公開日:2020年11月12日 /最終更新日:2024年10月7日
2024年4月3日追記:連携しているクレジオ・パートナーズ社が上場M&A仲介会社の手数料比較表を作成されましたので、許可をいただいて引用させていただいたうえでコラムを作成しました。
こちらを見て頂いた方が分かりやすいかもしれません。
なお作成された手数料比較表は以下の通りです。
M&A仲介会社の手数料体系について
今回のテーマはM&A仲介の手数料についてです。
M&A仲介は不動産仲介などと違い、手数料に対する規制はありません。
そのため現在、様々な会社が独自の手数料体系を策定し営業活動を行っていることから、M&Aに慣れていない方、特に売り手様はどのような手数料体系があって、結局いくらかかるのかわからず混乱してしまうと思われますし、深く調べず比較されなかった場合、思った以上の手数料が発生し、M&A後、自分の手元に残る現金が思ったよりも少なかった、という事が容易に起こり得てしまいます。
今回は弊社の手数料体系が上場大手三社と非上場大手他社と比べてどうなのか、ということを論じながら、弊社のポジショニングについてお伝えしたいと思います。
京セラの創業者である稲森さんも「値決めは経営である」という趣旨のことを仰っていますが、同業他社との比較の中で弊社の手数料に対するスタンスをお伝えすることは、仲介会社を選ぼうと考えている皆様にとっても有益な情報であると考えるからです。
なお、上場大手の手数料大家については、SNS界が騒然となったSTRコンサルティング様が上場3社の手数料や人件費などの比較分析を行っているサイトがあるので、此方も併せてぜひご覧になってください。
さて以下は弊社と上場他社及び非上場大手のM&A仲介会社との手数料体系の比較表です。
大きく分けると、
1.完全成功報酬か否か(着手金や中間金などがあるかどうか)
2.成功報酬は何をベースにしているのか
3.最低報酬額の設定
の3つの要素に分けることができると思います。
今回はこれらについて順に紐解いていきたいと思います。
1.完全成功報酬か否か
弊社はM&Aが成約してから初めて手数料を頂く、「完全成功報酬制」を採用して利おります。
それに対し大手社では着手金制度や中間報酬制度を採用している企業もあります。これらについて順にみていきたいと思います。
まず大手社で着手金制度を採用している場合、例えば契約時に着手金として100万円の着手金を成否に関わらず要求してくることがあります。
これは良い面と悪い面があります。
悪い面から申し上げあると、皆さまが思われたように初期にコストがかかること、また成否に関わらずコストが発生してしまうため、M&Aが上手く行かなかった場合不満が残ることがあげられます。
また納得いかない方向に話が進んだとしても、最初に費用を支払ってしまったため、撤退しようという気が削がれてしまう事でしょうか(サンクコストとして捉えられなくなってしまう)。
これに対し、良い面は着手金をいただくことで買い手様や売り手様の本気度が分ること、また実際に仲介会社がM&Aを行なって買い手を探そうとすると、出張費が発生したり資料作成に人件費がかかるので、その費用として最初に着手金の負担をお願いしたいことが挙げられるでしょう。
仲介会社が着手金を求めること自体は悪いことではなく、仲介が成約させることができるという自信の表れでもある反面、上述した問題が発生するため、当事者(特に売り手様)の目利きが問われるところだと思います。
ただし、いずれにせよ仲介会社のロジックが優先されている傾向があります。
上記のような話だけ聞かされ、他社と比較できない状況で着手金を取る仲介会社のみを紹介された場合、最初に「着手金は当たり前にあるものなのか」と思ってしまい、検証する機会がなかったというケースも多々あると思います。
そう考えると仲介会社も成約する自信があれば着手金はとらずに成功報酬でやればいいと思いますし、売り手様も自分の会社が売れる、と確信されるのであれば敢えて着手金を取る仲介会社に依頼しなくてもいいのではないか、とも思います。
またもう一つ気になる点としては、一部の仲介会社では四半期末や期末などの決算期に、「着手金キャンペーン」などを行い、成約を目指すのではなく、着手金を支払って売り上げをあげるためだけの契約を取りに行く慣習があるように仄聞しております。
M&Aを成功させることが目的であれば問題はありませんが、仲介の担当者が売り上げのために着手金を支払ってもらうことが目的になってしまうと、売り手にきちんとした説明をせず、市場実態から乖離した譲渡目線でも契約を請け負ってしまうこと動機付けが働きますし、その結果としてM&Aが成立せず、その後、放置されてしまう(いわゆる「棚ざらし」になる)可能性があります。
