公共工事の入札に、不正はあるのか|公開データから見える入札の影

株式会社日本財務戦略センター|一次調査|2026年10月3日公開|調査基準日 2026年10月3日

公共工事の入札に、不正はあるのか|公開データから見える入札の影

前の記事では、公共工事の入札資格がどの程度の受注につながるのかを調べました。この記事では、その入札の機会を、どんな規模の会社が、どれだけの回数、どんな価格のつけ方で使っているのかを見ます。大阪市の工事(2022年10月1日〜2026年9月1日の開札分)では、厚生年金の加入者が1人以下なのに年130回以上入札する会社が8社あり、同じ案件に並んで入札価格が似た動きをする会社の組が39組(62社)ありました(日本財務戦略センター集計)。ただし、これらは公開データから見つかった入札のふるまいの特徴で、不正や談合の証拠ではありません。関係会社なのか、同じ積算情報を使っているのか、独立した会社なのかは、公開データだけでは見分けられません。タイトルの「影」は、公開されている入札の数字の裏にあって、公開データでは見えない会社の実態のことです。

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厚生年金の加入者が少ない会社は、年に何回入札しているのか

調査結果:大阪市の工事では、厚生年金の加入者1人あたりの年の入札回数は中央値3.9回、上位10%で28.7回、上位1%で100回を超えます。加入者が1人以下で年100回以上入札する会社は20社、年130回以上は8社でした(日本財務戦略センター集計)。

厚生年金の加入者社数会社の年の入札回数(中央値)加入者1人あたり(中央値)
0〜1人120社28回28.0回
2〜5人734社35回10.4回
6〜10人444社32回4.1回
11〜30人432社32回1.9回
31人以上267社8回0.1回

会社の年の入札回数は、加入者0〜30人の会社では中央値28〜35回で、加入者の数によってほとんど変わりません。同じくらいの回数でも、加入者が少ない会社ほど、加入者1人あたりの回数は多くなります。厚生年金の加入者数は、その会社で働く人の数と同じではありません(役員報酬のない役員や70歳以上の人は加入者になりません)。

制度上の前提:大阪市の工事の多くは、予定価格が入札の公告と同時に公表されます(前の記事)。予定価格は入札額を決める際の参考になりますが、入札回数の多さとの因果関係や、各社がどのように積算しているのかは、今回のデータからは分かりません。

数えているのは大阪市の工事だけです。大阪府やほかの市町村の入札も合わせると、実際の回数はこれより多くなります。

入札価格の動きが似ている会社は、どれくらいあるのか

この章の言葉

入札価格の位置
その会社の入札額が、同じ案件の入札額の中央値からどれだけ上か下か(入札額÷中央値−1)。
順位相関
2社の「位置」が、案件ごとに同じ向きに動くかを表す数(スピアマンの順位相関)。1に近いほど、ある案件で一方が高めならもう一方も高め、という動きがそろっています。
相関群(以下、群れ)
順位相関が0.8以上になった会社どうしを線で結び、つながった会社を1つのまとまりとして数えたもの。39組のペアをつなぐと、26の群れ・62社になりました。会社どうしの資本の関係や、共同の行動を意味するものではありません。

調査結果:同じ案件への参加がよく重なり、入札額が近い会社の組2,141組を調べると、入札価格の位置の順位相関は中央値0.11で、ほとんどの組は動きがそろっていませんでした。0.8以上は39組で、会社でつなぐと26の群れ・62社になり、そのうち2つの群れは4社以上でつながっていました(日本財務戦略センター集計)。

同じ案件に並び入札額が近い会社の組の、入札価格の動きの似かた
図1 同じ案件に並び入札額が近い会社の組の、入札価格の動きの似かた(クリックで拡大)出典:大阪市 電子調達システムの入札結果(2022年10月1日〜2026年9月1日の開札分)を日本財務戦略センターが集計

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見つけ方は次のとおりです。

  1. 同じ案件への参加の重なりが大きく、入札額が近い会社の組を候補にしました(2,141組。条件は「調査の方法」に書いています)。
  2. 各案件で、その会社の入札額が案件の中央値からどれだけずれているか(位置)を出しました。
  3. 2社の位置が案件ごとに同じ向きに動くかを、順位相関で測りました。

候補は、入札額が近い組だけを選んでいます。39組は、この候補2,141組のうち順位相関が0.8以上だった組で、すべての会社の組み合わせに占める割合ではありません。線の引き方を変えると、順位相関0.7以上では79組、0.9以上では11組でした。候補を選ぶときの入札額の差の線を0.5%から0.3%に狭めると35組(0.5%の39組のうち35組が残る)、1.0%に広げると57組(39組はすべて残る)でした。

