
「倒産」と「破産」は同じ意味で使われることが多いが、数えると別の数字になる。そしてどちらでもない「自主廃業」が、その何倍もある。2025年に登記が閉鎖された法人は11万7,392社。民間の集計で「倒産」と呼ばれたのは1万300件、裁判所で破産の手続が始まった法人は8,804件、破産して債権者に配当があったのは2,072件。一方、株主総会などの決議で解散の登記をした会社は年4万3,216社(2024年・登記統計)。本稿は、この階層を公表統計と法人番号データベースで数え、どの言葉が何を指すのか、そして倒産ではなく自主廃業で終わるには何が要るのかを、件数と条文で示す。
<a href="https://jfsc.jp/research/company-closure-paths-japan/">倒産と破産と自主廃業は、違う ── 会社の終わり方を、法人番号と官報で数えた|株式会社日本財務戦略センター</a>文章での出典表記:株式会社日本財務戦略センター「倒産と破産と自主廃業は、違う ── 会社の終わり方を、法人番号と官報で数えた」(2026年9月8日) https://jfsc.jp/research/company-closure-paths-japan/三つの言葉は、決めている主体が違う。
| 言葉 | 誰の定義か | 中身 | 件数 |
|---|---|---|---|
| 破産 | 破産法 | 裁判所が開始決定をし、管財人が換価して配当する手続 | 法人8,804件(2025年・司法統計) |
| 倒産 | 東京商工リサーチ・帝国データバンク | 負債1,000万円以上で、法的整理(破産・特別清算・民事再生・会社更生)または私的整理(不渡り・内整理)に至った企業。個人企業を含む | 1万300件(2025年) |
| 自主廃業 | 会社法(通常清算) | 株主総会の決議などで解散し、清算人が債務を弁済して残余財産を分配し、清算結了の登記をする | 解散4万3,216社・清算結了3万8,775社(2024年・登記統計) |
破産は法律の手続、倒産は民間の集計、自主廃業は法律の手続だが「倒産」の集計には入らない。以下、順に数える。
倒産という言葉は、破産法にも会社法にも出てこない。東京商工リサーチ(TSR)と帝国データバンク(TDB)が企業の経営破綻を集計するときの定義がある。TSRは「負債1,000万円以上」で、破産・特別清算・民事再生・会社更生の法的整理と、銀行取引停止処分・内整理などの私的整理を合わせて「倒産」と数える。個人企業も含む。
私的整理といっても、ここに入るのは不渡りを2回出して銀行取引停止処分を受けた会社と、支払を止めて債権者と協議に入った会社である。金融機関と話し合いながら事業を続ける私的整理(私的整理ガイドライン・事業再生ADR)は事業を止めないので、倒産には数えられない。倒産は、負債を払えなくなった会社だけを数えている。負債を払い切って会社を畳んだ場合は、どれだけ多くても倒産ではない。
2025年の全国企業倒産は1万300件(TSR・前年比2.9%増)。負債1億円未満が7,892件(76.6%)で、30年間で最も小口に寄った。月次の集計では、形態別で破産が約9割を占める(2025年1月91.6%、5月90.4%、6月89.5%)。
破産は破産法(平成16年法律第75号)が定める手続で、裁判所が破産手続開始の決定をし(第30条)、破産管財人が財産を換価して債権者に配当する。配当できる財産がなければ手続を廃止する(第217条)。法人の破産は、裁判所の司法統計で数えられている。
| 年 | 法人等の破産新受(司法統計) |
|---|---|
| 2022 | 5,620件 |
| 2023 | 7,470件 |
| 2024 | 8,661件 |
| 2025 | 8,804件 |
倒産1万300件と法人の破産8,804件は母集団が違う(倒産は個人企業を含み負債1,000万円以上に限る)ので、引き算で差を出すことはできない。倒産に数えられて法人の破産に入らないのは、個人企業の破産、民事再生、特別清算、会社更生、私的整理で、それぞれの規模は次のとおり小さい。
| 手続 | 2025年の件数 | 出典 |
|---|---|---|
| 民事再生(通常再生・既済) | 102件(うち終結83件・廃止10件) | 司法統計 第109表 |
| 会社更生(既済) | 16件(うち終結15件) | 司法統計 第110表 |
| 特別清算の開始決定 | 274社 | 官報AI 法人倒産データベース |
会社を続けながら債務を整理する民事再生・会社更生は、法人の破産8,804件に対して年118件。中小企業の倒産は、ほぼ破産である。
破産した法人がその後どうなるかは、官報の破産公告1万9,616社を数えた別稿に書いた。2025年に手続が終わった法人8,298件のうち、配当ゼロの「廃止」が6,064件(74.5%)、配当があった「終結」が2,072件。開始から廃止までの中央値は130日。
