公開日:2023年3月30日 /最終更新日:2024年7月24日
ChatGPT
今あちこちで人工知能による文書記述が話題ですよね。
弊社も時代にキャッチアップしていく方針なので、活用しながら使い方や可能性、現在の限界などを考えてみたいと思います。
自動生成文
以下、「買い手がM&Aを行うにあたって気を付けるべきことを5つ挙げてください」とChatGPT(以下、AI)に依頼してみた回答文です。
買い手がM&Aを行うにあたって気を付けるべきことは以下の通りです。
- 買収対象企業の評価 買収対象企業の評価は、買収価格や買収後の企業価値を決定する上で非常に重要です。買収対象企業の財務状況や将来の成長性、市場競争力などを十分に分析し、正確な評価を行う必要があります。
- 法的調査(デューデリジェンス) 買収対象企業の法的問題や契約、負債、知的財産権などを十分に調査することは不可欠です。デューデリジェンスによって、買収後に問題が発生する可能性を事前に把握し、対応策を立てることができます。
- 人事・労務面の評価 買収対象企業の人事・労務面についても、評価が必要です。従業員の労働条件や福利厚生、退職給付などに問題がある場合、買収後に労働組合や従業員からの問題が発生する可能性があるため、事前に調査しておく必要があります。
- 財務面の調整 M&Aでは、買収価格の支払い方法や税務上の取扱いなど、財務面の調整が必要です。財務アドバイザーや税務アドバイザーと協力して、財務面のリスクを最小限に抑えるための対策を講じる必要があります。
- 統合計画の策定 買収後の統合計画を事前に策定しておくことは非常に重要です。統合計画には、買収後の組織構造や業務プロセス、従業員の配置などが含まれます。統合計画に基づいて、買収後の経営統合をスムーズに進めることができます。
わずか20秒ほどですらすらと記述がされました。
すごい!
これでこのコラムも楽にできる!…と手放しには喜べません。
まず気を付けるべきこととして
①2021年までの情報しか入っていない
②正確性についてはAIは検証できない
ということがあります。
つまり最近の法律の改正や業界動向には対応できていません。
そのほか、一般論としては非常に上記のように優秀で当たり障りない文書が出てきます。
任天堂の買収について教えて
これが個別具体的な話になると正確性についてクエスチョンマークが点灯してしまいます。
「では任天堂を買収する際に気を付けるべきことは何ですか?」と質問すると、返ってきた回答は
任天堂を買収する際に気を付けるべきことは以下の通りです。
評価
任天堂の財務状況や市場競争力などを評価し、買収価格の決定に役立てることが重要です。法的調査(デューデリジェンス)
任天堂が所有する知的財産権や契約などの法的問題を調査することが必要です。特に、任天堂が保有する知的財産権が非常に重要であるため、これらの権利が適切に保護されているかを確認することが必要です。経営陣との調整
任天堂の経営陣との調整も非常に重要です。任天堂は長年にわたって独自の経営戦略を築いてきた企業であり、その経営陣とのコミュニケーションを密にし、買収後の経営統合をスムーズに進めることが必要です。リスク評価
任天堂はコンピューターゲームの開発・販売を主な事業としているため、市場変化や競合の動向、技術革新などのリスク評価も必要です。買収後の戦略の再評価やリスクマネジメントの見直しを行うことが重要です。企業文化の調査
任天堂は、独自の企業文化を持っている企業であり、その文化を理解することが重要です。買収後の統合においても、任天堂の文化を尊重し、新たな企業文化の構築を進めることが必要です。
と回答されました。
まあこれでも悪くはないのでしょうが、任天堂は上場企業であることから、金商法を踏まえて対応しないといけません。
その知識がないと抜け漏れが生じてしまいますね。
では追加で、「その際に注意するべき法律は?」と追加で聞いてみます。
任天堂を買収する際に注意すべき法律は以下の通りです。
競争法
任天堂を買収する場合、競争法(独禁法)に抵触する可能性があります。買収後に市場シェアが大きくなり、競争が阻害される場合や、競合他社を排除するような行為が行われる場合には問題が生じます。競争法に違反する行為を行わないようにするために、競争当局に報告を行うことが必要です。企業法務
任天堂の買収には、企業法務が関わります。企業法務は、買収手続きや契約書作成など、法的手続きを行い、法律上のリスクを最小限に抑える役割があります。労働法
買収後の人事統合や業務転換に関して、労働法に違反しないようにすることが重要です。買収後の従業員の雇用契約や労働条件に変更が生じる場合には、事前に正当な理由を提示し、合意を得る必要があります。知的財産法
任天堂は、多くの知的財産権を保有しています。買収によって、これらの知的財産権の移転や使用権限の確認が必要となります。また、買収後の知的財産権の管理や保護についても、法律的な取り組みが必要となります。租税法
買収によって発生する租税に関しても、法律上の取り扱いに留意する必要があります。買収に伴う利益や費用の処理、海外に拠点を有する場合には、国際租税に関する法律にも配慮する必要があります。
これでもまだ金商法は出てきませんね。
では本当に金商法が関係ないのか「金商法は?」と聞いてみます。
金商法(金融商品取引法)は、金融商品取引に関する規制を定めた法律であり、買収に直接関係する法律ではありません。ただし、任天堂が金融商品取引等に関わる事業を行っている場合には、金商法に基づく規制が適用される可能性があります。また、買収によって金融商品取引等に関する事業が増加する場合には、金商法に関する規制についても留意する必要があります。
うーん、どうでしょう。
再度追加で聞いてみましょう。
「金商法を無視して上場企業を買収しようとすると金融庁に怒られませんか?」
はい、金融商品取引法に違反する行為を行った場合、金融庁から警告や罰金、あるいは訴訟の対象となる可能性があります。特に、上場企業を買収する場合には、買収対象企業が発行する株式などが金融商品として扱われるため、金商法に基づく規制が適用されます。したがって、買収する企業の事業内容に応じた法的手続きや規制遵守が必要となります。
あらら、やはり必要でしたね。
どうやら任天堂=上場企業ということが結びついていなかったようです。
今できることとできないこと
このように大変便利なツールではあるのですが、使っている人間がある程度知識や勘所をわかっていないと大ミスを犯してしまう可能性があります。
反面、必要なことが分かっていればあたりをつけて確認できるため大変有用なツールです。
もちろんAI自身も進化していくと思いますが、使う側の人間が使い方を理解することによって効率よくアウトプットできるのではないでしょうか(このコラムも10分もせず書き上げられました!)。
皆さんも是非使ってみてください。
M&Aの分野では財務諸表などを読み込ませ、同業他社などと比較しておかしなところを比較させるような財務DDや、契約書などを読み込ませチェックする法務DDなどでも活躍できるのではと考えています。
今まで人力でやっていた分野を機械で読み込んでAIで判断を手伝ってもらえるので、DDにかけるコストが減り、M&Aがさらに身近になるのではと考えております。
そういう未来がそこまで来ているのは楽しみですよね!
弊社の成約事例については一部を成約事例に掲載しておりますので、ぜひご確認ください。
中小企業庁のサイトでもM&A事例が掲載されています。
併せてご参考にしてください。
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