2023.05.12 M&A実務 プロセス手順

2022年中小企業休廃業・倒産の深層:M&Aで事業承継と成長を掴む戦略

中小企業廃業とは、事業活動を停止し法人格を消滅させること、倒産とは、債務の支払いが不可能となり法的な手続きを経て事業を清算することを指します。これらは単なる企業の消滅ではなく、雇用喪失や技術・ノウハウの散逸など、地域経済に大きな影響を及ぼす社会的な課題です。

2022年、中小企業の休廃業・倒産はなぜ増加したのでしょうか?

2022年は、新型コロナウイルス関連融資の返済本格化、物価高騰、人手不足といった複合的な要因が中小企業の経営を圧迫し、休廃業・倒産件数が2年ぶりに増加に転じました。東京商工リサーチの調査では、休廃業・解散企業が全国で4万9,625件(前年比11.8%増)と過去2番目の高水準を記録。帝国データバンクの調査でも年間5万件前後の企業が市場から撤退している実態が浮き彫りになっています。

特に注目すべきは、事業自体は健全であるにもかかわらず、後継者不在や人材不足、新たな成長戦略の欠如といった非財務的要因で事業継続を断念する「黒字休廃業」(54.3%)や「資産超過型休廃業」(63.4%)の増加です。これらは「もったいない休廃業」と呼ばれ、M&Aによって事業を次世代に引き継ぎ、雇用や技術、顧客基盤を守る絶好の機会となり得ます。日本財務戦略センター(JFSC)の肌感覚としても、飲食業、宿泊業、建設業といった特定の業種や地方都市において、後継者問題と資金繰り悪化が複合的に絡み合った休廃業のケースが目立っています。

企業倒産も、2022年には全国で6,376件(前年比7.8%増)と3年ぶりに増加しました。倒産の約4割が新型コロナウイルス関連の売上減少や資金繰り悪化を要因とし、物価高や人手不足も追い打ちをかけています。特に後継者難は中小企業庁の調査でも事業承継の大きな課題として挙げられており、M&Aは有効な解決策の一つとして注目されています。

休廃業・倒産を回避し、事業を次世代へ繋ぐには?

中小企業が休廃業や倒産を防ぎ、持続可能な経営を目指すためには、事業環境の変化に対応できる力を高めることが不可欠です。経済産業省もその重要性を強調しており、M&Aは、中小企業が直面する複合的な課題を一挙に解決し、新たな成長ステージへと進むための強力な手段となり得ます。

例えば、ある地方の老舗製造業では、後継者不在で廃業寸前でしたが、JFSCが仲介した大手企業グループとのM&Aにより、最新設備への投資と新たな販路開拓が実現し、事業を大きく成長させ、従業員の雇用も守られました。また、人手不足に悩むIT企業が、特定の技術を持つベンチャー企業をM&Aすることで、一気に技術力と人材を補強し、競争力を高めたケースもあります。(これらはJFSCの豊富な経験に基づく事例です。)

M&Aを成功させるために、どのような準備と支援が必要ですか?

M&Aは中小企業にとって強力な手段ですが、常に万能な解決策ではありません。M&A後の企業文化の融合がうまくいかず、優秀な人材が流出するケースや、想定していたシナジー効果が得られないリスクも存在します。JFSCでは、M&Aのメリットだけでなく、潜在的なリスクについても事前に十分にご説明し、統合後の統合プロセス(PMI)(Post Merger Integration)支援を通じて、M&Aの成功確率を高めるサポートも行っています。

M&Aを検討する際には、まず自社の企業価値を客観的に評価し、どのような目的でM&Aを行うのか(事業承継、事業拡大、新規事業参入、不採算事業の整理など)を明確にすることが重要です。また、M&Aプロセスにおいては、財務・法務・税務などの専門的なデューデリジェンス(適正評価)が不可欠であり、信頼できるM&Aアドバイザーの選定が成功の鍵を握ります。

特に、中小企業のM&Aにおいては、経営者保証の解除が重要な論点となることが多く、経営者保証に関するガイドラインの理解と活用が不可欠です。また、M&A支援機関の選定にあたっては、中小M&Aガイドラインに準拠した透明性の高いプロセスを提供しているかを確認することが重要です。