帝国データバンクは「倒産(法的整理)を除き、特段の手続きを取らずに企業活動が停止した状態を確認、もしくは商業登記等で解散を確認した企業」を休廃業・解散として数えている。2025年は6万7,949件で、前年(6万9,019件・過去最多)に次ぐ水準。倒産1万300件の6.6倍にあたる。休廃業した企業のうち直前の決算が黒字だった割合は49.1%で、初めて50%を割った。資産が債務を上回る「資産超過型」は63.4%、黒字かつ資産超過は15.2%。休廃業時の代表者の平均年齢は71.5歳で、70代以上が63.7%を占める。なお同社の集計はみなし解散を除いている。
国税庁の法人番号公表サイトには、全法人の登記の閉鎖日と閉鎖事由が載っている。2016年以降の閉鎖を、事由別に数えた。
| 年 | 清算結了 | 合併による解散 | 登記官の職権による閉鎖 | その他 | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2016 | 44,604 | 4,760 | 23,587 | 188 | 73,139 |
| 2017 | 44,835 | 4,952 | 9,788 | 132 | 59,707 |
| 2018 | 43,786 | 5,202 | 10,717 | 168 | 59,873 |
| 2019 | 45,074 | 5,194 | 10,667 | 177 | 61,112 |
| 2020 | 43,913 | 5,223 | 10,583 | 99 | 59,818 |
| 2021 | 42,683 | 5,716 | 10,020 | 133 | 58,552 |
| 2022 | 40,704 | 5,589 | 8,563 | 120 | 54,976 |
| 2023 | 46,340 | 5,553 | 8,547 | 129 | 60,569 |
| 2024 | 49,548 | 5,773 | 8,304 | 98 | 63,723 |
| 2025 | 51,278 | 6,464 | 59,566 | 84 | 117,392 |
清算結了は、解散して清算を終えた法人。2022年の4万704社から2025年の5万1,278社へ、3年で26%増えた。休廃業・解散が過去最多圏にある帝国データバンクの集計と、向きが合う。
登記官の職権による閉鎖は、商業登記規則第81条による。解散の登記から10年経っても清算結了の登記がない会社の記録を、登記官が閉鎖する。閉鎖日を見ると毎年1月に一括で処理されている(2025年は1月22日〜31日に5万9,565社)。
2025年に例年の6倍になった理由は、10年前にある。法務省は12年以上登記のない株式会社を休眠会社として整理し、みなし解散の登記をする。2002年度を最後に止まっていたこの作業が2014年度に再開され、この一回で7万8,979社の株式会社がみなし解散された(2015年1月20日)。その10年後が2025年1月である。5万9,565社という数は、7万8,979社のうち、その後に継続・清算・別の事由で閉鎖されなかった残りとして整合する。
以後の整理作業は毎年行われており、みなし解散は令和6年度2万6,885社、令和7年度2万5,195社(いずれも株式会社)。これらの記録は、10年後の2034年、2035年に閉鎖される。
清算結了の登記は、債務をすべて弁済し、残った財産を分配してからでないとできない。つまり清算結了5万1,278社は、原則として負債を払い切って終わった会社である。ただし法人番号データベースの事由コード「清算の結了等」には、破産手続が終わって登記が閉鎖された会社も含まれる。別稿の破産法人1万2,471社(法人番号が取れた分)を法人番号データベースに突き合わせると、破産手続廃止の決定から中央値21日で、同じ「清算の結了等」として閉鎖されていた。
破産由来を差し引くと、倒産ではない終わり方の下限が出る。
| 2025年 | 件数 | 読み |
|---|---|---|
| 清算結了 | 51,278社 | 法人番号公表サイト |
| うち破産由来(上限) | 8,298社 | 司法統計の法人破産既済(廃止6,064+終結2,072+その他)。突合で確定したのは3,526社 |
| 払い切って畳んだ清算(下限) | 約43,000社 | 清算結了 − 破産既済 |
| 合併による解散 | 6,464社 | 事業と負債を引き継ぐ会社がいる終わり方 |
| 倒産 | 10,300件 | 負債を払えなくなった終わり方(TSR) |
負債を払い切った清算が約4万3,000社、引き継ぐ相手がいた合併が6,464社。倒産1万300件の4倍以上の会社が、倒産ではない形で終わっている。帝国データバンクの休廃業・解散6万7,949件のうち黒字が49.1%(約3万3,000社)という数字とも、桁が合う。
特別清算だけは境目にある。TSRは法的整理として倒産に数えるが、実務では親会社が債務超過の子会社を清算するときに使われることが多く、オーナーにとっては計画された終わり方である。2025年の開始決定274社(官報AI)は、倒産1万300件の2.7%にあたる。
