失敗に学ぶ! 中小企業M&Aの失敗事例10選!

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公開日:2023年5月11日 /最終更新日:2023年5月12日

中小企業M&Aの失敗事例10選!

M&Aとは、買い手企業が売り手企業の全てや事業の一部を買い取る、企業買収を指す言葉です。
M&Aは、新規事業参入や事業拡大、後継者不足の解決など、さまざまな目的で行われます。

しかし、M&Aは必ずしも成功するとは限りません。
中小企業におけるM&Aの失敗事例は、そもそもM&Aが成立しないケースがほとんどです。
中小企業の場合、経営者の個人的な事情や思いが影響することも多く見受けられます。

今回は、中小企業のM&Aの失敗事例を10個紹介し、その原因や対策を解説します。
M&Aに興味のある経営者や後継者の方は、ぜひ参考にしてください。

1. 着手が遅れたために不成立になったケース

売り手企業であるA社は、代表の高齢化・後継者不足を理由にM&Aを検討していました。
A社は、日々の業務に追われていたために後継者問題について考える余裕がなく、M&Aの準備を遅らせてしまいました。
その間に、買い手企業であるB社は他の企業とM&Aを成立させてしまい、A社はM&Aのチャンスを逃してしまいました。

このようなケースでは、売り手企業が自社の将来について真剣に考えることが必要です。
後継者不足や経営難などの問題を抱えている場合は、早めにM&Aアドバイザーに相談し、適切なタイミングでM&Aを進めることが重要です。

2. 情報開示が不十分で不当な評価を受けたケース

売り手企業であるC社は、自社の事業や財務状況に自信がなく、買い手企業であるD社に対して情報開示を渋ってしまいました。
その結果、D社はC社の価値を低く見積もり、買収価格を安く提示しました。
C社はこの価格に納得できず、M&Aは不成立に終わりました。

このようなケースでは、売り手企業が自社の価値を正しく伝えることが必要です。
情報開示を渋ると、買い手企業から信頼されなくなりますし、適正な評価も受けられません。
情報開示は専門家に依頼することでスムーズに行うことができます。

3. M&Aが進む中で大幅な業績悪化

売り手企業であるE社は、買い手企業であるF社とM&A交渉を進めていました。
しかし、交渉中にE社の主力商品が品質問題でリコールされるという事態が発生しました。
この影響でE社の売上や利益が大幅に減少し、F社は買収価格を下げるか契約解除するかを迫りました。
E社はどちらも受け入れられず、M&Aは破談となりました。

このようなケースでは、売り手企業が自社の業績やリスクを正確に把握することが必要です。
M&A交渉中に業績が悪化すると、買い手企業から信用を失いますし、買収価格も下落します。
M&A交渉中は、自社の業務にも集中し、品質管理やコスト管理などを徹底することが重要です。
また最悪、譲渡価格を下げて譲渡しきることも選択肢の一つかもしれません。

4. M&A後も旧経営陣が運営し続けているケース

買い手企業であるG社は、売り手企業であるH社を買収しました。
G社はH社の旧経営陣に対して自由裁量権を与えて運営させる方針でした。
しかし、H社の旧経営陣はG社からの指示や要望に応じず、自分たちのやり方を変えようとしませんでした。
その結果、G社とH社の間に摩擦が生じ、シナジー効果も発揮されませんでした。

このようなケースでは、買い手企業が買収後の統合プロセス(PMI)をしっかりと行うことが必要です。
PMIでは、買収先の経営陣や従業員に対して買収の目的や方針を明確に伝えることや、買収先の文化や風土に配慮しながら変革を促すことなどが重要です。
また面談前にコントロールできるかどうか、しっかりと見極めることも必要でしょう。

5. M&A相手先が倒産したケース

売り手企業であるI社は、買い手企業であるJ社とM&A契約を結びました。
しかし、J社は契約後すぐに経営危機に陥り、倒産してしまいました。
I社はJ社から支払われる予定だった買収代金を回収することができず、大きな損失を被りました。

このようなケースでは、売り手企業が買い手企業の信用力や資金繰りを確認することが必要です。
買い手企業が倒産するリスクを回避するためには、買収代金の一部をもしくは全部を当日決済したり、担保や保証人を設定したりすることなどが有効です。
アーンアウト条項のような条件を付けている場合は特に留意した方がいいかもしれません。

