲介会社と、どこが違いますか?利益相反はどう開示されますか?
A. M&A 仲介は売主・買主の双方から報酬を得る「両手仲介」が業界慣行で、構造的な利益相反のリスクがあります。そのうえで、業界には「誘い込む仲介」と「公開する仲介」の二類型があると当社は考えています。日本財務戦略センターは後者の立場で、契約締結時に重要事項説明書を交付し、両手仲介の構造を含めて文書でご説明したうえで、売り手の判断材料となる情報を整え、買い手の都合で交渉を急がせない姿勢を貫きます。これは経済産業省・中小企業庁中小 M&A ガイドライン第 3 版・2024 年 8 月改訂、手数料算定基準の開示・買い手信用調査等を留意事項として明示)に則った対応です。二類型化の根拠は弊社独自の業界 20 社研究レポート、構造論の詳細は仲介契約 vs FA 契約の構造分析もご参照ください。
共通Q5. どれくらいの規模から相談できますか?
A. 年商数千万円規模の小規模事業から、数億円規模まで対応します。業界の多くの仲介会社では最低手数料を 2,000 万円以上に設定している傾向で、各社の最低手数料は中小企業庁M&A 支援機関登録制度・登録情報で確認いただけます。日本財務戦略センターの最低手数料は 700 万円で、小規模案件もお引き受けしています。具体的な報酬構造は弊社の報酬体系をご確認ください。
共通Q6. 税金・法律のことを詳しく教えてもらえますか?
A. 税務・法務は税理士法・弁護士法により、具体的な提案は弁護士・税理士等の専門家のみが行えます。当社は業界慣行の一般論をご説明した上で、顧問の先生方にご確認いただく形でご案内します。必要に応じて専門家ネットワークのご紹介も無料で行っています。
共通Q7. 家族や従業員に知られたくないのですが、可能ですか?
A. ご相談段階から NDA(秘密保持契約)を締結し、徹底管理します。社名を公開せずに買い手候補へ打診する「ノンネーム打診」の進め方も可能です。守秘義務体制については情報管理ポリシーでご確認いただけます。
共通Q8. 成約までどれくらいの期間がかかりますか?
A. 標準的には 3〜6 ヶ月程度を目安としてお考えください。買い手候補と事前に綿密な調整を行い、売主オーナー様のペースで進行します。スピード優先で売主の利益を損なう進め方は致しませんが、売主オーナー様のご事情・ご要望に応じて、最短 60 日での成約実績もございます。
共通Q9. デューデリジェンス(DD)では、どのような立場をとりますか?
A. 日本財務戦略センターは、売主オーナー様の利益を最優先に検討する立場を貫きます。仲介業の構造的な利益相反論点については仲介契約 vs FA 契約の構造分析で詳述しており、DD 費用負担の判例実務は東京地裁 DD 費用判決の射程でご確認いただけます。必要に応じて第三者の公認会計士・弁護士・税理士等の専門家をご紹介し、買い手寄りに偏らない査定体制を整えます。中小企業庁中小 M&A ガイドラインの遵守事項に則り、適切な情報開示を行います。
共通Q10. 対応エリアは限られますか?
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📅 本記事の情報基準日

本記事は 2026年8月25日 公開時点の情報に基づきます。税制・法令等は改正される場合があるため、最新の制度・税制は公的機関の公式情報をご確認ください。

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