2023年全国企業の「休廃業・解散」動向調査と「倒産」動向

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公開日:2024年2月27日 /最終更新日:2024年7月24日

2023年の休廃業と倒産動向

帝国データバンクから全国企業の「休廃業・解散」動向調査、東京商工リサーチから倒産動向のレポートが出たので双方皮革の上見比べてみたいと思います。

 

休廃業・解散

帝国データバンクの2023年1-12月に発生した企業の休廃業・解散動向について調査・分析について抜粋すると以下の通りです。

調査結果
1 2023年の休廃業・解散は5万9105件、前年比10%増 「あきらめ廃業」広がりの兆し
2 「黒字」休廃業の割合、過去最低の51.9% 「資産超過」休廃業の割合も低下
3 休廃業企業の経営者年齢、平均70.9歳 初めて前年から低下に転じる
4 43の都道府県で前年から「増加」 増加率最高は「徳島県」
5 全業種で増加 パチンコホールは廃業率6%超え、士業の廃業も目立つ
6 「あきらめ廃業」「前向き廃業」混在の1年に 先を見据えた判断せまられる

増加傾向は変わらず、黒字の割合も低下していることから、追い込まれての廃業が増えている可能性があります。
本文を見ると「事業再生ガイドライン」を利用している「廃業型私的整理」の件数も増えているとのことで、廃業に至る手段も様々増えていることも増加の要因になっているかもしれません。

倒産

東京商工リサーチのリリースによると以下の通りです。

 2023年の全国の企業倒産(負債総額1,000万円以上)は、件数が8,690件(前年比35.1%増)、負債総額は2兆4,026億4,500万円(同3.0%増)だった。
件数は、2年連続で増加し、2019年(8,383件)以来、4年ぶりに8,000件台に乗せた。増加率35.1%は、1992年(前年比31.2%増)以来、31年ぶりの高水準。
負債総額は、負債1億円未満が6,493件(構成比74.7%)と小規模倒産が主体だが、同5億円以上10億円未満が252件(前年比10.0%増)、同10億円以上が211件(同24.1%増)と中堅規模で増加が目立つ。また、同1,000億円以上は2件(前年1件)発生した。
2023年の「新型コロナウイルス」関連倒産は、3,127件(前年比36.3%増)発生した。
産業別では、飲食業(522→893件)を含むサービス業他が2,940件(前年比41.6%増)など、31年ぶりに10産業すべてで前年を上回った。

まず倒産動向だけを見ると35%超と大幅な増加が起き、コロナ対策で抑えていた倒産件数がコロナ前まで戻り、ある意味「正常化」してきているといえるでしょう。
また弊社も営業活動でヒアリングしていると通常の事業会社で負債>売り上げという経営状況の会社も多く、コロナ融資の返済が始まった瞬間キャッシュアウトが起きる可能性がある会社が残存している印象です。
返済猶予が起きている状況でコロナ前まで戻ったということは、返済が始まったタイミングで更に倒産件数が加速する可能性は高いでしょう。

休廃業・倒産動向

俯瞰的にそれぞれをまとめてみた場合、休廃業と倒産件数の合算では8000件弱の増加件数となっています。
率で見た場合エリアについては相関関係は薄いでしょう(件数は大都市圏に依拠)。

休廃業の増加率は個別には税理士事務所や一般機械修理、書店などの増加率が目立ちますが、大業種区分で見た場合、おおよそ平均して10%の増加率のため、世代的な問題が絡んでいることもあるでしょう。
倒産の場合サービス業、建設業、運輸業など労務費や工費、燃料代などのようなコストが増加している業種に影響が来ているように考えられます。
中小企業の件数が約350万社なので2%近くが新陳代謝で入れ替わっているようなイメージです(企業数は14万社強なので相殺すると企業数は増えています)。
休廃業・倒産件数も新規企業数もどちらも増加しているので、日本の社会の構造として、企業の新陳代謝は進んでいると考えられます。

ただし運転資金のショートのような急激な破綻は取引先への役務の提供ができなくなったり、経営資源の流出や従業員が路頭に迷うなどのハレーションが発生してしまいます。
また倒産よりも私的整理の方が経営者も財産を残せる可能性が高くなります。
政府も法整備やガイドラインの設置などを行い、円滑な整理を行いやすくしていますので、気になる方はぜひ弊社までお気軽にご相談ください。

 

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