企業の成長の手段とPEファンドについて

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公開日:2021年5月13日 /最終更新日:2024年7月24日

企業を成長させるには

自社を成長させるためにどのような手段があるのでしょうか。販路の拡大による売り上げ向上や販管費などのコストの削減や知名度の上昇により取引コストの削減など色々、手段・方法論としてはあると思います。今回はPEファンドと資本業務提携を行うケースについて扱ってみたいと思います。

企業の構成要素として「ヒト・モノ・カネ(・情報)」と言われて久しいですが、実際に軌道に乗せようとするならプロダクト(サービス)を作れるかどうか、運転資金や設備投資資金を確保できるのか、そしてそれを回せる人がいるのかどうか、という問題が出て来ます。

大手チェーン店のように管理部門に人を配置して専門性のある人間を育てていれば可能だと思いますが、一般的な中小企業で行うことはなかなか難しいと思います。
特に「ヒト」の部分で、右腕となって自身の考えを聞き、場合によっては反論・対案を出す優秀な人材を迎えることについて悩んでいるのではないでしょうか。
創業者の能力で伸びている会社は私も色々と見ていますが、そこから頭一つ抜けるには「右腕」と言える人材がいるかどうかが大きい印象です。
そのような人材をどう確保するか。

都会であれば人材はいるでしょうが給与面で競合が多く、地方であれば競合は少ないけれども人材の確保がそもそも難しい。

PEファンドとの資本業務提携

一つの対案として、PEファンドとの資本業務提携を挙げたいと思います。

PEファンドとは

PEファンドについて以下、引用します。

PE(Private Equity)ファンドとは

一言で言うと、「上場していない企業に他からお金を借りて投資(買収)を行い、育てて売って、利益を得る」という言い方でしょうか。
一言で言いすぎると印象は良くないので、簡単に概説します。

PEファンドは投資規模(お金を集めてこられる規模)順にラージキャップ、ミドルキャップ、スモールキャップ(、マイクロキャップ)に大別されています。
投資規模は扱う案件の規模によって変わってきます。

余談ですが、たまに「あそこは大金を集めている(金持ってる)から高い金額でも投資してくれますよ」と、よくわかっていない変な自称コンサルが言ってくることもありますが、もしそういった考えでアプローチしても鼻で笑われるだけでしょう。というのもPEファンドの彼らは、彼らの投資基準があるので、お金がある(組成できる)からと言って、目線に合わないところに投資することはありません(ただしファンドの投資先がどうするかはまた別の話ですが、それはここではおいておきます)。従って「金があるから出してもらえると思いますよ」と安直に言ってくる人がいますが、そういう人は危ない人なので一緒に行動しない方がいいと思います。

さて話が逸れましたが、PEファンド自体の話にうつりましょう。
何社か打ち合わせを行なっている中での印象ですが、個人的な印象は非常にきちんとされた経歴があり丁寧に対応できる方々が参画しているという印象です。

というのも彼らも大手金融機関からお金を預かり、投資を行い、経営に参画しながら運用をするわけなので、

①大手金融機関にお金を出してもらえるような経歴
②投資ができる判断能力(地頭であったり会計やその他の知識や経験など)
③既存経営陣とコミュニケーションを取れる人間力

が最低限必要とされているためか、大手商社出身やMBA卒などの経歴を持っており、人当たりも柔らかい、非常にレベルの高い方々が参画している印象です。
また採用する側もそう言った人を取っているのではないでしょうか。

反面、上記のような人材を人材紹介会社などのチャネルで採用するのは機会的にも費用的にも非常に難しいのではないでしょうか。

PEファンドと資本業務提携を行うメリット

逆にいうとPEファンドの投資先となれば上記のような人たちは役員として入って来ます。
なぜなら彼らは先ほど申し上げたように、投資先の価値を上げてEXITし、利益を上げる必要があるからです。

少なくとも彼らの投資期間においては

①大手金融機関にお金を出してもらえるような経歴
②投資ができる判断能力(地頭であったり会計やその他の知識や経験など)
③既存経営陣とコミュニケーションを取れる人間力

がある人間が参画し、かつ、ファンドないしはその投資先と資本業務提携を行いながら自社を拡大することができる、ということは会社の発展のためには大きなアドバンテージになるのではないでしょうか。
冒頭申し上げた「ヒト・モノ・カネ」のうち、「ヒト」と「カネ」が会社に投下されるからです。

資本業務提携を行った場合のメリットとデメリット

とは言え「そんないい話ばかりなのか」とのご指摘はおっしゃる通りだと思います。
何事にもメリットとデメリットはあります。

メリット

メリットは上述したようにヒトとカネの確保が可能になることです。
またPEファンドの投資先との連携よりノーリスクで販路の拡大や、仕入れなどの共通化によるコストの削減ができる可能性があります。
今まで自社の運営に不足していたリソースを確保して積極的な活動が可能になります。

また株を売ることで個人に譲渡対価が入ってきますし、債務の連帯保証を外すことが可能となります。
譲渡後も株式を一部持っていた場合、企業の価値が上がれば保有している株式の価値が上がるため、投資元とのファンドと利害関係が一致したまま経営を行うことができます。

デメリット

ファンドに対して100%を上限として株式を譲りわたすのでオーナーシップが減少します。
悪い面としては今までやりたいようにやっていたことができなくなりますが、いい面としては株主として他者が入ることによって合理的かつ客観的な経営を行うことができるようになります。
またファンドも最後はEXITして利益を確定するため、投資された会社は最後は売却されます。
(ただし譲渡先でさらに大きくなった企業もあることや知名度の高い上場企業が買収した場合、従業員の士気が上がる可能性もあることから、この点についてはケースバイケースだと思います)

またPEファンドの場合、オーナー会社と違い、過去安定して利益が出ている会社を投資先とする傾向があります。
従って黒字で資産超過の会社が好まれます(例外もあります)。
上場企業も株主に説明を行う必要があるため、債務超過・赤字会社は避ける傾向があるところは共通しています。
上記のように保守的にみられるところが、リスクを比較的取りやすいオーナー会社と大きく違うところでしょうか。

会社の将来をどう考えるか

個人は生命なのでどうしても寿命がありますが、法人は法律的な概念なので寿命はありません。
従って今順当に経営していても、今後どうしていくのか、ということは従業員や取引先などに対して責任を持つ立場であれば考えざるを得ないではないでしょうか。
また法人、会社という組織は人によって構成されるため、役職員の事を考えれば、成長を持続させることを前提として考えるべきなのではないでしょうか(縮小前提だと社員も辞めてしまうため)。

そう考えると、会社を成長させ、代表者・株主・従業員を中心とした利害関係者に報いるため、リスクを排除しつつヒトやカネを受け入れ、業容を拡大していく、ということは合理的な選択肢になると思います。

そしてその資源の提供を行うことが可能なパートナーの選択肢の一つとして、PEファンドがあるのではないでしょうか。

とはいえ、一般的に何をやっているのかよくわからない組織。
ご興味ある方は是非、お気軽にお問い合わせください。

弊社にも問い合わせがある中で、「場合によってはふわっとしたタイミングであっても構いません」と言われているファンドの担当者もいるので、初期的なディスカッションベースでお話しすることも可能です。

M&A仲介については以下のブログも参考にしてください

「M&A仲介への不信感4選」
仲介かFASか
「M&A仲介会社の手数料」上場・非上場会社との比較!
M&Aで会社を譲渡する際に失敗しないための21のポイント!
売り手がM&Aを始める前に確認すべき5つのこと
【年倍法】M&Aの「価格」と「価値」の違いとは
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