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本記事で解説する伴走支援型特別保証制度は、当初の取扱期間(令和3年4月1日〜令和6年3月31日)から3ヶ月延長後、令和6年6月30日をもって新規申込受付を終了しています。後継制度として中小企業庁は「経営改善サポート保証制度(経営改善・再生支援強化型)」の運用を開始しており、現在資金繰り改善・事業再生支援を検討する場合はこちらをご活用ください。本記事は当時の制度説明として残しています。
伴走支援型特別保証制度:経営改善からM&A・事業承継への架け橋
中小企業の経営者の皆様、資金繰りや将来の事業承継、M&Aについてお悩みではありませんか? 2023年1月に改正された「伴走支援型特別保証制度」は、単なる資金調達に留まらず、企業の経営体質を強化し、経営者保証の解除、ひいては円滑なM&A・事業承継へと繋がる可能性を秘めた重要な制度です。日本財務戦略センター(JFSC)(Japan Financial Solutions & Consulting)は、M&A業界の専門家として、この制度が中小企業の未来にどう貢献するかを、実務的な視点から解説します。
帝国データバンクや東京商工リサーチの調査が示すように、ゼロゼロ融資の返済本格化後も倒産件数が一定の水準に抑えられている背景には、本制度への切り替えが進み、中小企業の資金繰り支援が機能している側面があると考えられます。政府は、この制度を通じて中小企業の経営の透明性を高め、持続的な成長を促すことを意図していると推察されます。
伴走支援型特別保証制度とは?その目的と最新の改正ポイント
伴走支援型特別保証制度は、中小企業庁が推進する信用保証制度の一つで、金融機関が中小企業に対して継続的な伴走型支援を行うことを前提としています。その目的は、コロナ禍で積み上がった債務の借換え需要や、事業再構築といった前向きな取り組みへの資金需要に応え、中小企業の資金繰りを円滑化し、経営の安定と収益力改善を図ることにあります。
令和5年1月の改正により、本制度はさらに利用しやすくなりました。主なポイントは以下の通りです。
- 保証限度額: 1億円
- 保証期間: 分割返済の場合、最長10年(据置期間は最長5年)
- 対象要件の緩和: 売上高や利益率の減少が5%以上であること(従来の15%から緩和)
- 経営者保証免除の条件: 資産超過であること、法人と代表者の資産・経理が明確に区分されていることなどを満たせば、信用保証料率を0.2%上乗せすることで経営者保証の免除が可能。
- 保証割合: 新型コロナウイルス感染症関連の認定を受けている場合は100%保証(責任共有対象外)。
- 資金使途: 経営の安定に必要な事業資金全般。
- 取扱期間: 令和3年4月1日から令和6年3月31日までの信用保証協会が保証申込を受け付けた分。
特に、売上高や利益の減少要件が緩和されたことで、より多くの中小企業がこの制度を活用できるようになりました。
「経営行動計画書」とは?なぜその策定が重要なのか
伴走支援型特別保証制度を利用する上で不可欠となるのが、「経営行動計画書」の策定です。これは、中小事業者が自社の経営課題を認識し、金融機関と対話しながら経営を見直していくための重要なツールとなります。
中小企業庁のサンプル(リンク)を見てもわかる通り、計画書は単なる形式的な書類ではなく、具体的な取り組み目標と進捗を明確にし、金融機関と四半期ごとのミーティングで進捗確認を行うためのフォーマットです。JFSCが支援した製造業C社の事例では、計画策定から金融機関との定期的な対話を通じて収益構造を改善し、経営者保証の解除を実現しました。このプロセスは、どんぶり勘定ではない、目標達成に向けた経営の「見える化」を促進し、経営者自身の事業に対する洞察を深めることにも繋がります。
経済産業省や金融庁も、金融機関が債務者と綿密に打ち合わせを行うことの重要性を繰り返し明記しており、この制度は公的資金の適切な利用と中小企業の健全な成長を促す政府の強い意図が込められていると言えるでしょう。
伴走支援型特別保証制度のメリット・デメリットをM&A専門家が解説
本制度は中小企業にとって大きなメリットがある一方で、一定の負担も伴います。M&A専門家としての視点から、その両面を解説します。
メリット
- 経営力向上と生産性改善: 自社の経営状況や課題を客観的に分析し、改善策を立案する過程で、経営力が向上します。JFSCの支援事例では、計画策定を通じてコスト構造の課題を明確化し、IoT導入で利益率を改善した製造業や、市場分析を徹底し新たな顧客層へのアプローチで売上を増加させたサービス業など、具体的な成果に繋がっています。