例を1つ挙げます。同じ所在地にある2社は、2022年10月以降の493件に同時に参加し、片方だけが参加した案件は2件でした。最低制限価格の決め方が2022年10月に変わった後、この2社の入札額の差は大きくなりました。差の中央値は、改正前の約3,000円から改正後の約32,000円になっています。これが2社の入札のしかたの変化なのか、算定方法の変更に伴うものなのかは、このデータだけでは判断できません。

同じ所在地の2社が同じ案件に入れた入札額の差(最低制限価格の決め方が変わる前と後)
図2 同じ所在地の2社が同じ案件に入れた入札額の差(最低制限価格の決め方が変わる前と後)(クリックで拡大)出典:大阪市 電子調達システムの入札結果(2022年5月11日〜2026年9月1日の開札分)を日本財務戦略センターが集計。社名は示さない

入札価格の動きが似る理由には、問題のないものもあります。同じ積算代行の会社に積算を頼んでいる、同じ積算ソフトや単価のデータを使っている、同じ所在地にある別々の会社が似た考え方で入札している、といった場合です。積算を外の会社に頼むこと自体は、禁じられていません。

ここで見つけたのは、入札価格の動きが似ている組であって、談合の組ではありません。次の章では、こうした組を大阪市の参加制限に照らすと、公開データからどこまで関係を確かめられるかを見ます。

そうした会社は、大阪市の参加制限で見分けられるのか

制度上の前提:大阪市は、一定の関係にある会社が同じ入札に参加しようとする場合、参加できるのを1社に限っています(大阪市の入札公告の共通事項(工事)「関係会社の参加制限」)。

大阪市の規定上の類型公開データで確かめられるか
資本の関係(会社法の親会社等・子会社等の関係、親会社等を同じくする子会社等どうし)株主名簿は公開されておらず、確かめられない
役員の兼任(業務を執行する取締役などが、もう一方の役員を兼ねている)会社ごとに登記を取れば確かめられるが、今回の公開データでは確かめていない
電話・ファクシミリ・メールアドレスなどの連絡先が同じ入札参加資格者名簿の電話・ファクシミリは確かめられる
大阪市の入札にかかわる営業をする人が同じ確かめられない
その他、上と同じとみなせる関係判定できない

調査結果:順位相関が0.8以上の39組のうち、両社とも入札参加資格者名簿で確かめられた28組では、電話番号・ファクシミリの番号・代表者が同じ組は確認できませんでした。本店の所在地が同じ組は2組ありましたが、所在地が同じことだけでは参加制限に当たるかどうかを判定できません(日本財務戦略センター集計)。

資本の関係や役員の兼任など、参加制限の判定に大事な情報には、公開データだけでは届きません。39組まで絞り込んでも、公開データだけでは、会社どうしの関係を確定できませんでした。

落札した工事を、その人数で受け持てるのか

制度上の前提:一定の金額以上の工事では、現場ごとに専任の技術者を置かなければなりません(建設業法・施行令。2025年1月までは請負代金4,000万円以上、建築一式工事は8,000万円以上。2025年2月からは4,500万円以上、建築一式工事は9,000万円以上)。2024年12月からは、1億円未満(建築一式工事は2億円未満)の工事に限って、一定の条件のもとで1人が2つの現場の専任を兼ねられるようになりました(国土交通省)。

調査結果:専任の技術者が必要な工事を同時に2件以上持ち、厚生年金の加入者がその件数+1人以下だった会社は28社ありました。このうち経営事項審査の通知書で技術職員の人数を確かめられた26社について、「技術職員の人数」と「厚生年金の加入者数」が、それぞれ同時に持っていた専任の工事の数を満たすかを調べました(日本財務戦略センター集計)。

厚生年金の加入者数が満たす厚生年金の加入者数が満たさない
技術職員の人数が満たす22社2社
技術職員の人数が満たさない1社1社

経営事項審査の通知書を確かめられなかった会社が、ほかに2社あります。

26社のうち19社では、技術職員の人数と厚生年金の加入者数が一致しませんでした(技術職員の方が多い会社16社、加入者の方が多い会社3社)。差が出る理由は、いくつか考えられます。70歳以上の社員は厚生年金の被保険者になりません。非常勤の人や、技術職員でない加入者がいる場合もあります。経営事項審査の基準日と、厚生年金の加入者数を調べた日(2026年秋)がずれていることもあります。どれに当たるのかは分かりません。

