公開日:2020年8月27日 /最終更新日:2024年7月24日
*2024年4月3日更新:弊社と連携して頂いているクレジオパートナーズ様が手数料一覧を作成されていますのでそれを先に掲示します(許可をいただいています)。
各社の報酬体系をご念頭に記事を読んでいただくと理解がさらに深まると思います。
「業界最安値」手数料の定義とは?
数学会で長年の謎とされている問題の一つに「リーマン予想」というものがありますが、M&A仲介業界でも謎めいた問題として、「当社の手数料方式はレーマン方式を採用しています。また業界最低水準です」と謳って記載している仲介会社が散見されます。
色々な仲介会社で「業界最低水準」との文言が記載されている印象がありますが、さて一体どこの会社が正しいことを言っているのでしょうか?
そもそも各社が標ぼうしているレーマン方式って何でしょうか?
レーマン方式と計算方法
レーマン方式については諸説ありますが、一説にはドイツ人のレーマン博士が考案した方式で、譲渡対価をブレークダウンし、それぞれに料率をかけて合計額を計算するという計算方法です。
例えば譲渡対価が6億円の場合、当社であれば5億円までの部分と5億円を超えた1億円(6億円―5億円=1億円)に対し、それぞれ5%と4%を乗じ、小計の2,500万円と400万円の合計額である2,900万円を手数料として頂戴しております。
ただ「レーマン方式」とはあくまでも計算方法であるためこの%の中身やどこで区切るのか、という点について特段の取り決めはありません。
そうするとレーマン方式については分かったものの、実際に手数料が最安値となる会社はどこなのでしょうか?
結論から申し上げると、「依頼して見積もってもらわないとわからない」というのが実情です。
先ほど記載した通り、レーマン方式で何に対して計算を行うのかという問題があります。
当社の場合は譲渡対価(株価)+リファイナンスを行う負債部分をベースにしています。
そのため一見、「株価だけに対してリーマン方式で計算します!」という会社より割高に見えるかもしれません。
問題はレーマン方式ではなかった! 最低報酬とは
しかしこの他に「最低報酬」という概念があります。
例えば当社の場合は最低報酬を500万円と規定しており、それを超える譲渡対価(含む負債部分)の場合、レーマン方式を用います。
例えば譲渡対価(含む負債)が6000万円だった場合、6000万円×5%=300万円<500万円(最低報酬)であるため、500万円を成功報酬として頂きます。
譲渡対価が2億円(含む負債)だった場合、2億円×5%=1,000万円>500万円のため、1,000万円が手数料になります。
「え? これなら株価にだけ対してだけレーマン方式で5%って書いてある会社の方が安いじゃない! そっちでやった方が得!」と思われる向きもあるかもしれません。
ここで重要になってくるのが「最低報酬」になります。一見、当社の計算式が割高に見えますが、仮に最低報酬が1500万円や2000万円の会社に相談した場合、最終的には譲渡対価(含む負債)が2億円の会社だったとすると、当社の手数料であれば1000万円になりますが、最低報酬がそれ以上の場合、1,500万円や2,000万円の請求となってしまい、結果として当社より割高になってしまいます。
またこのような高い最低報酬を設定している仲介会社の場合、成果を反映しない固定報酬制のようなものになってしまうので、仲介会社の担当者は、売り手様の立場に立って交渉しようというよりも、話をまとめるために買い手を優先しようと思う可能性が高いです(固定報酬なら売り手のために頑張ろうとするよりも、譲渡対価を下げてでも買い手との話がまとまればいい、と思いますよね)。。
結局手数料はだれが負担するのか
これと同様のお話として「手数料0円!」をうたっている会社もあると思います。これはなお「タダより高い物はない」と思います。
というのも仲介会社は1件のM&A仲介で収益を上げる手数料金額を想定していますが、売り手からもらえないなら買い手からもらおうと思いますよね。
つまり売り手が払うべき手数料も載せて買い手に高額の手数料を請求したいと考えるでしょう。
とはいえ当然、買い手も買収価格と手数料の合計額でM&Aを考えているので、「はい、わかりました」というわけにはいきませんよね。
そうすると先ほどのお話と同じで、仲介は譲渡対価を下げてでも成約させたい(買い手の立場に立って動く)というインセンティブが発生します。
またM&Aは譲渡後にトラブルがないよう譲渡契約をきちんと定めることが何より重要なのですが、買い手側に立った仲介が破談覚悟で売り手のために契約書の落とし穴を指摘するでしょうか。
その意味で、「売り手様から手数料を頂きません!」という考え方は「後出し最低報酬」以上にどうなのかなあと思います。
株式会社日本財務戦略センターでは面談時に譲渡対価の目線とそれに伴う手数料概算額を説明いたします。
お気軽にぜひご相談ください。
2021年7月8日修正
M&A仲介については以下のブログも参考にしてください
「M&A仲介への不信感4選」
仲介かFASか
「M&A仲介会社の手数料」上場・非上場会社との比較!
M&Aで会社を譲渡する際に失敗しないための21のポイント!
売り手がM&Aを始める前に確認すべき5つのこと
【年倍法】M&Aの「価格」と「価値」の違いとは
「御社を買いたい人がいるから売ってくれと言われているが本当か」問題
M&A仲介会社の「業界最安値」手数料問題とは
仲介会社が入る意味とは
コメント