公開日:2020年10月11日 /最終更新日:2024年7月24日
この前、SNSで面白い議論がありました。
仲介は利益相反になると思うが、なぜ日本では特に中小規模のM&Aにおいて、FAS(双方に交渉代理人がつく形)ではなく、仲介が間に入って双方に対して交渉の調整を行うのが主流なのか、という話です。
一つは金額の問題。
中小レベルであれば譲渡対価に対して10%の手数料を片方からもらうことがアメリカでは主流のようです。
ただし日本ではその料率に対して、拒否感を持たれてしまう。
そうするとFASの形だと、小規模の案件を対応しようとするプレーヤーが少なくなってしまう、という問題があります。
上記のような総額手数料という観点からFASを行うということが難しい。
もう一つは成約率の高さです。
これは私も納得感があったのですが、仲介だからこそ上記の問題も含めて決めようというインセンティブがプレーヤーに対して働くこと。
確かに利益相反の問題がありますし、何が何でも決めたらいい、ということについては賛同しかねます。
ただ決まったからには、双方にとってある程度の経済合理性が発生したことについても否定できないと思います。
(あまりにも市場原理から乖離している条件の場合には、仲介であろうがFASであろうが成立しないわけで)
そう考えると、ポジショントークにするつもりはありませんが、小規模の案件の場合については、成約率と速度を考えて仲介でやるのも一定の合理性はあるのではないかと思います。
ただその上で、相談する相手が決めるだけ(=手数料ありき)の仲介なのかそうでないのか、ということについては見極める必要があると思いますし、その点についてはまた別のところで扱いたいと思います。
ただ結論としては、必ずしも仲介形式というのは規模によっては売り手にとって悪いスキームではないため、信頼できる仲介を探したらいいのではないか、と考えます。
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