厚生年金の加入者数と技術職員の人数だけで単純に照らすと、表の右上の2社は、同時に持っていた専任の工事に必要な人数を、厚生年金の加入者数では説明できませんでした。表の下の段の2社は、技術職員の人数でも届きませんでした。ただし、技術者の資格や配置の入れ替え、兼任の条件などは公開データでは分からないため、これらの会社が必要な技術者を置いていなかったとは言えません。

公開データの限界:建設工事の一括下請負は建設業法22条で禁じられており、民間の工事では発注者の書面による承諾があれば例外が認められますが、公共工事ではその例外も認められていません(入札契約適正化法14条)。今回使った入札結果や公表資料からは、各工事の施工体制台帳の内容を確認できませんでした。そのため、今回のデータから一括下請負があったかどうかを判定することはできません。

会社を買う側から見ると

調査結果:厚生年金の加入者が0〜1人の会社では、1回の入札が落札につながった割合は1.08%で、加入者の規模の中でいちばん低くなりました。年の落札件数の中央値は0.26件(4年で1件ほど)、2022年10月以降に一度も落札していない会社は36%、年の落札額の中央値は349万円でした(日本財務戦略センター集計)。

厚生年金の加入者1回の入札が落札につながった割合年の落札件数(中央値)一度も落札していない会社年の落札額(中央値)
0〜1人1.08%0.26件36%349万円
2〜5人1.35%0.52件22%1,052万円
6〜10人1.78%0.52件22%1,691万円
11〜30人1.66%0.52件20%2,283万円
31人以上3.62%0.26件32%3,053万円

加入者の少ない会社は、公共工事を安定して取れているのではなく、当たる割合が低いなかで数多く入札しています。そして、その会社たちの中に、同じ案件に繰り返し一緒に参加し、入札価格の動きまで似ている組があります。それが独立した会社どうしなのか、同じ積算情報を使っているのか、関係会社なのかは、公開データでは区別できません。

M&Aで建設会社を見るとき、「公共工事の入札実績がある」「市の工事を年に何件受注している」は、その会社の受注力を表す数字のように見えます。この記事の結果からは、入札実績は会社の実態をそのまま表す数字ではありません。とくに、人数に比べて入札の回数や同時に持つ工事が多い会社では、その受注がどのような入札のしかたと体制で成り立っているのかを確かめる必要があります。

確かめておきたいことは、次のとおりです。

売り手との面談や買収前の調査で使えるように、確認シートにまとめました。

建設会社を買う前の確認シート(公共工事の入札実績がある会社)

日本財務戦略センターの調査(大阪市の工事の入札、2022年10月1日〜2026年9月1日の開札分)から、入札の実績だけでは見えない点をまとめました。売り手との面談や、買収前の調査(デューデリジェンス)で使えます。

確かめること売り手に出してもらう書類見るところ
誰が積算し、誰が入札しているか入札の履歴(過去3年の案件名・入札額・落札の有無)、積算を外部に頼んでいれば積算代行との契約書入札の回数に見合う積算の担当がいるか。一緒によく入札している会社と、同じ積算代行を使っていないか
落札した工事の技術者は誰か落札した工事ごとの配置技術者の一覧、技術者の資格者証、雇用の期間が分かる書類専任の技術者が必要な工事が重なっていないか。技術者は直接、続けて雇われている人か
実際の施工体制と外注施工体制台帳、下請けとの契約書、外注費の内訳下請けにどこまで頼っているか。一括下請負にあたるような工事はないか
経営事項審査の数字と実際の人員経営事項審査の結果通知書、技術職員名簿、社会保険の加入の状況が分かる書類技術職員の人数と、実際に働いている人・社会保険の加入者が対応しているか。高齢の技術者に頼っていないか
一緒に入札している会社との関係株主名簿、役員の一覧、関係会社の一覧同じ案件によく一緒に入札する会社と、資本・役員・人のつながりがないか(参加制限に当たらないか)
公共工事への依存と民間の稼ぎ直近3期の決算書と工事台帳(発注者ごとの売上)公共工事の売上の割合と利益率。民間の工事でどれだけ売上と利益を出しているか

面談で最初に聞く一言:「この人数で、どうやってこの件数を入札し、受注しているのですか」

出典:日本財務戦略センター「公共工事の入札に、不正はあるのか|公開データから見える入札の影」https://jfsc.jp/research/osaka-public-works-bidding-patterns/(CC BY 4.0)

買収前の調査(デューデリジェンス)の全体の進め方は「M&Aのデューデリジェンス(DD・買収監査)とは何か」に、相手の会社を公開情報で調べる手順は「DDチェック」にまとめています。

