曖昧な準備はリスクになる。今、オーナーが把握しておくべき実務の全行程。
日本財務戦略センター代表の五十嵐悠一です。 これまで、M&Aを通じた事業承継の意義や、実際に窮地から再生を果たした事例などをお伝えしてきました。今回は、より実務的な「成約までの流れ」を具体的に解説します。
2026年現在、中小企業の譲渡案件は急増しており、買い手企業の選別眼は非常に厳しくなっています。成約までの平均期間は6〜12ヶ月(レコフデータ2025年)と言われていますが、準備の質次第では最短6ヶ月での成約も可能です。「なんとなく」で進めるのではなく、どのタイミングで何を行うべきか、その全体像を把握しておくことが成功の絶対条件です。
1. 【1〜2ヶ月目】現状の正確な把握と、課題の整理
まずは、外部に情報を出す前に、会社の「本当の状態」をプロのアドバイザーと共に整理します。
財務・法務の実態確認: 帳簿に載っていないリスク(粉飾や簿外債務など)をすべて洗い出します。これらは隠すのではなく、「事前に把握して、どう対処するか」を固めることが重要だからです。
企業価値(譲渡価格)の算出: 過去の決算書や現在の受注状況に基づき、市場でいくらで売却できるかのシミュレーションを行います。
オーナー経費の修正: 役員報酬や交際費など、M&A後に削減可能なコストを計算し、実質的な収益力を可視化します。
2. 【3〜4ヶ月目】スポンサー候補の選定とトップ面談
整理した情報を基に、最適な買い手(スポンサー)を探し、交渉を開始します。
ノンネーム(匿名)での打診: 社名が特定されない形で概要書を作成し、関心を持つ企業を募ります。
意向表明の受領: 買い手候補から「買収希望価格」や「雇用維持の条件」が提示されます。
トップ面談の実施: 経営者同士が直接会い、経営理念や社員への想いを確認し合います。ここで互いの信頼関係が築けるかが、成約の鍵を握ります。
3. 【5〜6ヶ月目】デューデリジェンス(詳細精査)と最終契約
買い手候補を1社に絞り、最終的な確認作業に入ります。
デューデリジェンス(DD)への対応: 買い手側が公認会計士や弁護士を伴い、財務・法務・労務の実態を細かく調査します。事前に課題を整理していれば、ここでの破談リスクを最小限に抑えられます。
最終合意とクロージング: 譲渡価格や従業員の処遇などを最終決定し、契約書を締結します。
関係各所へのディスクローズ(開示): 成約後、どのタイミングで従業員や取引先に発表するか。混乱を防ぐための詳細なシナリオを作成し、実行します。
2026年の市場。準備不足は「価格の減額」に直結する
現在、資金力のある買い手企業は多いものの、彼らが最も警戒しているのは「買収後のトラブル」です。
特に会計上の不備や労務問題が後から発覚した場合、大幅な減額、最悪の場合は成約直前での破談を突きつけられます。日本財務戦略センターが行うのは、単なる紹介(マッチング)ではありません。
資金繰りが厳しい場合の、金融機関との返済猶予交渉
過去の不適切な会計処理の、法的な整理と正常化
従業員を一人も漏らさないための、譲渡スキームの構築
実際に、資金ショート寸前で相談に来られた企業様が、適切な債務整理とスポンサー選定で全員雇用維持+再起を果たしたケースは少なくありません。追い込まれた末に相談したことで、次につながった事例が、私たちの現場で最も多いのです。
M&Aは「身売り」ではなく「社員を守るための戦略」
現在、国も「従業員の雇用維持」を最優先事項としています。中小企業庁が策定した「中小M&Aガイドライン」においても、譲受側(買い手)に対して従業員の処遇や雇用維持への配慮が強く求められています。
参考資料:
※「従業員の雇用維持や処遇への配慮は、円滑な事業承継の鍵である」と明記されています。中小企業庁:中小M&Aガイドライン(第3版・2025年9月改訂版対応)
また、最新の調査によれば、成約したM&Aの大多数において雇用継続が条件となっており、多くの場合、譲渡後の方が福利厚生や給与体系が改善する傾向にあります。
日本全国、どこへでも「最後にして最強の砦」を届けます
M&Aの準備を始めるのに、完璧な決算書も、綺麗なオフィスも必要ありません。 必要なのは、オーナー様が抱えている「本当の状況」を正直に共有していただくことだけです。
日本財務戦略センターは、拠点の有無にかかわらず全国対応しております。地元の金融機関や周囲に知られることなく、秘匿性を保ちながら現場第一主義で並走いたします。
「社員に内緒で相談したい」「今の負債状況で売れるのか知りたい」 そんな段階で構いません。決算書を持たずに、まずはあなたの悩みをお聞かせください。
2026年、その一歩が、あなたと従業員の人生を大きく変えるきっかけになります。
全国どこへでも、共に社員を守り抜く覚悟を持って駆けつけます。お気軽にご相談ください。
五十嵐 悠一(日本財務戦略センター 代表取締役)































コメント