公開日:2020年10月14日 /最終更新日:2024年7月24日
M&Aとリストラ
「M&Aを行うと従業員がリストラされてしまうのではないか」と心配されている経営者の方がいらっしゃいます。
今まで苦楽を共にされてきた従業員が、利益のために解雇されてしまうのではないか、と危惧されてのことで、非常に従業員想いの方なんだなと思います。
たしかにアクティビストと言われているファンドがM&Aを行っているという話はニュースでも聞きますし、その結果、従業員がリストラされてしまうようなことがあれば、従業員から後ろ指をさされてしまうことをご懸念されるのはもっともだと思います。
ただし中小企業のM&Aで、M&A後、あからさまなリストラを行うケースはほとんどなく、個人の印象としては、むしろ人が辞める方がトラブルに発展するケースが多いと思います。
買い手からみてM&Aを行う意義とは何でしょうか。
それは時間をお金で買う事。今ある企業を買って、今より速いスピードで成長させ、リターンを確保していくことです。
特に同業の事業法人であれば従業員の確保、ということもM&Aを行うことのメリットの一つです。
それにも関わらずM&A後に目先の利益のため、無理に解雇などするでしょうか。仮に行ってしまった場合、業界内で悪評が立つため、採用に影響が出たり、次のM&Aで買えなくなる、などの悪影響の方が大きいことが予想されます。
また従業員のモチベーションも下がり、望まない離職が相次ぎ採用コストが発生する可能性もあります。
確かに再生系案件で買い手が付く場合など、固定費の削減が遡上に登ることもあります。
その際は事業とそれに紐づく従業員の切り離しなどが行われることもありますが、中小企業のM&Aの場合は例外的でしょう。
むしろ士気を鼓舞し、労務管理を見直し、売上の拡大を行うというケースが多いのではないでしょうか。
(むしろ売り手様側から、「あの社員は働かないので、この機会に切ってもらった方がいい」と言われることはたまにありますが・・・)
また各論の話になりますが、私の経験ですと、一部上場企業がロールアップ戦略のために、地方の法人から事業譲渡を受けようとしたことがありました。
その事業は実質一人しか従業員がおりませんでしたが、彼一人がその事業で売り上げを上げていたこと、また面談時の性格の良さなどから、買い手である上場企業がぜひとも従業員にも来てほしいとの要望もあり、
売り手オーナーおよび従業員と基本合意後に従業員の不安を払しょくするため懇親会を行ったというケースもありました。
他にも代表オーナーがいるからこそ企業の雰囲気が産まれているという事で、役職員はそのままにしたうえで、営業時間を延ばすことで売り上げを改善させたケースもございます。
(こちらは成約事例に詳しく記載しております)
上記のように基本的には従業員を解雇しようと考える企業は例外的であると考えられます。
もしご不安でしたら、買い手企業とのトップ面談時にM&A後の経営方針を相互に確認する場を設けますので、その場で譲渡後、どのようなイメージで進めるのかを確認してもよろしいかと存じます。
弊社が仲介に入る場合は、どのような不安であっても事前に相談させていただきますので、ご遠慮なくお問い合わせください。
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