人数に比べて入札の回数が多いこと自体は、問題ではありません。ただ、売り手に「この人数で、どうやってこの件数を入札し、受注しているのですか」と聞く理由にはなります。前の記事で見たように、等級を上げて会社を伸ばすのは民間の工事での稼ぎです。入札の実績だけで会社を評価しないことが大切です。

公開データで確認できたこと、できないこと

確認できたことは、次の4つです。

確認できないことは、次の5つです。

前の記事では、入札資格がどの程度の受注につながるのかを見ました。この記事では、その入札の機会を誰がどう使っているのかを見て、公開データで分かることと分からないことの境目を示しました。入札価格の動きの似かたは公開データで見えますが、その先にある会社どうしの関係は、登記や株主名簿、会社の中の情報を見ないと分かりません。

入札の実績があることは、その会社に施工の力があることと同じではありません。落札額があることも、その会社が実際にその工事を施工したことと同じではありません。落札の後に何が起きたのかを確かめるには、入札のデータだけでは足りず、決算書(外注費や労務費)、施工体制台帳、下請けとの契約といった、落札の後の資料と突き合わせる必要があります。

よくある質問

Q. 公共工事の入札に、不正はありますか。

大阪市の工事の入札(2022年10月1日〜2026年9月1日の開札分)を公開データで調べると、同じ案件に並んで入札価格が似た動きをする会社の組(39組・62社)などの特徴は見つかりました。ただし、それが不正なのか、関係会社なのか、同じ積算情報を使っているだけなのかは、公開データでは判定できません。

Q. 公共工事の入札で、談合はどう見分けるのですか。

公開データで確かめられるのは、入札価格の動きの似かた、同じ案件への同時参加の多さ、入札参加資格者名簿の電話・ファクシミリが同じかどうか、などです。資本の関係、役員の兼任、営業をする人が同じかどうかは、公開データでは確かめられません。

Q. 2つの会社が同じ入札に参加するのは問題ですか。

大阪市は、資本の関係・役員の兼任・連絡先や営業をする人が同じ、などの関係にある会社については、同じ入札に参加できるのを1社に限っています。こうした関係がない別々の会社が同じ入札に参加することは、問題ありません。

Q. 公共工事の一括下請負(丸投げ)は認められていますか。

建設業法22条は一括下請負を禁じ、民間の工事では発注者の書面による承諾があれば例外を認めています。公共工事では、入札契約適正化法14条により、この例外も認められていません。

Q. 厚生年金の加入者が少ない会社でも、公共工事を受注できるのですか。

入札参加資格があれば、加入者の数にかかわらず入札し、落札すれば受注できます。一方、一定の金額以上の工事では、現場ごとに専任の技術者を置く必要があります。厚生年金の加入者数と技術職員の人数には差がある会社が多く、加入者数だけでは、受注した工事に必要な技術者を置けるかどうかを判定できません。

Q. 公共工事の入札実績がある建設会社を買うとき、何を確かめればよいですか。

入札実績は会社の実態をそのまま表す数字ではありません。誰が積算し入札しているか、落札した工事の技術者と施工体制、下請けへの依存の度合い、経営事項審査の技術職員と実際の人員の対応、一緒に入札している会社との資本・役員のつながり、民間の工事での売上と利益を確かめることをおすすめします。

Q. 入札の金額は、積算して決めているのですか。

大阪市の工事の多くは予定価格が事前に公表されるため、予定価格を入札額を決める際の参考にできます。実際にどのように積算しているのかは、入札の記録からは分かりません。


APPENDIX A 線の引き方を変えたときの結果

第2章の結果が、候補の選び方と相関の線にどの程度左右されるかを示します。候補を選ぶときの「入札額の差」は、2社のうち低い方の入札額に対する割合です。

入札額の差の線候補の組順位相関0.7以上0.8以上0.9以上0.8以上のうち、0.5%の線の39組と重なる組
0.3%167組57組35組11組35組
0.5%(本文)2,141組79組39組11組―
1.0%22,090組106組57組26組39組

線を狭めると候補は大きく減りますが、0.8以上の組は35組残り、そのすべてが0.5%の線の39組に含まれます。線を広げると候補は約10倍になりますが、0.5%の線の39組はすべて0.8以上に残ります。0.8以上の組は、線の引き方に大きくは左右されませんでした。

APPENDIX B 厚生年金の加入者の規模と物件等級ごとの入札

2022年10月1日〜2026年9月1日の開札分。本店が大阪市内で、厚生年金の加入者数が分かった会社の入札です。会社は複数の等級に入札するため、社数は等級をまたいで重なります。