放置され情報が一人歩きする期間が継続した場合、情報が流出するリスクが期間に比例して大きくなるため、売り手様に対してのデメリットが大きくなりますが、目先の売り上げを重視する仲介担当者はそう行ったことは考慮しないでしょう。なので、着手金方式を設定している会社の担当者が、期末に契約を迫ってくる場合は、注意して考えたほうが良いかもしれません。
次に中間金についてです。
M&Aを進めていく中で、基本合意契約を締結するタイミングで、例えば見込み成功報酬額の10%を支払ってほしいと中間金制度を採用している仲介会社から言われることがあります。
M&A仲介会社からすると、着手金のケースと同様、特に買い手の本気度を見極められる機会ができますし、売り手保護、という観点からすると一定の意味はあると思います。
ただこれについても一度、中間金を支払ってしまうと仲介会社も後に引けなくなってしまう可能性が高くなってしまいます。
というのも、仲介会社(と担当者)も売り上げが立ってしまうため、担当者も話をまとめるため買い手とのトラブルを避けるような、仲介として公平性を保つというより、買い手の立場に立った交渉を行ってしまう可能性があります。
また弊社の取引先さまのうち、積極的にM&Aを進めていきたいと言われている取引様は「中間金のような不確実なものを支払うくらいなら、成功報酬はきちんと支払うので、その分複数M&Aの話を進めていきたい」と仰っています。
以上を考えると、一概に中間金を支払わないから本気度が低いと考えるのは失当でしょう。
またこれに類する報酬として、「月額報酬」と言うものがあります。
これもいい面としては、M&Aはそもそも短期に決まるものではないので、ある程度のインターバルを見ないといけませんし、その期間は人件費などの固定費がかかるのでその期間、一定の金額を保証してほしい、と言う考え方があります。
ただこれも性善説に立てばその通りなのですが、案件の大小で月額報酬が変わらない場合、あるいは決めづらい場合であれば月額報酬を取るだけとって優先順位を下げてしまう、というインセンティブが仲介会社に働いてしまう可能性は念頭に置いておいてもいいと思います。
上記より、弊社が完全成功報酬制としている理由は、
(1)買い手様も売り手様も、弊社へ相談する敷居を低くし、経営の判断の一つとしての材料を提供しやすくしたいと考えていること
(2)上記で述べたような中立性を欠いてしまったり、目先の売上本位になった組織行動を行う余地を減らしたいこと
の2点となります。
2.成功報酬は何をベースに算定しているのか
M&A仲介会社の場合、レーマン方式で成功報酬額を決めるという計算方法で対応していることが一般的です。
ただ一口に「レーマン方式」と言っても、レーマン方式の内訳は会社によって異なることがあります。
レーマン方式を簡単に説明すると、例えば総額20億円の案件があったとして、最初の5億円までは5%、5億円から10億円までは4%、10億円から20億円までは3%と言うように、総額を階段状に分解して、その階段状に分解した金額に対して定められた割合を乗じて計算する考え方です。
上記の考え方ですと5億円×5%+5億円(次の5億円〜10億円に対して)×4%+10億円(残りの10億円〜20億円)×3%、と言うように計算し、この場合であれば2,500万円+2,000万円+3,000万円=合計7,500万円とように、金額が大きくなればなるほど、総額に対しての手数料率が下がっていく、というような考え方です。
ただここでご注意いただきたいのは、「レーマン方式」とはあくまでも徐々に割合がテーブルで下がっていくという考え方であり、一律に式や係数が決まってはいるわけではありません。
例えば最初のテーブルで10%から計算する会社もあります。
その場合は同じレーマン方式であっても、上記で計算している手数料率よりかなり高くなりますのでご留意ください。
なお今回取り上げている、日本財務戦略センターを含んだ5社は各社同様、5%から始まるレーマン方式のテーブルを採用しておりますので、この項はその前提でお伝えさせていただきます。
ただ繰り返しになりますが、安易に「うちはレーマン方式を採用しています」と仲介会社が謳っていることだけで判断するのではなく、譲渡希望金額をその会社の手数料体系で計算してもらってから判断した方が望ましいと言えるでしょう。
さてレーマン方式の説明が長くなりましたが、レーマン方式のベースについて検証したいと思います。