上の約4万3,000社は引き算による推定だが、自主廃業は直接数えられる。法務省の登記統計に、会社の種類別・登記の種類別の件数がある。「解散」の登記は株主総会の決議などによる解散で、破産手続開始による解散も、休眠会社のみなし解散(登記官の職権)も、合併による解散も含まない。つまり自主廃業の入口の実数である。
| 年 | 解散の登記 | 清算の結了 | 会社の継続 | 設立 |
|---|---|---|---|---|
| 2015 | 38,740 | 31,705 | 1,437 | 111,026 |
| 2016 | 40,733 | 34,552 | 1,212 | 114,192 |
| 2017 | 40,055 | 35,020 | 1,252 | 118,649 |
| 2018 | 39,751 | 34,022 | 1,477 | 116,069 |
| 2019 | 41,201 | 35,255 | 1,694 | 118,437 |
| 2020 | 36,419 | 33,842 | 2,654 | 118,924 |
| 2021 | 36,547 | 33,312 | 2,332 | 132,294 |
| 2022 | 36,142 | 32,644 | 2,318 | 129,498 |
| 2023 | 42,925 | 36,962 | 2,258 | 141,420 |
| 2024 | 42,780 | 38,351 | 2,138 | 140,445 |
(株式会社・特例有限会社・合同会社の合計。合名・合資を含む会社全体では2024年に解散43,216・清算結了38,775・継続2,142)
解散の登記は年4万社前後で、2023年から4万3,000社に乗った。清算結了は3万8,000社。前節の推定(法人番号データベースの清算結了から破産既済を引いた約4万3,000社)と、桁も向きも合う。法人番号データベースの2024年の清算結了4万9,548社は、登記統計の清算結了3万8,351社に、破産手続の終了による閉鎖(約8,000社)と会社以外の法人(一般社団法人・医療法人など)を足した数として説明できる。
会社の継続は、みなし解散などから株主総会の決議で復活した会社で、年2,000社。みなし解散が年2万5,000〜3万社なので、1割弱が戻っている。
形態別に見ると、有限会社の解散は2015年の1万9,170社から2024年の1万6,706社へ減り、合同会社は1,844社から5,279社へ増えた。合同会社の設立が年4万社を超えたので、畳む数も増えている。
事業所の側からも数えられる。雇用保険事業年報では、雇用保険の適用事業所(雇う人がいる事業所。個人事業を含む)のうち保険関係が消滅した事業所が、令和6年度に8万9,069。令和4年度の7万6,646から2年で1万2,000増えた。ただしこれは会社ではなく事業所の数で、毎年9月に約2万9,000の一括整理を含む。
| 段階 | 件数 | 出典 |
|---|---|---|
| 登記が閉鎖された法人 | 117,392社 | 法人番号公表サイト |
| うち解散登記から10年後の職権閉鎖 | 59,566社 | 同上(商業登記規則81条) |
| うち清算結了 | 51,278社 | 同上 |
| 休廃業・解散 | 67,949件 | 帝国データバンク |
| 解散の登記(自主廃業の入口・2024年) | 43,216社 | 法務省 登記統計 |
| みなし解散(令和7年度・株式会社) | 25,195社 | 法務省 |
| 倒産(負債1,000万円以上・法的+私的整理・個人含む) | 10,300件 | 東京商工リサーチ |
| 法人の破産 | 8,804件 | 司法統計年報 第105表 |
| 破産して配当があった法人 | 2,072件 | 司法統計年報 第108表 |
「会社が潰れる」という言葉が指しているのは、11万から2千までの、どの段階かで意味が違う。倒産1万300件の上に、倒産ではない終わり方が何層もある。
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倒産と自主廃業を分けるのは、経営者の意思ではなく、会社法の条文である。
清算株式会社の財産が債務を完済するのに足りないことが明らかになったとき、清算人は直ちに破産手続開始の申立てをしなければならない(会社法484条1項)。株主への残余財産の分配は、債務を弁済した後でなければできない(502条)。つまり自主廃業は、資産が負債を上回っている間にしか選べない。債務超過になってから解散しても、清算の途中で破産に切り替わる。
数字で見ると、破産した法人の4社に3社は配当ゼロの廃止で終わる(別稿・司法統計74.5%)。これは債権者に配る財産すら残っていない段階で裁判所に来ていることを意味する。帝国データバンクの休廃業・解散6万7,949件のうち黒字は49.1%、資産超過型は63.4%。半分は赤字のまま畳んでいるが、赤字と債務超過は別で、赤字でも資産が負債を上回っていれば自主廃業はできる。逆に残りの36.6%は債務超過の状態で事業を止めており、この層は清算に入れば会社法484条で破産に向かう。