6. M&A相手先が粉飾していたケース

買い手企業であるK社は、売り手企業であるL社とM&A契約を結びました。
しかしM&A後にL社の財務状況が粉飾されていたことが発覚しました。
L社は実際には多額の債務を抱えており、K社にもその債務が負担されることになりました。
K社はL社を訴えることにしましたが、裁判には長期間かかり、結果も不透明でした。

このようなケースでは、売り手企業が買い手企業の財務状況を詳細に調査することが必要です。
買い手企業が粉飾するリスクを回避するためには、財務諸表や税務申告書などの公的な資料だけでなく、キャッシュフロー報告書や内部監査報告書などの非公開資料も確認したり、第三者機関によるデューデリジェンスを依頼したりすることなどが有効です。
また弊社の粉飾決算に関するコラムも参考にしてください。

7. M&A相手先が不正行為をしていたケース

売り手企業であるM社は、買い手企業であるN社とM&A契約を結びました。
しかし、M&A後にN社の不正行為が発覚しました。
N社は自社の商品を過大に宣伝し、消費者からクレームや訴訟を受けていました。
M社はN社のイメージダウンにより、自社のブランドも損なわれることになりました。

このようなケースでは、売り手企業が買い手企業の法令遵守や倫理観を確認することが必要です。
買い手企業が不正行為するリスクを回避するためには、買い手企業の商品やサービスの品質や評判を調べたり、買い手企業のコンプライアンス体制や教育状況を確認したりすることなどが有効です。

8. M&A相手先が競合他社と提携していたケース

売り手企業であるO社は、買い手企業であるP社とM&A契約を結びました。
しかし、M&A後にP社がO社の競合他社であるQ社と提携していたことが発覚しました。
P社はQ社にO社のノウハウや顧客情報を流しており、O社は市場シェアを奪われることになりました。

このようなケースでは、売り手企業が買い手企業の戦略や動向を把握することが必要です。
買い手企業が競合他社と提携するリスクを回避するためには、買い手企業の事業計画や提携先を確認したり、M&A契約に競合他社への情報漏洩や提携禁止などの条項を盛り込んだりすることなどが有効です。
また競合他社ではなく、取引先とチェンジオブコントロール条項などの契約を結んでいる場合、譲渡後にハレーションが起きる可能性があります。
M&Aを行うことで買い手側に不利益が起きる契約の有無は事前に確認しておいた方がいいでしょう。

9. M&A相手先が従業員や取引先から反発を受けていたケース

売り手企業であるR社は、買い手企業であるS社とM&A契約を結びました。
しかし、M&A後にS社の従業員や取引先から反発を受けました。
S社はR社の文化や方針に合わせようとせず、R社からの指示や要望にも応じませんでした。
また、S社の取引先もR社への移行に難色を示し、契約解除や条件変更を求めてきました。

このようなケースでは、買い手企業が買収先の従業員や取引先とのコミュニケーションを重視することが必要です。
買収先の従業員や取引先から反発を受けないためには、M&Aの目的やメリットを説明したり、買収先の意見や要望を聞いたり、買収先の価値観や信頼関係を尊重したりすることなどが有効です。

10. M&A相手先がアーンアウトの条件を達成したが、買収代金が低かったケース

売り手企業であるY社は、買い手企業であるZ社とM&A契約を結びました。
M&A契約では、Z社がY社の株式の一部を現金で買い取り、残りの株式はY社が営業目標を達成したら残りを払うという契約内容のアーンアウトの方式で買い取ることになりました。
しかし、M&A後にY社の業績が好調に推移し、アーンアウトの条件を余裕で達成しました。
Y社の経営陣はZ社に対して不満を抱き、自分たちの会社が安く売られたと感じました。
Y社はZ社との統合に消極的になり、協調性を欠くことになりました。

以上が、中小企業のM&Aの失敗事例と対策です。
M&Aは経営者や後継者にとって大きな決断です。
失敗しないためには、事前準備や交渉力、統合力などが必要です。
また、専門家に相談したり、サポートを受けたりすることも有効です。
M&Aに成功することで、中小企業は新たな成長機会をつかむことができます。

<参考元>
https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/2021/210802m_and_a.html
https://ma-shienkikan.go.jp/
https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/2021/210802m_and_a.pdf

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