2023.10.23 M&A実務

中小企業経営者必見!伴走支援型特別保証制度で資金繰り改善と経営者保証解除、M&A・事業承継への道筋

⚠️ 本記事の制度情報の更新

本記事で解説する伴走支援型特別保証制度は、当初の取扱期間(令和3年4月1日〜令和6年3月31日)から3ヶ月延長後、令和6年6月30日をもって新規申込受付を終了しています。後継制度として中小企業は「経営改善サポート保証制度(経営改善・再生支援強化型)」の運用を開始しており、現在資金繰り改善・事業再生支援を検討する場合はこちらをご活用ください。本記事は当時の制度説明として残しています。

伴走支援型特別保証制度とは、新型コロナウイルス感染症等の影響を受けた中小企業の資金繰り円滑化と経営安定・収益力改善を目的とした信用保証制度です。金融機関が「経営行動計画書」の策定支援と継続的な伴走支援を行うことを前提とし、売上減少要件の緩和や経営者保証の免除条件が設けられています。これにより、中小企業は資金調達だけでなく、経営体質の強化と透明化を図り、将来的な事業承継やM&Aに向けた基盤を築くことが可能となります。

伴走支援型特別保証制度:経営改善からM&A・事業承継への架け橋

中小企業の経営者の皆様、資金繰りや将来の事業承継、M&Aについてお悩みではありませんか? 2023年1月に改正された「伴走支援型特別保証制度」は、単なる資金調達に留まらず、企業の経営体質を強化し、経営者保証の解除、ひいては円滑なM&A・事業承継へと繋がる可能性を秘めた重要な制度です。日本財務戦略センター(JFSC)(Japan Financial Solutions & Consulting)は、M&A業界の専門家として、この制度が中小企業の未来にどう貢献するかを、実務的な視点から解説します。

帝国データバンク東京商工リサーチの調査が示すように、ゼロゼロ融資の返済本格化後も倒産件数が一定の水準に抑えられている背景には、本制度への切り替えが進み、中小企業の資金繰り支援が機能している側面があると考えられます。政府は、この制度を通じて中小企業の経営の透明性を高め、持続的な成長を促すことを意図していると推察されます。

伴走支援型特別保証制度とは?その目的と最新の改正ポイント

伴走支援型特別保証制度は、中小企業庁が推進する信用保証制度の一つで、金融機関が中小企業に対して継続的な伴走型支援を行うことを前提としています。その目的は、コロナ禍で積み上がった債務の借換え需要や、事業再構築といった前向きな取り組みへの資金需要に応え、中小企業の資金繰りを円滑化し、経営の安定と収益力改善を図ることにあります。

令和5年1月の改正により、本制度はさらに利用しやすくなりました。主なポイントは以下の通りです。

特に、売上高や利益の減少要件が緩和されたことで、より多くの中小企業がこの制度を活用できるようになりました。

「経営行動計画書」とは?なぜその策定が重要なのか

伴走支援型特別保証制度を利用する上で不可欠となるのが、「経営行動計画書」の策定です。これは、中小事業者が自社の経営課題を認識し、金融機関と対話しながら経営を見直していくための重要なツールとなります。

中小企業庁のサンプル(リンク)を見てもわかる通り、計画書は単なる形式的な書類ではなく、具体的な取り組み目標と進捗を明確にし、金融機関と四半期ごとのミーティングで進捗確認を行うためのフォーマットです。JFSCが支援した製造業C社の事例では、計画策定から金融機関との定期的な対話を通じて収益構造を改善し、経営者保証の解除を実現しました。このプロセスは、どんぶり勘定ではない、目標達成に向けた経営の「見える化」を促進し、経営者自身の事業に対する洞察を深めることにも繋がります。

経済産業省金融庁も、金融機関が債務者と綿密に打ち合わせを行うことの重要性を繰り返し明記しており、この制度は公的資金の適切な利用と中小企業の健全な成長を促す政府の強い意図が込められていると言えるでしょう。

伴走支援型特別保証制度のメリット・デメリットをM&A専門家が解説

本制度は中小企業にとって大きなメリットがある一方で、一定の負担も伴います。M&A専門家としての視点から、その両面を解説します。

メリット

デメリット

これらのメリット・デメリットを総合的に見ると、本制度は一時的な負担を上回る長期的な経営改善効果をもたらす可能性が高いと言えます。特に、経営の透明化は「経営者保証ガイドライン」に沿った経営者保証の解除にも繋がり、将来的なM&Aや事業承継を考える上で非常に大きなプラスとなります。