冒頭の表を見られた方は「成功報酬」の項目が、「移動総資産」か「譲渡価格」の二つに分けられることにお気づきになられたかと思います。
「譲渡価格」は「株価」とも言われているようですが、簡単に整理すると、
(1)「移動総資産」・・・純資産(株価)+有利子負債
(2)「譲渡価格(株価)」・・・純資産(株価)
と換言できます。
例えば株価が2億円、負債が3億円と算定される会社であれば、(1)の場合であれば5億円に対してレーマン方式で計算するのに対し、(2)の場合であれば2億円に対してレーマン方式で計算することで済んでしまいます。
ここで「なぜ日本財務戦略センターはベースが大きくなる移動総資産を採用しているのか」と思われた方も多いと思います。
それに対する答えとしては(1)「移動総資産」に対してレーマン方式を適用したほうが、弊社がM&Aのご相談をさせて頂ける会社が増えるから、という回答になります。
今の話で、「え? ベースが低い方が相談から契約を結ぶ会社は増えるんじゃないの?」と思われた方は多いと思います。
実は「譲渡価格(株価)」で成功報酬額を決める仲介会社の場合、総資産のうち債務が大きい法人は純資産(株価)のウェイトが低くなってしまい、結果としてレーマン方式で計算できるベースが小さくなるため、手数料が大きくなりづらく、相談を受けた際に案件を受けることを敬遠してしまう傾向があります。
つまり一見、手数料が低くなるように見える「譲渡価格(株価)」を採用しているM&A仲介会社は、手数料が大きくならないことから、中小企業で本当に困っているところに対してサービスを提供できていない可能性があります。
例えば、毎年300万円の赤字で3,000万円の債務超過の会社があったとしましょう。
通常の中小M&Aの考え方でいったら価格は出ないと思います。
ただ私が実際にM&Aで行なったケースですが、人の採用コストを削減し(大規模の会社と一緒になったらやめる可能性が減るので可能)、その分の利益を回し、その他の費用削減要因を行えば数年でリカバリーできる会社があったとします。
それであれば買い手は譲渡後から回収可能性が出てくるのでM&Aを行おうと言うインセンティブが発生します。
確かにこれは「買い手のシナジー」であるため売り手の対価にすることは難しいことが多いのですが、代表を含めた雇用継続や破産をしなくていい、看板を残すなど、売り手にとってのメリットも多分にあります。実際に「赤字で債務超過でも譲渡できる」ことか可能ですし、株価だけしか価値とみなさない=赤字や債務超過の会社はM&Aできない、とするのはいかがなものでしょうか。
弊社は入り口の段階で「負債が大きいから手数料にならないので避けよう」、というような組織判断をしないようにするため、有利子負債も含んだ「移動総資産」をベースとしてサービスの提供を行おうと考えております。極論を言うと、上記で述べたように、赤字で債務超過の法人でもM&Aの対象になるからです。
また現実問題として、有利子負債を加味してレーマン方式で報酬を算出したとしても、後述する最低報酬の影響の方が大きいことから、見かけではなく実際に成約した場合の手数料がいくらになるのかを計算し、そのうえで判断してもよろしいかと思います。
(この点についてもSTRコンサルティング様のページで詳説しています)
なおファイナンス理論上は(1)の「移動総資産」が調達コスト側の総和になっていることから、理論上の納得感もあるようです。この点については、各種、理論を説明する書籍が出ているので、ニーズがありましたらこのブログでもご紹介していきたいと考えますので、フィードバックをいただければ幸甚です。
3.最低報酬額の設定
色々記載してきましたが、この最低報酬の影響が実際の手数料に対して影響が大きいでしょう。
またM&A業界の不透明さに結びついているところがあると思います。
冒頭でもお伝えしたように、上場企業なのに最低報酬額を開示していない企業もあることから、以下に述べることは一部ヒアリングベースになっている旨は事前にご承知おき下さい。
さて通常、レーマン方式で最初に適用されるテーブルは5%という事が多いです。
まず、このテーブルを使って弊社とB社の手数料を最低手数料を考慮せず比較してみましょう。
株価が2億円、有利子負債1億円の場合の場合、単純にレーマン方式だけで計算すると、
弊社・・・3億円×5%=1,500万円
B社 ・・・2億円×5%=1,000万円
となりますが、最低手数料を加味すると、
弊社・・・3億円×5%=1,500万円>700万円 より 1,500万円
