2023年度上半期「ゼロゼロ融資」利用後の倒産と「コンプライアンス違反」

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公開日:2023年10月16日 /最終更新日:2023年10月16日

2023年度上半期「ゼロゼロ融資」利用後の倒産状況と「コンプライアンス違反」倒産

東京商工リサーチから2023年度の「ゼロゼロ融資」を使用した後の倒産件数が発表されました
返済開始前には倒産が多数起きる可能性があるとの懸念がありましたが、333件という件数については、多いという見方とそれほど多くなかったという見方の二通りがあるようです。

中小企業庁の観測では「返済は順調」であり「コロナ前と変わっていない」という見方の様です。
トレンドではコロナ融資開始前と同程度の倒産件数に戻しており、今後も物価高や人手不足など、コロナ前よりも外部環境が悪化した事象が企業経営に関して影響を与えるということは否定しえないでしょう。

また「コンプライアンス倒産」と言われているコンプライアンスに関係した倒産が増加しているのも気がかりです。
内訳も、以下の通り東京商工リサーチの飲用になりますが、

 2023年1-9月の「コンプライアンス違反」の内訳は、トップが「税金関連」の33件で、次いで、「不正受給」が15件、「粉飾決算」は6件だった。ピークだった2018年はトップが「税金関連」の105件、次いで、「雇用関連」の13件で、「税金関連」が突出している。

「不正受給」が目立っています。
これはコロナ対策として取られた各種の給付金や助成金の不正受給の返還などに伴うもので、風評なども考えると返還だけではすまず売り上げにも影響していったと考えられるでしょう。
国も返還をしない受給者は公表を行っていることもあり、融資などの信用にも影響すると考えられます。
(中小事業者だけではなく個人に迄広まったことは嘆かわしいことでした。2021年から問題視されていますが、直近でもニュースになっていることから国はまだ追う方向でしょう)

コンプライアンス違反をおこなってしまったら

不正受給に限らず、コンプライアンスを遵守することが望ましいのですが、「魔が差してしまう」ということは先が見えないコロナ禍の下では起こり得てしまうのかもしれません。
返還や是正などの措置を行うことで対応することが可能であればそうしたほうがいいと思います。
しかしすでに抜き差しならぬところまで来てしまっている事業者もあるでしょう。
その場合はM&Aを行ってもコンプライアンスリスクを取る譲受けの相手が見つかりづらいことから倒産も視野に入ってくるかもしれません。
ただ単純に倒産させてしまうと取引先や従業員に迷惑をかけてしまいます。
そこで前回、コラムで説明した第二会社方式による事業再生を行うことで経営を存続させながら、経営者自身の生活も大きな変化をさせず継続できる可能性があります。
(ご参考:「倒産しても経営者の住宅を守れる? 連帯保証と民事再生手続きの「住宅資金特別条項」「事業再生のための「第二会社方式」とは」

あくまでも技術的な論点ですが、第二会社方式で債務や簿外債務を切り離すことで、スポンサーを探しやすくなります。
また顧問や従業員など「給与所得者」として雇用されることで、住宅ローンがある場合は自己再生を行ってもその返済を継続できる(売らなくてよくなる)というところもポイントでしょう。
税金は免責対象ではないので仮に自己破産を行っても消滅しませんが、雇用されることでそこから分割返済を行ったり、時効の援用などを行うことが検討されるのではないでしょうか。

移譲のように、コンプライアンス違反の場合、通常の経営不振とは異なり、かなりM&A等による救済ということは難しくなると思います。
ただし「何も打つ手はない」ということはなく、やれる範囲でできることは多々あるので、ぜひ弊社をはじめとした専門家にご相談ください。
弊社でも専門家とともに企業再生(事業再生)支援サービスを提供しております
今後がご不安な経営者はお気軽にご相談ください。
少し気になるのはどういうキーワードで弊社のサイトにアクセスしているのかが見れるのですが、最近「経営者」「死にたくなる」で検索してアクセスしている人たちが増えていることです(このコラム「資金繰りでお悩みの経営者は何をすべきか」にアクセスされているようです)。
顧問弁護士や税理士でもなかなかコンプライアンスについて相談できる相手は少ないかもしれませんが、第三者である弊社であれば気楽に話せることもあるでしょう。
悩んで眠れなくなる日を過ごすのもつらいと思います。
ご相談いただければ幸甚です。

 

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