資金繰りでお悩みの経営者は何をすべきか

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公開日:2022年2月8日 /最終更新日:2022年2月8日

資金繰りの悩み

中小企業経営者の悩みのうち、大きな悩みは資金繰りの悩みでしょう。
特に売上が下がっていく中で現預金が減少していくというプレッシャー、強迫感は実際に企業経営を行った人間にしかわからないと思います。
まして個人で会社の債務に連帯保証を行っていた場合、会社の存続と経営者の今後の人生がかなり密接に関連しているため、なおさらプレッシャーは大きいでしょう。
このプレッシャーは雇われでやってきた会社員には理解できないかもしれません。
資金繰りで苦しくなったり「死にたくなる」と漏らす経営者がいるのもよくわかります。

資金繰りについての対処

中国の兵法家「孫子」の言葉で、「彼を知り己を知れば百戦殆(あや)うからず」という言葉があります。
「敵の情勢を把握し、自分自身をわきまえて戦えば、何度戦っても敗れることはない」という意味です。
これは確かに当たり前と言えば当たり前なのですが、いざ自分が当事者になると難しい。
10年以上経営を続けてきた経営者ですら、経営の結果である財務諸表の見方が分からないと仰る方がいるくらいです。
いい時はそれでもいいのでしょうが、「資金繰り」という危機(敵)が眼前に現れているときはどうでしょう。
肝心な時に目をそらしてしまうことで打てる手が手遅れになる可能性があります。
また何も解決しない中で「資金繰りに対処しなければ」という強迫観念だけが頭の中を占めてしまいます。
そうすると「いつまでに」「どのていど」「なにをするのか」というアクションプランが立てられないまま、いつもと同じように漫然と対処することになってしまいます。
悩む中でパフォーマンスが下がってしまいますし、先行きについて不安に思った取引先や従業員、金融機関などから不信感を買ってしまう可能性があります。

逆に状況を把握することで、アクションプランを立て、此方から説明を行い、能動的に動くことで直面している問題を変えることもできるのではないでしょうか。
今まで税理士や銀行員に財務面を任せてきた経営者も多いと思います。
しかし彼ら・彼女らは税務申告や融資のプロではありますが経営のプロではありません。
社長ほど経営を知っている人間はいないんです。
だからこそ経営者である社長自身が資金繰りを計算し、できることを考えなければなりません。

運転資金と資金繰りと計算ツール

「運転資金」とはどういったもので、なぜ経営を行うにあたって必要なのでしょうか。
「金融ナビ」の説明が分かりやすかったので引用します。

日本の企業では現金取引ではなく「掛取引」が多く行われていますが、運転資金は主にその掛取引のために必要なものです。
掛取引では、商品とその代金を同時に交換するのではなく、先に商品を仕入れて支払いは後日まとめて行います。
いわゆる「つけ」「信用取引」とも言われる方法ですが、そのために、商品を売ってから実際に代金が手元に入るまでにタイムラグが生じてしまうのが難点です。
たとえば、「商品が売れたが、代金が入るのは数か月後」といった状況です。

入金されるまでの間、支払もまったく必要ないのであれば問題ありませんが、実際には人件費や事務所の家賃、光熱費などが毎月発生します。
また、新たな商品の仕入れもしなければなりません。
そこで、入金までの間の支払いに充てるための「つなぎ」として使われるのが「運転資金」なのです。

会社を運営していると人件費や税金などが発生しますが、このほか商取引を行うにあたり出金と入金の間にタイムラグが発生するため、その間の資金が必要になります。
これを「運転資金」と定義づけています。

運転資金の運転資金簡易計算エクセルシートを作成したのでご利用者の責任でご利用ください。
月次ベースでどの程度の運転資金が必要かという眼安の確認ができると思います。
この他に固定費や季節的な支出、突発的な支出が発生するため、おおよそ運転資金3~6カ月程度の現預金があれば安心できるのではないでしょうか。
(あまり現預金が多いと資金効率が悪くなってしまいます)
逆に3カ月を切っている場合はどうでしょうか。

資金繰り表とツール

売上が上がることで一時的に売掛金が増大している場合は理由があるのでいいですが、売上が下がっている場合、資金繰りの問題を考える必要があります。

資金がどのタイミングでいくら不足するのかが分れば、それに応じた対応(融資、売掛金の回収、買掛金のサイト変更など)対応を検討することができるでしょう。

中小企業庁のサイトで簡易的な資金繰り表を策定して公開しているのでこちらをご参考にしてください。
以下は中小企業庁のサイトからの引用です。

ポストコロナ時代において資金繰り計画を作成することの重要性

コロナ禍において、多くの中小企業者等が、売上の減少や借入の増大に直面していますが、資金繰り計画を作成せず、今後のアクションを把握できていない者も多くいます。

コロナ禍の影響は先行きを見通すことが難しいものですが、手元の現預金がどのように推移するかを予測する資金繰り計画を作成し、逆算をして、早期に売上の向上や費用の抑制などの経営改善の取組を始める必要があります。

また、売上等が回復する時期が不透明なため、資金予定計画を作成する際には、複数のケースを作成してシミュレーションすることが重要です。

今回、質問事項に数値を入力するだけで、簡単に資金予定表を作成することができるツールを新設しましたので、ぜひご活用ください。

冒頭でお伝えした「敵」である資金繰りを「知る」ことの重要性について触れていると思います。

資金繰りがタイトな場合

資金繰りが3カ月を切っている場合、月次ではなく日次で検討する必要もあるでしょう。
手元現預金がショートする前に救済型M&Aを検討する必要が出てくることも選択肢となります。
救済型M&Aとは事業再生を用いながらスポンサーを探索し、スポンサーとM&Aを行うことで事業を残していくスキームです。
倒産や廃業をしてしまえば今まで築いてきた信用や商品が失われてしまいます。
従業員や取引先に対しても迷惑をかけてしまいます。
経営者個人も連帯保証をしていれば破産という事にもなりかねません。

他方、事業再生と個人再生を併せて行うことで、事業を継続し、取引先には迷惑をかけずに事業をスポンサー企業に引き継ぐことが可能です。
<ご参考:企業再生(事業再生)支援サービス>

漫然と悩むよりも、「敵」である資金繰りを見極め、できることをやっていくことでストレスも減るでしょう。
現実を直視するのは大変つらいと思いますが、向き合うことで乗り越えられることもたくさんあると思います。
弊社では大手法律事務所と共同して救済型M&Aのお手伝いを行っております。
是非お気軽にご相談いただき、問題の解決を一緒にしたいと考えております。

なお私的整理など事業再生(企業再生)については以下のコラムも参考にしてください。
弊社では大手法律事務所と救済型M&Aをベースにした企業再生にも取り組んでおりますので、ご関心ある方はお気軽にご相談ください。

企業再生スキームとM&A
債務超過企業と企業再生(準則型私的整理編)
【事業再生】特定調停スキームとは
【事業再生】事業再生ADR制度について
地域経済活性化支援機構(REVICとは)
事業承継時の「経営者保証に関するガイドライン」の特則
「経営者保証に関するガイドライン」とは
<金融機関の視点から見る>ポストコロナを見据えた救済型M&Aについて

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