JFSCは、長年にわたり多くの中小企業のM&Aを支援してきたM&A専門家集団です。私たちは、単に取引を仲介するだけでなく、経営者様の想いを尊重し、企業の持続的な成長と発展をM&Aを通じて実現することを使命としています。M&Aは複雑なプロセスを伴いますが、経験豊富なアドバイザーが、法務(弁護士)、税務(税理士)、会計(会社法)など多岐にわたる専門知識を駆使し、経営者様を強力にサポートいたします。M&Aにおける税務上の留意点については、国税庁の情報を参照することも重要です。

M&A実務の判断には専門家との相談が不可欠です。JFSCではM&Aセカンドオピニオン無料相談を承っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

出典

よくあるご質問

2022年の中小企業の休廃業・倒産が増加した主な要因は何ですか?

2022年の増加要因は、新型コロナウイルス関連融資の返済本格化、物価高騰、人手不足の深刻化、そして後継者不在問題の複合的な影響が挙げられます。特に、事業は健全でも後継者が見つからず廃業するケースが目立ちました。

「黒字休廃業」とは具体的にどのような状況を指しますか?

黒字休廃業とは、企業が債務超過に陥っておらず、利益が出ているにもかかわらず、後継者不在や人材不足、将来への不安など非財務的な理由で事業継続を断念し、廃業を選択する状況を指します。これは「もったいない休廃業」とも呼ばれます。

中小企業がM&Aを検討する際の重要なポイントは何ですか?

M&A検討の際は、まず自社の企業価値を客観的に評価し、事業承継や成長戦略など目的を明確にすることが重要です。また、財務・法務・税務の専門的なデューデリジェンスと、中小M&Aガイドラインに準拠した信頼できるM&Aアドバイザーの選定が成功の鍵となります。

公開日: 2023年5月12日 / 最終更新日: 2026年5月22日
五十嵐 悠一

執筆者

五十嵐 悠一(いがらし ゆういち)

株式会社日本財務戦略センター 代表取締役

京都大学経済学部経営学科卒業。株式会社損害保険ジャパン本店営業部、東証上場M&A仲介会社を経て、2020年5月に日本財務戦略センターを設立。中小企業のM&A仲介・事業承継支援を専門とし、医療・介護・食品製造・流通卸・機械製造分野の成約実績を持つ。

資格:プロフェッショナルCFO(日本CFO協会)/M&Aエキスパート(金融業務2級 事業承継・M&Aコース)

公的登録:中小企業庁 M&A支援機関 登録事業者/一般社団法人 M&A支援機関協会 正会員

メディア登壇:株式会社サイゾー Business Journal ウェブセミナー講師「【売り手向け】M&Aを成功させるための具体的な行動・プロセス・知識」(2022年6月)[公式告知]

専門家コラム寄稿:BATONZ(国内最大級M&A プラットフォーム)に M&A・事業承継 74本(2021年〜継続)[コラム一覧]

|LinkedIn|X (@jfsc2020)|BATONZ

免責事項

本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の案件における法務・税務・会計判断を提供するものではありません。法務・税務・会計の個別判断は、弁護士・税理士・公認会計士等の専門家にご相談ください。M&Aのスキーム設計・タイミング・買い手探し等のアドバイザリーは、株式会社日本財務戦略センターにご相談ください。記載内容は公開時点の情報に基づき、法令改正や市場変動により最新の状況と異なる場合があります。

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よくあるご質問(FAQ)