解散の登記をしてから清算結了までの手順は会社法が決めている。清算人は就任後遅滞なく財産目録と貸借対照表を作り(492条)、債権者に2か月以上の期間を定めて官報で公告し、知れている債権者には個別に催告する(499条)。この期間中は原則として債務を弁済できない(500条)。債務を弁済し、残余財産を分配し、決算報告を株主総会で承認して(507条)、清算結了の登記をする。最短でも3か月、売掛金の回収や在庫・設備の処分を含めれば半年から1年が要る。
登記統計では、解散4万2,780社に対して清算結了3万8,351社(2024年)。解散した会社の9割が清算を終えているが、1割は清算の途中で止まっているか、破産に切り替わっている。清算結了に至らず解散登記のまま10年経つと、登記官が記録を閉鎖する(商業登記規則81条・2章)。
別稿で、業種別の破産手続廃止率と、その業種の貸借対照表の売掛金・棚卸資産の比率を比べた。売掛金と棚卸資産が多い業種(卸売・製造)ほど配当があり、少ない業種(サービス)ほど配当ゼロで終わる(相関 r=−0.75)。自主廃業でも同じで、回収できる売掛金、売れる在庫、売れる設備が、清算の原資になる。売掛先が倒産していたり、在庫が滞留していたりすると、帳簿上は資産超過でも清算の途中で足りなくなる。
従業員には解雇の30日前の予告か予告手当(労働基準法20条)と、就業規則に退職金の定めがあればその支払が要る。破産では未払賃金立替払制度(令和6年度2,623社・3万591人・110億円)が賃金の一部を肩代わりするが、自主廃業では会社が自分で払う。
金融機関からの借入に経営者保証がついている場合、廃業時にも「経営者保証に関するガイドライン」を使って保証債務を整理できる(2022年3月に廃業時の基本的考え方が公表されている)。取引先には契約の解除と債権債務の精算、店舗や事務所には賃貸借の解約と原状回復がある。
会社を清算する前に、事業を他社に譲る道がある。合併による解散は年6,464社(2025年・法人番号データベース)。事業譲渡は官報に出ないので件数は分からないが、旧会社は事業を渡した後に通常清算に入る。従業員と取引先は引き継がれ、清算の原資は譲渡代金になる。運送会社711社の合併を数えた別稿では、買い手の46.7%が同じ市区町村の同業だった。
順番として、自主廃業も事業譲渡も債務超過になる前にしか選べない。債務超過になってからの選択肢は、破産か特別清算か、債権者の同意を要する私的整理に絞られる。
官報は、法律で公告が義務づけられた事項だけを載せる。会社の終わり方のうち、官報で追えるものと追えないものがある。
| 終わり方 | 官報に出るか | 根拠 |
|---|---|---|
| 破産手続の開始・廃止・終結 | 出る(裁判所公告) | 破産法32条ほか |
| 特別清算の開始・終結 | 出る(裁判所公告) | 会社法 |
| 民事再生・会社更生 | 出る(裁判所公告) | 民事再生法・会社更生法 |
| 解散(清算人による債権者への催告) | 出る(会社公告) | 会社法499条 |
| 合併・会社分割(債権者保護手続) | 出る(会社公告) | 会社法789条ほか |
| 休眠会社のみなし解散 | 出る(法務大臣の公告) | 会社法472条 |
| 事業譲渡 | 出ない | 債権者保護の公告義務なし |
| 休廃業(登記を残したまま事業を止める) | 出ない | 公告事項でない |
事業譲渡と休廃業は官報に出ない。だから「事業だけを譲って会社を畳む」形は、公表統計のどこにも数えられない。倒産統計にも、破産の司法統計にも入らず、法人番号データベースでは数年後に「清算結了」として、あるいは解散登記の10年後に「職権閉鎖」として現れるだけである。
法人番号データベースの現存法人(閉鎖されていない法人)494万2,530社の形態別の構成と、別稿で数えた破産法人1万9,616社の構成を並べる。
| 形態 | 現存法人の構成比 | 破産した法人の構成比 |
|---|---|---|
| 株式会社 | 49.9% | 71.2% |
| 有限会社 | 28.7% | 21.5% |
| 合同会社 | 8.1% | 5.4% |
| その他(一般社団・医療法人・協同組合等) | 13.3% | 1.9% |
株式会社は現存法人の半分だが、破産の7割を占める。有限会社は2006年以降新設できず、古く小さい会社が多いが、破産の比率は現存比より低い。合同会社は現存の8.1%に対し破産は5.4%で、破産まで行かずに清算結了か休眠で終わる会社が多いと読める(合同会社が破産した場合の廃止率は89.6%と最も高い)。
2025年の閉鎖11万7,392社を事由と形態で見ると、職権閉鎖5万9,566社のうち5万4,630社(91.7%)が株式会社で、みなし解散の対象が株式会社(と一般社団・財団法人)に限られることと符合する。清算結了5万1,278社は株式会社2万5,138・有限会社1万6,368・合同会社4,895で、有限会社の割合が高い。
