一人で抱え込む必要はありません。
工場を守り、取引先を守り、
従業員を守り、ご自身の次の人生を設計する。
HACCP衛生管理体制・食品営業許可・
従業員雇用、そして主要取引先への継続供給まで。
保健所への地位承継届と
買い手・取引先との事前調整を一体で設計し、
承継後の混乱を未然に防ぎます。
DATA & CONTEXT
SCHEME COMPARISON
食品製造業の承継では、法人形態と取引契約・許認可の構造によって、選択できるスキームが大きく異なります。食品営業許可・HACCP体制・取引先契約・従業員雇用がワンセットで法人に帰属している場合は「株式譲渡」が原則推奨となります。早い段階で形態と契約を整理しておくことが、選択肢の幅を広げます。
| 事業形態 | M&Aスキーム | 特徴 |
|---|---|---|
| 法人(株式会社・有限会社) +食品営業許可保有 |
株式譲渡 (推奨) |
食品営業許可・HACCP体制・JAS認証・取引先契約・従業員雇用がワンセットで法人に帰属したまま承継。保健所への新規申請が原則不要で、レシピ・製法ノウハウも法人内に温存される。 |
| 個人事業/ 事業の一部のみ譲渡 |
事業譲渡 | 2023年12月の食品衛生法改正により、「営業の全部譲渡」に限り 地位承継届一本で許可の再申請が不要に。HACCP衛生管理計画は譲受人が新規構築・届出が必要となるケースもあり、事前に保健所に確認が必要。 |
REGULATORY PRACTICE
食品製造業M&Aの最大の論点は、食品営業許可(保健所)とHACCP衛生管理体制の取扱いです。2023年12月の食品衛生法改正により、株式譲渡または営業の全部譲渡では 「地位承継届」一本で許可を引き継げる枠組みが整いました。一方で、HACCP記録・JAS認証・食品表示・廃水処理など、法人格を超えて引き継ぐべき実務は多岐にわたります。
CLOSURE vs SUCCESSION
引退を考え始めた経営者の方から最初によく頂くご質問は「そもそもうちの工場に値段がつくのか」というものです。比較すべきは、第三者承継の対価ではなく、廃業した場合のコストです。廃業は「ゼロ」ではなく、通常はマイナスから始まる選択肢になります。
※上記は典型的な傾向の整理であり、個別事例の数値は立地・製品カテゴリー・売上規模・収益性・設備状態・取引先構成等により大きく変動します。当社では、初期相談時に 廃業シナリオと承継シナリオの収支比較を整理し、判断材料をご提供します。最終的な税務処理の確定は、顧問税理士・公認会計士にご確認ください。
MESSAGE
CASE STUDIES
惣菜・弁当/漬物・佃煮/調味料・たれ/
パン・菓子/和菓子・洋菓子/
麺類(生麺・乾麺・冷凍麺)/
水産加工/畜産加工/豆腐・納豆/
飲料・ドリンク/冷凍食品/
レトルト・缶詰/健康食品・機能性食品
※各事例の譲渡対価・条件は概算値です。弊社の成約実績および
業界の平均的な成約条件を参考にしており、実際の対価は
BS/PL(貸借対照表・損益計算書)、
製品カテゴリー・売上規模・取引先構成・
設備の状態など、
個別要因により変動します。
FOUR PILLARS
壱
食品衛生法・HACCP制度・JAS法・食品表示法の枠組みのもと、衛生管理計画・記録運用・食品衛生責任者・各種認証といった食品製造業固有の論点を踏まえた、現実的な承継スキームを設計します。
弐
充填機・包装機・冷凍機・ボイラー等の残存価値、更新計画、設備投資シミュレーションを織り込んだスキーム設計。買い手の設備投資余力と売り手の引退タイミングを擦り合わせます。
参
大手スーパー・問屋・PB委託元との承継後の取引継続交渉。窓口担当者の引継、品質監査の継続対応、取引基本契約の名義変更を、買い手と事前に擦り合わせます。
RECENT TRENDS

監修・執筆
五十嵐 悠一(株式会社日本財務戦略センター 代表取締役)
損害保険ジャパン本店営業部を経て、東証上場 M&A 仲介会社で多数の成約に従事。2020 年 5 月に株式会社日本財務戦略センターを創業。日本 CFO 協会認定プロフェッショナル CFO。
→ 代表挨拶・経歴詳細
登録・所属
中小企業庁 M&A 支援機関登録事業者/一般社団法人 M&A 支援機関協会 正会員/中小 M&A ガイドライン第 3 版 遵守
公開・更新
公開日:2026 年 4 月 24 日 / 最終更新:2026 年 4 月 24 日
食品製造業のM&A・事業承継には、許認可承継・専門資格者の確保・運営基準充足・契約上の地位移転など、業種固有の注意点があります。実務上もっとも問題になりやすいポイントを整理しました。
食品製造業は食品衛生法に基づく営業許可が必須です(令和3年6月改正で『1施設1許可』に統一)。買い手企業が既存施設を引き継ぐ場合、施設の建物・機械・衛生管理が法定基準を満たし続ける必要があり、改修コスト・許可取得期間(3〜6ヶ月)を事前評価してください。
食品製造企業はHACCP(危害分析)に基づく自主管理計画書を作成・運用する法定義務があります。買い手企業がHACCP体制を構築できない場合、営業許可更新不許可・行政指導のリスクが生じます。既存HACCP文書・検査記録を確認し、買い手の遵行能力を評価してください。
食品製造施設が複数品目(含アレルゲン食材)を扱う場合、交差汚染防止の製造工程分離・設備専用化が法定要件です。M&A後も既存商品製造ラインを共有する場合、アレルゲン表示違反・健康被害訴訟リスクが高まります。
食品企業は原材料の仕入れから販売まで『トレーサビリティシステム』で追跡管理する義務があります。売り手のロット管理システム・倉庫棚卸し精度、買い手システムとの互換性を確認し、引継後の記録漏れ・追跡不能リスクを評価してください。
食品製造企業は原材料・完成品の検査(添加物濃度・農薬残留・異物混入等)を実施する品質責任があります。売り手の検査基準・外部試験所との契約、買い手企業の検査能力継続を確認し、基準超過時の廃棄・回収コストリスクを把握してください。
食品企業が過去に異物混入・食中毒・不正表示で行政指導・商品回収を経験している場合、買い手企業がリスク除去(生産ラインの更新、検査体制の強化、経営陣の一新等)を実施しても顧客信頼回復に最短1〜2年要します。売り手の事故履歴・自主回収事例を徹底調査し、買い手企業の品質改善コミットメントを書面で確認してください。
※上記は食品製造業M&Aで実務上問題になりやすい論点を整理したものです。個別案件では他にも検討すべき事項がございます。一次相談は無料でお受けしておりますのでお気軽にご相談ください。