TDB「「不動産仲介」倒産が急増、過去最多。企業の「転勤」見直しも影響~前年比7割の大幅増」について

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公開日:2024年3月22日 /最終更新日:2024年7月24日

不動産仲介会社の倒産件数過去最多

帝国データバンクから不動産仲介会社の倒産件数が過去最多になったとのリリースが出されました
2023年には120件の倒産が発生(前年比70%増加)した結果、過去最多になったとのことです。
理由としては、

  • 転居需要の減少や引っ越し費用の高騰
  • 企業が転勤ポリシーを見直し、従業員の転勤を減らしていること

であり、これらの要因により、賃貸借人の転居需要を刺激することが困難になっていることが背景にありそうです。
たしかに公益財団法人不動産流通推進センターが出している不動産業統計集でも大手企業上位15社の仲介件数(自社管理物件に限る)2018年でも2023年の間で861,476件から775,255件と12%も低下しており、もちろんこれ以外に無数の不動産仲介会社があることは承知していますが、DXや築浅優良物件の囲い込みなどで大手が優位になっている中、中小零細仲介会社が大手社の下落率より高い伸び率で仲介を行っているとも考えづらいため、業界全体としては10%を超える仲介件数のダウントレンドがこの5年間で発生したと考えていいのではないでしょうか。

他方、賃料の平均単価については本来は加重平均で求めるべきなのでしょうが、資料がないため単純に算術平均を行っても10%の上昇率には届かないため、賃貸仲介の市場規模は減少していると考えておかしくないと思います。

今後の傾向としてもテクノロジーの発展や北陸新幹線延伸のような交通機関の延伸、地方都市の衰退などにより、転居を伴う異動ということのニーズが企業側も乏しくなっていること、日本製鉄の拠点集約などにみられるように集中化を図り、長期的に転居先が減っていくことなどを考えると、企業による転勤の必要性は減っていくものと考えられるでしょう。

不動産仲介会社の今後

従来は規模の拡大のため売り上げ=社員×仲介成約件数×平均単価

という方程式で経営をしてきたと思います。
ただここにきて急激な拡大を行った場合、固定費の大きさが足かせとなってしまっている会社も散見されます。
管理物件をきちんととってきたらよかったのでしょうが、どうしても手間のわりに単価が低い事業領域のため、おろそかにされがちです(もしくはサービス対応で収益化していない)。
ただ管理から売買につながることもあるので、やはりエンドとの接点を持っておくべきでしょう。

M&Aを行う場合

M&A仲介会社がM&Aを行う場合、買い手から評価されるポイントを列挙しておきます。

①管理戸数
②従業員数
③保有資産
④宅建免許番号

です。順に解説していきましょう。

①の管理戸数については先ほど述べたように、安定した収益の確保を行って上で管理のコストを削減し、利益率を改善していきたいという大手企業が関心を示します(もちろん中小企業もですが)。
従って大手企業の場合、管理戸数が都市圏で100(500)戸以上などの基準を設けたM&Aニーズを寄せられます。

②の授業員数は他業種と同様ですが、人手不足の業界なので宅地建物取引士などの資格者を確保を考えている会社があります。また拠点を横展開していきたい会社などにニーズがあり、中小企業のM&Aや他業種が参入する際での需要が強い印象です。

③保有資産については①と類似するかもしれませんが、長年不動産仲介業を行っていると、レアリティの高い物件を保有する機会が多いと思います。それらの保有している物件に対して関心を持たれることがあります。
物件によりますが、上場会社よりも非上場会社の方が保有物件に対して関心を示す印象を受けています。
ただ簿価と時価の評価の乖離が往々にしてあることから、値付けや金額の合意で難航する可能性は出てくるでしょう。

④宅建免許番号ですが、いわゆる信用を獲得ということで免許番号2以上について評価されることがあります。ただ長ければそれに比例して値が付くということもなく、2や3以上の場合、少しメリットを感じられるという程度ではないでしょうか。1については自分で作れるのでほとんど評価されないようです。
この他、一般建設業や特定建設業などの許認可があると拠点の横展開や新規参入ということで検討される企業もあります。

色々と論点はございますが、弊社では不動産仲介会社に対して強い買収ニーズをいただいております。
上記の論点にご不安な点がございましても対応を行いました案件はたくさんありますので、ご不明な点がありましたらお気軽にご相談ください!

 

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