企業物価上昇と円安について思う事

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公開日:2022年9月13日 /最終更新日:2022年9月13日

企業物価が18カ月上昇

2022年9月13日の日経新聞で「企業物価8月9.0%上昇、18カ月連続前年超え 円安が拍車」という記事が掲載されています。
円安の影響もあり当初の民間予測の8.9%を超え、9.0%の企業物価上昇が起きていることが記載されています。

全体としては公表されている515品目のうち、上昇したのは8割にあたる431品目に及んでいます。品目により上昇の濃淡もあり、鋼鉄や石油・石炭製品など上流に近い資材が影響を受けているほか、飲食料品も上昇しているなど、製造業や建設業だけではなく、B2C企業にも厳しい状況が継続しています。

品目別にみると、鉄鋼(26.1%)や石油・石炭製品(15.6%)、金属製品(12.3%)などの上昇が目立つ。飲食料品(5.6%)など消費者に近い商品も値上げが続く。公表している515品目のうち、上昇したのは8割にあたる431品目だった。ウクライナ危機の長期化に伴って資源価格の高騰を製品価格に転嫁する動きが広がっている。

また輸入品目が特に大きく影響を受けており、

円ベースの輸入品目では、石油・石炭・天然ガスが前年の2.1倍となり、木材・木製品・林産物が38.1%、飲食料品・食料用農水産物が27.9%上昇した。日本は輸入契約通貨の75%程度がドルなどの外貨建てとなっており、円安は円ベースの輸入物価上昇を通じて企業物価を押し上げる要因になる。

と、海外からの輸入品目を主として扱っている企業にとっては更に影響が大きい状況です。
なお円安による企業物価の上昇は昨日のコラム「円安倒産と今後のトレンド」でも触れています。

消費者物価指数は?

反面、消費者物価指数は7月段階で2.4%の伸びなので、企業がコストの増加率を吸収できていない状況です。
そのため賃金に反映することができず、消費者物価指数の上昇は実質賃金に下落圧力を与えていると言えるでしょう。

ただし個別にみると消費者物価指数は食品の上昇が生鮮食品を含めると4.4%上昇率と企業物価指数の上昇分の一部を反映させられている状況と言えるかもしれません。
そうすると物価の上昇を反映させるための単価を上げやすい業界とそうでない業界があるのかもしれません。
その意味で見ると、消費者物価指数で顕著に上昇しているのは光熱費を除くと家庭用耐久財が7.5%ですが、物価が上がっていますが、原材料費の上昇を吸収できていないというのが推察できます。

消費者物価への価格転嫁できない理由として、商品の改善による付加価値のアップができないか、代替品が多く価格を上げると他の企業にスイッチされてしまうことが考えられます。
独力での改善が難しい場合、他企業と資本業務提携を行い、活路を見出すということを検討するということも選択肢の一つだと思います。
B2Cに強い企業と一緒になることで、現在扱っている商品をさらに魅力を訴求できる可能性もあり得ます。
経営の選択肢として様々な手段を検討してもいいのではないでしょうか。

どのような選択肢がいいのかは、置かれている状況にもよりますので不安を感じられている経営者はお気軽にご相談ください。

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