倒産は東京商工リサーチ・帝国データバンクが使う集計上の言葉で、負債1,000万円以上の法的整理(破産・民事再生・会社更生・特別清算)と私的整理を合わせたもの。破産は破産法の手続そのもの。2025年は倒産1万300件に対し、法人の破産は8,804件。
しない。倒産のうち破産は約9割で、残りは民事再生・特別清算・会社更生・私的整理。また倒産統計に入らない休廃業・解散が6万7,949件あり、こちらの方が倒産より多い。
違う。廃業は事業を止めること全般で、負債を払い切って清算する場合も含む。倒産は負債を払えなくなった状態を指す集計上の言葉。2025年は負債を払い切った清算結了が約4万3,000社(破産由来を除いた下限)で、倒産1万300件の4倍ある。
2025年に終わった法人の破産8,298件のうち、配当があったのは2,072件(25%)。残り6,064件は配当ゼロで廃止された。詳しくは別稿「会社が破産すると、その後どうなるのか」。
事業譲渡は官報に出ず、倒産統計にも司法統計にも入らない。旧会社が解散して清算結了すれば法人番号データベースの「清算結了」に、解散登記のまま放置すれば10年後に「職権閉鎖」に、登記を一切しなければ12年後にみなし解散の対象になる。
債務を完済できる間に解散すること。清算中に財産が債務に足りないと分かった時点で、清算人は破産を申し立てなければならない(会社法484条)。手順は解散登記→財産目録→債権者への2か月以上の官報公告→弁済→残余財産の分配→決算報告→清算結了登記で、最短3か月。売掛金の回収と在庫・設備の処分が原資になる。
登記統計で、株主総会の決議などによる解散の登記が4万3,216社、清算結了が3万8,775社(2024年・会社全体)。倒産1万300件の4倍。
法人番号の新規指定(設立等)は2025年に15万5,402件、登記の閉鎖は11万7,392件(うち10年前の解散登記の職権閉鎖5万9,566件)。現存する法人は494万社。
閉鎖法人 国税庁 法人番号公表サイト 全件データ(2026年4月30日更新分・5,688,136法人)
close_date(閉鎖日)× close_cause(01 清算の結了等/11 合併による解散等/21 登記官による閉鎖/31 その他の清算の結了等)
現存法人 同上で close_date が空の法人 4,942,530社
形態 法人種別コード(301 株式会社/302 有限会社/305 合同会社/303 合名・304 合資/399 その他の設立登記法人/401・499 その他)
新規指定 assignment_date(法人番号の指定日)の年別件数
破産由来 別稿の破産法人マスタ(法人番号あり12,471社)を corporate_number で法人番号DBに突合
→閉鎖済みは全件 close_cause=01。廃止決定日→閉鎖日の中央値21日(n=2,375)、終結は−9日(n=636・終結公告より閉鎖登記が先に出る)
破産 司法統計年報 民事・行政編 第105表(新受)・第108表(終局区分・法人その他)
再生・更生 同 第109表(再生既済・事件の種類別)・第110表(会社更生既済・終局区分別)
倒産 東京商工リサーチ「2025年(令和7年)の全国企業倒産1万300件」+月次「全国企業倒産状況」の形態別構成比
休廃業 帝国データバンク「全国企業『休廃業・解散』動向調査(2025年)」
みなし解散 法務省「休眠会社・休眠一般法人の整理作業について」の実施回別件数
職権閉鎖 商業登記規則第81条第1項第1号(解散の登記をした後十年を経過したとき)
特別清算 官報AI 法人倒産データベースの「特別清算開始」公告を法人単位に初出で数えた(2024年164社・2025年274社・2026年1〜9月211社)
登記統計 法務省 登記統計 商業・法人登記 年次 2024年 第16表(株式会社)・第17表(特例有限会社)・第20表(合同会社)
「種類別 登記の件数(平成27年〜令和6年)」の本店分。第32表「会社及び登記の種類別 会社の登記の件数」(2024年・会社全体)
解散/合併又は組織変更による解散/清算の結了/会社の継続/破産又は民事再生に関する登記/設立
★職権による登記(みなし解散)は外数
雇用保険 厚生労働省 雇用保険事業年報 令和6年度 第17表(1) 適用状況(年度別)保険関係新規成立・消滅事業所数
会社法 471条(解散の事由)・472条(みなし解散)・475条(清算の開始原因)・484条(清算株式会社の破産申立)・492条(財産目録)
499条(債権者への公告)・500条(弁済の制限)・502条(残余財産分配の制限)・507条(決算報告)・467条(事業譲渡の承認)
= e-Gov 法令API 417AC0000000086 で条文を確認
| 実施回 | 年度 | 株式会社 | 一般社団・財団法人 |
|---|---|---|---|
| 第5回 | 平成14年度 | 82,998 | ― |
| 第6回 | 平成26年度 | 78,979 | 478 |
