東京都事業承継・引継ぎ支援センターでの譲渡相談の増加

Pocket

公開日:2022年10月26日 /最終更新日:2024年7月24日

東京都事業承継・引継ぎ支援センターでの譲渡相談事案が増加しているが、成約件数が検証しているという記事がM&Aonlineにて掲載されています。
理由としてはシンプルで、

①コロナの影響により経営状況が悪化している
②経営難による譲渡を検討する企業が増えている
③借り入れも大きくなっているので、譲渡先企業が見つからない

というものです。
譲渡企業の約80%が年商10億円以下であるというのは、企業の譲渡が大衆化し、裾野が広がってきていることの表れだと思います。
そのような状況でも昨年の上半期である56件から27%減少し41件にとどまっているのは引継ぎ債務に二の足が踏まれているのは間違いありません。

本文中でも

私的整理や法的整理の選択に二の足を踏む経営者は多いものの、コロナ禍などの影響で過剰債務を抱えていれば譲渡を望んでも敬遠されやすい。まずはM&Aの俎上に載れるだけの業績改善を果たす必要に迫られるが、再建の道のりが極めて困難なケースは少なくない。

と述べられていますが、まったく同感です。
借り換えに対して政府や自民党が前向きに検討しているタイミングで、譲渡とともに経営者変更し経営戦略を見直す、というストーリーであれば金融機関も受け入れやすいと思うので、来年の年頭を想定するイメージで譲渡を考えてもいいのかもしれません。

相談件数が増えているのは、買い手からすると相対的に選ぶ対象が増え、譲渡案件の魅力が減少していくと考えられます。
今後も構造的に経営が厳しくなっていく企業が増え、譲渡対象企業が増加すると考えられますから、譲渡を検討するのであれば早い方がいいのではないでしょうか。

弊社では大手法律事務所と提携した事業再生支援サービスも行っております。

是非お気軽にご相談ください。

ゼロゼロ融資の終焉とその後
最新「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」についての解説
企業再生スキームとM&A
債務超過企業と企業再生(準則型私的整理編)
【事業再生】特定調停スキームとは
【事業再生】事業再生ADR制度について
地域経済活性化支援機構(REVICとは)
事業承継時の「経営者保証に関するガイドライン」の特則
「経営者保証に関するガイドライン」とは
<金融機関の視点から見る>ポストコロナを見据えた救済型M&Aについて

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

過去ブログ抜粋

  1. 農林水産業M&Aに日本財務戦略センターが参入する理由

  2. 「ゼロゼロ融資」借り換え政府創設原案について

  3. M&Aとは何か?M&Aの流れと成功させるためのポイント

  4. 帝国データバンク5月新型コロナウィルス関連倒産の動向

  5. 企業再生スキームとM&A

  6. 医療法人の法務・税務・事業承継について