厚生年金の加入者物件等級入札した会社入札の回数落札1回の入札が落札につながった割合
0〜1人B17社737回20件2.71%
0〜1人C55社6,553回108件1.65%
0〜1人D46社11,876回73件0.61%
0〜1人等級なし51社1,483回21件1.42%
2〜5人A47社3,883回91件2.34%
2〜5人B183社12,811回239件1.87%
2〜5人C347社59,906回811件1.35%
2〜5人D220社52,092回433件0.83%
2〜5人等級なし324社10,509回309件2.94%
6〜10人A46社4,215回79件1.87%
6〜10人B182社16,348回327件2.0%
6〜10人C207社32,010回455件1.42%
6〜10人D55社8,724回81件0.93%
6〜10人等級なし232社8,382回298件3.56%
11〜30人A58社5,390回120件2.23%
11〜30人B216社22,696回392件1.73%
11〜30人C152社24,046回294件1.22%
11〜30人D48社8,151回68件0.83%
11〜30人等級なし247社7,573回250件3.3%
31人以上A83社2,339回215件9.19%
31人以上B100社7,459回143件1.92%
31人以上C39社3,431回41件1.19%
31人以上D9社392回5件1.28%
31人以上等級なし151社3,549回217件6.11%

同じ等級の中では、加入者の数による当たる割合の差は小さく、D等級では0.61〜1.28%、C等級では1.19〜1.65%でした。加入者が0〜1人の会社の当たる割合が低く出るのは、1件に入札が集まりやすいD等級の工事に、入札が偏っているためです(0〜1人の会社の入札のうちD等級が57.5%)。31人以上の会社のA等級(9.19%)は、入札する会社が少ない大きな工事です。

APPENDIX C 計算の手順

  1. 会社は、大阪市の入札参加資格の承認番号で見分けました(社名ではありません)。
  2. 各案件で、入札したすべての会社の入札額の中央値を出し、その会社の入札額÷中央値−1を「入札価格の位置」としました。入札が5社以上の案件だけを使いました。
  3. 同じ案件の入札額を小さい順に並べ、隣り合う会社の入札額の差が、低い方の入札額の0.5%以内なら、その2社を「近い」と数えました。
  4. 「近い」が35件以上ある組のうち、同時に参加した案件が50件以上、参加の少ない方の会社の参加案件の9割以上で同時に参加、同時に参加した案件の7割以上で「近い」、の3つを満たす組を候補としました(2,141組)。
  5. 候補の組ごとに、同時に参加した案件での2社の位置の順位相関(スピアマン)を出しました。
  6. 順位相関が0.8以上の組を線で結び、つながった会社のまとまりを1つの群れとして数えました(26の群れ・62社)。
  7. 第3章の照合では、両社とも入札参加資格者名簿で確かめられた28組について、電話・ファクシミリの番号、代表者の氏名、本店の所在地(番地まで)を比べました。
  8. 第4章では、工事ごとに落札額(税込)が専任の技術者を置く金額以上かを判定し、落札決定の予定日から工期の完成期限までの期間が重なる工事の数の最大を、会社ごとに数えました。

調査の方法

この記事は、2026年10月3日時点で公開されている入札の記録と公表資料をもとに集計したものです。特定の会社や個人の違法性を評価するものではありません。

五十嵐悠一
監修・執筆責任者
株式会社日本財務戦略センター 代表取締役。京都大学経済学部経営学科(マーケティングゼミ専攻)卒。損害保険ジャパン本店営業部(企業リスク・法務)を経て、東証上場M&A仲介会社にて多数の成約に従事。2020年に株式会社日本財務戦略センターを創業し、M&A・事業承継・財務戦略を専門としています。日本CFO協会認定 プロフェッショナルCFO M&Aエキスパート/中小企業庁 M&A支援機関登録事業者/一般社団法人M&A支援機関協会 正会員/中小M&Aガイドライン第3版 遵守宣言済です。

この記事は、2026年10月3日時点で大阪市が公開している工事の入札の記録、大阪市の公表資料、法令、日本年金機構の適用事業所の検索、公表されている建設業者の届け出をもとに、株式会社日本財務戦略センターが独自に集計したものです。見つかったのは入札のふるまいの特徴で、不正や談合の証拠ではありません。特定の会社や個人の違法性や信用を評価するものではなく、会社名・個人名・住所は示していません。
記載に誤りがある可能性があります。お気づきの点がありましたら、お問い合わせよりご連絡ください。速やかに確認のうえ対応いたします。

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