| 第7回 | 平成27年度 | 15,982 | 645 |
| 第8回 | 平成28年度 | 16,223 | 734 |
| 第9回 | 平成29年度 | 18,146 | 992 |
| 第10回 | 平成30年度 | 24,720 | 1,208 |
| 第11回 | 令和元年度 | 32,711 | 1,366 |
| 第12回 | 令和2年度 | 31,516 | 1,487 |
| 第13回 | 令和3年度 | 29,605 | 1,662 |
| 第14回 | 令和4年度 | 28,615 | 1,798 |
| 第15回 | 令和5年度 | 27,887 | 1,787 |
| 第16回 | 令和6年度 | 26,885 | 1,994 |
| 第17回 | 令和7年度 | 25,195 | 1,826 |
平成14年度から平成26年度まで12年間の空白があり、再開初回の平成26年度が突出している。法人番号データベースの職権閉鎖(1月一括)は2016年23,587・2017〜2024年8,304〜10,717・2025年59,565・2026年46,694で、2025年が平成26年度みなし解散の10年後にあたる。2026年1月の4万6,694社は、平成26年度の残り(7万8,979−5万9,565=1万9,414)と平成27年度分1万5,982社に、例年の通常分約1万社を足した数に近い。
| 事由 | 株式会社 | 有限会社 | 合同会社 | その他の設立登記法人 | 合資・合名 | 計 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 清算の結了等 | 25,138 | 16,368 | 4,895 | 4,478 | 399 | 51,278 |
| 合併による解散等 | 4,933 | 653 | 371 | 491 | 16 | 6,464 |
| 登記官による閉鎖 | 54,630 | 3,362 | 227 | 1,263 | 84 | 59,566 |
(その他の清算の結了等84件は外国会社・地方公共団体等)
| 年 | 株式会社 解散 | 株式会社 清算結了 | 株式会社 継続 | 有限会社 解散 | 有限会社 清算結了 | 合同会社 解散 | 合同会社 清算結了 | 株式会社 破産・民事再生の登記 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2015 | 17,726 | 14,558 | 1,221 | 19,170 | 15,802 | 1,844 | 1,345 | 9,898 |
| 2016 | 18,454 | 15,474 | 972 | 19,681 | 16,918 | 2,598 | 2,160 | 9,321 |
| 2017 | 18,559 | 16,130 | 1,023 | 19,065 | 16,787 | 2,431 | 2,103 | 9,465 |
| 2018 | 18,614 | 15,936 | 1,270 | 18,501 | 16,062 | 2,636 | 2,024 | 9,086 |
| 2019 | 19,618 | 16,581 | 1,527 | 18,470 | 16,141 | 3,113 | 2,533 | 9,224 |
| 2020 | 17,794 | 16,550 | 2,431 | 15,568 | 14,732 | 3,057 | 2,560 | 9,059 |
| 2021 | 18,065 | 16,650 | 2,150 | 15,194 | 13,878 | 3,288 | 2,784 | 7,599 |
| 2022 | 17,737 | 16,172 | 2,159 | 14,575 | 13,407 | 3,830 | 3,065 | 7,187 |
| 2023 | 20,743 | 18,182 | 2,124 | 17,546 | 14,961 | 4,636 | 3,819 | 9,324 |
| 2024 | 20,795 | 18,717 | 2,007 | 16,706 | 15,308 | 5,279 | 4,326 | 11,164 |
「破産・民事再生の登記」は開始・終結など1件の事件に複数の登記が立つ延べ数で、社数ではない。2024年の会社全体(第32表):解散43,216・合併による解散5,459・組織変更による解散1,815・清算人に関する登記47,956・特別清算に関する登記676・清算の結了38,775・会社の継続2,142・破産又は民事再生に関する登記15,531。
雇用保険 適用事業所(厚労省 第17表(1)・年度計):新規成立/消滅=平成27年度 109,202/79,873、令和2年度 116,305/74,125、令和4年度 91,397/76,646、令和5年度 92,601/92,718、令和6年度 89,215/89,069。年度平均の適用事業所数は令和6年度 2,376,960。
