2022年、中小企業の休廃業・倒産はなぜ増加したのでしょうか?
2022年は、新型コロナウイルス関連融資の返済本格化、物価高騰、人手不足といった複合的な要因が中小企業の経営を圧迫し、休廃業・倒産件数が2年ぶりに増加に転じました。東京商工リサーチの調査では、休廃業・解散企業が全国で4万9,625件(前年比11.8%増)と過去2番目の高水準を記録。帝国データバンクの調査でも年間5万件前後の企業が市場から撤退している実態が浮き彫りになっています。
特に注目すべきは、事業自体は健全であるにもかかわらず、後継者不在や人材不足、新たな成長戦略の欠如といった非財務的要因で事業継続を断念する「黒字休廃業」(54.3%)や「資産超過型休廃業」(63.4%)の増加です。これらは「もったいない休廃業」と呼ばれ、M&Aによって事業を次世代に引き継ぎ、雇用や技術、顧客基盤を守る絶好の機会となり得ます。日本財務戦略センター(JFSC)の肌感覚としても、飲食業、宿泊業、建設業といった特定の業種や地方都市において、後継者問題と資金繰り悪化が複合的に絡み合った休廃業のケースが目立っています。
企業倒産も、2022年には全国で6,376件(前年比7.8%増)と3年ぶりに増加しました。倒産の約4割が新型コロナウイルス関連の売上減少や資金繰り悪化を要因とし、物価高や人手不足も追い打ちをかけています。特に後継者難は中小企業庁の調査でも事業承継の大きな課題として挙げられており、M&Aは有効な解決策の一つとして注目されています。
休廃業・倒産を回避し、事業を次世代へ繋ぐには?
中小企業が休廃業や倒産を防ぎ、持続可能な経営を目指すためには、事業環境の変化に対応できる力を高めることが不可欠です。経済産業省もその重要性を強調しており、M&Aは、中小企業が直面する複合的な課題を一挙に解決し、新たな成長ステージへと進むための強力な手段となり得ます。
- 事業モデルの変革とイノベーション:デジタル化やオンライン化など、新たな顧客ニーズや市場を開拓する際、自社だけでの実現が難しい場合は、デジタル技術を持つ企業とのM&Aが有効な選択肢です。
- 経営効率化と競争力強化:不採算事業の切り離し(カーブアウト)や、シナジー効果を狙ったM&Aを通じて、コスト削減や収益改善を図り、収益力と競争力を強化できます。
- 後継者・人手不足の解消:厚生労働省のデータでも人手不足の深刻さが示されており、特に後継者不在の問題は深刻です。M&Aは事業を存続させ、従業員の雇用を守るための最も現実的な解決策の一つです。JFSCでは、事業承継・引継ぎ支援センターとも連携し、最適な承継先を見つけるお手伝いをしています。
- 中長期的なビジョンの実現:M&Aは、経営計画や財務計画などの中長期的なビジョンを明確にし、事業継続性や成長性を高めるための戦略的な手段となります。
例えば、ある地方の老舗製造業では、後継者不在で廃業寸前でしたが、JFSCが仲介した大手企業グループとのM&Aにより、最新設備への投資と新たな販路開拓が実現し、事業を大きく成長させ、従業員の雇用も守られました。また、人手不足に悩むIT企業が、特定の技術を持つベンチャー企業をM&Aすることで、一気に技術力と人材を補強し、競争力を高めたケースもあります。(これらはJFSCの豊富な経験に基づく事例です。)
M&Aを成功させるために、どのような準備と支援が必要ですか?
M&Aは中小企業にとって強力な手段ですが、常に万能な解決策ではありません。M&A後の企業文化の融合がうまくいかず、優秀な人材が流出するケースや、想定していたシナジー効果が得られないリスクも存在します。JFSCでは、M&Aのメリットだけでなく、潜在的なリスクについても事前に十分にご説明し、統合後の統合プロセス(PMI)(Post Merger Integration)支援を通じて、M&Aの成功確率を高めるサポートも行っています。
M&Aを検討する際には、まず自社の企業価値を客観的に評価し、どのような目的でM&Aを行うのか(事業承継、事業拡大、新規事業参入、不採算事業の整理など)を明確にすることが重要です。また、M&Aプロセスにおいては、財務・法務・税務などの専門的なデューデリジェンス(適正評価)が不可欠であり、信頼できるM&Aアドバイザーの選定が成功の鍵を握ります。
特に、中小企業のM&Aにおいては、経営者保証の解除が重要な論点となることが多く、経営者保証に関するガイドラインの理解と活用が不可欠です。また、M&A支援機関の選定にあたっては、中小M&Aガイドラインに準拠した透明性の高いプロセスを提供しているかを確認することが重要です。
JFSCは、長年にわたり多くの中小企業のM&Aを支援してきたM&A専門家集団です。私たちは、単に取引を仲介するだけでなく、経営者様の想いを尊重し、企業の持続的な成長と発展をM&Aを通じて実現することを使命としています。M&Aは複雑なプロセスを伴いますが、経験豊富なアドバイザーが、法務(弁護士法)、税務(税理士法)、会計(会社法)など多岐にわたる専門知識を駆使し、経営者様を強力にサポートいたします。M&Aにおける税務上の留意点については、国税庁の情報を参照することも重要です。
M&A実務の判断には専門家との相談が不可欠です。JFSCではM&Aセカンドオピニオン無料相談を承っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。
出典
- 東京商工リサーチ、2022年「休廃業・解散企業」動向調査の結果を発表 https://www.nikkei.com/article/DGXZRSP647534_W3A110C2000000/
- 全国企業「休廃業・解散」動向調査(2022年)| 株式会社 帝国データバンク [TDB] https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p230106.html
- 全国企業倒産速報(2022年)| 東京商工リサーチ https://www.tsrnet.co.jp/news/analysis/20230114_01.html
- 全国企業倒産動向調査(2022年)| 株式会社 帝国データバンク [TDB] https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p230105.html
よくあるご質問
2022年の中小企業の休廃業・倒産が増加した主な要因は何ですか?
2022年の増加要因は、新型コロナウイルス関連融資の返済本格化、物価高騰、人手不足の深刻化、そして後継者不在問題の複合的な影響が挙げられます。特に、事業は健全でも後継者が見つからず廃業するケースが目立ちました。
「黒字休廃業」とは具体的にどのような状況を指しますか?
黒字休廃業とは、企業が債務超過に陥っておらず、利益が出ているにもかかわらず、後継者不在や人材不足、将来への不安など非財務的な理由で事業継続を断念し、廃業を選択する状況を指します。これは「もったいない休廃業」とも呼ばれます。
中小企業がM&Aを検討する際の重要なポイントは何ですか?
M&A検討の際は、まず自社の企業価値を客観的に評価し、事業承継や成長戦略など目的を明確にすることが重要です。また、財務・法務・税務の専門的なデューデリジェンスと、中小M&Aガイドラインに準拠した信頼できるM&Aアドバイザーの選定が成功の鍵となります。
免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の案件における法務・税務・会計判断を提供するものではありません。法務・税務・会計の個別判断は、弁護士・税理士・公認会計士等の専門家にご相談ください。M&Aのスキーム設計・タイミング・買い手探し等のアドバイザリーは、株式会社日本財務戦略センターにご相談ください。記載内容は公開時点の情報に基づき、法令改正や市場変動により最新の状況と異なる場合があります。
よくあるご質問(FAQ)
📅 本記事の情報基準日
本記事は 2023年5月12日 公開時点の情報に基づきます。税制・法令等は改正される場合があるため、最新の制度・税制は公的機関の公式情報をご確認ください。
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