【食品製造業・食品卸様向け】現在のコロナ禍におけるM&A環境を大手企業がどう見ているか

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公開日:2021年4月25日 /最終更新日:2024年7月24日

コロナ倒産

コロナ倒産が加速度的に増している、という記事が出ています。
特に影響を受けているセグメントとして、外食ですし、外食と関連性の深い食品製造業や食品卸があるでしょう。
https://diamond.jp/articles/-/268485

私が売り手様を訪れている印象としても、百貨店や外食への卸などの業種が大きなダメージを受けている印象が強いです。
スーパーなどへの卸やEC事業で成果を出している企業についてはむしろプラス(しかも大幅な)になっていると仄聞していますが、従来のチャネルに固執していると、卸先も先細りのため、納入単価の削減などの交渉もあり、卸の数量の減少と単価の減少のダブルパンチによる売り上げと利益率の減少が食品メーカーや食品卸で起きていることを強く感じていますし、イベントドリブンではないですが、場当たり的な「緊急事態宣言」により食品の廃棄(コスト増大)や食材の仕入れ(売り上げが見込めない)ができないという話も聞きます。

外食再編を見据える大手企業

資本業務提携先の探索については色々なところからご相談をいただくのですが、今回は、外食再編を見据え、大手飲料メーカーからもM&Aのご相談をいただいています。
元々は外食業界のM&Aのみを見据えてのお声がけでしたが、弊社としては直裁的なM&A案件のご紹介については他社と差別化できないこともあり控えている旨をお伝えいたしました。
その代わり、食品製造業や食品卸というカテゴリーについては、先方の外食業界に対するM&Aの触媒になると考え、また譲渡企業の立場に立てば販路の拡大につながるということで積極的に提案を行なっております。

外食産業は「食べる場」であったり「食べるもの」を提供する産業であると思料しますが、単純にそう言った業種だけではなく、「食べるものを作る会社」「食べるものを作る手段を提供する会社」を引き合わせることで、さらなるシナジー効果が外食企業や食品製造・卸、双方に対して産まれ、スマイルカーブの川上と川下を強化し利益率を高められることを弊社は考えています。
(付加価値の提案ができなければ弊社のM&Aにおける価値は既存社と比べてないものと考えております)

将来を見据えてどうすべきか

現在、同業他社と比較してどのようなポジションにいるのか、そして今後どうしたいのかということを真剣に考えてるタイミングだと思います。
一例ですが、元々EC事業をやっていた会社のEC部門が17倍になったであったり8倍になったであったりという会社は、弊社のお取引先から聞いています。ただし、今までECをやったことがなくノウハウもない会社が今からECをやって、それだけ大きな売り上げが上がるのか、という問題はありますし、販管費をつぎ込んでやっても利益が上がらなければ意味がないでしょう。

そして逡巡している間に、今できている企業はさらに売り上げを伸ばして資本を蓄積し、やれていない会社は負債が増えて自己資本を毀損していきます。
仮にコロナが終わり、元の状態に戻っても、スタートダッシュで差がついてしまったら今後の競争の中で取り戻すのは難しい可能性が極めて高いです。

では今、コロナによる売り上げの低迷に悩んでいる企業はどうしたらいいのでしょうか。

資本業務提携による売り上げの向上

弊社には全国のスーパーや生協に口座を持っていたり、自社で数百店舗以上販路を持っている会社からグループインしていただける会社を探しているとお声がけをいただいています。
これは今、先方が譲受対象企業の販路に対してさらに自社で持っている販路をプラスし、全体として売り上げをあげるということを考えているからです。
譲受対象企業からしても、今現在の体制で売り上げが上がり、供給量の増加により粗利も増えるのであればメリットがあるのではないでしょうか。

また単純に事業会社との販路拡大だけではなく、例えばPEファンドの投資対象となり、その投資されたエクイティで生産設備の増強やPEファンドとの投資先と協業しての販路拡大など様々な会社規模拡大政策は考えられると思います。

「M&A」という響きは「身売り」というイメージがまだまだ強いですが、資本業務提携を行うことで今まで経営してきた会社を大きくし、かつ自分自身も関与していくのであれば、何もしないまま衰退していくよりも大きな一歩ではないでしょうか。
実際、PEファンドの投資先を変えて飛躍した外食チェーンもありますし、それに伴い機会収益が増大した食品製造業や食品卸の会社もあります。
他社の資本を入れて会社を大きくしていく、というのは100%オーナーシップにこだわって会社を潰す(あるいは会社の可能性を減らす)よりもいいことではないでしょうか。

さてM&Aを行うには赤字や債務超過ではできない、というイメージを持たれている方も多いですが、弊社へご連絡いただいている先は赤字や債務超過であっても進めていく方もいらっしゃいますのでご安心ください。
またよほど難しい場合であれば弊社でM&Aがやりやすいように事業再生の支援対応します。

弊社の特徴

ここで一点、弊社の特徴についてお伝えさせてください。
一般的に通常のM&A仲介は赤字の案件であったり債務超過の案件はやりたがらないと思います。
それは単純に「売りづらい」からであり、彼らが買い手に対して提案する軸が「何年でペイするか」という判断材料だけだからです。

弊社は「この案件がどうなったらプラスになるのか」「どうしたら再生できるのか」ということを、熟練した買い手や大手法律事務所のパートナー弁護士と協議しながら対応を行うため、債務超過・赤字の案件でも成約に結びついています。
また利益が出ていない案件でも買い手に対し「スクラッチで一から作るよりもこちらをM&Aする方がメリットがある」という提案をすることで、大規模ファンドに対しても検討してもらうことができています。

言い方が悪くとられたら申し訳ありませんが、他社で相手にされなかったとしても、弊社にご相談いただき、M&A実行に結びつくケースは多々ありますので、もし財務内容についてお悩みになられていたとしても、ぜひご相談いただければと思います。

弊社は今、直面している内容で専門家とともに最適解を提案させていただきます。

なおアップサイドを目指して資本業務提携をされている方にはPEファンドなどの譲渡先を、大手資本と一体になってやられたい方に対しては一般事業法人を、現在のダウンサイドを最小限にして再生を図りたい方に対しては事業再生スキームを提案していきたいと考えています。

現在の会社のあり方に満足できず、アップサイドを目指す方についてのコラムは別途記載したいと考えています。
しばしお待ちください。

なお私的整理などに関する事業再生(企業再生)については以下のコラムも参考にしてください。

企業再生スキームとM&A
債務超過企業と企業再生(準則型私的整理編)
【事業再生】特定調停スキームとは
【事業再生】事業再生ADR制度について
地域経済活性化支援機構(REVICとは)
事業承継時の「経営者保証に関するガイドライン」の特則
「経営者保証に関するガイドライン」とは

 

コロナ禍のM&Aについては日本M&Aセンター様の動画がきちんと説明できているので、こちらもご参考にしてください。

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  6. 弊社の設立経緯・理念について