雇用保険事業年報 令和6年度 第7表相当(産業大分類別 適用事業所の状況)。「廃止」は保険関係の消滅で、事業所単位。廃止率=廃止÷月末適用事業所数。
| 産業 | 新規適用 | 廃止 | 月末適用事業所数 | 廃止率 |
|---|---|---|---|---|
| 農業・林業 | 1,827 | 999 | 31,679 | 3.2% |
| 漁業 | 178 | 127 | 4,137 | 3.1% |
| 鉱業・採石業 | 14 | 59 | 2,067 | 2.9% |
| 建設業 | 16,661 | 17,190 | 435,468 | 3.9% |
| 製造業 | 3,556 | 8,374 | 256,763 | 3.3% |
| 電気・ガス・水道 | 87 | 91 | 2,690 | 3.4% |
| 情報通信業 | 3,478 | 2,957 | 69,490 | 4.3% |
| 運輸業・郵便業 | 2,000 | 2,342 | 80,044 | 2.9% |
| 卸売業・小売業 | 12,354 | 15,383 | 377,836 | 4.1% |
| 金融業・保険業 | 539 | 733 | 24,919 | 2.9% |
| 不動産業・物品賃貸業 | 3,476 | 2,469 | 68,908 | 3.6% |
| 学術研究・専門技術サービス | 7,988 | 6,885 | 174,159 | 4.0% |
| 宿泊業・飲食サービス業 | 10,567 | 9,097 | 157,992 | 5.8% |
| 生活関連サービス・娯楽業 | 6,016 | 5,485 | 111,635 | 4.9% |
| 教育・学習支援業 | 1,500 | 1,267 | 40,811 | 3.1% |
| 医療・福祉 | 10,804 | 8,052 | 282,076 | 2.9% |
| 複合サービス事業 | 142 | 304 | 33,621 | 0.9% |
| サービス業(他に分類されないもの) | 7,535 | 6,727 | 204,846 | 3.3% |
| 公務 | 186 | 277 | 12,830 | 2.2% |
| 分類不能 | 307 | 251 | 4,991 | 5.0% |
製造業(新規3,556・廃止8,374)と卸売・小売業(12,354・15,383)は廃止が新規を大きく上回り、医療・福祉(10,804・8,052)と情報通信(3,478・2,957)は新規が上回る。廃止率が最も高いのは宿泊・飲食の5.8%。
年度計(第17表(1)):新規成立/消滅=平成27年度 109,202/79,873、28年度 119,780/75,307、29年度 121,363/76,330、30年度 98,508/77,539、令和元年度 95,846/77,418、2年度 116,305/74,125、3年度 101,485/72,374、4年度 91,397/76,646、5年度 92,601/92,718、6年度 89,215/89,069。令和5年度から消滅が新規成立に並んだ。年度平均の適用事業所数は平成27年度 2,125,382 → 令和6年度 2,376,960。
同社「全国企業『休廃業・解散』動向調査(2025年)」(2026年1月9日)より。定義は「倒産(法的整理)を除き、特段の手続きを取らずに企業活動が停止した状態を確認(休廃業)、もしくは商業登記等で解散(みなし解散を除く)を確認した企業」。個人事業主を含む。
| 指標 | 2025年 | 2024年 |
|---|---|---|
| 休廃業・解散件数 | 67,949 | 69,019 |
| 休廃業・解散率(前年12月時点企業数比) | 4.58% | 4.70% |
| 対倒産(法的整理)倍率 | 6.60〜 | 6.97 |
| 雇用者数(正社員・累計) | 93,272人 | 87,003人 |
| 消失した売上高 | 2兆4,909億円 | 2兆9,493億円 |
| 資産超過型の割合 | 63.4% | ― |
| 直前期 黒字の割合 | 49.1%(2020年57.1%をピークに5年連続低下) | ― |
| 資産超過かつ黒字 | 15.2% | ― |
| 代表者の平均年齢 | 71.5歳(ピーク76歳) | 71.3歳(75歳) |
| 代表者 70代以上/60代以上/80代以上 | 63.7%/84.1%/24.4% | ―/―/23.7% |
| 資本金 100〜1,000万円未満/100万円未満 | 44.7%/8.8% | 43.9%/― |
業種別(2025年/前年比):建設業 8,217(+0.7%)・サービス業 8,165(+7.0%)・小売業 4,145(+2.2%)・卸売業 3,696(+4.5%)・製造業 3,310(+6.0%・過去10年で最多)・不動産業 1,913(+2.5%)・運輸・通信業 715(+1.7%・過去10年で最多)。都道府県:東京都 15,804・大阪府 4,411・神奈川県 4,117・愛知県 3,946(1,000件超は18都道府県)。