B社 ・・・2億円×5%=1,000万円<2,500万円 より 2,500万円
と、逆転現象が起きてしまいます。
各社、「レーマン方式だから」と謳っていても、最低手数料が高額であれば、レーマン方式を適用しても意味はありませんし、そのような企業であれば、有利子負債を含めるのかどうかは大した問題ではないことがわかると思います。
またこれは買い手もしくは売り手の片方側から見た手数料ですが、仲介会社は双方から同額の手数料を頂くことになります。
先ほど中立性の話を行いましたが、買い手からすると、この高額な手数料分を回収するために譲渡価格は低い方がいいというインセンティブが強くなるでしょう。
なお一般的にM&A仲介の担当者の成約件数は年に1~2件といわれており、まして上記のような高額な手数料が動くのであれば、仲介会社の担当者も、当事者の立場に立ってM&Aを「成功」させようと言うのではなく、「成立」させようという意識が強くなってくるのではないでしょうか。
その際に、交渉の過程で売り手様買い手様のどちらの立場に立ってしまうのかという事を考えると、最後の最後で成約重視で買い手の立場に立ってしまうこともあるのではないでしょうか。
つまりギリギリの段階で、売り手が思っている価格で成約させるのではなく、買い手が手数料を支払ってもいいと思える価格目線までなんらかの理由をつけて、価格を下げてでも成約させてしまう担当者がいる可能性がある、という事です。
(特に上場企業の場合は年間予算を株主に対してコミットしており、そのために担当者の成約件数や売り上げ目標も細かく設定されています)
上記のような仲介担当者の場合、当初に想定していなかったトラブルが予期される事象が発生した場合、些細なことを「下げる理由」と捉えて売り手に対して買い手側に立って交渉してくる可能性もあると思いますし、その結果として押し切られ、不本意な価格で決着してしまうケースもあるでしょう。
そもそもの話ですが、上記のように「レーマン方式」などと手数料体系は開示しているのに、最低手数料を開示していないところは怪しいと思います。
先ほど検証したように、最低手数料が高額であればそもそもレーマン方式は意味をなしませんし、高額の最低手数料を開示していたら問い合わせが減ると考えているのかもしれません。
特に売り手様からしたら突然最低手数料をつきつけられ、その妥当性について、他社と比較したり判断できないまま契約を取り交わしてしまう可能性もあると思います。またこういうやりかたは業界の不透明さを招く可能性もあると思います。
*中小企業庁から出ている「ガイドライン」にも手数料については注意喚起されています。
ここから、弊社の手数料の考え方についてご説明いたします。
弊社はM&A後も関係当事者が持続的に上手く経営ができる、「三方良し」のM&Aを行えることが望ましいと考えております。
売り手様が今まで思いれをもって経営してきた会社を、適時適切に、譲渡実行までの期間が長すぎもせず、焦せらせるような短いタイミングでもなく、納得できる買い手様にバトンを渡すことができるようにすることが弊社の使命と考えております。
そのために他の利益率や利益額が高すぎると思う仲介会社よりも低廉で、かつ売り手様に対して急かしたり、説明を省いて、成約を決めようと思うような手数料体系にはしようとは考えておりません。
また手数料が高ければ、譲渡後、その手数料の元を取るために、収益を上げるプレッシャーを残った役職員に対してかけることが予想されます。
M&A仲介会社が収益を追求することが割ることだとは決して思いませんが、仲介会社が収益を追求するあまり、M&Aが行われ、残った役職員が不必要なプレッシャーにさらされてしまうことは本末転倒だと思います。
その考え方の下、弊社が最低報酬を700万円と設定したのは、「M&A」を特定の企業だけが扱うのではなく、中小企業も含めて経営手段の一つとして広く一般化させたいと考えているからです。
またM&Aは財務戦略の一選択肢としてもらいたいため、選択肢の一つを高コストな位置付けにしたくないということでもあります。
そのために冒頭に上げた他社と比べるとだいぶ低廉な手数料設定にしていると思いますし、かといって、見かけの最低手数料額を下げて譲渡対価に対する手数料率が高くなるような姑息な設定もしておりません。
また公認会計士やM&A専門の弁護士、業界に精通しているコンサルタントなど各種プロフェッショナルと業務提携を行うことで固定費の削減を行いつつ最先端の知識やノウハウの獲得を行うようにしています。
