事業承継を行うタイミングとは

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1.事業承継を行うタイミングとは

「どのタイミングで事業承継を検討したらいいのか」というお問い合わせを最近、よく頂きます。
企業の状況によりケースバイケースであるため、正解というものはなかなかないのでしょうが、中小企業庁が行ったアンケートを元に傾向について見ていった上で、どのタイミングが望ましいのか考えていきましょう。

2.「中小企業の事業承継に関するアンケート調査」

やや古いデータになりますが、平成25年に中小企業庁が行った事業承継に関するアンケート調査があります。
代表者が後継者に何歳で譲ったか、また譲り受けた後継者は何歳だったか、ということについての結果が出ています。

譲渡した年齢

中規模事業者と小規模事業者に分けてアンケートを取っており、中規模事業者の方がやや早めなのですが、高齢化に伴い67歳〜70歳くらいで譲渡を行なっているようです。
また年齢が高いタイミングで譲渡した企業ほど減収・減益傾向が続いていたとのことなので、小規模事業者ほど後継者を見つけるタイミングが難しく、理由としては事業が下降線のためだったから、と推論することができるのではないでしょうか。

また小規模かつ年齢が高いほど事業の拡大よりも廃業を考える傾向が高くなっていることから、小規模事業者ほど事業の将来性に対して不安を抱いている可能性が高いと推論できると思われます。
逆にいうとそのような状況であるにも関わらず、廃業できず相続などで引き継がざるを得ない状況というのは、後継者に対して経済的なプレッシャーをかけてしまうのではないでしょうか。

譲り受けた年齢

次は後継者が譲り受けを行ったタイミング(年齢)がどうだったのか、ということについてのアンケート結果です。

「譲り受けをしてちょうどいい時期だった」

と答えた年齢層は40〜49歳のレンジが70%と圧倒的です。
その次の年齢層は40歳以下となっていますが、40〜49歳のレンジでも「もっと早い時期に譲り受けたかった」との結果も20%以上を占めていることから、40前後くらいで譲り受けることが望ましいと考えられているのではないでしょうか。

理想のタイミングは?

40歳前後で譲り受けた後継者の親世代が30歳上だと仮定すると70前後になるので、世代交代を意識しながら経営を行っているのであれば平均的な譲渡、譲受けのタイミングから大きく逸脱しておらず、後継者の満足度も高そうです。
ただし50代以降に譲り受けた後継者のアンケートでは「もっと早く譲り受けたかった」という回答の割合が、世代が上がるごとに増えていますが、回答者の母数も全体の3割程度を占めていることから、世の中の事業承継のうち、3割程度は本人が思っているより遅いタイミングで譲渡されている、と推定することができるのではないでしょうか。
もしそうであれば、遅くなった原因について考えて見る必要があると思います。

先ほど述べたように小規模事業者で、譲渡した年齢が高いほど廃業について考える傾向が高いとありました。
もし将来性を悲観して事業承継を先延ばしにした結果、後継者の年齢も高くなってしまっているとしたらどうでしょうか。
もっと言えば、後継者は「事業がダメになる前に先に事業承継を行い立て直しをしたかった」と思っているのかもしれません。

事業の将来に悲観しているのであれば、無理になんとかしようとするのではなく、むしろ早めにバトンを渡してもいいかもしれません。あるいは第三者にM&Aで事業承継を行うことで、他の資本を利用して事業拡大を行っていくということも一つでしょう。

実際に40歳未満で事業承継を行った企業の過半数が「業績が良くなった」と回答しており、それ以降の年代についても年齢が上がるごとに改善できない傾向が高くなることから、仮に将来を悲観して承継のタイミングが遅れてしまうのであれば、むしろ早めに判断を行った方がいいのかもしれません。

3.事業承継を行うにあたり考えることは

事業承継を行うにあたり、そもそも親族内承継を行うべきなのか、それとも第三者と一緒にやっていくことも必要かどうか、を考えることは本人や後継者が後悔しないためにも必要であると思います。
そのためには事業の将来性を判断した上で、自社単独でやって行けるかどうか、行くべきなのかどうかということを判断した上で、どのタイミングでバトンを渡すのか、後見といった姿勢でやって行くのかあるいは全て離れるのか、ということを検討すべきでしょう。

実際に親族(子供)に後継させる前提で入社させたものの、子供が社員のマネジメントができず離職者が増え、経費の増大と売り上げの減少により債務超過に陥ってしまった会社からもご相談をいただいております。

そのようなケースでは、無理に親族内承継前提で経営することは会社に取っても後継者として考えていた子供に取っても不幸なことでしょうし、むしろ大手資本と一緒になってやることで近代化を図り、子供もそのグループの中でやって行くほうが安定できる、という考え方もあろうかと思います。

弊社ではそのようなお問い合わせ・相談に対しても対応することが可能ですので、お気軽にお問い合わせください。

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