この章のポイント
日本財務戦略センターへのご相談に関する共通の10問と、本記事に関する0問の計10問。
共通Q1. 日本財務戦略センターはどのような会社ですか?
A. 株式会社日本財務戦略センター(JFSC)は、中小企業オーナーの M&A・事業承継を「自分事として最後まで完結する」ためのご相談先です。仲介の独断ではなく、売り手の判断材料を整える立場を貫いています。会社概要もご覧ください。
共通Q2. 相談したら、必ず M&A しなければいけませんか?
A. いいえ、ご相談のみで結構です。相談後に「今回は見送ります」と判断いただいても問題ありません。M&A 以外の選択肢(廃業・親族承継・事業再生)も含めてご一緒に整理します。まずは無料相談からお気軽にどうぞ。
共通Q3. 相談料・着手金は発生しますか?
A. 初回相談・簡易査定・進行中の段階まで、すべて無料です。日本財務戦略センターは完全成功報酬制を採用しており、M&A 成約時のみご報酬が発生します。着手金・中間金・月額顧問料は一切いただきません。なお、案件特性により外部専門家への依頼や登記等の実費(例:司法書士の登記費用、外部監査法人による資産査定、譲受企業側からの弁護士・公認会計士による DD 費用 等)が発生する場合は、必ず事前にご相談・ご同意のうえ進めますので、不意の費用負担は生じません。詳細は弊社の報酬体系をご確認ください。
共通Q4. 一般的な M&A 仲介会社と、どこが違いますか?利益相反はどう開示されますか?
A. M&A 仲介は売主・買主の双方から報酬を得る「両手仲介」が業界慣行で、構造的な利益相反のリスクがあります。そのうえで、業界には「誘い込む仲介」と「公開する仲介」の二類型があると当社は考えています。日本財務戦略センターは後者の立場で、契約締結時に重要事項説明書を交付し、両手仲介の構造を含めて文書でご説明したうえで、売り手の判断材料となる情報を整え、買い手の都合で交渉を急がせない姿勢を貫きます。これは経済産業省・中小企業庁中小 M&A ガイドライン第 3 版・2024 年 8 月改訂、手数料算定基準の開示・買い手信用調査等を留意事項として明示)に則った対応です。二類型化の根拠は弊社独自の業界 20 社研究レポート、構造論の詳細は仲介契約 vs FA 契約の構造分析もご参照ください。
共通Q5. どれくらいの規模から相談できますか?
A. 年商数千万円規模の小規模事業から、数億円規模まで対応します。業界の多くの仲介会社では最低手数料を 2,000 万円以上に設定している傾向で、各社の最低手数料は中小企業庁M&A 支援機関登録制度・登録情報で確認いただけます。日本財務戦略センターの最低手数料は 700 万円で、小規模案件もお引き受けしています。具体的な報酬構造は弊社の報酬体系をご確認ください。
共通Q6. 税金・法律のことを詳しく教えてもらえますか?
A. 税務・法務は税理士法・弁護士法により、具体的な提案は弁護士・税理士等の専門家のみが行えます。当社は業界慣行の一般論をご説明した上で、顧問の先生方にご確認いただく形でご案内します。必要に応じて専門家ネットワークのご紹介も無料で行っています。
共通Q7. 家族や従業員に知られたくないのですが、可能ですか?
A. ご相談段階から NDA(秘密保持契約)を締結し、徹底管理します。社名を公開せずに買い手候補へ打診する「ノンネーム打診」の進め方も可能です。守秘義務体制については情報管理ポリシーでご確認いただけます。
共通Q8. 成約までどれくらいの期間がかかりますか?
A. 標準的には 3〜6 ヶ月程度を目安としてお考えください。買い手候補と事前に綿密な調整を行い、売主オーナー様のペースで進行します。スピード優先で売主の利益を損なう進め方は致しませんが、売主オーナー様のご事情・ご要望に応じて、最短 60 日での成約実績もございます。
共通Q9. デューデリジェンス(DD)では、どのような立場をとりますか?
A. 日本財務戦略センターは、売主オーナー様の利益を最優先に検討する立場を貫きます。仲介業の構造的な利益相反論点については仲介契約 vs FA 契約の構造分析で詳述しており、DD 費用負担の判例実務は東京地裁 DD 費用判決の射程でご確認いただけます。必要に応じて第三者の公認会計士・弁護士・税理士等の専門家をご紹介し、買い手寄りに偏らない査定体制を整えます。中小企業庁中小 M&A ガイドラインの遵守事項に則り、適切な情報開示を行います。
共通Q10. 対応エリアは限られますか?
A. 全国対応可能です。首都圏はもちろん、各地方都市でもご相談実績があります。オンライン面談と現地訪問を組み合わせ、所在地を問わず売主様のペースで進行します。まずは所在地を問わない無料相談をご利用ください。

📅 本記事の情報基準日

本記事は 2023年5月12日 公開時点の情報に基づきます。税制・法令等は改正される場合があるため、最新の制度・税制は公的機関の公式情報をご確認ください。

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