とはいえ買い手や売り手のために手数料が安ければいいのか、というとそうもいかないところが難しいところで、自社のサービスに自信がないので安い手数料体系になっているという可能性もあります。
余談ですが、手数料を抑えてM&A仲介を行うことを「回転寿司」のようなサービスを提供する、とIRで謳っているM&A仲介もあったりします。
考え方やマーケットインは色々あっていいと思いますが、自社サービスを「回転寿司」になぞらえ、今まで苦労されて運営されてきた売り手様の会社を扱うと言うことは個人的には理解できませんし、「回転寿司」のように棚ざらしされた案件を買い手様に押し付けるのも違うのではないかと思います。
(ちなみに回転寿司の原価率は高く50%くらいだったと思いますが、その会社は営業利益50%と謳っているので、顧客重視で利益率を下げて提供する回転寿司のような手数料体系でもないだろうなあ・・・とも思ったのは余談です。実際、レーマン方式10%からですし)。
とはいえ上記は弊社のポリシーなので、現在、M&Aを進められている売り手様につきましてはご一読された上で、実績や進め方の考え方を再度担当に確認されたらよろしいと思います。
またこれから検討される売り手様であれば、アドバイザリー契約を締結する前に、上記を踏まえて依頼する先を決められた方がよろしいのではないでしょうか。
最後に私個人のM&Aに対する考え方を付記いたします。
M&Aとはつきつめるところ、経営手段の一つに過ぎません。
ですが昨今、巷間で言われているような、例えば「個人で300万円で会社を買おう」という安直なムーブメントも起こっており、非公開株式を所有することが目的になっているようなムーブメントについては完全に同調できないところもあります。
というのもM&Aを行なっても当初の計画通り行かないことはありますし、運転資金が続かずショートしてしまう可能性もあります。譲渡後に従業員が辞めてしまうことも多々あります。せっかくM&Aをやっても経営が持続しなければ、なんのためのM&Aを行なったのかわかりません。
そのため仲介会社が必要以上に良いことだけを言ったり、成約ありきで金銭的なハードルをさげ、M&Aの参入障壁を下げてしまうことは、当事者がかえって不幸な結果になってしまうのではないかと危惧しますし、実際にそのような事例を見てきています。
そのような考えもあり、買い手様売り手様共に長く関係を築けるようなM&Aができるような提案がしたいと考えていることから、このような手数料体系としたことを繰り返してお伝えさせていただきます。
以上、手数料について弊社と各社との比較を書いてきました。
これらの各社の仲介手数料体系に対する考え方や、所属している担当者が置かれている状況を踏まえたうえで、どのように自社のM&Aを成功に導くのか、ということはきちんと事前に考えたほうがいいと思います。
なおM&Aでかかる費用は仲介手数料だけではありません。
売り手様はこのほか、印紙代などが発生しますし、必要に応じて会社分割などを行うのであれば、士業に依頼する費用が別途発生いたします。また弊社は交通費などの実費の請求は行いませんが、会社によっては発生してくるでしょう。
また買い手様であれば買収監査(DD、デュー・デリジェンス)に数十万円~数百万円の費用が別途発生してまいります。
上記のような全体を通じて発生する諸々の費用をにらみながら、関係当事者がM&A後も上手く経営できるようなやり方を考えなければいけないでしょう。
色々と記載してきましたがM&Aを成功に導くためにどうすれば良いのか、と言うことや弊社の手数料体系についての疑問がありましたら、ご遠慮なくお問い合わせください。
弊社よりお答えさせていただきます。
<2021年3月1日追記>
他社で現在進行しているM&Aについて、「本当にこれでいいのか?」「誤ったことを伝えられていないか」等、多数のご相談が寄せられていることから、「M&Aセカンドオピニオンサービス」を開始いたしました。
交渉の過程で買い手や仲介に対し、ご不安になられている売り手様、相談するにも相談する先がない売り手様はお気軽にご相談ください。
<2021年4月18日追記>
各社の手数料を記載しているM&A仲介会社紹介会社?のM&A Do社のリンクを追記します。
一見絶対額が低いように見えても料率が高いなど各社によって設定が異なるので、実際に計算されてからご判断がいいことは違いありません。
<2024年10月4日追記>
参考:スタートアップM&Aや資本政策・資金調達を助言する専門会社「株式会社ファイナンス・プロデュース」
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