公開日:2024年4月8日 /最終更新日:2024年7月24日
事業再生を経験から深掘りした名著「
」出張で京都に行った時に、ふと丸善で目に入ってきたので手に取りました。
著書ご本人も倒産破産の危機に瀕しながら、公認会計士資格維持のために再生を模索した経験から事業再生実務を行っており、そのご経験から経営破綻に直面する経営者向けに本書を書かれています。
とても面白いので是非広く知られたいと、以下にAmazonのリンクを記しておきます。
「第二会社方式の事業再生」については、本書に限らずよく事業再生のための手法として取り扱われていますが、一般論としての終始しているケースがほとんどですが、本書は具体的な手続きをプロセスや条件別に記載されているので、今後どうしたらいいのか非常にイメージしやすいのではないでしょうか。
弊社も事業再生を行っておりますが、弊社の経験則からも「あるよなあ」と思わせる箇所も多々あり、大変勉強になります。
内容については同書にゆだねたいと思いますが、東京地裁における破産手続きとして通常の手続きの場合は予納金が100万円以上かかるのに対し、特に換価すべき重要な財産が見当たらないと裁判所が判断した時に移行できる少額管財手続きは予納金が20万円程度の定額で済み、財産調査手続きも簡素かつ短期間で終わらせられるというテクニカルな方法論を利用した破産の手続きについても触れられており、なるほどなと思わされるところなどありました。
またこのほか住宅資金特別条項や給与所得者等再生についても触れており、少なくとも自宅は手放したくないと思われる経営者の方にとっては心強い個所も多いのではないでしょうか。
個人的にはもっと読まれてもいいと思いますが(倒産を検討する会社が増えるのはそれはそれでどういう状況なんだという突っ込みもありますが)、東京の書店なんかだと見かけないのがもったいないなと感じます。
また政府も各種ガイドラインを制定して事業再生をしやすい環境を作っていますが、金融機関がまだ追いついていないと思います。
スタートアップ育成も重要ですが、既存企業の再生も経済に対してポジティブの影響を与えるでしょうから、政策金融公庫も含め前向きに行動してほしいものです。
なお本書でも書かれていますが、追い込まれる前に立て直すことが何より重要です。
どういう状況にあるかについても客観的な意見が必要なこともあるでしょうから、経営にお困りの経営者はお気軽に弊社までご相談ください。
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