経営者保証解除とM&A・事業承継への活用

伴走支援型特別保証制度の最大の魅力の一つは、経営者保証の解除に繋がる点です。経営行動計画書を策定し、金融機関との対話を通じて経営の透明性を高め、法人と代表者の資産・経理の明確な区分を徹底することで、経営者保証ガイドラインに沿った保証解除の可能性が高まります。

M&Aや事業承継を検討する中小企業にとって、経営者保証の解除は極めて重要です。保証が解除されれば、売り手経営者の個人保証リスクが軽減され、M&Aの障壁が一つ取り除かれます。また、本制度を通じて経営体質が強化され、財務状況が改善された企業は、買い手からの評価も高まりやすくなります。透明性の高い経営は、デューデリジェンス(買収監査)を円滑に進め、M&Aの成功確率を高める上で有利に働きます。

政府が「中小M&Aガイドライン」を策定し、「事業承継・引継ぎ支援センター」を通じてM&A支援を強化している背景には、中小企業の持続的な成長と経営の合理化を促す狙いがあります。伴走支援型特別保証制度の活用は、この政府の方針とも合致し、M&Aや事業承継を視野に入れた経営戦略の一環として非常に有効です。

資金繰りの改善、経営体質の強化、そして経営者保証の解除。これらは全て、M&Aや事業承継を成功させるための重要な要素です。今後の経営方針についてお悩みの経営者の方は、ぜひM&A専門家であるJFSCにご相談ください。M&Aセカンドオピニオン無料相談を承っております。

よくあるご質問

伴走支援型特別保証制度はどのような企業が利用できますか?

新型コロナウイルス感染症の影響で売上高や利益率が5%以上減少した中小企業が主な対象です。金融機関の伴走支援と経営行動計画書の策定が前提となります。この制度は、資金繰り支援だけでなく、経営体質の強化を目指す企業にとって有効な選択肢となります。

「経営行動計画書」を策定するメリットは何ですか?

計画書策定は、自社の経営課題を客観的に分析し、具体的な改善策を立案する絶好の機会です。金融機関からの継続的なアドバイスを受けながら、計画の進捗を確認することで、経営力向上と生産性改善を促進します。また、経営の透明化は経営者保証解除にも繋がり、M&A・事業承継の準備にも役立ちます。

伴走支援型特別保証制度の利用は、将来のM&Aや事業承継にどう影響しますか?

本制度を通じて経営行動計画書を策定し、金融機関の伴走支援を受けることで、企業の財務状況が改善され、経営体質が強化されます。特に経営者保証の解除は、売り手経営者の個人保証リスクを軽減し、M&Aの障壁を低くします。透明性の高い経営は買い手からの評価を高め、M&A・事業承継を円滑に進める上で有利に働きます。

公開日: 2023年10月23日 / 最終更新日: 2026年5月22日
五十嵐 悠一

執筆者

五十嵐 悠一(いがらし ゆういち)

株式会社日本財務戦略センター 代表取締役

京都大学経済学部経営学科卒業。株式会社損害保険ジャパン本店営業部、東証上場M&A仲介会社を経て、2020年5月に日本財務戦略センターを設立。中小企業のM&A仲介・事業承継支援を専門とし、医療・介護・食品製造・流通卸・機械製造分野の成約実績を持つ。

資格:プロフェッショナルCFO(日本CFO協会)/M&Aエキスパート(金融業務2級 事業承継・M&Aコース)

公的登録:中小企業庁 M&A支援機関 登録事業者/一般社団法人 M&A支援機関協会 正会員

メディア登壇:株式会社サイゾー Business Journal ウェブセミナー講師「【売り手向け】M&Aを成功させるための具体的な行動・プロセス・知識」(2022年6月)[公式告知]

専門家コラム寄稿:BATONZ(国内最大級M&A プラットフォーム)に M&A・事業承継 74本(2021年〜継続)[コラム一覧]

|LinkedIn|X (@jfsc2020)|BATONZ

免責事項

本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の案件における法務・税務・会計判断を提供するものではありません。法務・税務・会計の個別判断は、弁護士・税理士・公認会計士等の専門家にご相談ください。M&Aのスキーム設計・タイミング・買い手探し等のアドバイザリーは、株式会社日本財務戦略センターにご相談ください。記載内容は公開時点の情報に基づき、法令改正や市場変動により最新の状況と異なる場合があります。

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よくあるご質問(FAQ)