- 金融機関からの継続的な伴走支援: 四半期ごとのミーティングを通じて、金融機関から専門的なアドバイスや指導を受けられます。これは単なる資金提供に留まらず、経営者自身の事業に対する洞察を深め、より戦略的な意思決定を可能にする貴重な機会です。
- 資金繰りの安定: 融資を受けることで、当面の資金繰りが楽になり、事業継続の基盤を強化できます。
デメリット
- 計画策定の時間と労力: 経営行動計画書の作成には、財務状況の整理や具体的な目標設定など、時間と労力がかかります。しかし、このプロセス自体が経営の「見える化」に繋がり、長期的な経営基盤強化の第一歩となります。
- 計画の実現性とモニタリング: 計画書の内容は金融機関によって審査され、実現性や妥当性が求められます。また、原則として四半期に一度以上のモニタリングが行われるため、計画通りに実行する責任が生じます。計画から大きく逸脱した場合は、保証料率の引き上げや保証契約解除の可能性もありますが、誠実な対話を続けることで、より深い信頼関係を築くことができます。
これらのメリット・デメリットを総合的に見ると、本制度は一時的な負担を上回る長期的な経営改善効果をもたらす可能性が高いと言えます。特に、経営の透明化は「経営者保証ガイドライン」に沿った経営者保証の解除にも繋がり、将来的なM&Aや事業承継を考える上で非常に大きなプラスとなります。
経営者保証解除とM&A・事業承継への活用
伴走支援型特別保証制度の最大の魅力の一つは、経営者保証の解除に繋がる点です。経営行動計画書を策定し、金融機関との対話を通じて経営の透明性を高め、法人と代表者の資産・経理の明確な区分を徹底することで、経営者保証ガイドラインに沿った保証解除の可能性が高まります。
M&Aや事業承継を検討する中小企業にとって、経営者保証の解除は極めて重要です。保証が解除されれば、売り手経営者の個人保証リスクが軽減され、M&Aの障壁が一つ取り除かれます。また、本制度を通じて経営体質が強化され、財務状況が改善された企業は、買い手からの評価も高まりやすくなります。透明性の高い経営は、デューデリジェンス(買収監査)を円滑に進め、M&Aの成功確率を高める上で有利に働きます。
政府が「中小M&Aガイドライン」を策定し、「事業承継・引継ぎ支援センター」を通じてM&A支援を強化している背景には、中小企業の持続的な成長と経営の合理化を促す狙いがあります。伴走支援型特別保証制度の活用は、この政府の方針とも合致し、M&Aや事業承継を視野に入れた経営戦略の一環として非常に有効です。
資金繰りの改善、経営体質の強化、そして経営者保証の解除。これらは全て、M&Aや事業承継を成功させるための重要な要素です。今後の経営方針についてお悩みの経営者の方は、ぜひM&A専門家であるJFSCにご相談ください。M&Aセカンドオピニオン無料相談を承っております。
よくあるご質問
伴走支援型特別保証制度はどのような企業が利用できますか?
新型コロナウイルス感染症の影響で売上高や利益率が5%以上減少した中小企業が主な対象です。金融機関の伴走支援と経営行動計画書の策定が前提となります。この制度は、資金繰り支援だけでなく、経営体質の強化を目指す企業にとって有効な選択肢となります。
「経営行動計画書」を策定するメリットは何ですか?
計画書策定は、自社の経営課題を客観的に分析し、具体的な改善策を立案する絶好の機会です。金融機関からの継続的なアドバイスを受けながら、計画の進捗を確認することで、経営力向上と生産性改善を促進します。また、経営の透明化は経営者保証解除にも繋がり、M&A・事業承継の準備にも役立ちます。
伴走支援型特別保証制度の利用は、将来のM&Aや事業承継にどう影響しますか?
本制度を通じて経営行動計画書を策定し、金融機関の伴走支援を受けることで、企業の財務状況が改善され、経営体質が強化されます。特に経営者保証の解除は、売り手経営者の個人保証リスクを軽減し、M&Aの障壁を低くします。透明性の高い経営は買い手からの評価を高め、M&A・事業承継を円滑に進める上で有利に働きます。
免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の案件における法務・税務・会計判断を提供するものではありません。法務・税務・会計の個別判断は、弁護士・税理士・公認会計士等の専門家にご相談ください。M&Aのスキーム設計・タイミング・買い手探し等のアドバイザリーは、株式会社日本財務戦略センターにご相談ください。記載内容は公開時点の情報に基づき、法令改正や市場変動により最新の状況と異なる場合があります。
よくあるご質問(FAQ)
📅 本記事の情報基準日
本記事は 2023年10月23日 公開時点の情報に基づきます。税制・法令等は改正される場合があるため、最新の制度・税制は公的機関の公式情報をご確認ください。
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