「なぜ倒産 令和・粉飾編 ― 破綻18社に学ぶ失敗の法則」

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公開日:2022年6月29日 /最終更新日:2022年6月29日

日経トップリーダー誌の人気連載の最新作が6月16日、刊行されました。

倒産する会社は多数ありますが、同じ理由で倒産する会社はないものの傾向や予兆など共通している点はあり、他山の石にするではないですが、他社の失敗事例から自社が適切に経営が行えているのかチェックすることが必要だと考えています。

ここで紹介される企業は様々ですが、新興企業で成長率が高くても資金繰りが自転車操業に陥っており、拡大か破綻かの状況であったり、老舗企業で過去に手広く経営ができていたものの、それは先人の当時の革新的な経営によるもので、ビジネスモデルにとらわれて変革できないままじり貧し破綻したり、景気のいいときに内部留保をためておかなかったことで環境変化に耐えられず破綻したりとそれぞれでのドラマがありました。

倒産と一言でいうのは簡単なのですが、資金ショートに至るまでの葛藤はやはり経営者しかわからないものでもあります。
特に中小企業経営の場合だと、会社の資産=オーナー経営者の資産という感覚が強く、納税をしたくなというインセンティブが働くからか役員報酬か設備投資家で「節税」を行う方が多いと思います。

ただこれは納税の先送りであったり、無駄なキャッシュの流出を促してしまうので全くお勧めできません。
税金は現金をためる必要経費と考えたほうが、結果、融資も引けて盛況できると思います。

また粉飾に手を染めた会社も取り上げられていました。
粉飾についてはコラム「粉飾決算の見分け方~粉飾決算をしてみよう!~」でも取り上げてみましたが、非常に簡単に操作することが可能です。
ただ粉飾を行うと利益計上になるため不要なキャッシュはもちろん出ていきますし、是正するために相当の体力が必要となります。
甘い誘惑に負けることなく、正直に現実を見直すとともに金融機関と相談し、経営の是正を図っていくことが必要でしょう。

また今回倒産した企業の多くはスポンサーを探していますがやはりギリギリになると見つからずに破綻後、受け皿が出てきていることが多いです。
ただその場合、役職員の雇用については必ずしも担保されないため、早めに探索することが必要でしょう。

弊社では大手法律事務所と救済型M&Aをベースにした企業再生にも取り組んでおりますので、ご関心ある方はお気軽にご相談ください。

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