この章のポイント
日本財務戦略センターへのご相談に関する共通の10問と、本記事に関する0問の計10問。
共通Q1. 日本財務戦略センターはどのような会社ですか?
A. 株式会社日本財務戦略センター(JFSC)は、中小企業オーナーの M&A・事業承継を「自分事として最後まで完結する」ためのご相談先です。仲介の独断ではなく、売り手の判断材料を整える立場を貫いています。会社概要もご覧ください。
共通Q2. 相談したら、必ず M&A しなければいけませんか?
A. いいえ、ご相談のみで結構です。相談後に「今回は見送ります」と判断いただいても問題ありません。M&A 以外の選択肢(廃業・親族承継・事業再生)も含めてご一緒に整理します。まずは無料相談からお気軽にどうぞ。
共通Q3. 相談料・着手金は発生しますか?
A. 初回相談・簡易査定・進行中の段階まで、すべて無料です。日本財務戦略センターは完全成功報酬制を採用しており、M&A 成約時のみご報酬が発生します。着手金・中間金・月額顧問料は一切いただきません。なお、案件特性により外部専門家への依頼や登記等の実費(例:司法書士の登記費用、外部監査法人による資産査定、譲受企業側からの弁護士・公認会計士による DD 費用 等)が発生する場合は、必ず事前にご相談・ご同意のうえ進めますので、不意の費用負担は生じません。詳細は弊社の報酬体系をご確認ください。
共通Q4. 一般的な M&A 仲介会社と、どこが違いますか?利益相反はどう開示されますか?
A. M&A 仲介は売主・買主の双方から報酬を得る「両手仲介」が業界慣行で、構造的な利益相反のリスクがあります。そのうえで、業界には「誘い込む仲介」と「公開する仲介」の二類型があると当社は考えています。日本財務戦略センターは後者の立場で、契約締結時に重要事項説明書を交付し、両手仲介の構造を含めて文書でご説明したうえで、売り手の判断材料となる情報を整え、買い手の都合で交渉を急がせない姿勢を貫きます。これは経済産業省・中小企業庁中小 M&A ガイドライン第 3 版・2024 年 8 月改訂、手数料算定基準の開示・買い手信用調査等を留意事項として明示)に則った対応です。二類型化の根拠は弊社独自の業界 20 社研究レポート、構造論の詳細は仲介契約 vs FA 契約の構造分析もご参照ください。
共通Q5. どれくらいの規模から相談できますか?
A. 年商数千万円規模の小規模事業から、数億円規模まで対応します。業界の多くの仲介会社では最低手数料を 2,000 万円以上に設定している傾向で、各社の最低手数料は中小企業庁M&A 支援機関登録制度・登録情報で確認いただけます。日本財務戦略センターの最低手数料は 700 万円で、小規模案件もお引き受けしています。具体的な報酬構造は弊社の報酬体系をご確認ください。
共通Q6. 税金・法律のことを詳しく教えてもらえますか?
A. 税務・法務は税理士法・弁護士法により、具体的な提案は弁護士・税理士等の専門家のみが行えます。当社は業界慣行の一般論をご説明した上で、顧問の先生方にご確認いただく形でご案内します。必要に応じて専門家ネットワークのご紹介も無料で行っています。
共通Q7. 家族や従業員に知られたくないのですが、可能ですか?
A. ご相談段階から NDA(秘密保持契約)を締結し、徹底管理します。社名を公開せずに買い手候補へ打診する「ノンネーム打診」の進め方も可能です。守秘義務体制については情報管理ポリシーでご確認いただけます。
共通Q8. 成約までどれくらいの期間がかかりますか?
A. 標準的には 3〜6 ヶ月程度を目安としてお考えください。買い手候補と事前に綿密な調整を行い、売主オーナー様のペースで進行します。スピード優先で売主の利益を損なう進め方は致しませんが、売主オーナー様のご事情・ご要望に応じて、最短 60 日での成約実績もございます。
共通Q9. デューデリジェンス(DD)では、どのような立場をとりますか?
A. 日本財務戦略センターは、売主オーナー様の利益を最優先に検討する立場を貫きます。仲介業の構造的な利益相反論点については仲介契約 vs FA 契約の構造分析で詳述しており、DD 費用負担の判例実務は東京地裁 DD 費用判決の射程でご確認いただけます。必要に応じて第三者の公認会計士・弁護士・税理士等の専門家をご紹介し、買い手寄りに偏らない査定体制を整えます。中小企業庁中小 M&A ガイドラインの遵守事項に則り、適切な情報開示を行います。
共通Q10. 対応エリアは限られますか?
A. 全国対応可能です。首都圏はもちろん、各地方都市でもご相談実績があります。オンライン面談と現地訪問を組み合わせ、所在地を問わず売主様のペースで進行します。まずは所在地を問わない無料相談をご利用ください。

📅 本記事の情報基準日

本記事は 2023年10月23日 公開時点の情報に基づきます。税制・法令等は改正される場合があるため、最新の制度・税制は公的機関の公式情報をご確認ください。

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