M&A仲介と契約を結ぶ前に。テール条項には気をつけろ!

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公開日:2021年9月10日 /最終更新日:2024年4月10日

M&A仲介との契約を結ぶ際に、報酬体系よりもトラブルになるテール条項

弊コラムでも何度も何度も取り上げてきて正直未だにこんなトラブルあるの?と思いますが、現在も最もトラブルが多く、中小企業庁も問題視しているようなのでその点について独立して記載したいと思います。

テール条項とは

経済産業資料の定義としては「契約期間終了後も手数料を取得する契約」とされています。
平たく言うと、仲介会社は紹介した顧客を仲介会社を飛ばされて契約されてしまうとタダ働きになってしまうため、仲介会社が紹介した後の一定の期間については仲介会社が紹介したとみなし、仲介会社が入らない形でM&Aが行われたとしても、手数料を支払ってくださいという条項です。

もう少し具体的にいうと、例えば、弊社が売り手に買い手を紹介したとします。
ただ何らかの理由ではブレイクしてしまいました。ただお互いに未練があり、ブレイクした半年後に弊社を除いてM&Aを成立させました。
この場合、弊社がいたから紹介ができ、M&Aが成立したので、弊社が動いたとみなして当初の手数料をお支払いください、という内容です。

テール条項の問題点

これだけ聞けば別に当たり前の話で、なぜトラブルになるのか疑問に思われる方が殆どだと思います。
私が聞いたトラブルの事例としては、悪質な仲介会社が、売り手に対して一般的な期間を超えるような長期間テール条項で縛った上、膨大なロングリストに乗っている全ての先(紹介もされていないし、本当に買う気があるかもわからない先)にテール条項をかけることで、実質的に解約を不可能にするという手法を用いているそうです。
また同じ会社か否かは不明ですが、別の大手会社で似たようなことが行われているような話も聞いたことがあります。このような契約を結んでしまった場合、成立すればまだいいのでしょうが、解約もできず相手も見つからないという事であれば、会社の経営方針が束縛されてしまい、場合によっては経営方針を確定することができなくなってしまうので、業績に影響を与えてしまうでしょう。

そのため中小企業庁は、テール条項について必要性を認めたうえで、透明性を担保するため、仲介会社が直接接触し、明示的に紹介した相手に限り、テール条項の対象として、必要最低限にするよう働きかけています。

これは当たり前ですよね。
悪質仲介会社が「これが弊社が紹介する予定の買い手です」と言って日本全国にある264万社のリストを売り手に見せたら、売り手は日本国内の企業と数年交渉できなくなってしまいますが、常識的に考えたらそれはおかしい。

中小企業庁が具体的にテール条項についてかくあるべしとしているのは、

・テール期間は最長でも2年~3年以内を目安とする。
・テール条項の対象は、あくまで当該M&A専門業者が関与・接触し、譲り渡し側に対して紹介した譲り受け側のみに限定する。

と明示することでトラブルの発生を抑制しようとしています。
3年はさすがに長すぎだと思いますが、逆にいうと3年以上の期間で拘束している仲介会社も存在するという事でしょう。

弊社の場合

弊社は紹介した企業について2年間の期限とするテール条項としているので、中小企業庁のガイドラインの範囲内です。
M&A、特に会社の譲渡についてはほとんどの方が初めてのケースになると思いますので、悪意のある仲介会社にあたってしまうとトラブルになってしまうと思います。
中小企業庁のガイドラインではこのほか、他の支援機関、弁護士や税理士など法令による秘密保持義務がある者や事業引継ぎ支援センターなどの公的機関に限定してセカンド・オピニオンを求めることを許容するよう促していることから、弊社に限らず何か疑問に思った点や不審な点、お困りの点については専門家に相談されるとよろしいと思います。
弊社からもM&Aに詳しい専門家の紹介は可能ですので、お困りの方はお気軽にご連絡ください。

おまけ

中小企業庁よりテール条項以外に、報酬についてもきちんと説明するようアナウンスが出されています。
弊社と連携しているクレジオ・パートナーズ社が上場企業の手数料比較表を作成されましたので、共有しますね(引用、許可を得ています)。
こういったところもきちんと説明があるかどうかも仲介会社を選ぶ際のポイントにされたらよろしいと思います。

<2024年4月8日追記>

本文中でM&A仲介会社とのトラブルの話について触れていますが、先ほどM&A支援機関登録事務局から迷惑営業の注意喚起が各社に入りました。
迷惑コールをものともしない会社は当局から排除される可能性がある(信用の低下や買い手・売り手は補助金の対象ではなくなるなど)ことから、人を抱えて固定費が高い会社はつらいことになりそうです。
逆に税理士などとリレーションを持っているコールだけに頼らなくていい日本M&Aセンターなどにとってはプラスでしょう。
参考までにご確認ください(太字赤字筆者)。
営業電話を迷惑に感じている方は本文を読まずとも、以下の画像先をクリックすると情報提供フォームに飛びますので、そちらでご相談されてもいいかもしれません。

お世話になっております。M&A支援機関登録事務局です。
平素より中小M&Aに係る支援に御尽力いただき、誠にありがとうございます。

事務局においては、登録M&A支援機関に係る支援の実態についての情報提供窓口を設置しておりますが、情報提供の内容としては、営業先が契約締結を断ったのにも関わらず、営業行為を継続する行為等の営業行為に係るものが多く寄せられております。

「中小M&Aガイドライン」においては、M&Aに必ずしも詳しくない中小企業の意思決定を適切にサポートし、依頼者の利益のために善意管理注意義務や職業倫理に基づいた支援を実施することをM&A支援機関に対して求めているところです。

こうした趣旨を踏まえると、契約締結に向けた営業行為についても依頼者となりうる中小企業の意向に沿って行う必要があると考えており、このため、今年度以降、営業に係る情報提供が寄せられた場合には、当該情報提供に係る登録M&A支援機関に対して通知し、注意喚起することといたします。

とりわけ、複数回の情報提供が寄せられる等、潜在的な依頼者である中小企業の意向に沿わない営業行為が組織的に許容されていると疑われる場合については、ガイドラインにおいて求めている「職業倫理」の醸成等が不十分との疑念が生じることとなりかねず、こうした場合には、M&A支援機関登録事務局としても追加的な対応を検討していくこととなります。

以上、引き続きよろしくお願いいたします。

 

M&A仲介については以下のブログも参考にしてください。

政府が中小企業M&A支援を行う背景
小規模M&A向け表明保証保険「M&A Batonz」についての解説
「M&A仲介への不信感4選」
仲介かFASか
「M&A仲介会社の手数料」上場・非上場会社との比較!
M&Aで会社を譲渡する際に失敗しないための21のポイント!
売り手がM&Aを始める前に確認すべき5つのこと
【年倍法】M&Aの「価格」と「価値」の違いとは
「御社を買いたい人がいるから売ってくれと言われているが本当か」問題
M&A仲介会社の「業界最安値」手数料問題とは
仲介会社が入る意味とは
「M&A仲介と契約を結ぶ前に。テール条項には気をつけろ!」
「中小企業庁から学ぶ! M&A仲介業者の見極め方」
「中小企業庁から学ぶ! M&A仲介業者の見極め方2」
日本政策金融公庫を使ったスモールM&Aのための資金調達!・・・と疑似PEファンドの組成?
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