第109表 再生既済事件数(事件の種類及び終局区分別・全地方裁判所)
| 年 | 種類 | 総数 | 再生手続廃止 | 再生計画不認可 | 再生手続終結 | 棄却・却下 | 取下げ | その他 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 令和6年 | 再生(通常) | 105 | 25 | ― | 69 | 4 | 5 | 2 |
| 令和7年 | 再生(通常) | 102 | 10 | ― | 83 | 7 | 2 | ― |
| 令和6年 | 小規模個人再生 | 9,312 | 202 | 25 | 8,657 | 24 | 367 | 37 |
| 令和7年 | 小規模個人再生 | 10,347 | 258 | 24 | 9,585 | 20 | 405 | 55 |
| 令和6年 | 給与所得者等再生 | 644 | 6 | 7 | 582 | 3 | 44 | 2 |
| 令和7年 | 給与所得者等再生 | 616 | 6 | 1 | 557 | 5 | 41 | 6 |
第110表 会社更生既済事件数:令和6年 総数20(開始決定前の終局6・開始後14=更生手続終結14)、令和7年 総数16(開始後16=廃止1・終結15、うち更生計画遂行3・遂行確実その他6・遂行確実6)。第111表 未済(令和7年末)9件、第112表 終結決定の審理期間は1年以内9件・3年以内5件・5年超1件。
再生事件の既済1万1,065件(令和7年)のうち法人が主な「再生」は102件で、残りは個人の小規模個人再生・給与所得者等再生である。
現存法人(2026年4月30日時点・閉鎖日なし)4,942,530社の内訳:株式会社 2,464,630/有限会社 1,417,919/その他の設立登記法人(一般社団・財団、医療法人、協同組合、NPO等)514,292/合同会社 401,043/合資会社 84,549/その他 18,628/合名会社 17,492/外国会社等 15,884/地方公共団体 7,245/国の機関 848。
法人番号の新規指定(指定日の年別):2016年 129,461/2017年 131,965/2018年 127,460/2019年 129,148/2020年 128,998/2021年 142,959/2022年 140,240/2023年 154,075/2024年 150,540/2025年 155,402/2026年(4月末まで)49,079。登記統計の会社の設立(株式・有限・合同)2024年 140,445 との差は、会社以外の法人と外国会社等。
2026年1〜4月の閉鎖:清算結了 14,794/合併 2,295/職権閉鎖 46,695/その他 1。職権閉鎖の登録日は2025年が1月22日〜31日(最多は23日の14,386)、2026年が1月15日〜28日(最多は27日の16,107)、2024年が1月(8,303)で、いずれも1月の一括処理。
別稿の破産法人マスタ(法人番号あり12,471社)との突合:官報AIで「廃止」が確認できた3,427社のうち閉鎖済み2,375社(全件コード01)・未閉鎖1,052社。「終結」921社のうち閉鎖済み636社・未閉鎖286社。官報AIで結末が「未了」の4,659社のうち916社は法人番号側で既に閉鎖されていた(官報AIの収録漏れか、掲載前の閉鎖)。廃止決定日から閉鎖日までの中央値21日、終結は−9日(終結公告より閉鎖登記が先に載る)。2025年に清算結了コードで閉鎖された51,278社のうち、この破産マスタに載っている社は3,526社(株式会社2,518・有限会社743・合同会社223・その他42)。
いずれも e-Gov 法令検索の法令データ(会社法 417AC0000000086・商業登記規則 339M50000010023・破産法 416AC0000000075)から引用。
<a href="https://jfsc.jp/research/company-closure-paths-japan/">倒産と破産と自主廃業は、違う ── 会社の終わり方を、法人番号と官報で数えた|株式会社日本財務戦略センター</a>文章での出典表記:株式会社日本財務戦略センター「倒産と破産と自主廃業は、違う ── 会社の終わり方を、法人番号と官報で数えた」(2026年9月8日) https://jfsc.jp/research/company-closure-paths-japan/本稿は公開資料の集計であり、個別の会社に関する判断を含まない。数値の誤りにお気づきの点があれば、ご指摘いただきたい。
本稿は公開情報(国税庁法人番号公表サイト・司法統計年報・東京商工リサーチと帝国データバンクの公表資料・法務省の公表資料・官報)を機械的に集計したものであり、個別の案件に対する助言ではありません。個社名・管財人名は掲載していません。数値の誤り・解釈の誤りにお気づきの点があれば、ご指摘いただけますと幸いです。